里帰り出産の時の期間が及ぼす影響について
里帰り出産を成功させるには?
出産という大仕事を終え、ボロボロになった体を休めるために、実家で産後を過ごす「里帰り出産」を選ぶママは多いですよね。実家の温かいご飯を食べながら、おじいちゃんやおばあちゃんの手を借りて赤ちゃんのお世話に専念できる環境は、心身の回復にとって非常にありがたいものです。
しかし、里帰り中はママはもちろん、おじいさん、おばあさん、そして離れて暮らすパパも生活環境が大きく変化するため、些細なことでピリピリする事が多くなる反面、喜びも多く家族にとって記憶の残る大イベントになります。子育ての現場では「親の育児アドバイスにイライラしてしまった」「自宅に戻ったらパパが全く育児をしてくれなかった」という失敗談も少なくありません。
里帰り出産の期間の長さは、その後の夫婦関係やパパの育児参加に大きな影響を及ぼします。今回は、里帰り出産を終えても家族の愛情が冷めない様にする方法や、適切な滞在期間、そして親やパパと良好な関係を築くためのコミュニケーションのコツを詳しくご紹介します。ご自身の家庭に合った里帰りのスタイルを見つけてみてくださいね。
1里帰りの挨拶は夫婦揃って!親との関係をスムーズにする第一歩
第一印象を決める一番始めの挨拶が肝心
親しき仲にも礼儀ありとは言いますが、いざ里帰り当日、気心の知れた実家に着いて「あーこれで安心!」と挨拶もそこそこにゴロンと横になってしまいたくなりますよね。おじいちゃん、おばあちゃんも「よく来たね、ほら座って、横になって」と優しく言ってくれるかもしれません。
しかし、いくら実の親であっても、これから数ヶ月間にわたって大人1人と赤ちゃん1人の生活を丸抱えしてもらうわけですから、最初のけじめは非常に重要です。長く居座るとおじいちゃん、おばあちゃん側にも体力的・経済的な負担がかかり、「少しは気を使ってほしい」とモヤモヤする気持ちが出てくることだってあるでしょう。
家族心理の観点から見ると、里帰りは『新しい家族システムの再構築』の段階にあります。娘から母親へと立場が変わったことを親に認識してもらう力がまだ育ち切っていないため、親に甘えすぎて衝突する行動が出やすく、だからこそパパも交えて「大人として改めて挨拶をする」という関わり方が合いやすいのです。
これからも長くつき合う事になるので、産後の第一印象を良くする事でマイナスになることはないはずです。里帰りの初日は、必ずパパも一緒に実家へ行き、夫婦揃って「これから〇ヶ月間、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」と手土産を添えてしっかりと挨拶をしましょう。その一言があるだけで、親も「しっかりした夫婦になったな」と安心してサポートしてくれますよ。
【対比表】やりがち!里帰り中の親へのNG対応と望ましい声かけ
里帰り中は、ホルモンバランスの乱れもあって実の親に対してつい言葉がきつくなってしまいがちです。親との無用な衝突を避けるための声かけをまとめました。
| やりがちなNG対応 | 親の受け取り方 | 望ましい対応・声かけ |
|---|---|---|
| 「今は昔と違うの!口出ししないで!」と怒る | 自分の経験を全否定されたと感じ、悲しくなる | 「心配してくれてありがとう。でも病院でこう教わったから試してみるね」 |
| 親が作った食事に「これ食べられない」と文句を言う | せっかく作ってあげたのにと腹が立ち、サポートする気が失せる | 「美味しそう!でも今は母乳のために脂っこいものは控えてるんだ、ごめんね」 |
| パパが来た時に親を空気のように扱い、二人だけで籠る | 疎外感を感じ、パパに対しても良い印象を持てなくなる | 「お父さんたちのおかげで助かってるよ」とパパから親に感謝を伝える |
| 何も言わずに里帰りの期間をズルズル延長する | いつまで続くのか見通しが立たず、体力的にも精神的にも疲弊する | 「〇月〇日の健診が終わったら帰るね」と具体的なゴールを共有する |
逆にやってしまいがちなのが、親の古い育児アドバイスに対して真っ向から反論してしまうことです。これをすると親は「娘のためを思って言っているのに」と感じ、結果的に家の中の空気が険悪になる反応につながります。代わりに表にあるように、「病院の指導」を盾にして角を立てずに断るのがおすすめです。今日からさっそく、親からのアドバイスにはまず「ありがとう」と受け止めるクッション言葉を取り入れてみてください。
2いざ出産、育児!どこまで親に甘えていい?
育児の方法が母と違う場合は?
赤ちゃんが生まれて、家族中が幸せな気分に包まれます。パパも自宅から慌てて駆け付けてきたかもしれませんね。退院して里帰り先に赤ちゃんと帰ると、おじいちゃん、おばあちゃんも初孫に大騒ぎです。
産後すぐで寝不足も重なり少しピリピリしているママは、親からの「白湯を飲ませなさい」「厚着させなさい」という言葉に「今は昔と違ってそうじゃない!」「私はこうしたい!」と不満に思ってしまうかもしれません。でもそれはそれが当たり前です。我が子を守るためのママとしての当然の気持ちです。
おじいさん、おばあさんがやろうとすること、こうしたらとアドバイスしてくれることで、ママがどうしても嫌だなと思うことは「病院でこうしてと言われたから」「助産師さんがこう指導してくれたから」と全て病院や先生が…などの理由をつけて断ってしまっても良いかもしれません。里帰り中でお世話になっている最中、何よりもおじいちゃん、おばあちゃんは誰よりも力強いママと赤ちゃんの味方なのですから。
同じアドバイスでも、産後すぐと産後1ヶ月では受け取り方が異なります。産後すぐはホルモンバランスの急激な変化が背景にあり、産後1ヶ月ごろは「自分なりの育児ペース」が育ってくる時期なので、親の介入が邪魔に感じる理由になっていることが多いのです。
しかし、赤ちゃんを実際に自宅へ戻って育てて行くのはママです。父と母の言う事を全て聞くのではなく、参考にしつつ自分のやりやすい育児をするとストレスが軽減されます。明日の朝、お母さんが手伝ってくれようとしたら「おむつ替えは自分で練習したいから、その間にお皿洗いをお願いしてもいい?」と上手に役割分担を提案してみましょう。
3実家に滞在する期間はどのくらいが良いか?
里帰り出産は平均で1〜2ヶ月それ以上は…
実家に滞在する期間は出産や産後の状態にもよりますが、平均は産後1ヶ月〜2ヶ月程度、長くて3ヶ月が一般的です。実家に長居をするのは、ママの体調回復や情緒的にも安心感がありますが、離れて暮らすパパとコミュニケーション不足になることが一番心配されます。
離れて暮らす期間が長いことで、パパは父親としての自覚を持つことができなかったり、同じ家族だという感覚が希薄になることがあります。自宅ではパパが独身時代のような自由な一人暮らしを満喫してしまい、いざママと赤ちゃんが自宅に帰っても家事や育児に非協力的で、「なんで私ばかり大変なの!」と産後クライシスのリスクが高くなることがあります。
発達心理学では『父性の芽生え』というプロセスが知られています。男性は赤ちゃんの泣き声を聞き、実際におむつを替えるという物理的な接触を通して父親としての自覚が育つ現象として表れます。この理解があると、パパを長期間一人にさせておくことのリスクへの向き合い方が変わってきます。
ママや赤ちゃんの体調にもよりますが、なるべくパパと生まれて来た赤ちゃんのいる生活環境を早めに作りましょう。1ヶ月健診で母子ともに問題がないと確認できたら、それを区切りにして自宅へ戻る準備を始めるのが理想的です。
4長居をしたいけど夫(パパ)の視点も考慮する事
パパの気持ちも考えて
里帰り出産について、そもそも夫はどのように思っているか?「俺のことは気にせずゆっくりしておいで」と言ってくれるかもしれませんが、男性は寂しさや不安を口に出さない事が多く、後の夫婦トラブルの引き金にもなるので夫の気持ちも考慮しましょう。
親は出産経験もあり、色々と子育てや育児についてアドバイスしてくれ、安心かも知れませんが、旦那さんは自分の親よりも長く過ごす事になる人生のパートナーだと言う事を忘れていませんか?親のサポートも大事ですが、赤ちゃんとこれからの幸せな家庭生活の為にも早めに夫との新生活の環境を築く事をおすすめします。
パパや祖父母と「週末のパパの面会ルール」について関わり方をそろえると、子どもにとって「パパもちゃんと会いに来てくれる」という安心感につながります。家庭内でパパが来た時は親は別室に下がり、親子水入らずの時間を作る方針を共有しておくと、パパが気兼ねなく赤ちゃんに触れる場面でとても良い効果が出やすくなります。今度の週末パパが来たら、おむつ替えや沐浴を「パパにお願いしていい?」と積極的に任せてみてください。
【体験談】里帰り期間の違いでどう変わる?先輩ママのエピソード
実際に里帰り出産を経験した先輩ママたちは、滞在期間についてどのように感じているのでしょうか。それぞれのリアルな声をご紹介します。
産後1ヶ月でスパッと帰宅して正解でした
実家は車で1時間ほどの距離でしたが、夫が赤ちゃんのお世話に参加できなくなるのが嫌で、産後1ヶ月健診を終えた翌日に自宅に戻りました。最初は夜泣きと家事の両立でフラフラでしたが、夫が「俺もやるしかない!」と覚悟を決めてくれて、夜中のミルクや食器洗いを自発的にやってくれるようになりました。
子育ての現場でよくあるのは、実家に長く居すぎてしまい、自宅に戻った時にワンオペ育児のギャップに耐えられなくなるケースです。良かれと思った長期間の静養が、ママには「誰も手伝ってくれない孤独」に映ってしまい、かえって産後うつの原因になることがあります。
夫と一緒に「親」になっていく感覚を共有できたので、早めに帰って本当に良かったと思っています。最初の1週間はレトルトや宅配弁当に頼り切って、夫婦で協力するスタイルを作ることが大切ですね。
3ヶ月の長居で夫と距離ができてしまった…
初めての出産で不安が大きく、実家の居心地も良すぎたため、気づけば産後3ヶ月まで実家に甘えてしまいました。週末に夫が会いに来ても、母が手際よく赤ちゃんのお世話をしてしまうため、夫はお客さんのように座っているだけでした。
自宅に戻ってからが地獄で、夫は赤ちゃんの泣き声にイライラし、「おむつの場所も分からない」と完全に戦力外。私も「なんで手伝ってくれないの!」と爆発してしまい、夫婦仲が最悪になりました。実家に長くいるなら、LINEのテレビ電話などで毎日赤ちゃんの様子を共有して、夫に父親の実感を持たせ続ける努力が必要だったと後悔しています。
里帰りが長引くほど、自宅での新生活へのハードルは上がってしまいます。もし体調などの理由で長く滞在する場合は、毎日必ずテレビ電話をつなぎ、「今日はこんな声を出したよ」「パパに会いたがってるよ」と、パパを育児の蚊帳の外に置かない工夫を心がけましょう。
5育児の分担で一石二鳥以上の効果!パパを巻き込むコツ
育児分担は合理的
離れて暮らす夫はコミュニケーションが中々取れない日々が続く事も予想されます。里帰りで期間が延びる程、コミュニケーションは必然的に無くなります。長く居座ってしまったという方は、自宅での新生活が始まったら意識的に育児を分担しましょう。
そして、共同で育てるという感覚をパパにも与える事ができるので是非実践して見て下さい。孤独になりがちな育児も、パートナーが手伝ってくれると自分自身の体と心の為にも本当に良い事です。パパが育児に不慣れでぎこちない場合でも、ダメ出しをするのではなく『パパの抱っこ上手だね〜』『赤ちゃんも嬉しそう』など大げさにほめる事で、進んで育児に参加する用になるのでちょっと頭をひねってみて下さい。
パパが沐浴を怖がっている時は、「じゃあパパはお風呂上がりの保湿クリームとお着替えの担当ね」と、ハードルの低いお世話から任せてみるのがおすすめです。明日の夜、パパに「一緒にお風呂の準備手伝ってくれる?」と声をかけて、チーム育児をスタートさせてみましょう。
家族間のルール作りが里帰り成功の鍵
「実家の親は昼間に沐浴をさせたがるけれど、自宅に帰ったら夜にお風呂に入れる生活になるからどうしよう」といった生活リズムのズレは、里帰り中のママを悩ませる種です。
パパや祖父母と「退院後のスケジュール」について関わり方をそろえると、子どもにとって「いつもの時間にいつものお世話をしてもらえる」という安心感につながります。家庭内で自宅に戻った後のタイムスケジュールを共有しておくと、赤ちゃんがスムーズに自宅の生活に移行できる場面でとても良い効果が出やすくなります。
里帰りから自宅に戻る1週間前には、パパの帰宅時間に合わせて沐浴の時間を夜にずらすなど、実家にいながら「自宅モード」の練習を始めてみましょう。ご両親にも「来週からパパの生活リズムに合わせる練習をするね」と伝えて協力を仰いでくださいね。
里帰り出産に関するよくある質問(FAQ)
Q:実家に生活費(お礼)はいくら渡すべきですか?
一般的には、ママと赤ちゃんの食費や光熱費の実費として「1ヶ月あたり2万円〜3万円」を包むケースが多いようです。現金の受け取りを断られた場合は、帰り際に少し高級なお肉や家電製品など、ご両親が喜ぶものをプレゼントして感謝の気持ちを伝えるのも素敵なアイディアです。
Q:親との生活リズムが合わずストレスが溜まります
親世代は早起きで、夜中の授乳で朝方まで眠れないママにとっては辛いですよね。無理に合わせる必要はありません。「夜間授乳で寝不足だから、午前中は赤ちゃんと一緒に寝かせてもらうね」と最初に宣言し、お互いの生活リズムを尊重し合う距離感を保つことが大切です。
Q:自宅が実家から遠方の場合、パパとの関わり方は?
新幹線や飛行機の距離でパパが毎週末来られない場合は、写真や動画の共有アプリ(みてね等)を活用して、毎日のちょっとした変化をリアルタイムで共有しましょう。赤ちゃんの横に「パパ大好き」と書いたボードを置いて写真を送るなど、パパを寂しがらせない愛情表現が効果的です。
Q:上の子がいる場合の里帰りの注意点は?
上の子にとって、赤ちゃんが生まれておばあちゃん家で暮らすのは大きな環境変化です。「赤ちゃん返り」が起きやすくなるため、祖父母には赤ちゃんのお世話を多めにお願いし、ママはあえて上の子と二人きりで遊ぶ時間を意識的に作るようにしてください。
まとめ:パパも親も大切に!里帰り出産で家族の絆を深めよう
長い家族生活を楽しく過ごす為にも、里帰り出産のイメージはできてきましたか?何かとピリピリしてしまう時期ですが、ホルモンバランスの変化や寝不足が重なるのですから、そのピリピリもごく自然なことです。ご自身を責める必要は全くありません。
これから家族生活という長い時間を楽しく過ごす為に、パートナーであるパパの事も考え、一定期間(産後1ヶ月を目安に)で里帰りから自宅へ戻る事がおすすめです。パパが全然育児をしないというご家庭も多くあると思いますが、初めから完璧な父親はいません。少しずつ育児を分担し、夫婦でコミュニケーションする場をできるだけ作れる様に工夫してみましょう。
ご両親への感謝の気持ちを忘れず、そしてパパとの新しい家族の絆を育むために、里帰り期間を有意義に過ごしてくださいね。焦らず、あなたらしいペースでママとしての第一歩を踏み出していきましょう。


