赤ちゃんに効くクラシックの選び方とは?4つの効果や取り入れ方
「赤ちゃんにはクラシックを聴かせるといい」という話を耳にしたことがあるママは多く、胎教に取り入れたり赤ちゃんに聴かせて育てたりしたいと思うママも多いですね。その一方で「クラッシックの何がそんなに赤ちゃんにいいの?」と、効果や良いと言われる理由がわからない人も少なくありません。
そこで今回は、赤ちゃんへのクラシックの効果、胎児や赤ちゃんの聴覚の発達、CDの選び方、おすすめコンサート・アプリ・CDについてご紹介していきます。
なぜ赤ちゃんにいいの?クラシックの効果
胎教や赤ちゃんの早期教育に取り入れられることの多いクラシック。赤ちゃん用品店でも、胎児や赤ちゃん用のクラシックCDが置かれていますね。クラシックが具体的に赤ちゃんにどのような良い影響を及ぼしてくれるのかをご紹介していきます。
1心が癒される
クラシックに限らず音楽には人の心を癒す効果があります。古くは3000年前にユダヤの王様が羊飼いが演奏するハープの音色によってうつ病を改善したというエピソードもあり、現代では音楽療法と呼ばれる音楽を使った治療が様々な医療機関で用いられています。
心地よいと感じる曲や感じ方には個人差がありますが、イライラしがちな赤ちゃんにクラシックを聴かせることで、心が穏やかになる効果が期待できますよ。
2頭がよくなる
人間の脳には右脳と左脳があり異なる働きをしています。右脳は音楽脳とも呼ばれ、「赤ちゃんの頃からクラシックを聴ける環境にいる子供は、右脳が刺激されて発達しやすい」と考えられています。特に赤ちゃんは右脳中心に活動していますので、赤ちゃんに様々なクラシック曲を聴かせることは右脳開発に大いに役立つのです。
3早く寝る
選ぶクラシック曲によっては赤ちゃんがリラックスして眠くなり、入眠がスムーズに進む効果が期待できます。
一般的に、私たちが「心地よい」と感じるものの中には「1/fゆらぎ」と呼ばれるものがあると考えられています。
例えば、そよ風、電車、ろうそくの炎、川のせせらぎの音など。一定ではなく強弱がある揺れを感じると、人は眠くなりますよね。その1/fゆらぎがある曲が、クラシックの中にもあると言われているのです。
赤ちゃんの寝つきが悪くて困っているママは、一度寝かしつけの時のBGMにクラシックを取り入れてみるとよいでしょう。
4成長を促す
赤ちゃんにクラシックを聴かせることで成長を促す効果も期待できます。同じ物事でも楽しい・嬉しい・面白いなどの快の感覚を持って行った方が脳の発達には効果的であることは広く知られていますね。実は野菜にも「クラシックを聞かせた野菜の方がよく成長した」「健康に育った」という報告があります。
睡眠、情緒の安定、脳の発達などの効果からみても、赤ちゃんの成長が促される効果が嘘とは言い切れません。
クラシックはモーツァルトが効果あり?
「モーツァルトの曲を聞くと頭が良くなる」という都市伝説のような話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?これまで世界中で様々な議論がなされてきましたが、モーツァルト効果については立証されていません。
ただし、モーツアルトの曲は世界中に多くの愛好家がいるほど素敵。好きな音楽を聴くことによるリラックス効果などはよく知られていますが、モーツアルトの音色が好きなママや赤ちゃんならリラックスすることによる様々な効果が期待できます。
聞こえる?胎児や赤ちゃんの聴覚の発達
どんなにクラシックによい効果があっても、赤ちゃんに聞こえていなければ意味がありません。
まずは胎児や赤ちゃんの聴覚の発達についていつからどの程度聞こえるのか確認しておきましょう。人間の五感(聴覚・視覚・触感・嗅覚・味覚)の中で最も早く発達するのが聴覚と触覚。ママのお腹の中にいる胎児の時から、赤ちゃんの耳はすでに聞こえているんですよ。
胎児の聴覚の発達
胎児の耳の形は早くからできますが、聴覚を司っている脳の聴覚中枢は妊娠20週を過ぎると猛スピードで発達しますので、実際に耳が聞こえるようになるのは妊娠23~24週頃と考えられています(注1)。ただし、脳の中で情報伝達に欠かせないシナプスと呼ばれる部分が未発達なため、情報が大人のようにスムーズに流れていきません。そのため、胎児に聞こえる音は私たちが聞いている音とは全く違う音です。
また、胎児は羊水の中で音を聞くため私達に聞こえる音と違って聞き取りにくい音になっていて、お腹の中はママの腸が活動する音などで静かではないため、胎児にクラシックを大音量で聞かせて直接的な効果を得られるというよりは、むしろ胎児と一緒にママがクラシックを聴いて快適になることで、赤ちゃんも良い効果が生じると言われています。
クラシックが嫌いなママが胎教に良いと思って我慢して嫌いな曲を聞いても、ママだけでなく赤ちゃんにもストレスになります!妊娠中はママが快適になるようにすることが一番の胎教ですよ
赤ちゃんの聴覚の発達
赤ちゃんの聴覚は、産まれてから1歳頃までに急速に発達していきます。音に対する反応がどんどん良くなりますので、ママやパパも赤ちゃんの成長に驚かされることでしょう。
赤ちゃんの月齢と聴覚の発達
- 生後3ヶ月過ぎ:クーイングや聞こえる音を確かめる行動をする
- 生後5ヶ月頃:聞き慣れた音が分かる
- 生後6ヶ月頃:掛け声を意識して振り返る
- 生後8ヶ月頃:様々な音に敏感になる
- 生後9~10ヶ月頃:声真似が始まる
- 生後11ヶ月頃:音に合わせて動くことができるようになる
- 満1歳頃:目に見えないところから聞こえる音がどこからするか、方向が分かるようになる
(注2)
新生児の時から赤ちゃんにクラシックは聞こえています。ただし生後3ヶ月頃までは大人と同じように聞こえません。超絶な絶対音感を持つピアニストの辻井伸行さんの場合も、生後8ヶ月で母親のいつ子さんが音への反応に気づき、以来毎日そのCDを聞かせたというエピソードが有名ですね。
赤ちゃんに効くクラシックの選び方
今までクラシックCDを聞いたことがないママにとっては、妊娠中や子育て中はクラシックに親しむ良い機会です。クラッシックCDを選ぶ際には、ママやプレママが聞いてみたいと思う曲を選んで聞かせてみるのもよいでしょう。
胎教の場合はママが心地いい曲
赤ちゃんがお腹にいる時は、ママが心地よく感じるクラッシック曲を聞かせてあげることが一番です。ママが好きな曲や作曲家、楽器のCDを選んで聞いてみましょう。また、同じ曲でも演奏家や指揮者によって全く違う演奏になりますので、様々な演奏家や指揮者、楽団の演奏を聴き分けてお好みのCDを見つけてみるのも楽しいですよ。
赤ちゃんの場合は偏らない
生後3ヶ月以上の赤ちゃんはとにかく脳が目覚ましく発達する時期ですので、より多くの刺激を与えることで脳の発達を促すことができます。ですから「クラシックのピアノ曲だけ」「モーツアルトだけ」などと偏らず、様々な音を聞かせてあげることが脳の発達には大切。
また、同じ曲でも演奏家によって奏法や曲想に違いがありますので、色々聞かせて反応の良いCDを見つけてあげてもよいでしょう。
赤ちゃんの成長に従い好みが出てきたら、好んでいるクラシック曲を聴かせてあげるとご機嫌でいてくれることが多く、逆に好きなクラシック曲と違う場合は機嫌が悪くなったり寝つきが悪くなったりすることもあります。
赤ちゃんが行けるクラシックコンサートってある?
毎年各地で、赤ちゃんでも行けるクラシックコンサートが開催されています。ただし子供が多く集まるため、特に冬場は風邪をもらう心配がありますので気をつけましょう。
時間が選べるコンサートの場合には、赤ちゃんの機嫌のよい時間帯を選んで参加するのもよいでしょう。生の演奏を聴くことはママにとっても良い気分転換になりますよ。
赤ちゃんにおすすめのクラシックアプリ
せっかく赤ちゃんに聞かせようとクラシックCDを買っても、興味を示してくれない可能性もありますね。けれどスマホのクラシックアプリなら色々な曲を聞かせてあげることができるので、赤ちゃんのお好みの曲を捜すには便利。
外出先で泣き止ませる対策として活用しているママもいます。
「ドリームタイムの子守唄(赤ちゃんのためのクラシック音楽)」iphone
モーツァルト、ベートーベン、バッハなどクラシックの有名作曲家の曲が含まれています。クラシックに親しみのないママでも知っている曲があるので、聞きやすいでしょう。赤ちゃんが手持無沙汰になった時の対策におすすめです。
「赤ちゃんのクラシック音楽」android
赤ちゃんが起きている時用と寝かしつけ用の二種類があるので、赤ちゃんの状況に合わせて選曲することができます。寝かしつけの子守歌代わりの入眠グッズとして活用してみてもよいでしょう
赤ちゃんにおすすめのクラシックCD
赤ちゃん向けのクラシックCDは出産祝いのプレゼントとして贈られることが多い物ですので、既に持っているママも少なくないでしょう。ただし、赤ちゃんにクラシックCDを聞かせる時にはボリュームが大きくなり過ぎないように注意しましょう。
0歳からの育脳クラシック
デラ
2,000円 + 税
右脳開発トレーナーの鹿屋体育大学教授・児玉光雄氏が監修した「Disc-1:右脳に働きかけるクラシック」「Disc-2:優しい心を育むクラシック」の2枚組になった赤ちゃん向けクラシックCD。赤ちゃんの脳育に関心があるママにおすすめです。
こどもクラシック大全集~音楽のおくりもの~
日本クラウン
2,286円 + 税
日本人に親しみのあるクラシック曲が多く収録されていますので、子供から大人までクラシックの入門CDとしておすすめです。曲調もさまざまなので赤ちゃんや子供が飽きにくく、長く楽しめますよ。