離乳食にかぶはいつから?根・葉・茎を赤ちゃんに与える時期と調理のコツ
離乳食にカブ(蕪)を使おうと思ったママやパパはまず、どの離乳食段階に、根・葉・茎のどの部位が向いているかを知ることが大切です。
カブは「スズナ」と呼ばれ、春の七草の一つとしても古くから親しまれてきた野菜です。七草粥が胃腸にやさしいと言われるように、カブも消化が良く、離乳食にとても適した食材として知られています。特に根の部分は、大根に比べて組織がやわらかく、甘みがあるため、赤ちゃんが食べやすいのが特徴です。
ただし、部位によって繊維の量や苦味が異なるため、赤ちゃんの成長段階に合わせて与える時期を見極めることが大切です。子供が食べる七草粥の作り方を各家庭で工夫していることからも分かるように、部位によっては赤ちゃんにとって食べにくい場合があります。
離乳食にかぶの根・葉・茎はいつから?
- かぶの根(白い球体の部分)
離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)から与えることができます。皮の近くは繊維質が多いため、中心のやわらかい部分を与えましょう。
- かぶの葉(緑色の葉の部分)
アクによる苦味やえぐみがあるため、離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)からがおすすめです。初めは下茹でしてアク抜きを行い、すり潰したり細かく刻んだりして食べさせてください。
- かぶの茎(根と葉の間の部分)
食物繊維が多く、弾力があるため赤ちゃんには噛み切りにくい部位です。離乳食完了期(生後12~18ヶ月頃)からを目安に取り入れましょう。
カブの根は、大根に似ていますが、大根よりも短い加熱時間で簡単に軟らかく調理でき、味も甘いため、離乳食初期の食材として非常に優れています。
赤ちゃんが離乳食にかぶの葉や茎を嫌がる場合の対処法
赤ちゃんによっては、カブの葉や茎の風味や食感を嫌がることがあります。特に野菜の苦味や独特な風味に敏感な赤ちゃんには要注意です。せっかく手間をかけて離乳食を作っても、食べてもらえなければママやパパも悲しくなってしまいますね。
野菜嫌いで食べない赤ちゃんの離乳食にかぶの葉や茎を使う場合は、特に丁寧な下ごしらえで工夫が必要です。
カブの葉や茎にはシュウ酸が含まれているため、予め下茹でして水にさらし、しっかりとアク抜きをしてから使うようにしましょう。このひと手間を加えることで、苦みやえぐみが減るため、薄味の赤ちゃんにも食べやすくなります。また、他の甘みのある食材(カボチャ、サツマイモ、カブの根など)と一緒に調理し、風味をマスキングする方法も効果的です。
離乳食用の新鮮で食べやすいカブの選び方や2つの保存方法
離乳食でカブを美味しく食べてもらうためには、新鮮なカブを購入し、適切な方法で保存することが大切です。
カブは、葉がすぐに黄色くなり、根がシワシワになりやすい野菜です。離乳食向きの新鮮なカブを選び、正しい保存方法でできるだけ長く鮮度を保ちましょう。
新鮮なかぶの選び方!色・ハリ・重さをチェックして繊維質の少ないものを
離乳食にかぶを使う際は、新鮮さが特に重要です。カブは古くなると、根に白いスジのような繊維が入ってしまうため、鮮度が落ちると赤ちゃんには噛み切りにくく、食べにくくなります。
離乳食向きの新鮮なかぶを見分けるポイントは、まず「葉」です。葉の緑色が鮮やかでシャキッとしているものは、水分が豊富で新鮮なかぶです。
次に「根」の部分ですが、艶やかな白色をしていて、表面に傷がなく、手に持った時にずっしりと重みが感じられるものを選びましょう。根の表面の白さがくすんでいたり、ひび割れがあったりするものは避けてください。
- 葉が鮮やかな緑色でシャキッとしている
- 根はみずみずしく、艶やかな白で、ひび割れがない
- 手に持つとずっしり重い
カブの旬は冬ですが、近年は一年中スーパーで見られます。そのため時期やお店によっては、店頭に並んでいるときから離乳食に不向きな、繊維が多くなったカブが売られていることもあります。
離乳食用にかぶを購入する際は必ず鮮度をチェックし、購入後はできるだけ早く調理して赤ちゃんに食べさせてあげましょう。
かぶの鮮度が落ちにくくなる保存方法!根と葉はすぐに切り分けて
離乳食用のかぶを購入したら、すぐに葉の部分を根元から切り落すようにしましょう。このひと手間で鮮度が格段に落ちにくくなります。
カブの根に葉をつけたまま保存すると、葉が根の水分や栄養をどんどん吸収してしまうため、根がしなびてスジが入りやすくなってしまうのです。
切り分けた根と葉は別々にラップで包むか、ビニール袋に入れ、密封して冷蔵庫の野菜室で保存します。カブの葉の部分は特に鮮度が落ちやすいので、2日を目安に使い切るようにしましょう。
離乳食用のかぶの冷凍保存の方法!下茹でして小分け冷凍が便利
離乳食では新鮮なかぶを赤ちゃんに食べさせてあげたいのですが、特にママとパパ、赤ちゃんの3人家庭では、買って来た束のカブを短期間で全部使い切るのは大変です。
でも、安心してください。カブは葉も根も茎も全て、下茹でしてしまえば冷凍保存が可能な野菜なのです。すぐに食べきれない場合は、離乳食用に下ごしらえしてすぐに冷凍してしまいましょう。
新鮮なうちに冷凍して保存してしまえば、お粥などの調理の際にお鍋に入れるだけで手早く野菜をプラスできるので、時短調理にも繋がり、とっても便利です。
- 離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)
かぶの根を柔らかく茹で、すり潰してペースト状にしたものを製氷皿などで小分けにして冷凍保存します。 - 離乳食中期以降(生後7ヶ月頃~)
かぶの葉は、中期のスタートしたての頃は茹でてペースト状にしてから冷凍保存し、その後は月齢に合う大きさにカット(みじん切りなど)して冷凍します。根も同様に、月齢に合う大きさにカットしてから冷凍しましょう。
離乳食用のかぶの下ごしらえの方法!鍋と電子レンジの調理法
離乳食でカブを使う時の下ごしらえの方法には、鍋で茹でる方法と電子レンジで加熱する2つの調理法があります。どちらも知っていると、調理の幅が広がり便利です。
離乳食作りは、食材の調理の仕方の基本をしっかり身に着ける良い機会です。食材ごとの下ごしらえの方法など調理のコツをマスターしておくと、これから先の料理にもとっても役に立ちます。
かぶの根を鍋で下ごしらえする方法とアク抜きの重要性
離乳食ではカブの根の皮を厚めにむきましょう。根の皮の周りは繊維質が多く、固くなっているため、離乳食では赤ちゃんが噛み切れない原因になります。皮をむいたカブの根は、しばらく水に浸けてアク抜きをすると、風味がおさえられて食べやすくなります。
カブを茹でる時は水から入れます。初めは強火で加熱し、煮立ってきたら火を弱め、アクをすくいながら柔らかくなるまで茹でてください。茹でる時に米のとぎ汁を使うと、よりアクが抜けて美味しく仕上がると言われています。
- かぶの皮を厚めにむく
- しばらく水につけてアク抜きする
- 水から強火で茹でる
- 沸騰したら火力を弱めてアクをすくいとる
レンジ調理によるカブの下ごしらえと時短・栄養価のメリット
離乳食用のかぶの下ごしらえに電子レンジを活用すると、栄養価が落ちにくく、より短時間でカブの甘みが引き立ち美味しく仕上がります。特に忙しい日の離乳食作りにおすすめの時短調理法です。
電子レンジ調理は、赤ちゃんの離乳食だけでなく、ママとパパのカブ料理の際にも、下ごしらえに取り入れてみてください。
- カブの皮を剥き、月齢に合わせた大きさにカットする(初期なら小さめのサイコロ状など)
- 耐熱容器にカブと少量の水(大さじ1~2程度)を入れる
- ふんわりとラップをかけ、電子レンジで加熱する。(目安は、600Wで1分~2分程度)
- 取り出してカブの硬さを確認する。
※電子レンジの機種やカブの大きさにより加熱時間は異なります。硬い場合は10秒ずつプラスしながら加熱し、赤ちゃんが食べられる柔らかさ(初期なら指で簡単につぶせる硬さ)になるまで調整してください。
離乳食のかぶレシピ!初期・中期・後期・完了期のおすすめ10選
離乳食の段階別にかぶを使ったレシピをご紹介します。カブの根は葉や茎に比べて味が控えめで甘みがあるため、色々な食材に合わせることができます。
カブは短い加熱時間で柔らかくなりますので、新鮮なカブが安く手に入る時にまとめて購入し、茹で冷凍保存しておけば、毎日の離乳食に彩りと栄養をプラスすることができます。
かぶをつかった離乳食初期(5~6ヶ月頃)おすすめレシピ
離乳食初期には、栄養たっぷりのかぶの根が大活躍してくれます。すり潰したカブをお粥に入れてあげるだけでも、お粥に自然な甘みがプラスされて赤ちゃんにも美味しく感じられるでしょう。
まずは離乳食初期に食べられるおすすめ野菜の人参や離乳食のたんぱく源となる高野豆腐と、カブを合わせたレシピからご紹介します。
かぶと人参のトロトロ煮のレシピ
材料:かぶの根、人参、だし汁
- かぶの皮を厚めに剥き、柔らかく茹でて裏ごしやすり潰しでなめらかなペーストにする
- 人参の皮を剥き、柔らかく茹でて裏ごしやすり潰しでペーストにする
- だし汁に1と2を加えてのばし、ポタージュスープのような滑らかさにする
※カブだけだと色合いが寂しいですが、赤い人参を加えることで彩りも良くなり、美味しそうな離乳食になります。だし汁は、昆布だしや野菜スープを使うと風味豊かになります。
かぶとすりおろし高野豆腐のトロトロのレシピ
材料:かぶ、高野豆腐、だし汁
- かぶは皮を厚めに剥いてサイコロ状に切り、柔らかく茹でてから裏ごしでなめらかに潰す
- 高野豆腐は乾燥した状態のまま、おろし金ですりおろすか、フードプロセッサーで細かくする
- 1、2を鍋に入れて、だし汁を加えて中火で煮る
- 高野豆腐がだしを吸って膨らみ、全体にとろみがついたら完成です
※カブと高野豆腐の量は2:1程度を目安にしてください。離乳食の進行状況に合わせて、カブのつぶし具合やだし汁の量を変えましょう。
かぶをつかった離乳食中期(7~8ヶ月頃)おすすめレシピ
離乳食中期からは、カブの葉を離乳食に使えるようになりますので、緑黄色野菜のひとつとして積極的に利用しましょう。この時期は食材の形状をペーストからみじん切りへと変えていく練習期間です。
離乳食中期に食べられるようになる鶏のささみや、ペーストにせず与えられるそうめんなど、カブと合わせたレシピをご紹介しますので、彩りを意識して葉も使ってみましょう。
かぶのライスポタージュのレシピ
材料:かぶ 1/2個、かぶの葉 少量、鶏のささみ肉 1/4本、玉ねぎ 1/8個、炊いたご飯 大さじ1杯、粉ミルク
- かぶと玉ねぎは5mm程度のサイコロ状に切り、かぶの葉は柔らかい葉先だけを切り取る
- 1と鶏のささみ肉、ごはんを鍋に入れ、ひたひたの水で、中火で煮る
- 全体に火が通り、かぶが柔らかくなったらささみ肉と葉を取り出す
- 粉ミルクを少量加え、ミキサーでなめらかになるまで撹拌する
- かぶの葉は細かくきざんでからすりつぶし、ポタージュの彩りに添えたら完成です。
※このレシピは中期後半の舌で潰せる固さに慣れてきた赤ちゃんに適しています。ささみ肉は細かく刻んでも美味しくいただけます。
かぶの葉と豆腐のだし煮のレシピ
材料:かぶの葉、絹ごし豆腐、昆布だし、水溶き片栗粉
- かぶの葉を下茹でしてアク抜きし、なめらかにすり潰すか、ごく細かく刻む
- 豆腐を食べやすい大きさ(5mm角程度)に切る
- お鍋に昆布だしを入れて火にかけ、1のかぶの葉と2の豆腐を加えて煮る
- 最後に水溶き片栗粉でとろみをつけ、飲み込みやすくする
※離乳食中期で豆腐を使う時は、柔らかくて舌触りがよい絹ごし豆腐を使用しましょう。とろみをつけることで、赤ちゃんがスムーズに飲み込めるようになります。
かぶとそうめんのトロトロ煮のレシピ
材料:かぶ 1/2個、かぶの葉 少量、そうめん 50g、だし汁 50ml
- そうめんは熱湯でゆでてから水洗いし、5mm~1cm程度の長さにきざむ
- 皮を剥いたかぶはサイコロ状に切り、葉は細かくきざむ
- 鍋に2とだし汁を入れて中火にかけ、火が通ったら1を入れてひと煮立ちさせれば、完成です。
※離乳食用の塩分不使用のベビーそうめんを使う場合は、乾燥した状態のまま1cm程度に手で折り、3の状態に加えて火を通せば調理が簡単で時短になります。
かぶをつかった離乳食後期(9~11ヶ月頃)おすすめレシピ
離乳食後期になると、カブの根をみじん切りにしなくても、粗みじんや角切りで食べることができるようになります。手づかみ食べの練習にも使える煮込み料理に活用してみましょう。
カブの風味が苦手な赤ちゃんには、離乳食人気の高いツナ缶を組み合わせたカブのレシピがおすすめです。ツナの風味でカブが食べやすくなります。
かぶのそぼろ煮のレシピ
材料:かぶ 1/4個、かぶの葉 少量、鶏のひき肉 大さじ1杯程度、だし汁 50ml、片栗粉少々
- かぶは皮を剥いて5mm~8mm程度のサイコロ状に切り、葉は細かくきざむ
- 鍋に1、鶏のひき肉、だし汁を入れてかき回し、ひき肉がほぐれたら中火にかけて火を通す
- 全体的に火が通ったら水溶き片栗粉を回しかけ、とろみがついたら完成
※少量だけ調理をする場合は、耐熱ボウルに入れて電子レンジで加熱調理をすると簡単で時短になります。鶏ひき肉はタンパク質が豊富で離乳食後期におすすめの食材です。
かぶとツナのクリーム煮のレシピ
材料:かぶの根、ツナ水煮缶、牛乳(または粉ミルク)、野菜スープ
- かぶを下茹でし、4~5mm程度の角切りにする
- ツナをザルにあげ、熱湯をかけて塩分と油分をしっかり水切りする
- お鍋に野菜スープを入れて火にかけ、かぶとツナを加えて煮る
- 最後に牛乳(または水で溶いた粉ミルク)を加えて、味をなじませる
※ツナ缶を使う際は、水煮のものを選び、必ず塩分や油分をしっかり取り除くようにしましょう。ミルクの風味でカブのクセが和らぎます。
かぶをつかった離乳食完了期(12~18ヶ月頃)おすすめレシピ
離乳食完了期になると、大人からの取り分けが色々な料理で使えるようになります。カブは煮物や味噌汁、スープなどの具材として冬場に大活躍してくれる野菜なので、味付けを濃くする前の煮物やお味噌汁を赤ちゃんの離乳食として利用してみましょう。
チーズフォンデュ風かぶスティックのレシピ(手づかみ食べ)
材料:かぶ 1/2個、スライスチーズ 1/4枚(プロセスチーズは避ける)、牛乳 少量
- かぶは皮を剥き、太めのスティック状に切ってゆでる
- 耐熱容器にスライスチーズと牛乳を少々入れてレンジで加熱し、滑らかなディップ状になるまでかき混ぜる
- 粗熱をとったかぶのスティックに、ディップを添えたら完成です
※幼児が自分の手で持てるように、カブは柔らかく煮すぎないのがポイントです。チーズはナチュラルチーズを選ぶか、離乳食用のベビーチーズを利用しましょう。
かぶと人参の炊き込みご飯のレシピ(軟飯)
材料:かぶ 1個、かぶの葉 少量、人参 適量、米 1合、昆布 5cm長程度、しょうゆ 少々
- かぶは皮を剥いて5mm程度のサイコロ状に、葉は細かくきざみ、人参はみじん切りにする
- 砥いで吸水させた米と昆布、水と1を炊飯器に入れ、しょうゆ少々で風味をつける
- 通常の炊飯モードで炊く
- 炊き上がったらかぶをしゃもじでつぶすように混ぜて、お茶碗に盛れば完成
※離乳食の進行状況や好みに応じで水分量を変えて、柔らかめの軟飯に炊いてください。昆布の旨味で薄味でも美味しくいただけます。
かぶと根菜の味噌汁のレシピ(取り分け)
材料:かぶの根と葉、人参、里芋、サツマイモ、だし汁、味噌(少量)
- かぶの根は厚めに皮を剥き、食べやすい大きさに切る
- かぶの葉は下茹でして、細かく刻む
- 人参、里芋、サツマイモは皮を剥き、食べやすい大きさに切る
- お鍋にだし汁を入れて加熱し、かぶの葉以外の野菜を入れて柔らかくなるまで煮る
- 大人用の味噌を入れる前に、赤ちゃんの分を取り分け、弱火にしてごく少量の味噌をいれ、最後にかぶの葉を加えて火を止める
※大人の食事から取り分ける際は、必ず薄味(味噌抜きまたは少量)の段階で取り分けましょう。根菜類は食物繊維が豊富で、咀嚼の練習に最適です。
離乳食のかぶを食べてくれない!好き嫌いへの対応
カブは軟らかくて甘みがあり食べやすい野菜ですが、残念ながら赤ちゃんによっては風味や舌ざわりに敏感に反応することがあります。その際は、昆布やカツオなどのだしを使うと風味が抑えられ、食べやすくなります。
ただし、意外と味よりも舌ざわりや食感が気になって食べない赤ちゃんが多いので、「好き嫌いをして食べてくれない」と思う時は、まず硬さや大きさ、形状を確認してみましょう。
初期は飲み込む練習の時期ですので、しっかりとすり潰して水分多めのポタージュスープ状に戻すと、上手に飲み込みやすくなります。
中期は1~5mmのみじん切りですが、少し小さめのみじん切りやすりおろしにして、ほろっと崩れるくらいの柔らかさまで調理すると、あっさり食べてくれることもあります。
カブは離乳食の色々なレシピに使える便利な野菜ですので、根だけでなく葉や茎も余すところなく使い切り、赤ちゃんの栄養補給に役立てましょう。


