良いことばかりじゃない里帰り出産の落とし穴とストレス回避法
二人目、三人目の出産は上の子の学校の都合などで里帰りしないという人も少なくありませんが、最初の子どもの時には「里帰り出産」を選択する人が大半です。なんといっても、自分の一番の味方であり子育てのベテランでもある両親が身の回りの世話を手伝ってくれる里帰り出産は、産後の回復期においてとっても心強いものです。
しかし、そんないいことずくめに思える里帰り出産が、実際には「ストレスだらけ!」という事態に陥ってしまうことも珍しくありません。
せっかくの産後の大切な時期に、実家でイライラを溜め込んでしまっては本末転倒です。そうならないために、里帰り出産でよくあるストレスの原因と、それを乗り越えるための3つの解決策をお教えします。
育児の主導権や生活リズムの違いでストレスを感じるケース
退院してきた可愛らしい赤ちゃんを見た途端、「私たちがこの子の世話をしなくっちゃ」と、親ではなく祖父母のモードに切り替わり、張り切ってしまうおじいちゃん・おばあちゃんは珍しくありません。お母さんは、おむつ替えや沐浴など、自分自身が経験を積みたい赤ちゃんの世話を両親に取られてしまい、「これではいつまで経っても私が母親になれない」と強いストレスを感じることがあります。
さらに、こうした状況で週末に実家へ面会に来る夫が、両親に遠慮して赤ちゃんを抱っこすることもできず所在なげにしてしまい、実両親と夫との板挟みに悩むお母さんも少なくありません。
また、いくら実の親子と言っても、所帯が別になれば長年の生活ペースもすっかり変わっています。
高齢者にありがちな「早寝早起き」のペースを深夜の授乳でフラフラな産婦に押しつけられたり、子育てを終えた老夫婦特有の「ペット(犬や猫)優先」の生活スタイルに戸惑ったりと、衛生面や価値観の違いから不満を募らせる状況も多々考えられます。
解決策1 夫婦の考えを事前にきちんと伝えよう!
里帰り出産のストレスを防ぐのにまず大切なのは、夫婦の意識と事前のすり合わせです。「子育ての主役は自分たち夫婦である」ということを、あらかじめ実家に確認しておくことからスタートしましょう。里帰り中は頼ったり甘えたりすることも当然ありますが、両親には夫婦の考えをしっかり話し、お願いしたい役割を明確に整理して伝えておくとスムーズです。
理想的なのは、「赤ちゃんの世話の主体はお母さんが行い、食事の準備や洗濯など『家事のメイン』を両親にやってもらう」というスタイルです。産後すぐは体が痛くて無理でも、徐々に赤ちゃんの世話についてはお母さんが行い、疲れた時やお昼寝する時だけのサポート役に回ってもらうよう、段階的にシフトしていきましょう。
また、実の親子の関係であっても、してもらったことはその都度「ありがとう」と感謝を言葉にして伝えるのが重要です。里帰り中の生活費(一般的に1ヶ月2〜3万円程度が相場と言われています)をあらかじめ封筒に入れて渡しておくのも、両親と「依存しすぎない適度な距離」を保つコツです。
血のつながりがあるとは言え、お金と感謝の礼儀はきっちりする方が、結果的に良好な関係が長く保てます。
解決策2 実母もママも「一年生」お互いを理解し成長するのが大事
里帰り出産のストレスで非常にありがちなのが、昔と今の「育児の常識の違い」で母と娘が激しく衝突するというもの。「抱き癖がつくからすぐに抱っこしちゃダメ」「布おむつじゃないと愛情が伝わらない」など、昔の価値観を押し付けられると、ただでさえホルモンバランスが不安定な産後は泣きたくなってしまいます。
もし「昔はこうだった」と実母から言われたら、「今は産院でこう指導されてるんだよ」と軽く今のやり方を伝えるにとどめ、あとは真っ向から反発せずに「アドバイスありがとう」と基本的には聞き流しましょう。
育児の常識は時代によっても人によっても千差万別です。「昔の方法は間違ってる!」と頭ごなしに否定されて悲しくなるのは、一生懸命育ててきた実母の方も同じなのです。
お互いが「初めてのママ」「初めてのおばあちゃん」になるのですから、二人で新しい育児の考え方について話し合い、一緒に成長していく必要があります。
自分が徐々に母親らしくなっていくように、実母だって少しずつ「出しゃばりすぎず、母親をサポートする立場」のおばあちゃんへと成長していきます。里帰り出産はその最初の一歩です。お互いの未熟さを認め合い、温かいまなざしを向けることが大切です。
最新の育児書や産院でもらったパンフレットを、リビングに置いて一緒に読めるようにしておくのも良いでしょう。第三者の活字を通すことで、実母もスッと新しい知識を受け入れやすくなります。
解決策3 あえて「里帰りしない」という2つの選択肢もある
実親との関係性や実家の環境を考えて、里帰り出産の負担やストレスが明らかに予想できる人は、もちろん「里帰りしない」という方法を選択することもできます。
一つは、実母(または義母)に自分たちの自宅へ一定期間手伝いに来てもらうという方法。
自宅は自分たち夫婦のフィールドですから、生活スタイルの違いによるストレスはほぼゼロに抑えられます。また、実母がいる間に自宅周辺の小児科やスーパーなどの地域の育児情報を入手し、生活リズムを整えられるというメリットもあります。
ただし、実母にとっては「他人の家(夫の家)」で家事をする負担が大きくなるため、事前に夫も含めた上手な連携と配慮が大切になります。
二つ目は、親に頼らず「夫婦2人だけでなんとか乗り切る」方法です。いまだ男性が長期の育児休暇を簡単に取れる時代ではないという声もありますが、有給休暇などを組み合わせたり、リモートワークを活用したりすれば、産後の一番大変な時期(産褥期)に少しはまとまって休める場合もあります。
最近は、自治体が低価格で提供している「産後ヘルパー(家事・育児支援)」や、民間の家事代行サービス、ベビーシッターなどの育児資源が充実しています。これらをフル活用できれば、初めての出産を里帰りしないで迎えることも決して無理ではありません。
また、重い荷物を持てない産後には、ネットスーパーや食材の宅配サービスを利用し、自宅から出ること無く食品やおむつなどの買い出しを済ませるのが鉄則です。妊娠中からアプリを登録し、パパにも使い方を共有しておくと安心です。
親子でもお互いを気遣う事で円満な関係に
きわめて少数ですが、「お互い適度に気遣いをするから、感情的にならなくてかえって楽」という理由で、実家よりも「義実家(夫の実家)」での里帰り出産を希望するママもいます。
誰の家であれ、一番大切なのは「親しき仲にも礼儀あり」の精神で、実の親子であってもお互いに適度な気遣いをすることです。「やってもらって当たり前」という甘えを捨て、感謝を言葉にする。この気持ちがあれば、一緒に楽しく赤ちゃんのお世話ができ、1ヶ月後に「里帰り出産してよかった〜」という温かい気持ちで自宅へ戻ることができるでしょう。




