新生児訪問と乳児家庭全戸訪問に関する記事

新生児訪問とは?乳児家庭全戸訪問との違いやママの体験談

新生児訪問とは?乳児家庭全戸訪問との違いやママの体験談

新生児訪問と乳児家庭全戸訪問は対象者や目的・観察項目・指導内容などが異なります。知らないと折角のサービスを断ってしまったり上手に活用できかかったりと要らぬ苦労をすることもありますので、理解を深めて上手に活用しましょう。

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新生児訪問と乳児家庭全戸訪問は対象が違う!?上手に活用しよう

新生児を膝に乗せてあやしている母親

「新生児訪問なんて寝不足でフラフラな状態なのに部屋を片付けるのが面倒で断りたい」と思うママも多いと思いますが、実は赤ちゃんを育てる上で重要な指導を目的としています。
先輩ママの話を聞いて乳幼児全戸訪問事業と勘違いしているママも多いのですが、目的が違うのできちんと確認しておきましょう。

今回は新生児訪問とはどのようなものなのかを知るために、新生児訪問の目的対象者観察事項指導内容、間違えられがちな乳幼児全戸訪問事業との違いについて解説します。
さらに先輩ママの体験談もご紹介しましたので参考にして、有意義に活用することで子育ての負担を軽減させましょう。

新生児訪問とは?

机にむかってる赤ちゃん

新生児訪問とは自治体に提出された出生通知書をもとに、医師・助産師・保健師またはその他の職員が対象者となる赤ちゃんがいる家庭を訪問して指導を行う、母子健康法第11条に定められた事業のことです(注1)。対象となる赤ちゃんは全新生児ではありませんので、必ずしも全ての家庭を訪問すると定めている訳ではありません。

新生児訪問の実施主体は市区町村となり、厚生労働省では新生児訪問や未熟児訪問と乳児家庭全戸訪問事業を併せて実施してもよいとしているため、新生児訪問と乳児家庭全戸訪問事業を併せて行っている自治体も多く、平成22年度では全体の80.1%の市区町村が新生児訪問と併せて実施しました(注2)。

新生児訪問はいつ?対象となる家庭

二人にささえられている赤ちゃん

新生児訪問は生後0ヶ月から実施され、生後28日以内の赤ちゃんがいて次のような育児をしていく上で訪問指導が必要であると認められる家庭が対象となります。

  • 母親に糖尿病や心疾患、精神疾患などの基礎疾患がある場合
  • 若年出産
  • 多胎出産
  • 低体重出生児
  • 兄姉の養育に関する児童相談所の関与歴がある
  • シングルマザー家庭
  • 出産前後の転入 など

ただし、中には第一子出産後の全家庭、および第二子出産後の希望者を新生児訪問の対象としている自治体もあります。

里帰り出産などで生後28日以内に自宅にいない場合は市区町村によって対応が異なり、中には里帰り先の市区町村に訪問を依頼してくれる自治体もあります(注3)。
基本的には各家庭につき1回の訪問ですが、自治体が必要と判断した場合や家庭からの希望があった場合は新生児でなくても継続した訪問を行うことがあります。

新生児訪問の目的

新生児訪問の目的は疾病予防や必要に応じた社会施設の利用方法の指導といった赤ちゃんを育てていく上で重要とされる事柄についての指導を行うことです。

もちろんママから育児における細かない疑問点や赤ちゃんの健康上の不安などがある場合には、相談に乗ってもらうこができます。

全新生児が対象!乳児家庭全戸訪問事業

一方、「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」の対象者や目的は、新生児訪問とは少し異なります。

乳児家庭全戸訪問事業はいつ?対象となる家庭

乳児家庭全戸訪問事業は生後4ヶ月までに実施され、基本的には生後4ヶ月までの赤ちゃんがいる全家庭を対象としています。だたし、養育の支援が必要な保護者への養育支援訪問事業、あるいは未熟児訪問や新生児訪問などにより既に状況の確認が行われている家庭には再度訪問しない自治体もあります。

家庭によっては事業の趣旨を説明しても訪問を拒否したり、里帰りや子供の入院などで期間内の訪問ができなかったりするケースがあるため、そのような場合はその状況自体が支援の特に必要な家庭と位置づけられて生後4ヶ月以降に訪問が行われることもあります。

基本的に全新生児を対象としているので、特別な事情がない限り断ることはせず対応しましょう

乳児家庭全戸訪問事業の目的

乳児家庭全戸訪問事業は児童福祉法第六条の三の第四項により定められている事業です(注4)。赤ちゃんがいる全家庭に訪問することで家庭と地域をつなぎ、子育て中の不安や悩みを聞いて必要な情報を提供したり、ファミリーサポートセンターなど必要と思われる公共サービスの情報を提供したりすることで、子育て中の親が孤立する問題を防ぎ子供が健全に育つための環境を整えることを目的としています。

実施者は市区町村です。家庭への訪問者は新生児訪問と異なり保健師・助産師・看護師・保育士等の専門資格保有者だけでなく、母子保健推進員・愛育班員・児童委員・母親クラブ・子育て経験者等など幅広く登用されていますが、自治体によっては第1子の場合は保健婦や助産師が訪問するなど独自の取り決めがあります。

新生児訪問と乳児家庭全戸訪問の観察項目

新生児訪問と乳児家庭全戸訪問では目的が異なりますので主となる観察項目も違ってきます。また、それぞれの自治体によって観察項目が少し異なる場合もありますので、周りに自治体の訪問を受けた先輩ママがいる場合は、予め内容を聞いておくとよいでしょう。

新生児訪問

  • 赤ちゃんの母乳やミルクが足りているかどうか
  • 赤ちゃんがきちんと母乳が飲めているか
  • 母親の健康状態は良好か、またきちんと食事が出来ているか
  • 赤ちゃんを育てるのにふさわしい住居環境か(保湿対策や感染防止対策はできているか)
  • 赤ちゃんの日々の様子から、先天異常などの病気の可能性が考えられないか

乳児家庭全戸訪問

  • 母親が育児について悩んでいないか
  • 赤ちゃんが健康に成長できているか
  • 母親が赤ちゃんを保育できる健康状態にあるか
  • 父親や祖父母などのサポートは得られているか
  • 公的な支援が必要な生活環境であるか

新生児訪問と乳児家庭全戸訪問の指導内容

新生児訪問と乳児家庭全戸訪問

新生児訪問や乳児家庭全戸訪問では、訪問時に母親と面談をした内容や赤ちゃんの様子などから必要と思われる指導が行われます。場合によっては再度訪問してくれることもあります。授乳や赤ちゃんの健康状態など不安に思うことがあれば、積極的に質問して指導を受けましょう

新生児訪問

  • できるだけ母乳育児を行えるように授乳の仕方や母乳を出やすくする方法を指導(場合によっては母乳外来などを紹介)
  • 産後の回復や母乳のために母親が十分に栄養を摂れるように食事の指導
  • 赤ちゃんが生活するのに適した住環境になるように指導(保湿対策・感染予防対策など)
  • 新生児に先天異常の兆候が見られる場合は、医療機関の早期受診を勧めます
  • 特別な療養や育成が必要な場合には、支援を受けることが出来るという情報を提供する

乳児家庭全戸訪問

  • 母親の悩みなどから必要と思われる子育て支援策についての情報を提供する
  • 母親が育児を一人で抱え込んでいる場合には、家族や周囲のサポートを受けるようアドバイス
  • 家族や周囲のサポートが得られない場合には支援サービスなどの情報を提供する
  • 赤ちゃんの体重増加など成長に不安がある場合には、授乳やミルクの量などの指導を行う
  • 特別な支援が必要と思われる家庭に対して支援の検討や関係機関と連携していくことをアナウンスする

新生児訪問を有効なものにするための準備

産後退院してから、または里帰りから自宅に戻ってから赤ちゃんと2人の生活を過ごしていると、育児や日常生活で麩不安な点や困った問題が沢山出てきますね。新生児訪問までの間に、毎日の生活の中で悩んだり困ったりしていることをメモしておくと、新生児訪問を受けた時に質問することができますよ。

有効なアドバイスを貰えることもありますし、日ごろの不満を吐き出すだけでも、これから先の育児や生活が随分気楽なものになるでしょう。特に、パパや祖父母の手伝いが無く一人で子育てに奮闘しているママはとっては、保健婦さんはとても頼りになる相談相手ですよ。

新生児訪問にはお茶やお礼を準備すべき?

コーヒーとお茶菓子

新生児訪問や乳児家庭全戸訪問は市区町村が実施する子育て支援の一環ですので、訪問者に対してお礼をする必要はありません。訪問者によっては玄関先での話だけで終わることもあるようですが、部屋に上げて話をする場合は余裕があればお茶を出すとよいでしょう

訪問者側も産後で大変なママ達の負担になることは望んでいませんので、わざわざお茶菓子を買いに行ってまで出す必要はありません。

シルバーベル
27歳

ほんとお茶だけで・・・

7月産まれの娘の時には、暑い中保健婦さんが新生児訪問に来てくれました。産後で余裕がなく、コースターも敷かずにグラスに入れた冷たい麦茶をおだししたのですが、保健婦さんが「外はとても暑いので美味しいです」と飲んで下さり、ホッコリした気分になりました。

訪問を受けてよかった?先輩ママ体験談

新生児訪問や乳児家庭全戸訪問に対しては、気が進まない方もいれば相談相手が欲しくて待ち望んでいる方もいることでしょう。実際に訪問を受けた先輩ママさんの率直な感想をご紹介します。

ぴったんこ
33歳

新生児訪問で先が見えるようになりました。

新生児訪問では我が子の将来や養育医療などについて相談しました。事前に電話がきた時は、現実を受け止められていなかったので頭の中も気持ちも混乱していて人に会いたくなかったのですが、職場復帰が決まっていたので今後の準備もしなければならず、正直家に来てもらえてよかったです。相談したことで自分が何をすべきか見えてきて助かりました。

きんかんゆ
26歳

まるで健診のような手厚さ

新生児訪問では、保健婦さんがベビースケールまで持ってきてくださり、計測や授乳の指導まで丁寧にしてくれました。息子は2,600gと小さめに産まれたので体重の増加については私も気にしていたので、「順調に大きくなっています」との言葉をいただき、とてもホットしたのを今でも覚えています。

いんどめん
31歳

予防接種の疑問が解決!

第二子を出産して2ヶ月後に乳児家庭全戸訪問を受けました。保健婦さんから、予防接種の重要性と順番などについて、詳しく説明がありました。第1子の時と比べて予防接種の種類が増えていてわかりにくいなと思っていたので、丁寧に教えてもらえて助かりました。

飛行機雲
30歳

悩みがふっきれました

私の住む町ではこんにちは赤ちゃん事業という名前の新生児訪問と乳児家庭全戸訪問がミックスしたような訪問があり、息子が生後1ヶ月になってすぐに訪問員さんが来ました。

その時、実家に住む祖父に初孫である息子を合わせたくて「生後3ヶ月で飛行機の乗せても大丈夫か」「小さいのに旅行に連れ出して風邪をひかせるなど負担ではなかい」等を質問しましたが、「風邪をひかないとは言えません。どちらを選んでもリスクはあるんですよ。」と言われ、親になった責任を感じて気持ちが割り切れ悩みが吹っ切れました。

ユリア
33歳

甘え上手になればよかった

私は里帰りせずに第1子を出産しました。当時主人は仕事で帰りが連日遅く休みもろくに取れなかったためフラフラ状態で子育てをしていて、新生児訪問で保健師さんが訪ねてきてくれた時は正直言って体がきつかったのですが、まるで学校の荷物検査のような緊張感があって頑張って家の掃除をして迎え、当日もにこやかに元気なフリをして、あとで熱を出し産後の床上げに時間がかかりました。

二人目の時はファミリーサポートセンターを利用したのですが、「新生児訪問でそのままの姿を見せていればもっと早くファミリーサポートを紹介してもらえて、あんなに子育てで苦労しなかったのに」と後悔しました。

新生児訪問では普段の姿を見せよう

新生児訪問の日だからと言って、頑張って部屋をピカピカに掃除したり、バッチリメイクをしたりして挑む必要はありませんよ。保健婦さんも、日常のママと赤ちゃんの様子を見るために訪問しています。

本当は子育てに疲れているのに元気に振る舞ってしまうと、本来受けられるべき指導を受けることが出来なくなってしまうこともあります。新生児訪問や乳児家庭全戸訪問では、頑張りすぎず普段の姿で対応し、恥ずかしがらずに何でも相談してみましょう。

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