離乳食完了期に市販おせちはOK?安心して食べられるレシピ10
お正月は、家族や親戚とお屠蘇を飲んでおせちを食べて…絆を深められる瞬間ですよね。でも、お屠蘇も市販おせちも離乳食完了期の子供にはNG。お正月だからと気が大きくなって食べさせたしまう大人もいますが、正月早々お腹をこわすことのないようにしたいものです。
「子供だけど、おせち料理が食べたい!」そんな、子供の気持ちに応えたいママに、 離乳食後期を経て離乳食完了期となった子供が食べられるおせちレシピと、飾り切り、市販おせちやお屠蘇についてご紹介します。家族や親戚とおせち料理を囲む幸せな瞬間を、子供にも味合わせてあげられるように、腕を振るってみませんか?
離乳食完了期の初正月おせちレシピその1
子供は大人と同じものを食べたがりますが、離乳食完了期に大人用のおせち料理では、どうしても味が濃くなってしまいます。また、おせち料理に使われる食材は子供向きではないため、食べさせることで「おせち嫌い」になってしまう子供もいます。
けれど、おせち料理に使われる食材には、お正月ならではの意味合いが込められていて、子供にもぜひ食べて欲しいですよね。そこで、離乳食完了期でもおせち料理に使われる食材が美味しく食べられる、魔法のような調理法やレシピを試してみたいと思いませんか。食材本来の味を生かしながら、食べやすく工夫されたおせちレシピで、家族みんなでお正月を楽しみましょう。
1お餅風れんこん
れんこんには、穴が空いていることから、「遠くまで見通せるように」と先見性のある一年を祈願するという意味があります。また、れんこんは種が多いことから、「多産」の意味もあり、縁起物としても知られているので、お正月にぴったりの食材なのです。
大人はお煮しめなどで食べるれんこんですが、子供には不人気ですよね。そこで、れんこんをお餅風にしたレシピはどうでしょう。
お餅風れんこんレシピ
材料:れんこん中1個、酢適量、卵1個、のり適量、片栗粉大さじ2、油適量
- れんこんの皮を剥いて酢水に30分程さらしておく(灰汁を抜く)
- れんこんをすりおろす(このときに出る水分は除いておく)
- 2に、卵と片栗粉を混ぜ合わせる
- 3を一口サイズの円形にして焼きく
- 両面焦げ目が付いたら、細い紐状に切った海苔を巻いてできあがり♪
れんこんのでんぷん資質で少しモチモチするので、喉に詰まらせないようママの監視のもと食べさせるようにしてください。離乳食完了期の子供には、手づかみで食べさせた方が喜ぶかもしれませんね。大人は照り焼きにしても良いですが、卵とれんこん本来の甘味で、味付けをしなくても美味しく食べられますよ。
2枝豆串刺し
豆には、本来「丈夫」「健康」などの意味があり、「まめに働く」との語呂合わせから、おせち料理にぴったりの食材です。大人の場合は黒豆を食べますが、美味しく食べるには甘く煮つけないといけないため、どうしても味が濃くなってしまいます。子供には枝豆で代用してみてはどうでしょうか。
枝豆は、大人が食べるよりは塩を少なめにして茹でましょう。茹でたら食べやすいように実を取り出し、串刺しにします。緑色が、おせち料理をより一層彩り良くするし、串刺しにかわいいピックを使うと、見た目も楽しいですね。食べる時は、ピックが口の中に刺さらないように、噛まずに喉に詰まらせない様に、ママが見守ってくださいね。
3伊達巻
伊達巻も、おせち料理には欠かせません。伊達巻の発祥は長崎県で、江戸時代に伝わった「カステラ蒲鉾」が、「伊達者(シャレ者)」の着物に煮ていたことから「伊達巻」と呼ばれるようになりました。また。昔は大事な文書や絵を巻物にしていたことから、「大事なものを蓄えて繁栄するように」「巻物(本)をたくさん持つことで子供が賢くなるように」という意味が込められ、おせち料理には巻いている料理が多いとも言われています。
伊達巻を家で作るためには、はんぺんを使うことが多いのですが、はんぺんにも添加物や保存料が入っています。それに、はんぺんを調理するには、ミキサーやフードプロセッサーを使用しないといけないので、手間もかかります。子供が安心して食べられるように、かつ手軽に作れるように、ここでは、はんぺんを使わない、離乳食完了期でも安心して食べられる伊達巻レシピを紹介しましょう。
離乳食完了期の伊達巻レシピ
材料:卵1個、生パン粉1/3カップ、砂糖小さじ1/2、水大さじ1アルミホイル
- 卵を割りほぐし、生パン粉、砂糖を入れてよく混ぜる
- さらに、水を加えて混ぜる
- 卵焼き用のフライパンで、生地が1cmくらいの厚さになるように焼く
- 裏返して、両面焦げ目がつくように焼く
- 熱いうちに、4をアルミホイルに横長に置いて、ゆっくり巻く
- 5を巻いたままの状態になるように、輪ゴムなどで止めて15分以上置く
- 6を2cm幅に切って、断面が見えるように盛り付けると、できあがり!
4芋きんとん
きんとんは黄金色に輝く財宝に例えられており、豊かな一年を祈願するという意味が込められています。通常は栗きんとんですが、子供用にはさつまいもやかぼちゃを使ってみてはどうでしょう。さつまいもなら特別に味付けをしなくても、素材本来の甘味で美味しく食べられますよね。
芋きんとんのレシピ
材料:さつまいも適量、りんご適量、ラップ
- さつまいもを、皮を剥いて乱切りにし、柔らかくなるまで茹でる
- 1のさつまいもに、細かく切ったりんごを加え、つぶしながら混ぜる
- 一口サイズの2をラップで包んで、上を絞るようにして形をつくる
5えびとジャガイモのミニチヂミ
魚介類をおせちに入れたいところですが、子供だと白身魚のタラか、ツナが良いと考えるママも多いでしょう。しかし、せっかくなので、おせちには欠かせない食材である、えびを使ってみましょう。えびには「長いひげを生やし、腰が曲がるまで長生きする」という願いが込められているのです。
ここでも、子供が食べやすいように手づかみレシピにしてみました。チヂミ風の生地に、えびをメインにして、ジャガイモを入れると、エビのプリプリした食感とジャガイモのシャキシャキとした食感がコラボして、味付けしなくても飽きずに食べられますよ。大人はポン酢にキムチを混ぜたたれで食べると酒の肴にぴったりです。
えびとジャガイモのミニチヂミのレシピ
材料:えび小5尾、ジャガイモ小1個、小麦粉70g、片栗粉大さじ2、水130cc、油適量
- エビの皮や背ワタ、尻尾を除いておく
- ジャガイモは細切りに切って水に浸しておく
- 小麦粉と片栗粉、水を混ぜて生地をつくる
- 3に1のエビとザルにあげた2のジャガイモを加え、混ぜ合わせる
- フライパンに油をしいて、両面を焼くとできあがり
- ※ミニチジミが5枚くらいできます!食べ過ぎに注意しましょう
海老は食物アレルギーが出やすい食べ物のため、まだエビを食べたことがないお子さんの場合は、エビではなく鯛(タイ)で代用しましょう。鯛のお刺身を使っても、美味しく作れますよ♪鯛も「めでたい」という語呂合わせから、おめでたい行事に用いられるお正月向けの食材です。
6蒲鉾飾り切り
蒲鉾は、「日の出」を象徴するもので、元旦には欠かせない食材なのです。また、紅と白で縁起が良く、紅は「めでたさ、慶び」を表し、白は「神聖」を表しています。同じ紅白のメニューとしては、大根とにんじんを使った「紅白なます」もありますが、酢の味付けが子供には不人気なので、蒲鉾にしても良いですね。
ただし、蒲鉾は塩分も濃く、離乳食完了期後半からの使用が望ましい食材です。飾り切りをする前に、茹でて塩抜きをしましょう。また、原材料を確認し、添加物不使用の物を購入するとよいでしょう。
蒲鉾は年末になるとスーパーにもいろいろな種類が並びます。市販のものを飾り切りにして、それぞれの家庭の個性を出すママも少なくありません。そこでこの機会に、ママの腕の見せ所として、子供の興味を惹き、喜んでくれるような飾り切りマスターしておくと良いですよ。
簡単!蒲鉾の飾り切り~かたつむり~
材料:焼きパスタ、紅白蒲鉾
- 1センチ幅に切った蒲鉾を縦半分に切り、扇の形になるようにします
- 1の山になっている部分を、ピンク色に添って切ります
- 切った部分をクルクルと丸め、オーブントースターでカリカリに焼いた焼きパスタで止めます
- かたつむりの前になる部分の蒲鉾を、形を整えるように切り落とし、焼いたパスタを2本刺して、カタツムリの角(つの)を作ります
離乳食完了期の初正月おせちレシピその2
1ツナと卵の細巻
離乳食完了期になり、手掴みで食べることに興味を持つようになった赤ちゃんに、おすすめのレシピです。お粥もそろそろ卒業して、軟飯を食べられるようになった赤ちゃん向けにちょうどよいですね。海苔の黒には「邪除け」の意味がありますので、お正月のおせちにピッタリ!
具材は、ツナ・卵の他にもきゅうりやほうれん草などいろどりの良いものを加えてあげると、おせち料理のプレートがより一層華やかになります。ツナは、油漬けではなく水煮やスープ煮のものを使用しましょう。
ツナと卵の細巻のレシピ
材料:ツナ缶、卵1個、焼き海苔1枚、軟飯
- ツナは、熱湯をかけて油抜きをしておく
- 卵は細い卵焼きにする
- 焼き海苔1枚を半分に切る
- 巻き簾(まきす)の上に焼き海苔を乗せ、軟飯を手前から2/3程度まで乗せる
- 軟飯の真ん中に具材を乗せて、手前から巻いていく
- 食べやすい大きさに切る
2さつまいも&里芋の茶巾黒豆のせ
栗きんとんの、別バージョンです!茶巾の食材として、かぼちゃを使用してもよいでしょう。さつまいもと里芋は、下ごしらえして冷凍ストックしているものを使用すれば、短時間で作ることができます。大人向けのおせち料理の準備もあって忙しいママにとっては、手軽で見栄えがする嬉しいレシピです。
大人向けのおせち料理用に黒豆を煮る方は、味付け前の柔らかく煮た黒豆を茶巾の上にトッピングしてあげると、可愛らしい茶巾が完成します♪
さつまいも&里芋の茶巾黒豆のせのレシピ
材料:さつまいも、里芋、黒豆2粒、ラップ
- さつまいもと里芋は、皮をむき柔らかく茹でてつぶし、ラップで茶巾にする
- 黒豆は柔らかく煮て、薄皮をむいておく
- 茶巾の上に、黒豆をトッピングする
3ごぼうと人参の肉巻き
ごぼうと人参を芯にして牛肉で巻く八幡巻は、ご家庭でも手軽に作れるおせち料理の品として親しまれています。ごぼうは、細く長く地面に根を張る様子から「細く長く幸せに」という意味が込められ縁起のある食材とされているので、離乳食完了期向けのおせち料理にも取り入れたいですね。
赤ちゃん向けに作る時は、ごぼうと人参は、細く切りましょう。肉は、牛肉・豚肉どちらを使用する時にも、脂身の少ない部位を選びましょう。
ごぼうと人参の肉巻きのレシピ
材料:ごぼう5cm、人参5cm、豚肉1枚
- ごぼうは5cm程度長さの細切りにし水にさらしてアク抜きをしてから、柔らかく茹でる
- 人参も、ごぼうと同じ長さの細切りにして、柔らかく茹でる
- 豚肉は、脂肪の部分は取り除いておく
- 豚肉を広げ端にごぼうと人参を並べて巻いていく
- フライパンで焼き、食べやすい大きさに切る
4鯛の野菜あんかけ
赤ちゃんが日頃から食べなれていて、「めでたい」の語呂合わせで縁起がいい、白身魚タイと、色とりどりの野菜であんかけにすると、華やかなお料理になります。
大人向けのおせち料理で鯛を使用しない場合は、タラで作ってあげても美味しくできますね。大き目に切った野菜を食べられる子供には、人参をお花の形にしてあげると、とてもおせち料理らしく仕上がるでしょう。
味付けは、おせち料理らしく縁起の良い昆布だしを使いましょう。野菜は、お家の冷蔵庫に入っている野菜でOKです。
お正月前になると色鮮やかな「金時人参」がスーパーに並びます。いつも食べている人参より甘みが強く柔らかいので、この機会に離乳賞で食べさせてあげてみてはいかがですか。
鯛の野菜あんかけのレシピ
材料:鯛(タイ)20g程度、ブロッコリー少量、人参少量、昆布だし適量、水溶き片栗粉適量
- 下処理をした鯛を、食べやすい大きさに切り、昆布だしで煮て一度取り出す
- ブロッコリーは、食べやすい大きさに切り、柔らかく茹でる
- 人参は食べやすい大きさに切る
- 鯛を煮た昆布だしで、人参を柔らかくなるまで煮る
- 1の鯛と2のブロッコリーを4の鍋に戻し、水溶き片栗粉でとろみをつける
※鯛を一度鍋から出すことにより、煮崩れを防ぎます
5鶏とかぼちゃの団子
離乳期の赤ちゃんにお雑煮のお餅を食べさせるのは、のどに詰まらせてしまう恐れがあるためおすすめできません!そこで、鶏ミンチとかぼちゃで作る2色の可愛い団子で、おせちのお餅気分を堪能させてあげましょう♪食べやすい大きさの団子を、可愛いピックにさしてあげると、子供も食べやすく、食も進みます!他の野菜も加えて、3色団子にしても良いですね。
市販の鶏ミンチは、脂肪分が多くなりますので、ササミや胸肉を買ってきて自分でミンチにする方が、余分な脂肪分を取り除けるのでよいでしょう。鶏団子は、玉ねぎや人参など野菜をみじん切りにして加えると、栄養たっぷりの団子になります。鶏団子は、茹でても良いですが、一度に沢山作る時には、豆腐ではなく卵を入れて、オーブンで焼くのが簡単でおススメです。
鶏とかぼちゃの団子のレシピ
材料:鶏ミンチ大さじ1、絹ごし豆腐大さじ1、片栗粉少量、玉ねぎ少量、かぼちゃ
- ボールに絹ごし豆腐、鶏ミンチと玉ねぎ、片栗粉を加えて混ぜ、食べやすい大きさに丸める
- 1をお湯で茹でて加熱する
- かぼちゃは、皮をむき柔らかく茹でて、食べやすい大きさに丸める
※オーブンでの焼き時間は、鶏団子の量により調節してください
※一度にたくさん作り、冷凍保存すると便利です!鶏ミンチと豆腐が1:1の割合で、美味しく作れます
市販おせちはいつから?
最近では、主婦も年末年始をお休みしたいということから、市販おせち料理の人気も高まっています。しかし、市販のものはあくまで大人仕様に作られており、味は濃く、一つ一つの食材の大きさも子供には大きすぎて食べにくかったり、お餅やこんにゃくなどの喉に詰まりやすい食材も含まれていたりするのです。
また、市販おせちは長期保存が可能なように、保存料などの添加物も多く含まれることも否めません。一般的に、子供が大人と同じものを食べられるようになるのは2~3歳と言われており、大人と同じくらい消化器官が丈夫になるのは7~8歳だと言われています。
この年齢を考えると、離乳食を完了したからといって、大人と同じものを食べさせるのは考えものです。「せっかくのおせち料理だから」というママやパパの気持ちもわかりますが、初めてのお正月だからこそ、これからの子供の健やかな成長を祈って、身体に良いものを食べさせてみてはいかがですか?
お屠蘇(とそ)は少量ならOK?
お屠蘇は、おせち料理やお雑煮のように、お正月の祝い膳にはなくてはならないもので、元旦を祝うお酒のことです。お屠蘇は一見、お神酒と同じ清酒のようですが、実は、漢方薬を浸した、中国では不老長寿になれるとまで言われている邪気を祓う薬酒なのです。
けれど、いくらお屠蘇が薬酒とはいっても、お酒には変わりません。アルコールは少量でも子供にとっては良くないのです。けれど、お正月の高揚した気分から、子供にもこのお屠蘇を飲ませようとする大人もいます。「少量だから」「縁起物だから」の言葉に惑わされないようにしたいですね。
しかし、お正月の祝い膳を食べる形式では、「お屠蘇→祝い肴→おせち料理→お雑煮」となっていますので、「お屠蘇がなければ始まらない!」という人もいるかもしれません。そんな場合は、飲むふりだけしたり、ジュースで代用したりするようにしましょう。