離乳食のじゃがいもはいつから?生後5~6ヶ月の初期からスタート!
じゃがいもは離乳食初期の生後5、6ヶ月から与えられる食材。厚生労働省が行った調査ではおよそ半数のママが離乳食初期の赤ちゃんにじゃがいもを食べさせています。(注1)
じゃがいもは野菜?離乳食では糖質と捉えて
じゃがいもは離乳食の初期からよく使われる食材ですが、離乳食ではじゃがいもを野菜ではなくエネルギー源となる炭水化物(糖質)と捉えましょう。
確かにじゃがいもには野菜や果物からとりたいビタミンCや食物繊維が豊富ですし、加熱調理してもデンブンに守られるためビタミンCが壊れにくいので、離乳食では野菜よりも取り込みやすくて大助かりな食材です。
けれど文部科学省食品成分データベースを調べると、じゃがいもは同量のお粥よりも炭水化物が多く、離乳食で野菜として与えるのは炭水化物の摂り過ぎにつながります。
お粥とじゃがいも100g中の炭水化物
- 全粥 15.1g
- 五分粥 7.9g
- 蒸したじゃがいも 18.1g
- 茹でたじゃがいも 16.9g
他にも離乳食ではコーンフレークやとうもろこし、バナナなどを糖質と捉えて調理する必要があります。
離乳食のじゃがいもの選び方|緑色の皮や芽が伸びたものは避けて
じゃがいもは離乳食で使う野菜の中でも比較的保存がきく食材ですが、長く保存すると次第に芽が伸びてきます。
また家庭菜園やスーパーの棚には緑色の皮のじゃがいもがありますが、離乳食だけでなく大人でも緑の皮のじゃがいもや芽は避ければなりません。
小学校の給食では毎年のように緑色の皮になったじゃがいもや芽が原因で、子供達が体調不良を起こして問題になっています。
離乳食の食材はどれも鮮度が重要ですが、じゃがいもの場合は採れたてで新鮮でも皮の色を確認して選び、赤ちゃんに芽を食べさせないように気を付けましょう。
家庭菜園でじゃがいもを作っている場合は、きちんと土の中に埋めましょう。じゃがいもは光に当たると皮が緑色になり食べられなくなります。
じゃがいもに芽が出てきたら離乳食に使えない?しっかり取り除けばOK
離乳食ではできれば芽が出たじゃがいもを避けた方がいいのですが、スーパーにも小さな芽が出たものしか売ってないこともありますので、その場合は芽をしっかりと取り除いてから調理しましょう。
離乳食が始まったらできるだけじゃがいもの箱買いを避けるのもポイント。袋入りのじゃがいもを購入し、芽が出る前に離乳食にするのがベスト。
じゃがいもの保存方法|離乳食で長く使うためには冷暗所で日に当てない
離乳食で使うじゃがいもを保存する時は、日当たり、温度、湿気の3点に気をつけてください。温度は高くても低すぎても良くありません。
じゃがいもは日に当てると皮が緑色に変わり、室温が高いあっという間に芽が出ます。とはいえ冷蔵庫で冷やすと庫内の温度が低すぎて早く傷むため、夏場は野菜室がベスト。
ジャガイモに限らず根菜は湿気に弱いので、新聞紙などで包んでから風通しの良い場所や野菜室で保存すると離乳食調理により長く使えます。
ちなみにじゃがいもと相性抜群のトマトを離乳食で使う際は常温保存がおすすめ。野菜室より日持ちはしませんが、トマトの糖度が増すので赤ちゃんがより食べやすい離乳食を作れます。
離乳食のじゃがいもは冷凍できる?冷凍保存は茹でて潰して
離乳食用のじゃがいもは茹でて潰してから冷凍すると、解凍してからも赤ちゃんが美味しく食べることができます。
じゃがいもは生や加熱した形のある状態で冷凍すると美味しく食べられないため、離乳食でも冷凍できないと思い込んでいる人が多いのですが、潰してからなら冷凍できるので芽が出る前に凍らせてしまいましょう。
じゃがいもを冷凍保存する手順
- じゃがいもの芽と皮を取り除き、たっぷりの水に10分さらす
- 水から竹串が通る硬さになるまで茹でる
- 熱いうちにできるだけ滑らかに潰す
- 冷めてから使いやすい大きさに小分けにして冷凍する
滑らかに潰したマッシュポテトは、冷凍用保存袋に薄く延ばして入れて凍らせても、後からポキポキ折って使えます。
ただし厚みがあると折れないので、菜箸を袋の上からジャガイモに押しつけて、離乳食用の少量で折れるように線をつけると確実に折って使えます。
離乳食のじゃがいも調理楽々テクニック!レンジや炊飯器での加熱方法
離乳食のじゃがいも調理は冷凍保存だけでなく、レンジや炊飯器での調理方法をマスターするとかなり楽になります。
ママやパパの仕事は離乳食作りだけではないので、ジャガイモの加熱も時短テクニックを使って賢く楽に行いましょう。
電子レンジでじゃがいもを加熱する方法|皮ごとラップで包んでチン
離乳食のじゃがいも料理を作る際、一番楽でスピーディーな加熱方法は丸ごとラップに包んで電子レンジでチン!です。丸ごとのじゃがいもの場合はラップに包む前にしっかり洗って土を落としましょう。
どちらも加熱時間が長すぎると固くなって焦げますが、特に丸ごとのじゃがいもは太さによって加熱状況が変わり、男爵のようなコロコロした芋よりメイクインのようなる平らな芋の方がカッサカサになりやすいため様子を見ながら行ってください。
じゃがいもをレンジで加熱する2種類の方法
洗ったじゃがいもを皮つきのままラップで包み、600Wで100gにつき2~3分加熱。竹串が通らない場合は加熱時間をプラスし、冷めたら皮や芽をしっかりと取り除く
耐熱容器に切ったじゃがいもと少量の水を入れて軽くラップをかけてから平皿の上に置き、600Wで100gにつき2分程加熱
炊飯器でじゃがいもを加熱する方法|手間をかけずに美味しく調理できる
離乳食のじゃがいもはレンジで加熱すると早くて簡単ですが、こまめに加熱具合を見るのが面倒なら炊飯器での調理がおすすめ。
炊飯器はじゃがいも以外の離乳食の食材加熱に大変便利で、ご飯と一緒に調理すれば節電にもなり、野菜の味も甘く柔らかくなります。
じゃがいもを炊飯器で加熱する2種類の方法
耐熱容器に皮をむいて食べやすい大きさにカットしたじゃがいもを入れ、洗った白米と一緒に炊飯する
じゃがいもの皮をむき炊飯器に入れてかぶるくらいの水を注ぎ、白米と同じように炊飯する
丸ごとのじゃがいもを炊飯器で加熱した場合、煮汁は野菜スープとして使用できます。じゃがいもだけでなく色々な野菜と一緒に加熱すれば、よりおいしい野菜スープと離乳食の野菜加熱が手軽に作れます。
離乳食初期のじゃがいもレシピ&調理のポイント
初期の離乳食作りでは、じゃがいもを柔らかく茹でてから潰し、お湯でポタージュスープ状に伸ばして食べさせてあげてください。
飲み込みが上手になってきたら、加える水分の量を減らして徐々にベビーフードのようなもったりした状態に近づけましょう。
初期は一度に食べる量が少ない時期なので、じゃがいもで離乳食を作った残りを冷まして製氷皿などに小分けにし、冷凍保存して食前に電子レンジで解凍すると便利です。
じゃがいものトロトロ煮のレシピ
材料:じゃがいも、昆布だし
- じゃがいもを柔らく茹でて潰す(レンジ調理や冷凍ストックでもOK)
- 昆布だしで食べやすい柔らかさに伸ばす
トマトとじゃがいものミルクポタージュのレシピ
材料:トマト10g、玉ねぎ5g、じゃがいも10g、だし汁大さじ4、粉ミルク小さじ1
- トマトは湯むきをしてから種を取り除き、みじん切りにする
- 玉ねぎとじゃがいもは皮をむいて、みじん切りにする
- 小鍋にだし汁と1~2を入れて弱火にかける
- 野菜が柔らかくなったら粉ミルクを加えて、一煮立ちさせる
- 4の粗熱を取り、滑らかになるまでミキサーにかける
じゃがいもと豆腐のミルクスープのレシピ
材料:じゃがいも20g、豆腐20g、玉ねぎ5g、だし汁20ml、粉ミルク小さじ1
- じゃがいもは皮をむいて5mm程度のサイコロ状に切り、レンジで加熱して柔らかくしたら潰す
- 玉ねぎは皮をむいてみじん切りにする
- 小鍋にだし汁とすり潰した豆腐、1、2を入れて弱火にかける
- 玉ねぎが柔らかくなったら、粉ミルクを加えて一煮立ちさせる
離乳食中期のじゃがいもレシピ&調理のポイント
離乳食中期になったらじゃがいもを潰さずに、2~5mmに細かく刻み、指で簡単につぶせる豆腐くらいの固さに調理しましょう。
初めはじゃがいもを柔らかく茹でてから荒く潰して与えるのもよいのですが、水分が少ないと飲み込みにくいためミネストローネなどのスープに小さな角切りジャガイモを入れるとモグモグしやすいです。
じゃがいもとトマトのスープ煮のレシピ
材料:じゃがいも、トマト、野菜スープ、水溶き片栗粉
- じゃがいも細かく刻み柔らかく茹でる
- トマトの皮をむき、種を取り除き細かく刻む
- 鍋に野菜スープを入れて加熱し、野菜を入れて煮込む
- 最後に水溶き片栗粉でとろみをつける
ポテトとほうれん草のパン粥のレシピ
材料:じゃがいも10g、ほうれん草5g、玉ねぎ5g、耳を落とした食パン50g、水大さじ4、粉ミルク小さじ1
- じゃがいもは皮をむいて5mm程度のサイコロ状に切り、レンジで加熱して柔らかくしたら、潰してマッシュにする
- 玉ねぎは皮をむいてみじん切りにする
- ほうれん草は柔らかい葉先を使い、みじん切りにする
- 小鍋に水と1~3を入れて弱火にかける
- 野菜に火が通ったら粉ミルクと一口大に切ったパンをくわえて一煮立ちさせる
ヨーグルトのポテトサラダのレシピ
材料:じゃがいも20g、人参10g、玉ねぎ5g、ブロッコリー5g、ヨーグルト小さじ1
- じゃがいもは皮をむいて5mm程度のサイコロ状に切る
- 人参と玉ねぎはみじん切りにする
- ブロッコリーは穂先を使い、みじん切りにする
- 耐熱容器に1~3を入れて混ぜ合わせ、柔らかくなるまでレンジで加熱したら、全体をつぶしてマッシュにする
- 4にヨーグルトを加えてあえれば完成です
離乳食後期のじゃがいもレシピ&調理のポイント
離乳食後期になったらおやきや茶巾、ニョッキ、いも餅などの手掴みしやすい献立をバナナくらいのかたさにして作ってあげましょう。スープや炒めものに入れる場合は6mm弱の角切りが目安。
茹でて潰したじゃがいもに初期に作っていたほうれん草や人参のペーストを混ぜて形成すると、カラフルで赤ちゃんが喜ぶ手づかみしやすい離乳食が作れるので、イベントなどの際にはおすすめです。
じゃがいものおやきのレシピ
材料:じゃがいも1個、片栗粉大さじ2~3、
- じゃがいもの皮をむいてすりおろす(汁が多い時は少し捨てる)
- 1に片栗粉を入れて混ぜる(すり潰した野菜やツナ缶を入れてもOK)
- フライパンを熱し、2をスプーンですくって並べていく
- 両面をこんがり焼く
お子様ポテトスティックのレシピ
材料:じゃがいも40g、牛乳小さじ1、片栗粉小さじ1、青のり小さじ1/2、サラダ油少量
- じゃがいもは皮をむいて5mm程度のサイコロ状に切り、柔らかくなるまでレンジで加熱したら、潰してマッシュにする
- 1が熱いうちに牛乳と片栗粉を加えて練り、棒状にまとめる
- フライパンに薄く油を引いて2を転がすように焼く
- 前面に焼き色がついたら、冷める前に青のりをふりかけて完成です
離乳食完了期のじゃがいもレシピ&調理のポイント
離乳食完了期は取り分け料理が増えるので、じゃがいもも取り分けて茹で加減で噛む力を鍛えてあげましょう。
完了期になると生で食べられる野菜が増えますが、ゆで卵や肉団子の固さが目安の時期なので、繊維の多いキャベツはまだ歯茎で上手く噛めません。
ポテトサラダやコロッケなどのじゃがいもの離乳食に添え物のキャベツをつけたい場合は、湯通ししてから刻んであたえましょう。
じゃがいもの豚そぼろあんかけのレシピ
材料:じゃがいも、豚ミンチ、だし汁、水溶き片栗粉
- じゃがいもを食べやすい大きさに切り柔らかく茹でる
- 豚ミンチをだし汁で煮る
- 2の中にじゃがいもを加えて味をなじませ最後に水溶き片栗粉でとろみをつける
マッシュポテトのドリアのレシピ
材料:じゃがいも20g、玉ねぎ10g、鶏ササミ肉15g、ホワイトソース大さじ2、軟飯50g、粉チーズ少量
- 鶏ササミ肉はレンジで加熱して、みじん切りにする
- じゃがいもは皮をむいて5mm程度のサイコロ状に切り、みじん切りにした玉ねぎとともに柔らかくなるまでレンジで加熱したらかるく潰る
- ホワイトソースに1と2を加えてよく混ぜ合わせる
- アルミカップに軟飯を入れ、上から3をかけて粉チーズを振る
- オーブントースターで2~3分程度焼く
子育て4コマ漫画:離乳食に使うじゃがいものおすすめ調理方法は?
じゃがいもは離乳食初期に国内外で選ばれる食材で、米を主食としない海外ではじゃがいもを潰して伸ばしたマッシュポテトやペーストにんじんレシピで離乳食デビューする赤ちゃんが多いです。
じゃがいもは離乳食に欠かせない食材であると同時に、毎日食べた方がいいと言われる「まごわやさしい(豆・ゴマ・わかめ等の海藻類・野菜・魚・椎茸などのキノコ類・芋類)」にも含まれるほど大人にも大切な食材。
永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画のように、初期は特に離乳食に使ったじゃがいもやにんじんなどが大人の食卓にもあがりやすくなりますが、これを機に赤ちゃんだけでなく大人の食卓も見直し、楽しい食事タイムにしていきたいですね。
参考文献