【離乳食のみかん】与え方やアレルギー対策は?段階別レシピ
日本の冬といえば、こたつにみかんと言っても過言ではないほど。みかんは寒い冬に負けない元気な体を作ってくれる嬉しい果物ですので、離乳食にもぜひ摂り入れたいところですが、いざ与えるとなると、アレルギーや薄皮、農薬なども気になります。他にも、食べ過ぎやみかんの離乳食でよく使われる食材にも注意が必要です。
今回は、離乳食でみかんをいつから与えられるか、アレルギーや与え方、選び方への注意、みかんに含まれる栄養や食べる量など気になる点、そして段階別の離乳食レシピをご紹介します。作りやすいものから取り入れてみてください。
離乳食でみかんはいつから?アレルギー対策
みかんは、果汁であれば離乳食の初期から与えることができます。果肉は中期から与えるとよいのですが、薄皮はちょっと待って!与え方には段階別の注意が必要です。こちらではみかんの与え方や、アレルギー、ゼリーで食べる時の注意点についてご紹介します。
果肉や薄皮をそのまま与えるのはいつから?
みかんは加熱する必要なく赤ちゃんに与えられる果物です。赤ちゃんは雑菌への抵抗力がないので、離乳食でみかんを与える時は、清潔にした手で薄皮を剥いて与えましょう。薄皮を剥いた果肉をみじん切りしたりすると、赤ちゃんも食べやすくなります。
また、薄皮や白い筋には、食物繊維などの栄養が豊富に含まれていますが、赤ちゃんに与えるのは早すぎます。まだ消化力がそれほど発達していないので、赤ちゃんに与えると消化不良を起こしてしまうことがあります。早いママは後期から与えていますが、完了期あるいは幼児食から薄皮を与えるママが多いです。
ただし、赤ちゃんが「置いてあるもの勝手に食べちゃった~」と言うこともあります。その場合は、便で出てきますのであまり心配しなくても大丈夫です。
みかんやオレンジアレルギーに注意!
みかんにもアレルギーがあることをご存知ですか?柑橘類の中でもオレンジは特に、アレルギーが起こりやすいとされています。そのためオレンジは、厚生労働相の離乳支援ガイドでも食物アレルギーを引き起こしやすい食品として紹介されているんです。
離乳食支援ガイドにみかんについての注意書きがされているわけではありませんが、それでも離乳食初期には26.2%のママしか赤ちゃんにみかんを与えていません。ちなみに、中期51.8%→後期71.7%→完了期83.1%となっています。
ただし、離乳食支援ガイドには食物アレルギーが出やすい食材として、オレンジの他にもりんごやバナナが紹介されています。これは花粉症の赤ちゃんが果物アレルギーを起こしやすいためですが、りんごやバナナは初期から食べさせるママが多い食材です。家族に果物アレルギーがある等の心配になる要因がない場合は、アレルギーが起こりにくいように調理してから与え始めましょう。
離乳食でみかんを与える時は、加熱調理するとアレルギーが出にくくなりますよ!
みかんのアレルギーでは、口の中や口の周りが赤くなったり、口をかゆがったりする症状がみられることが多いです。この場合、口腔アレルギーが疑われますが、他にも赤ちゃんに下痢やおう吐などの症状が見られることもあります。
下痢やおう吐症状は、みかんアレルギーが原因とは一概に言えず、ビタミンCの過剰摂取による症状とも考えられるため、様子を見て症状が続くようでしたら小児科を受診しましょう。
みかんゼリーや寒天に注意
離乳食でみかんが食べられる月齢になると、早い段階からゼリーを与えるママもいますが、与える時期には十分な配慮が必要です。みかんゼリーの原材料であるゼラチンは、動物性タンパク質でアレルギーが出やすいと言われる食材。ゼラチンは完了期から少量ずつとしましょう。
それならば寒天!と、早くから寒天でゼリーを作って与えたくなるママも多いのですが、寒天も食物繊維が豊富で消化があまりよくありません。与えるとしても寒天は中期から。ごく緩めに固めて潰したジュレ状にし、少量から様子を見てスタートし、与え過ぎに気をつけましょう。
市販のみかんゼリーや寒天はいつから?
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赤ちゃんへのみかんの与え方
離乳食でみかんを赤ちゃんに与える際、酸味の強さからみかんを受け付けてくれない赤ちゃんもいます。大人だったら皮をむいてそのまま食べるみかんですが、「赤ちゃんにもそのまま」というわけにはいきません。せっかくの美味しいみかんの味を知ってもらうためにも、最初の与え方はとても大切なのです。
1初期は果汁からスタート
みかんは酸味が強く果糖が多いため、白湯で薄めてスプーンひと匙からスタートします。ただし、酸味に驚いて受け付けないことや、アレルギーの心配がありますので、まずはレンジでチンしてから白湯で薄めて風味に慣らすとよいでしょう。
レンジで30秒チンしてから冷ますと、みかんが甘くなりますよ!
2風味に慣れたら混ぜて与える
風味に慣れてきたら、果汁をヨーグルトやリンゴのすりおろしに混ぜたり、寒天に入れて緩く固めてから潰してジュレにしたりして与えると、赤ちゃんも食べやすくなります。離乳食中期ごろになり、風味に慣れたら薄皮を向いて粒にしたり小さく切ったりした果肉を寒天やヨーグルトなどに混ぜて与えます。
寒天は潰さずに与えると、のどに詰まらせてしまう恐れがありますので、離乳食の進み具合に合わせて硬さや形状を変えてあたえましょう。
3薄皮は離乳食が完了してから
みかんの薄皮は、離乳食が完了してから与えるご家庭が多いです。離乳期の乳幼児は、まだ消化力が充分ではないため、早すぎると薄皮を噛みきれずにのどに詰まらせたり、消化できずに下痢を引き起こしたりすることがあります。そのため、3歳頃まで薄皮を与えないご家庭もあります。
薄皮つきのみかんを与える場合は、早生みかんなど柔らかい薄皮のみかんを、薄皮付きのまま半分に切ってから、少量ずつ試してみるとよいでしょう。
離乳食用のみかんの選び方
現在は品種改良が進んでいて、「○○カン」「○○ポン」といった種類のみかんなど、地域によっても種類も豊富。国産みかんだけでなく、輸入品の柑橘系も種類が豊富で、「離乳食にぴったりなみかんがどれなのか分からない…。」ということもあります。こちらでは、離乳食で与えるのに最適なみかんの選び方や、気を付けたい輸入品についてご紹介します。
初めは国産温州みかん
赤ちゃんに離乳食で与え始める時、まずは国産の「温州みかん」を選びましょう。秋口から冬にかけてスーパーでよく見かけ、冬みかんとしても親しまれている「有田みかん」「愛媛みかん」「味ピカ」「早生みかん」などは、全て温州みかんです。赤ちゃんの口に入る食べ物ですので、国産の安心できるものを選びましょう。
また、みかんが食べられるようになったからと言って、すぐにその他のオレンジやグレープフルーツが食べられるようになるわけではありません。酸味や苦味があるようなものは赤ちゃんが食べてくれないことも。様子を見ながら少しずついろんな種類のみかんを試してみましょう。
輸入品は農薬に注意!
みかんをはじめ柑橘類はカビやすいです。箱に入れたままにしておくと、知らず知らずのうちに底の方から青いカビが…。そのため、船荷で長期間かけて運ばれてくるような輸入品の柑橘系の中には、ポストハーベスト農薬の「オルトフェニールフェノール(OPP)」「TBZ」「イマザリル」といった防カビ剤が使われているものが多く、店頭でも表示されています。
この農薬は、アレルギーと深くかかわりがあることが指摘されています。スーパーで売られているオレンジやグレープフルーツといった輸入品の多くは、農薬の基準値を超えていないのですが、まれに防カビ剤が残留していることもあります。
離乳食で輸入オレンジなどを与える時は…
離乳食期はできるだけ国産の柑橘類を与えた方が安心ですが、輸入品を与える時は流水や食用重曹で洗ってから、手もしっかり洗って、それから皮をむいて与えましょう。
離乳食でみかんを食べさせるメリット
みかんは、ビタミン類やミネラル類がたっぷり含まれている果物。特に温州みかんは、そのまま手軽に食べられるので、定期的に栄養補給がしやすい便利な果物です。赤ちゃんにはどんな健康効果があるのでしょう。
1手軽にビタミンCが補給できる
離乳食は基本的に加熱してから与えます。そのため、熱に弱い栄養素は赤ちゃんが不足しがちになります。中でも、赤ちゃんの健康に直結する栄養素のビタミンCは、免疫力アップや粘膜の修復、保湿、など風邪予防や皮膚の健康への効果が高く、しっかり摂らせてあげたい栄養素。
ところが、ビタミンCは熱に弱いだけでなく、尿と一緒に体外に流れ出てしまう性質があるため、体内に蓄えられず、赤ちゃんがたまに食べるだけでは不足してしまい、風邪をひきやすくなったり、皮膚が荒れやすくなったりしてしまうのです。そのため、朝昼晩と少量ずつでも定期的にとらせたい栄養素。ですから、みかんで手軽にとれるなんて、嬉しいが限りです。
2便秘解消に役立つ
みかんには薄皮や白い筋の部分だけでなく、実の部分にも豊富な水溶性の食物繊維であるペクチンが含まれています。このペクチンは、腸内で善玉菌のエサになるので、腸内環境を整えてくれる働きをしてくれるので、便秘改善に役立ちます。
さつまいもやキノコなどの「食物繊維が豊富」と言われる野菜類には、食べ過ぎや水分不足により逆に便が硬くなり、便秘やガスの元となってしまう不溶性食物繊維が多く含まれています。
食物繊維のベストバランス
水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2
食物繊維が豊富な食材といえば「野菜」「いも」「根菜」「きのこ」「豆」と答える人が多いのですが、残念ながら水溶性食物繊維が不溶性食物繊維よりも多い野菜や穀物は非常に少なく、ママがどんなに野菜を積極的に食べさせても、バランスが不溶性食物繊維に偏り、赤ちゃんが便秘になってしまうことがあるのです。
赤ちゃんは離乳食が始まると、それまで乳酸菌でいっぱいだった腸内環境が変わってくるため便秘になりがちになりますが、実は食物繊維のバランスや水分不足も便秘の要因。「2~3日便が出てない」「食物繊維を食べさせているのに、なんで便秘になるの?」と思ったら、みかんを食べさせてみましょう。
離乳食でみかんを与える量
「厚生労働相の日本人の食事摂取基準」によると、赤ちゃんのビタミンC摂取目安は、1日40mg。ビタミンCは他の野菜にも含まれていますので、みかんで食べる量は1食25~30g程度にしておく方とよいでしょう。温州ミカンS玉1/2~2/3程度です。便秘解消に効果的なみかんですが、食べ過ぎると下痢をすることがありますので与える量には充分に気を付けましょう。
また、1歳を過ぎた完了期には、もう少し多く食べられるだろうと思うママが多いのですが、1~2歳の一日の推奨量はビタミンC35mgと赤ちゃんよりも少ないです。1歳を過ぎても、まだ消化力は不十分ですので、食べさせ過ぎないように気をつけましょう。
離乳食で缶詰みかんは与えられる?
缶詰みかんは甘味料が使用されています。ですから、離乳食でそのまま使うことはできません。ただし、甘味料をしっかり水で洗い流せば使えます。
缶詰のみかんは下ごしらえがしてあるので、すぐに使いたいときや、薄皮を剥くのが面倒…というママには使い勝手が良く、離乳食には大変便利です。皮つきのみかんと缶詰みかんを上手に使い分けて、離乳食期を乗り切りましょう。
離乳食のみかんは冷凍保存できる?
薄皮をむいて下処理したみかんは、そのまま冷凍することができます。冬になると安いから箱で買ったり、頂き物のみかんを傷ませたりしがちになりますので、そんな時は冷凍保存しましょう!
冷凍したものをジッパー付き冷凍用保存袋に、みかん同士が重ならないように詰めてから冷凍庫に入れて保存します。離乳食で使う時は、自然解凍もしくは電子レンジで解凍してから使いましょう。大人はそのままシャーベットにして食べると、シャリシャリとして美味しく食べることもできます。
みかんの薄皮の簡単な剥き方
みかんの薄皮は、重曹を使って簡単にツルンと剥くことができます!この方法だと、冷凍保存も楽です。薄皮を剥くのが面倒で、赤ちゃんに与えないなんてことにならないように、重曹を使って薄皮を簡単に取り除く方法も知っておきましょう♪
重曹を使ったみかんの薄皮の剥き方
材料:食用重曹小さじ1、水3カップ、みかん
- 鍋に3カップの水を入れ、沸騰させる
- 火を止めて重曹を入れる
- 外側の皮を剥いて小房にしたみかんを入れる
- 2?3分ほど茹でる
- 冷水にとって薄皮を剥く
- 流水で洗う
※煮すぎに注意!
あまり煮過ぎるとミカンの粒と皮が溶けてしまうので、加熱時間は様子を見て加減しましょう。この方法を1度覚えてしまえば、缶詰のみかんを使わなくても、冷凍やお菓子作りなどで大活用しますよ♪
【離乳食のみかん】段階別おすすめレシピ
手間と美味しさを考えると、みかんはそのまま皮をむいて食べるに越したことはありませんが、調理して使うと味のアクセントにもなり、食のレパートリーがさらに広がります。こちらでは、簡単で美味しい中期~完了期の離乳食みかんレシピをご紹介します。
【離乳食中期】みかんレシピ
離乳食の中期になると、食べられる食材が増えていきます。ヨーグルトやちょっとした調理にみかんをアクセントとして加えるのもいいです。必ず薄皮を向いて、食べやすい大きさにみじん切りにしてから使いましょう。
こちらではさつまいもとみかんを使った簡単レシピを2品ご紹介します。
まずは、みかん風味のさつまいも煮のレシピをご紹介します。砂糖を使わずにみかんの甘酸っぱさとサツマイモの甘さだけ作る美味しい一品です。食物繊維のバランスもよいメニューですので、赤ちゃんのお口もお腹も喜ぶこと間違いなし!
みかん風味のさつまいも煮のレシピ
材料:みかん2房、さつまいも30g
- さつまいもは皮を剥いて1cm角に切り、水につけてあく抜きする
- みかんは薄皮を剥いてみじん切りにする
- 鍋に1と浸るくらいの水を入れてから、柔らかく煮る
- さつまいもが柔らかくなったら、みじん切りしたみかんを入れて、ひと煮立ちさせる
中期になると寒天を使ったゼリーを与えることができます。こちらでは寒天を使ったみかんのミルクジュレのレシピをご紹介します。
赤ちゃんが噛みつぶしやすくなるようにゆるく固め、固まったゼリーを食べやすいジュレ状にクラッシュすると食べやすくなりますので、安心してモグモグできます。
みかんのミルクジュレのレシピ
材料:みかん1/2個、調乳したミルク100㏄、粉寒天小さじ1/2
- みかんは薄皮を剥いて果肉を取出し、フォークで粗くほぐす
- ミルクに1と粉寒天を入れ、火にかけ寒天を煮溶かす
- 2を容器に入れて粗熱を取ってから、冷蔵庫で2時間ほど冷やし固める
【離乳食後期】みかんレシピ
後期になったら、指先を使った手づかみ食べのレシピを取り入れていきましょう。赤ちゃんの自分で食べたいという意欲が育ちます。こちらでは、手づかみ食べにピッタリなパンケーキのレシピをご紹介します。生地は自分で作ることもできますが、素材に気をつけましょう。
ベーキングパウダーには、アルツハイマー病への危険性が心配されるアルミニウムが含まれているものがあります。離乳食でベーキングパウダーを使う場合は、「アルミフリー」や「ミョウバン不使用」と書かれた商品を使いましょう。
今回ご紹介するみかんの豆乳パンケーキのレシピは、冷凍みかんを作っておけば、忙しい朝でもパパっと簡単に作れる朝ごはんになりますし、もちろんおやつにもおすすめです。残ったパンケーキは1個ずつラップに包み、冷凍保存しておくと便利です。
みかんの豆乳パンケーキのレシピ
材料:みかん1個、薄力粉100g、豆乳100ml、ベーキングパウダー小さじ1、砂糖大さじ1/2
- みかんは薄皮を剥いて、フォークなどで果肉をほぐしておく
- ボウルに薄力粉とベーキングパウダーをふるって入れ、砂糖を入れて混ぜる
- 2に1と豆乳を入れてよく混ぜる
- 熱したフライパンに薄く油を引き、3の生地を流しいれ、両面に焼き色がつくまで焼く
【離乳食完了期】みかんレシピ
赤ちゃんは一度にたくさんの量を食べることができません。完了期に入ったら1日3回の食事に1~2回のおやつで、栄養を補いましょう。こちらではみかんを使ったみかんマフィンのレシピをご紹介します。食べない分は冷凍保存しておくと便利です。ママ用のマフィンには、スライスしたみかんをのせて焼くのもOK!赤ちゃんと一緒におやつタイムを楽しんではいかがですか?
みかんマフィンのレシピ
材料:みかん果汁50ml、薄力粉100g、ベーキングパウダー小さじ1、砂糖大さじ1、菜種油又はサラダ油大さじ2
- ボウルにみかん果汁と砂糖、菜種油を入れ、混ぜ合わせて砂糖を溶かす
- 1に薄力粉とベーキングパウダーを混ぜたものをふるい入れ、サックリ混ぜる
- 型の8分目くらいまで2を入れ、180℃に熱したオーブンで20?25分焼く
こちらでは、みかんと人参のジャムサンドのレシピをご紹介します。実はみかんとにんじんは相性抜群!一緒に混ぜて煮ることで砂糖を使うことなく美味しいジャムが仕上がります。食パンに挟んで美味しいサンドイッチにしてみてはいかがですか?
みかんと人参のジャムサンドのレシピ
材料:みかん1/2個、にんじん1/2本、サンドイッチ用パン1枚
- みかんは薄皮を剥き、フォークでほぐしておく
- にんじんはすりおろす
- 鍋に1と2を入れ、水気を飛ばしながら焦げないように煮詰める
- 食パンの耳を切り落とし、4等分に切り、3をぬってサンドする