新生児の「魔の三週目」を乗り切る!生後3週目に泣いて寝ない原因と対処法、いつまで続く?
「もしかして、これが魔の三週目?」生後3週間目に入り、急に泣き止まず寝なくなった赤ちゃんの豹変ぶりに、ママやパパは「いつまでこの状態が続くの?」「もう辛い…誰か助けて欲しい」と、心の中で叫んでいるかもしれません。
数時間おきの昼夜を問わない授乳にも慣れ、「ようやくへその緒が取れた」と、これからお世話が楽になることへの期待が膨らみ始めたのも束の間、なぜか突然、昼夜を問わず新生児が泣いて寝ない状態に突入し、ぐずって泣き続ける赤ちゃんが泣き止む方法をあれこれ試しまくる日々が始まるかもしれません。
このページでは、「魔の三週目」の育児に悩むママやパパのために、魔の三週目とは具体的にどのような状態なのか、いつから始まりいつまで続くのか、新生児が泣いて寝ない状態を少しでも軽くする具体的な対処法、そしてママとパパが上手に乗り切るための心構え、さらには先輩ママが「終わった!」と感じた瞬間の体験談などを詳しく紹介します。この時期は誰もが通る道です。知識を得て、気持ちを楽にして乗り切りましょう。
魔の三週目とは?新生児の急成長(メンタルリープ)が生む「生後3週目の壁」
魔の三週目とは、主に生後14日目から3週間ごろにかけて、新生児が急に激しく泣きじゃくり、なかなか寝なくなることで、おむつの汚れや空腹といった一般的な理由が見当たらないため、ママやパパが心身ともに疲弊してしまう時期を指します。
医学的に定義された用語ではありませんが、多くの保護者や育児経験者から語り継がれており、新生児の成長過程における一時的な壁として知られています。
魔の三週目の原因:脳の急成長(メンタルリープ)とパーソナリティの芽生え
魔の三週目の主な原因は、新生児の脳の急速な発達にあると考えられています。この時期、赤ちゃんは外界の情報を処理し、学習する能力が急激に向上します。
特に、海外で提唱されている「メンタルリープ(Mental Leap:精神的な急成長期)」と呼ばれる理論では、生後3週目頃に最初の大きな成長の波が訪れるとされています。この新しい能力を獲得する過程で、赤ちゃんは外の世界が急に複雑に感じられ、戸惑いや不安を感じることが、泣きやぐずりの増加に繋がると解釈されています。これは、新生児の脳が順調に成長しているポジティブな成長の証でもあるため、必要以上に心配しなくても大丈夫です。
また、赤ちゃんがお腹の中の環境と外の世界との違いをより明確に認識し始め、個々のパーソナリティ(個性)が芽生え始める時期でもあります。自分の意思を「泣き」という唯一の手段で表現しようとすることで、養育者が何を求めているのか理解しづらくなることも、この時期の育児を難しくする一因です。
「魔の三週目」は子育てが辛いタイミングの一つ:3の倍数の法則?
子育てにおいては、「3の倍数の週数や月齢で手がかかる育児の壁がある」と経験的に言われることがあります。これは科学的な根拠が確立されているわけではありませんが、赤ちゃんが急成長を遂げる時期と重なることが多いため、変化に戸惑う親が多いためかもしれません。
その最初の壁が「魔の三週目」と呼ばれています。例えば、生後6週目、3ヶ月、6ヶ月なども、発達の節目でぐずりや夜泣きが増える時期として挙げられることがあります。何も知らずに3の倍数の時期を迎えると戸惑いますが、「これぞ成長のサイン」と受け止める心構えがあれば、比較的スムーズに乗り越えられるかもしれません。
この時期の新生児が泣いて寝ない状態は、ママにとっても、産後の興奮や緊張感が落ち着き、慣れない新生児のお世話に疲労を感じやすい時期です。家事の再開や睡眠不足などで心身共に苦痛を感じやすく、家族のサポートが特に重要になります。
魔の三週目はいつから始まりいつまで続くの?期間には個人差があります
魔の三週目がいつからいつまでと明確に断言することはできません。この現象は医学的な定義ではなく、赤ちゃんの成長のスピードや個性により、期間には大きな個人差があるからです。
魔の三週目はいつから?生後14日目から20日目くらいに始まることが多い
一般的に、生後3週間目に入る生後14日目ごろから新生児がよく泣き始めるため、「魔の三週目」と呼ばれています。多くのママやパパが「あれ?なんか急によく泣き始めたな」と感じる日を迎えます。
魔の三週目はいつまで?数週間で落ち着く子もいれば、生後2~3ヶ月頃まで続く子もいる
最も気になるのが、この状態がいつまで続くのかという点です。短い子であれば数日から1週間程度で落ち着きが見られますが、長い子だと生後2ヶ月から3ヶ月頃まで、泣きやぐずりが続くこともあります。この期間は、赤ちゃんが泣き続けることを前提に、「寝られる時に寝る」など、肩の力を抜いて育児に取り組むことが大切です。
魔の三週目から「3ヶ月コリック(黄昏泣き)」に移行する子もいる
魔の三週目での泣きが落ち着いた後も、そのまま「3ヶ月コリック(黄昏泣き)」と呼ばれる現象に突入する子もいます。これは、生後3ヶ月頃までの乳児に多く見られ、夕方から夜間にかけて理由なく激しく泣くことが特徴です。コリックは通常、生後5〜6ヶ月頃までに自然と消失します。
このように、「魔の三週目」だけでなく、コリックや生後6ヶ月頃からの夜泣きなど、赤ちゃんの成長の節目には「泣きの壁」が次々と訪れる可能性があります。「3のつく時期は赤ちゃんが泣く時期」と心得ることで、次に来るであろう壁に過度にショックを受けすぎずに済むでしょう。
新生児の泣きがいつまで続くかは個人差が非常に大きいので、よく泣く赤ちゃんを育てているママやパパは、無理をせず、周囲のサポートを積極的に得ることがとても大切です。
魔の三週目を楽にする7つの具体的な対処法|寝ない新生児が落ち着く方法
魔の三週目は「理由なく泣く」と言われますが、赤ちゃんにしてみれば「怖いよ」「ママ助けて」「辛いよ」という不安やパニック状態の叫びかもしれません。新生児が安心して落ち着ける寝かしつけのコツを知り、入眠前は新生児が眠りやすくなる準備をすることが大切です。
1おくるみに包んで安心感を高める(おひなまき)
おくるみは、新生児期の赤ちゃんを安心させられる便利なアイテムです。魔の三週目の新生児にとって、お腹の中にいた時の丸まった姿勢は大きな安心感を与えられます。そのため、おくるみで「おひなまき」にすることで、赤ちゃん特有の手足バタバタ(モロー反射)を落ち着かせるのにも役立ちます。
「抱っこでは寝ているのに、布団に置いた途端泣いてしまう」という時も、おくるみが役立つことがあります。おくるみに包んだまま抱っこして寝かせ、そのまま布団に置くことで、包まれた状態がパパやママに抱っこされている状態と近い安心感を与え、目を覚ましにくくなる場合があります。
2「輸送反応」を利用し抱っこして揺れながら歩く
これは生後6ヶ月頃までの赤ちゃんが持つ「輸送反応(Transport Response)」を利用した、魔の三週目の赤ちゃんを泣き止ませる非常に有効な方法の一つです。新生児を抱っこして室内をゆっくりと歩いてみましょう。
人間を含む哺乳類において、親が子を抱き上げて歩行すると、子の運動量や心拍数が減少してリラックスし、眠りやすくなることが科学的に確認されています。特に激しく泣いている時には、一度試してみる価値のある方法です。
3パパが抱っこする時間を作る(ママの休息とリフレッシュ)
ママが抱っこすると泣き止まないのに、パパが抱っこするとピタッと泣き止んで寝るというのは育児中によく聞かれる話です。一般的にパパはママより腕が太く体が大きいので、赤ちゃんがより安定感と安心感を得やすい可能性があります。
また、新生児はママの匂いやおっぱいの存在を強く認識しているため、おっぱいの匂いを嗅いだだけで甘えたくなり、空腹でなくても授乳を求めて興奮してしまうことがあります。パパに抱っこを交代してもらうことで、赤ちゃんが一旦興奮から離れ、ママは疲労やストレスを解消する休息時間を確保できます。
夫婦で協力して子育ての一番辛い時期を乗り越えることは、産後クライシスの対策にも繋がり、家族の絆を深めることにも繋がります。
4眉間や耳たぶを優しくなでるスキンシップ
スキンシップは新生児に安心感を与えやすいですが、抱っこばかりではママも疲れてしまいます。そんな時は赤ちゃんをベッドに寝かせた状態で、鼻筋から眉間を優しくなでたり、耳たぶを優しくなでたりしてみましょう。これは、経験豊富なママや保育士さんが使う裏ワザとして知られています。
優しく一定のリズムでなでることで、赤ちゃんがリラックスし、眠りに誘われやすくなることがあります。
5意表をつく音や動きで赤ちゃんの気持ちを切り替える
理由もなく泣いているときは、赤ちゃん自身もどうしていいかわからなくなり、泣き続けて興奮状態になっている可能性があります。そんな時は、ママが意表をつくような「何かのきっかけ」を与え、赤ちゃんの気持ちを切り替えさせることが大切です。
赤ちゃんが泣き止む音やアプリ、またはビニール袋のカサカサ音、テレビの砂嵐の音など、ママの心臓の音に近いとされる単調な音を試してみるのも良いでしょう。これも赤ちゃんが泣き止む方法の一つです。
6おしゃぶりの使用も検討する
生後15日前後になると、赤ちゃんは空腹だけでなく、不安な気持ちを解消するためにおっぱいを吸いたいという欲求(吸啜反射)が強くなることがあります。泣き続けるたびに授乳していると、ママの乳首が荒れたり、乳腺炎の原因となったりするリスクがあります。
むやみにおしゃぶりを否定せず、おしゃぶりのメリットデメリットを知った上で、ママが休息を必要とする辛いときには、おしゃぶりの活用も検討しましょう。
7構い過ぎずにママは寝たフリをする
意外に効果があるのが、赤ちゃんのそばでママが「寝たふり」をすることです。赤ちゃんが泣くからといってママが過度に構い過ぎると、赤ちゃんの脳がさらに興奮状態になり、余計に寝付けなくなるとも言われています。ママが横になってリラックスしている様子を見ることで、赤ちゃんも安心して寝付くきっかけになる場合があります。
ただし、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを避けるため、赤ちゃんとの添い寝は安全なやり方(硬い布団、仰向け寝など)を確認してから行うか、添い寝用のベビーマットなどの安全な器具を利用しましょう。
A魔の三週目からベビーマットで添い寝スタート
出産直前まで勤めていた職場の人達から、お祝いに添い寝できるベビーマットをもらいました。先に出産した職場の先輩ママから「どうしても寝ない時は添い寝すると楽だよ」と教わっていて覚悟はしていましたが、ついに魔の三週目が訪れ、ベビーマットを私の布団の横にセット!
サークルがついているので安心して添い寝でき、身体を横にできるので私も随分ラクでした。横で頭をなでたり、耳たぶをなでたりし、限界がきてそのまま寝たふりをすると、しばらくしたら諦めて寝てくれましたよ。
魔の三週目をママとパパが上手に乗り切るための3つの心構え
魔の三週目は、初めて「子育てをやめたい」と感じるほど、心身ともに追い詰められるママもいます。自分を責めるのは禁物です。以下の3つの心構えで上手に乗り切りましょう。
1無理をしないで周りの人に頼る(睡眠確保を最優先に)
魔の三週目で最もつらいのが、寝ないで泣く新生児に付き合ってママも深刻な寝不足になってしまうことです。毎日寝不足が続けば、産後でなくても自律神経が乱れて体調を崩したり、精神的に不安定になったりする恐れがあります。「眠くて限界!」と感じているママは、無理せず周りの人に頼りましょう。
赤ちゃんをパパや実家の両親、義理の両親など他の人に見てもらうことが難しい場合は、ファミリーサポートセンターや一時預かり保育、ベビーシッターなどを利用して、短時間でも良いので睡眠を確保することが最優先です。
産後のママの心身の健康は、赤ちゃんのためにも不可欠です
子育てはママ一人で頑張れば上手くいくというものではありません。赤ちゃんは愛情や温もりの中で心身ともに健全に育ちます。頼りのママが心身ともに健全でいられなければ、その影響が赤ちゃんに及ぶ恐れもあります。魔の三週目で「もう限界」と感じたら、たとえ一時的に費用がかかっても人の手を借り、ママが心身ともに健康でいられる環境を整えることが大切です。
2発想の転換で、思いつめないようにする
魔の三週目で「なんで泣くの?」「どうして泣き止まないの?」と、原因を考えれば考える程、ママが自分で自分を精神的に追い込んでしまう恐れがあります。魔の三週目で「何で泣くのか、わけがわからない!」と感じたら、発想の転換を試みましょう。
例えば、次のようにポジティブな解釈を試みてはいかがでしょうか?
- まだ自分の意思で笑えないから、泣いて私とのコミュニケーションを楽しんでいるのね。
- 大泣きすることで肺や腹筋を鍛えているのね!努力家ちゃんだ。
- お腹の中と区別がつくレベルに、頭が良くなったんだ!
- これだけ元気に泣ける子だから、将来自己主張がしっかりできる子になるかも。
- 不眠不休で泣いて、働き者の赤ちゃんだなぁ!パパ似?ママ似?
- あなたのお蔭で、ママは世の中のママ達の苦労を知ることができて、視野が広がったよ!ありがとう♪ など
3泣いている姿を客観的に記録してみる
泣いている赤ちゃんと長時間向き合っていると、ママに精神的な負担がかかって当たり前です。そこで、泣いている赤ちゃんを客観的に見られるように、ビデオやスマホ動画で撮影してみましょう。「思ったよりギャン泣きじゃないかも」「いつもはもっと激しいのに」と、冷静に見つめ直せるかもしれません。
また、魔の三週目に撮影した動画は、成長した我が子のイヤイヤ期などに振り返ってみることで、「この時よりずっと楽になった」と思えたり、将来子供に見せて成長の記念にしたりすることで、良い思い出として楽しむこともできます。
魔の三週目が終わる瞬間!先輩ママの体験談
魔の三週目で精神的にも身体的にもまいってしまっているママにとっては、「この状態はいつまで続くの?」という問いへの答えが何よりの希望になります。魔の三週目のおわりを感じた瞬間について、先輩ママから教えてもらいました。
A終わったのか慣れたのか、笑顔が増えたとき
魔の三週目、それまでおとなしかった息子が、ことあるごとにギャン泣き状態。私も寝不足やストレスで本当につらかったのを覚えています。それが2週間経ったくらいから、徐々に泣きが治まっていき(もしくは私もそんな状態に慣れていったのかもしれませんが)、息子と目が合ってにっこり笑ってくれるようになったときには、もう「魔」の兆候は感じなくなり、「終わったのかな」と感じました。
成長していろいろなことがわかるようになって、おもちゃを見て泣き止むようになるなど、泣き止ませるアイテムも増えたからかもしれません。今思うと、息子を泣き止ませようと試行錯誤したことも、良い思い出です。
A里帰りで母に助けられ、一週間くらいで治まった
魔の三週目から、特に理由もないのに顔を真っ赤にして、声が枯れるまで涙を流して泣き叫ぶ…という状態が続きました。里帰り出産だったので、実家の母に助けてもらえたことも良かったのか、一週間くらいで治まり「おわりかな?」と思いました。実家にいたおかげで、私が精神的にも落ち着いていたぶん、泣き止ませ対策もいろいろ試せたからかもしれませんね。
ちなみに、2歳になった今でも同じ顔で同じ泣き方で泣くんですよ!(笑)
A夜まとめて寝られるようになった生後3ヶ月頃
魔の三週目のおわりを感じたのは、生後3ヶ月になった頃でしょうか。ママ友に話すとよく「長い!」と言われますが、3ヶ月に入ってようやく夜まとめて寝られるようになったので、それまでの寝不足が解消され、私も心身ともに落ち着いた気がします。
代わりに、他のママ友達は夜泣きで苦労していましたが、うちの子はあまりひどく泣き叫ばず、比較的楽に夜泣きもおわりました。「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」ですよ。
魔の三週目は産後うつへの注意が必要な時期。子育て環境を見直しましょう
魔の三週目に突入すると、「赤ちゃんのことが心配だし、母親の責任は重いし、近所迷惑だし、寝不足で心身ともに辛いし」と多くのママが精神的に追い詰められます。このような状況が続くと、産後の心身の不調に繋がる可能性があります。
日本精神科看護協会によると、産後うつは産後3~6週間で発症することが多いとされています。これは、ちょうど魔の三週目からコリックへと移行する時期と重なります。真面目で責任感が強いママほど、この時期に精神的に追い詰められやすい傾向があります。
産後うつの主なサインの例:
- 徐々に食欲がなくなった、または過食になった
- 激しい頭痛やイライラがひどい、または無気力になった
- 悲観的な気持ちになり、涙が出てくるなどの抑うつ症状がある
これらのサインが続く場合は、魔の三週目を機に、真剣に子育て環境を見直す必要があります。あなたの側には、辛い愚痴を聞いてくれる人がいますか?眠くてどうしようもない時に、自分の代わりに短時間でも赤ちゃんを見てくれる人が側にいますか?
子育て4コマ漫画:魔の三週目がやってきた!乗り越えるコツは?
魔の三週目に直面しているママさん、一人で抱え込む必要は決してありません。「仕方がない」と諦めるのは、パパや実家、ファミリーサポートやベビーシッター、ハウスキーパーなどへのヘルプ(助け)を声に出してからでも遅くはないのです。
魔の三週目はやがて終わりますが、人生で一番大変な時期に家族なのに助けてもらえなかった心の傷は、後に夫婦関係などに表面化することもあります。心にしこりを残さずに幸せな家庭を築くためには、魔の三週目などの辛い時こそ、家族の気づきを待つのではなく、自分から助けを求めることが大切です。

