赤ちゃんが常に機嫌が悪い!親がチェックすべきポイントや対処法
赤ちゃんの機嫌が悪い状態とは、おっぱいやミルクをあげるなどの考え得る一通りのお世話をしても、パパやママがあやしても一向に泣きやまず、ぐずぐずしている状態のこと。新生児の頃は泣くか眠るかが当たり前ですが、目覚めている時間が長くなった赤ちゃんの機嫌が常に悪いとなると、病気のチェックやお世話の見直しを検討する必要があります。
こちらでは、「赤ちゃんの機嫌が常に悪い」と思っているママが行いたいチェックのリスト、赤ちゃんの機嫌が常に悪いと感じる時のよくある原因、対処法をご紹介します!機嫌が悪いのには理由があります。赤ちゃんからのサインを見落とさず、要望に応えてあげましょう。
赤ちゃんの機嫌が悪い時のチェックリスト
顔色が悪いなど病気を疑う症状はなく元気そうで、おむつ替えやミルクなどのお世話もしっかりしいるのに、赤ちゃんがグズって機嫌が悪いと感じる際は、次のチェック項目を確認してみましょう。
あなたが該当する項目の数はです。
一つでも当てはまれば、お世話を見直して
機嫌が悪い時にこれらの項目に当てはまる場合、原因を確認してお世話を見直すことで機嫌が改善したり、原因が分かることでママの気持ちが楽になったりする可能性があります。
赤ちゃんの機嫌が悪くなる7つの原因
わかっていたつもりでも、実際にはできていないこともあるのが赤ちゃんのお世話。二人目三人目と経験を重ねることで徐々に加減も分かってくるのですが、初めての育児ではお世話が不十分なために赤ちゃんの機嫌が常に悪いということがよくあります。もう一度、赤ちゃんの機嫌が悪くなる原因に該当していないかを確認してみましょう。
1暑い
「背中やお腹にじんわり汗をかいている」「親よりも多く服を着せている」「湿疹がある」のどれかにチェックを入れた場合、暑いことが原因で赤ちゃんの機嫌が悪い可能性があります。
入浴・授乳・睡眠中以外は常に機嫌が悪いのであれば、赤ちゃんがいる部屋の室温を確認する必要があるでしょう。
また外出中に赤ちゃんの機嫌が悪いのであれば、ベビーカーやチャイルドシートの温度が高く、暑さが原因で機嫌が悪いとも考えられます。
初めての子育て中は風邪をひかせることを心配しすぎて、夏でも親より1枚多く着させたり、体温を確認せずタオルケットをかけたりしがち。昔ながらの自然な子育て環境に近づけようと、エアコンをあまりつけない家庭もあります。冬は冬で室内でも手足にミトンや靴下を履かせ、上から毛布と布団をかけて放熱できない環境を作ってしまう親も少なくありません。
地球温暖化の影響で昔と今では気温が違います!赤ちゃんの場合は暑くなり過ぎるとうつ熱や乳幼児突然死症候群を発症する恐れがありますので、夏冬を問わず暑さには充分に注意し、手足から放熱できるようにしてあげましょう。(注1)
暑いことに気が付いて!
先日、汗をかいて泣く赤ちゃんを外出先で見かけました。両親も上の子も半袖Tシャツ1枚なのに、赤ちゃんは肌着に長袖カバーオールという明らかに暑そうな服装。顔も赤く、汗をかいて髪も濡れていました。
ぐずるので両親が抱っこするのですが、ベビーカーに下すとまた泣き、両親は寂しがっているのだろうという感じでただ抱っこ。赤ちゃんは泣くのをやめましたが、表情は明らかに不機嫌で顔は赤く汗だくのままひたすら耐えている感じでした。
私も上の子がまだ赤ちゃんの時に着せすぎて、あせもがたくさんできてしまい、小児科で一枚減らすように注意されましたので、あれは明らかに暑くて機嫌が悪いのだなぁと思いました。
2耳が痛い!中耳炎
赤ちゃんはちょっとした刺激でよく鼻水を出します。それ自体は心配ないのですが、赤ちゃんの機嫌が悪い場合は別。「長期間、鼻水が止まらない」「風邪が治っても機嫌が悪い」「赤ちゃんが耳を気にして触っている」という項目に当てはまる場合は、中耳炎の可能性があります。
赤ちゃんは耳の管の構造が大人とは違うため、鼓膜の内側に液体が溜まりやすく、急性中耳炎や慢性中耳炎、滲出性中耳炎になりやすいのです。(注2)
中耳炎って素人には解りづらい
子供達が0歳と1歳の赤ちゃんの頃、熱が下がっても鼻水が止まらず機嫌が悪かったため、耳鼻科に行きました。1歳の上の子は、滲出性中耳炎とのことでした。早期発見のため通院だけで済みました。
素人目には、ただの風邪と診断された0歳の下の子と症状は同じ様に感じました。どちらも鼻の不快が原因だったのか機嫌が悪く、耳鼻科に行くことで鼻も機嫌も治りました。
3かゆい!乳児湿疹などの皮膚トラブル
赤ちゃんの機嫌が悪く「湿疹がある」「耳切れしている」「体や顔をひっかく又はこすりつける」といった項目に当てはまる場合、乳児湿疹やあせも、アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルにより、かゆくて機嫌が悪くなっていると考えられます。(注3)
常に機嫌が悪い赤ちゃんは、「暑さとかゆさのダブルパンチで辛い」と訴えているのかもしれません。赤ちゃんの皮膚トラブルを赤ちゃんだから当たり前と軽視しないようにしましょう。
アトピーの痒みが赤ちゃんのストレスに
新生児の頃から寝ない赤ちゃんだと思っていましたが、月日が経てば眠れるようになるだろうと楽観的に考えていました。しかし、生後2か月を過ぎても昼寝は抱っこの状態で、長くても1回20分ほど。起きている時間も機嫌が悪い日ばかりでした。
また、同じ月齢の赤ちゃんと比べ肌が荒れていました。痒いのか体や顔を私の洋服にこすりつけていました。「アトピー性皮膚炎によりかゆくて寝むれないのでしょう。」と病院の診断でした。「おむつの所は常に保湿されているからあんまり痒がらないけど、他の所は痒そうなのはその証拠だよ。」と先生に言われたことを鮮明に覚えています。
病院で処方された塗り薬を毎日使用し、症状が良くなるにつれて、まとまった睡眠がとれるようになり、機嫌が良くなりました。
4母乳不足
「授乳後も機嫌が悪い」という場合、原因としてまず母乳不足が疑われます。母乳育児の場合は哺乳量が目に見えません。そのため母乳だけでは足りなくて赤ちゃんの機嫌が悪くなっているのに、ママは目安となる授乳時間もしくはそれを上回って与えているため、「なんで?」と悩んでしまうことがよくあるのです。
おっぱいを離さない赤ちゃん
友達の赤ちゃんはおっぱいを飲んだ後ご機嫌なのに、うちの子供はおっぱいを飲んだ直後も不機嫌でした。授乳時間も長くなかなかおっぱいを離してくれませんでした。
成長曲線の標準内にはギリギリ入っていましたが、少し小さめで気になったので、保健センターで助産師さんに相談しました。すると「母乳が足りないのかも。ミルクを少し足したらいいですよ。」と言われました。
5便秘
赤ちゃんの機嫌が常に悪い場合、「うんちがあまり出ていない」「お腹が張って硬い」「おならが多く、新生児なのに臭い」ということがよくあります。
基本的に赤ちゃんのうんちは毎日出なくても、機嫌がよく、お腹を軽く押しても軟らかく、体重も増加していればあまり心配はありません。(注4)
ただし機嫌が悪いとなると話は別。赤ちゃんは便秘が辛くて機嫌が悪い可能性があります。
便秘は繰り返すと切れ痔になりやすく、成長と共に慢性化すると、気づかぬうちに漏れている便失禁になる子もいますので、赤ちゃんの頃から気をつけてあげましょう。
赤ちゃん慣れない環境で便秘
お盆休みを利用して3日間主人の実家に里帰りをしました。初日は機嫌が良かったのに、日に日に娘の機嫌が悪くなくなりました。毎日うんちをする娘は、いつもと違う環境に慣れず便秘になったようです。
家に帰り温かいお風呂に入ってお腹をマッサージしてあげると、うんちは出ました。すると娘の機嫌も良くなりました。
6歯ぐずり
赤ちゃんの歯が生え始めた、あるいは生え始める直前に機嫌が常に悪い場合は、歯ぐずりが原因であることが多いです。歯ぐずりとは、歯が生え始める前後の歯の痛みやかゆみが原因で起こる、赤ちゃんのぐずりや機嫌が悪い状態を言います。
赤ちゃんの場合はまず生後5~6ヶ月によく見られますので、「まだ少ししか生えていないから」と思わずに、しっかりケアをしてあげましょう。
歯がためで乗り切る!
2番目の歯が薄っすら見えるようになった頃から、ぐずぐずと赤ちゃんの機嫌が悪くなりました。気が付くと、ガラガラやぬいぐるみをガジガジ噛んでいました。
その後、歯がためを買い与えたのが良かったのか、機嫌が悪いのは以前より収まったような気がしました。
7魔の3週目
「生後2~3週目ぐらいから、機嫌が悪い」という場合は、魔の3週目が原因である可能性が高いです。魔の3週目とは、おむつやおっぱいなどのお世話の原因や病気はないのに、生後3週目前後にご機嫌が悪くなる現象を言います。
昼の生活リズができ始め、お腹の中との環境の違いに戸惑い、赤ちゃんが不安を感じていることが原因であろうと考えられています。ひっきりなしに泣かれてママも大変なのですが、効率の良いお世話で乗り切りましょう。
長男と次男は全然違う!
次男は、入院中助産師さんに「本当に良い子ですね。」と言われるほど良く寝、良く飲み、育てやすい子でした。「二人目って楽だな~。」と呑気に思っていたら、ある日理由もなく泣き始めました。気が付けば、生後3週目。調べると「魔の3週目」と知りました。長男には無かったので、戸惑いました。
機嫌が悪い赤ちゃんが増える時期
チェックリストに一つも当てはまらない場合も、赤ちゃんが機嫌の悪い時期のためぐずっている可能性があります。0歳児育児の成長の節目である3の倍数月である生後3ヶ月や6ヶ月は、赤ちゃんが外の世界に対応するために大きく変化する時期。また赤ちゃんから幼児へと成長してからも、3歳、6歳など3の倍数年はやはり節目で、先輩ママ達の間でも子育てが大変な時期とよく言われます。
ですから3の倍数月で赤ちゃんの機嫌が悪い場合、体調に異変が見当たらず元気であれば成長の証と捉え、ゆったりした気持ちで赤ちゃんと向き合いましょう。
赤ちゃんの機嫌が悪い時の7つの対処法
赤ちゃんの機嫌が常に悪い場合は、それぞれの原因に応じて次のような対処方法をお世話に取り入れてみましょう。
1汗をかいている時は一枚脱がせる
おむつ替えの時やお風呂上りはもちろん、顔が赤い時、車に乗せた時など、環境や赤ちゃんの様子に変化がある時は、こまめに汗をかいていないかチェックしましょう。目に見える頭や顔に汗をかいていなくても、お腹や背中に汗をかいていれば赤ちゃんは暑いと考えて一枚脱がせましょう。また、赤ちゃんのいる部屋の室温を見直して、暑ければ涼しい環境にしてあげて下さい。
赤ちゃんは泣くと顔が赤くなり汗をたっぷりかきますが、泣いていなくても顔が赤い、ひどく汗をかいている、唇がカサカサしているという場合は、熱中症や脱水症状になる恐れもあります。子供は体温調節能力がまだ十分に発達していないため、環境省が出している熱中症環境保健マニュアルでも、子供と高齢者に対して特に注意を呼び掛けています。早めに水分補給を行いましょう。(注5)
2鼻水が止まらない場合は耳鼻科へ
なかなか鼻水が止まらず長期間続き、家庭でも上手く鼻吸いができていない場合、鼻が詰まったり中耳炎になったりと赤ちゃんが苦しがっている可能性があります。たかが鼻水と侮らず、機嫌が悪ければ耳鼻科や小児科を受診してしっかりと診察を受けさせましょう。中耳炎になっている場合も、早期発見することで重症化を防げます。
また、赤ちゃんの鼻水はホームケアも大切!日頃の鼻吸いの方法を、この機会に見直してみましょう。
3赤ちゃんの肌に湿疹ができたら病院へ
アトピー性皮膚炎の場合、基本的には検査をしてアレルゲンの特定をしますが、赤ちゃんの場合は検査の種類が限定されるなどの理由から再検査が必要になるケースも。そのため月齢や症状によっては、まだ検査をしない場合もあります。いずれにしても病院で症状を改善させる薬を処方してもらえますので、アレルギー科のある小児科や皮膚科を受診しましょう。
また、乳児湿疹やあせもの場合も、塗り薬や飲み薬を服用したことで機嫌が常に悪かった赤ちゃんの機嫌がよくなり、笑顔が増えて寝つきがよくなったというママもいます。軽く見ず、ホームケアで改善しない場合は小児科や皮膚科を受診しましょう。
4母乳不足にはママ自身のセルフケア
母乳不足は、赤ちゃんの成長に影響を及ぼしかねなません。思い当たる場合は、まず体重測定を行ってみましょう。
体重の増加が成長曲線に沿っていなかったり、成長曲線を下回ったりする場合、粉ミルクを足すことや医師・助産師への相談が必要です。
母乳育児を希望するママの場合、頑なに母乳のみで頑張ろうとして赤ちゃんもママもくたびれてしまうことがあります。ところが食事・睡眠・おっぱいマッサージといったママ自身へのセルフケアは、母乳育児になくてはならないもの。ママが無理をすればするほど悪循環に陥ってしまいかねません。
混合育児に切り替えても、また母乳育児に戻すことはできます。赤ちゃんの機嫌が悪い時こそママ自身の状態やケアを見つめ直し、他の人に助けを借りるなどして生活の立て直しをすることも大切です。
赤ちゃんのためにも自分を大切に!
長男を出産直後、里帰りせず夫婦二人で育児を行いました。私の食事はコンビニ弁当ばかり。洗濯も出産直後から自分で行っていました。長男は常に機嫌が悪く、起きている時は激しく泣き、授乳後も乳首を離さずおっぱいは裂けてしまい、私は退院後10日で高熱を出して入院となりました。
その際、助産師さんから「赤ちゃんの体重、減ってるね。ミルクは足してる?」と言われ、母乳育児推奨の病院だったため、指示通りそのままだったことを伝えたら、「大変だったね。でもあまり無理するとかえっておっぱいに良くないから、おっぱいの後にミルクを足してみて」と言われました。
退院後、授乳時間を過ぎたらミルクを足すようにしたら、かなりの量飲んでいて「ごめんね」と思いました。その後、息子の機嫌はよくなりました。
入院中に助産師さんから「もっと睡眠をしっかりとって。それから毎日お風呂から出る前に母乳を絞り切ること。母乳の出がよくなるわよ。」と教わったので実践したところ、おっぱいが張って辛くなるほど出がよくなり、母乳育児に戻すことができました。
5お腹をマッサージ
赤ちゃんが便秘で苦しんでいる時は、まずお腹を「の」の字を描くようにマッサージしてあげ、水分補給をしっかり行いましょう。
それでも出ない場合は、砂糖水や綿棒浣腸、マルツエキスなどのホームケアの方法もあります。
そうした対応をしても改善しない、怖くてできないという場合は、小児科を受診しましょう。病院によっては綿棒浣腸のやり方などを、看護師が処置する時に教えてくれます。
6歯がため
歯ぐずりが終わる時期は、個人差はあるものの下の2本の歯が生えそろう頃までと言われています。遅くても全ての乳歯が生えそう頃には落ち着きますので、それまでは歯がためやゴム歯ブラシを活用して乗り切りましょう。
ただし、ゴム歯ブラシを持たせる場合は喉に刺さらない形状のものを選び、ママが側でしっかり見守るようにしてください。
7おくるみでギュッ
魔の3週間など不安が原因で泣いていると思われる時は、スワドルミーやおくるみなどでしっかり巻いて、お腹の中にいる感覚にさせてあげると、安心して落ち着きやすいです。徐々に外の世界に慣れて来ますので、それまではこうしたグッズに頼るのも育児の裏ワザ。ただし月齢に合う物を使用しましょう。
参考文献