おしゃぶりで寝かしつけると卒業が大変?歯並びは?体験談16
赤ちゃんの夜泣きや寝ぐずりがひどいと、保護者は寝不足で心も体も疲弊してしまいます。精神的に追い詰められておしゃぶりを使いたくなる一方、実母や姑、友人から「おしゃぶりは歯並びが悪くなる」「癖になる」と言われて、使うのをためらってしまう人は少なくありません。
本当におしゃぶりで寝かしつけた赤ちゃんは歯並びが悪くなるのでしょうか。いつまで・どのような使い方をして、卒業のタイミングをどう乗り越えたのでしょうか。16人のママにおしゃぶりを使ったメリットとデメリットを教えてもらい、専門家の見解とあわせて整理しました。「使う・使わない」を二択で考えず、自分の家庭に合う付き合い方を見つけるためのヒントとしてご活用ください。
おしゃぶりの基礎知識 メリットとデメリットを冷静に整理
子育ての現場では「おしゃぶり=悪いもの」と決めつける声と、「うちはおしゃぶり様々だった」という声が真っ二つに分かれます。発達の観点から見ると、赤ちゃんには生まれつき吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)と呼ばれる、口に触れたものに本能的に吸い付く力があります。胎児期から自分の指やへその緒をくわえて安心していた赤ちゃんが、生まれた後も「吸う」行為で気持ちを整えるのは自然な姿です。
そのうえで、メリットとデメリットを並べてみましょう。
メリットの代表例
- 吸う動作で気持ちが落ち着き、寝かしつけがスムーズになりやすい
- 夜泣きやぐずりが続く時期に、保護者の睡眠時間を確保しやすい
- 米国小児科学会では、就寝時のおしゃぶり使用は乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率を下げる可能性があると報告されています
- 指しゃぶりの代わりになり、指のふやけや爪のささくれを防ぐことがある
- 予防接種や採血など、痛みを伴う処置で気を紛らわせる助けになる
デメリットの代表例
- 長期間・長時間の使用は、開咬(前歯がかみ合わずすき間ができる)や上顎前突(出っ歯)、後方交叉咬合(奥歯のかみ合わせのズレ)のリスクが高まると指摘されています
- 常時くわえていると発語の機会や親子の会話が減りやすい
- 1歳以降では中耳炎のリスクが高まるという報告がある
- 「寝る=おしゃぶり」が強く結びつくと、夜間に外れた瞬間に泣いて起きやすくなる
日本小児歯科学会と日本小児科連絡協議会の見解では、おしゃぶりの使用は遅くとも2歳半までに中止すれば、かみ合わせの異常は成長とともに自然に改善することが多いとされています。一方、3歳を過ぎても日常的に使い続けると、不正咬合が残りやすくなると報告されています。子育ての現場では、この「2歳半」を一つの目安に、各家庭の事情と相談しながら卒業のタイミングを考えるのが現実的なアプローチです。
月齢・年齢別 おしゃぶりとの付き合い方の早見表
「使うかどうか」だけでなく、「いつ・どのくらい使うか」が結果を大きく左右します。発達段階に合わせた目安を一覧で押さえておくと、迷いが減ります。
| 時期 | 使い方の目安 | 注意したいポイント |
|---|---|---|
| 0〜3か月 | 寝かしつけやぐずり対応で必要な時に短時間使用 | 母乳育児を妨げないよう、授乳が安定してからの導入が安心 |
| 4〜6か月 | 寝かしつけ中心に、起きている間は使わない時間を増やす | 口で物を確かめる時期。学びの機会を奪わないよう常用は避ける |
| 7〜12か月 | 夜の寝入りと夜間覚醒時に限定する方向へ | 1歳以降は中耳炎リスクが上がる報告あり。日中の使用を減らす |
| 1歳〜1歳半 | 寝入りだけ→寝室だけ、と使用シーンを絞る | 言葉の発達期。常時くわえるのは避ける |
| 1歳半〜2歳 | 卒業に向けて段階的に減らす | カレンダーや声かけで本人にも卒業を意識させる |
| 2歳〜2歳半 | 原則卒業を目標にする | 歯科の見解では2歳半までの卒業で歯並びへの影響が残りにくい |
| 3歳以降 | 卒業できていない場合は小児歯科・小児科に相談 | 開咬・上顎前突のリスクが残りやすくなる |
先輩ママたちの声を見ても、「寝るときだけ」「ぐずり対策で短時間」と決めて使い切ったケースは卒業がスムーズな傾向があります。逆に、起きている間も常にくわえさせていたケースでは、卒業に時間がかかったという声が目立ちます。
Qおしゃぶり卒業はいつ?大変?歯並びへの悪影響は? 教えて!
ここからは、実際におしゃぶりを使った(または使わなかった)16人の先輩ママの体験談です。月齢、使った時間帯、卒業のきっかけ、歯並びへの影響について、それぞれが赤裸々に語ってくれています。自分の状況に近い体験を見つけてみてください。
Aおしゃぶりは寝るときだけちょっとだけ
基本的に母乳をあげて添い乳していたのですが、だんだん子供も大きくなるに連れておっぱいの出が悪くなり、吸われているものの出ている感じがなく、乳首が伸ばされ痛くて苦痛になっていました。なので寝るときだけおしゃぶりをくわえさせていました。
起きているときは母乳、寝るときだけおしゃぶり、でも自分の吸う力だけで加えていられず、結局私がくわえさせながら寝かせていました。この子自体おしゃぶりにそんな執着心もなく、そもそもおしゃぶりをくわえさせたのが時期が遅かったからか、すんなり辞めてくれました。歯並びも正常です。
Aすんなり卒業出来ました。
息子は、おしゃぶりが大好きでした。母乳ではなく人工乳で育てたので、他の子より吸う力が弱いんじゃないかと勝手に思い込み、おしゃぶりをさせるようになりました。寝かしつけはもちろん、普段も愛用していました。
卒業するのは大変だろうなと思っていたのですが、一番お気に入りのおしゃぶりが切れて使えなくなった時に、パタッとしなくなりました。あんなに卒業出来ないんじゃないかと心配してたのに、スパッと卒業出来ました。
Aおしゃぶり使うと楽ですよね。
私には2人子供がいるのですが、上の子の時は生後2か月くらいからおしゃぶりで寝かしつけていました。おしゃぶりを口に入れると数分で眠ってくれるので、楽でしたよ。歯並びが悪くなるという話を聞いたこともあったのですが、実際は影響はないらしいです。むしろ口呼吸ではなく、鼻呼吸のくせがつくから良いと言われましたよ。
おしゃぶりを卒業するタイミングですが、うちの子は自然と使わなくなっていきました。今下の子は1歳なのですが、この子はおしゃぶりを断固拒否します。なので、寝かしつけが大変です・・・おしゃぶりは、使えるなら使ったほうがいいと思います。何といっても、保護者が楽できますから。
Aおしゃぶりはすごく楽ですよ。
一人目の時は、おしゃぶりを使いませんでした。というのも、おしゃぶりは買ったのですが、子供がおしゃぶり嫌いだったみたいで、全くくわえてくれませんでした。なので寝かしつけなど、ずっと抱っこしていなければならず、とても大変でした。
二人目は、おしゃぶり嫌いじゃなかったので、とても助かりました。まず、一人目と二歳差で下の子にあまり手をかけられなかったので、家事をしている時など、手が離せないときにはすかさずおしゃぶりでした。寝かしつけるときも、上の子は抱っこしたりしないと寝ないので、下の子はおしゃぶり。
うちの子はミルクを飲まなくなるのと同じ位に自然とおしゃぶりも卒業しましたよ。歯並びは今のところ影響はでていないように思います。
Aおしゃぶり大好き
私の妹が私よりも2年先に出産して育児をしていたのですが、姪っ子はおしゃぶり大好きな子でした。当時1歳半くらいでしたが、とにかくおしゃぶりを常にしてました。私も一応はおしゃぶりを買っていたんですが、無くて済むなら使わないでおこう、と思いしまい込んでいました。
私の息子ですが、自由に動き回れるようになるとなんでも口に入れる子で、本当に掃除や整理整頓には気を使っていました。しかし子供って親が思ってもみない事をするんですよね。ある日トイレのスリッパをパクッ!としているのを見てビックリ。おしゃぶりを思い出し、それから使ってみることにしました。
効果はてきめんでそれ以来あまり口になんでも入れなくなりました。一番よかったと思う事は指しゃぶりの習慣がつかなかったことです。おしゃぶりは数日前から「もうすぐバイバイするよ」と言っておき、数日後に「バイバイして」と言うと素直にやめてくれました。
歯並びは影響が少ないタイプのおしゃぶりを使っていたからか大丈夫です。
Aおしゃぶりは癖にならない
新生児の時から添い乳で寝かしつけていたのですが、眠りが浅くなったのか一時期ずっと吸いっぱなしの時がありました。それが思った以上に辛く、腰や肩に負担がかかるようになってしまったので、友人にすすめられたおしゃぶりをくわえさせてみました。
最初はうまく吸えずにいましたが、そのうち上手になり寝てくれるようになりました。寝るときだけでしたが、取る時期は一歳頃の断乳とともに行いました。昼間からとるようにし、最初はぐずりましたが根気よく続けると寝れるようになり、夜もそのままおしゃぶりなしでいきました。
A寝かしつけが楽でした
妊娠中、テレビで見る赤ちゃんや外出先で見かける赤ちゃんがおしゃぶりをしているのを見て、自分の子にもおしゃぶりをさせようと思っていました。しかし私の祖母や母が、「おしゃぶりをすると歯並びが悪くなる」「癖になる」と言うのでとても不安でした。
実際は特に歯並びが悪くなったわけでもないし、眠たい時間以外での使用はなかったし、ご飯をよく食べるようになったことや、寝る前の絵本の読み聞かせの習慣をつけたら自然と自分からおしゃぶりを卒業していたので結果良かったと思います。
最初のころは、寝かしつけに時間がかかり、自分の時間もあまりなかったことがストレスになっていたので、おしゃぶりで寝てくれたのは本当に助かりました。
Aおしゃぶりが大好きなうちの娘
もともとおしゃぶりをさせるつもりがなかったのですが、私の父が買ってきてくれたので着けてみることにしました。お昼寝や夜寝るときは必ずつけていましたが、2歳になる頃には、おしゃぶりをしなくても寝るようになりました。
というのも、その時には2人目が生まれていたので、長女もお姉さんになるという自覚が出てきたのかもしれません。特に、おしゃぶりから強引に引き離したとかではなかったので楽でした。娘は今4歳ですが、他の子と比べて歯並びが悪いとかはありません。

Aうまく使えば親も楽です。
2歳の娘は生まれてすぐの頃から、ミルクを飲む量が多いという理由で、看護師さんからおしゃぶりを勧められ、2歳直前までおしゃぶりがないと大騒ぎしていました。おしゃぶりがあると安心してお昼寝もぐずらずにとても楽でした。
保育園に行っている時間はなぜかおしゃぶりがなくても大丈夫で、歯科検診で歯に影響が出るのでやめるようにと言われ、少しずつおしゃぶりを使う時間を減らしてやめさせました。
約2年くらいはおしゃぶりを使っていましたが、今の所歯並びにも影響は出ていません。おしゃぶりをうまく使えば子育てが楽になると思います。
A育児負担の軽減を最優先に
私は上の子の子育て中に途中まで頑張っておしゃぶりを使いませんでした。歯並びへのデメリットやおしゃぶり卒業に苦労するのではないかと心配したからです。ところが実際は、その固定観念が子育てにデメリットがあったと今は思っています。
うちの子は夜泣きがひどく、夫は車の運転があり休みのない仕事で核家族、家に他人を入れるのを嫌がられたためファミリーサポートの人にも頼めませんでした。私は体力的にきつくて半ばノイローゼ気味…息子が生後7ヶ月になったある日、魔がさしドラッグストアで見かけたおしゃぶりを与えてみたら、ピタッと大人しい子に変わりました。
そこからの子育ては楽で、子供も情緒が安定したようでした。家事の最中など、ぐずり出したら毎回抱っこして「ゴメンね、ちょっと待っててね」と言ってから、おしゃぶりを与えていました。特に寝かしつけは楽で、おしゃぶりを与えてしまえばすぐに眠りポロッと落とします。隣に添い寝すれば朝までぐっすりでした。
おしゃぶり卒業はおしゃべりや外遊びが増えた1歳半、案外楽でしたよ。歯は矯正しましたが、理由はあまり噛まない子のため顎が小さいからで、おしゃぶりの影響ではないと歯科医に言われました。また、おしゃぶりをしないで口呼吸や指しゃぶりでも歯並びは悪くなるそうですよ。
A壊れたのをきっかけに辞められました。
長男におしゃぶりを使用していました。3歳ぐらいまでずっと使用していました。ぐずった時や眠そうな時には、くわえていました。姉には使用していなかったのですが、長男は眠たいとおしゃぶりで自分で寝てくれることがありがたく、また本人も眠いとおしゃぶりを欲しがるのでずっと使用していました。
おしゃぶり卒業は少し苦労しました。もうおしゃぶりがあるのが分かっていて、眠くなると「ちょうだい、ちょうだい」と泣くので、なかなか辞められませんでした。しかしある時、おしゃぶりを吸いすぎてちぎれそうになってきました。
私は「ちぎれちゃったら、もうないねー」と毎日お話しをして、とうとうちぎれた時に「あー、とうとうこわれちゃったね、もうないね」というと本人も納得してやめました。主に寝かしつけに使っていましたが、一緒に私も眠ってしまい、1時間以上加えている時もありました。息子は今は6歳ですが、歯並びへの影響はありませんでした。
Aハサミでチョッキン
生後6か月頃まで母乳だけで育てていたので夜中ぐずったら母乳をあげていたせいで、いつも指を手にもっていくようになってしまいました。そのせいでいつも指がふやけてしまっていて心配になったので、おしゃぶりを買いました。
おしゃぶりは眠くなったときだけでなく、洋服に留めていつもしゃぶれる状態でしたが、特に歯並びにも影響はありませんでした。おしゃぶりを完全にやめたのは1歳4か月で、子供の前でおしゃぶりの口に含む部分をハサミでちょっきんと切ってしまいました。
1〜2日眠くなるとおしゃぶりを探しましたが、「ちょっきんしたよね」というと思いだして諦めていました。
Aおしゃぶり卒業に時間かかりました
生まれてすぐの頃からおしゃぶりを使用して寝かしつけしていたために、おしゃぶりが癖になってしまい常に口にくわえていないと落ち着かないようになってしまいました。結局いつか卒業するからと気長にやらせていたのですが、幼稚園の年少さんまでやめられませんでしたね。
“幼稚園に入ったのだから、そろそろやめようね”と言ったところ案外すんなりやめることができました。ちなみに歯並びには全く影響なく、きれいな歯並びで育ちましたし、その後心身ともに悪い影響もありませんでした。
A育児ストレスが少なくなりました
おしゃぶりを使用し始めたのは、寝かしつけの意味もありましたが鼻呼吸を癖付けしたかったからと、指しゃぶりをして欲しくなかったからです。おしゃぶりは卒業するときに隠してしまえば、ないものはないとなるのですが、指はどうやってもなくすことができないので、大きくなっても指しゃぶりをしてしまうと思ったからです。
おしゃぶりよりも指しゃぶりの方が出っ歯になると聞いていたからです。使用開始時は口に違和感などもあり嫌がっていましたが、気にいると寝入るときはもちろん泣いてしまったときなど落ち着きたい時に自ら欲していました。
卒業したのは1歳半ちょうどのときです。その頃ちょうどおしゃぶりなしで寝たのでそのまま卒業することを決めました。おしゃぶりを隠して4日間ほどは、私のカバンの中を探したり、「ちゅーちゅー」と言っていろいろなところを泣いて探していました。
寝付くときも少し探す素振りをしていましたが、睡魔には勝てずそのまま探しながら寝ていました。しかし5日目からは、存在を忘れたようで全く言わないし探さないようになりました。卒業から2週間後、うっかりしまっていた箱を見られおしゃぶりを発見されてしまいましたが、口にくわえることもなくなにも反応しませんでした。
歯医者にも通っていますが、今のところ歯列についてはなにも言われていませんし、前歯が出ているということも受け口になっていることもありません。
A3ヶ月ほど使用しました
上の子が2ヶ月位の時、あまりにもぐずぐずと言って寝ないので試しに使ってみようと思ってくわえさせてみたのがきっかけでしばらく使っていました。おしゃぶりを使うことにそこまで抵抗はなかったので、それよりも少しでも寝てもらって、自分が息抜きしたいという気持ちの方が大きかったです。
子供の反応は、おしゃぶりが大好きとまではならなかったですが、一応くわえさせている間はおとなしくしてくれていて、上手くいけばそのまま寝てくれるようになりました。
あまり長い間使って、おしゃぶり離れができなくなっては困ると思ったので生後半年くらいにはやめましたが、特に欲しがるようでもなくすんなり卒業出来たので楽でした。
Aおしゃぶりは保護者の味方!
寝ぐずりがすごくて大変と友達に相談したら、「おしゃぶり使ったら楽だよ。」と言われ生後2か月から使いました。ぐずりだしたらおしゃぶりを使うと寝付きが良かったので、とても楽になりました。ある程度起きてる時間が増えてくると眠い時だけおしゃぶりをして、機嫌の良い時は使いませんでした。
結局、3歳まで使っていました。今は小学生になり、永久歯に生え変わりましたが、前歯は綺麗です。おしゃぶりの卒業はクリスマスです。「サンタさんがお兄さんになったからこのプレゼントと交換してくれたよ。」と説明したら、納得してくれました。
2〜3日寝る時におしゃぶりを求めてきましたが、プレゼントを思い出させて添い寝したら大丈夫でした。
16人の声から見える 卒業パターンと共通項
16人の体験談を並べてみると、卒業のきっかけにはいくつかの共通パターンが浮かび上がります。先輩ママたちの声を整理すると、次の5タイプに大きく分けられます。
- 自然卒業型…成長とともに自分で興味を失う。tomoさん、mica(壊れたタイミング)、たんぽぽさん、もりこさん、ぱぴこさん、熊本ベアさん、まみさんなど。
- 言葉で約束型…「もうすぐバイバイ」「お兄さんになったから」と事前に伝える。ゆうママさん、ちえもんさん、ぐーたさんなど。
- 物理的に終了型…ハサミで切る、ちぎれたタイミングに乗る。たいこさん、あおぞらさんなど。
- イベント置き換え型…クリスマスや誕生日のプレゼントと交換。ぐーたさん。
- 隠す・しまう型…見えない場所に片付けて存在ごと遠ざける。るいママさん。
共通しているのは、「寝かしつけだけ」「眠い時だけ」など使用シーンが限定されていた家庭ほど、卒業がスムーズだった傾向があることです。逆に、起きている間も含めて常時使用していたケース(ちえもんさんの年少まで、たいこさんの3歳まで)では、卒業に時間がかかっています。
もう一つ印象的なのは、16人とも「歯並びに目立った影響はなかった」と回答している点です。これは前向きな声として参考になる一方、専門家の見解では「2歳半以降の長期使用は不正咬合が定着しやすい」とされており、子どもの体質や使用時間によって結果は異なる前提を忘れずに受け止めてください。歯並びへの影響が気になる場合は、1歳半健診や3歳児健診のタイミングで小児歯科に相談しておくと安心です。
卒業をスムーズに進める6ステップとNG対比
体験談と専門家の見解を組み合わせると、卒業を進めるときの実践ステップが見えてきます。子育ての現場で再現しやすい流れに整えました。
- 使用シーンを限定する…まずは「寝かしつけのときだけ」に絞る。日中の使用をやめるところからスタート。
- 代わりの安心アイテムを用意する…お気に入りのぬいぐるみ、タオル、絵本の読み聞かせなど、吸う以外の入眠儀式を一緒に育てる。
- 本人に予告する…1歳半を超えていれば、「もうすぐおしゃぶりバイバイね」と数日前から声をかける。
- 卒業の日をイベント化する…クリスマス・誕生日・進級などにかぶせて、プレゼントとの交換やカレンダーでカウントダウン。
- 泣いてもすぐに戻さない…最初の3〜5日が山場。睡魔が勝てば自然と忘れていくケースが多い。
- 気になる症状は早めに受診…前歯がかみ合わない、いびきや口呼吸が強い、発音が気になる場合は、小児歯科・小児科に相談する。
つまずきやすいポイントを「NG対比表」にまとめました。
| つい、やりがち | こうすると進みやすい |
|---|---|
| 泣くたびに反射的にくわえさせる | 抱っこ・歌・体をさするなど別の対応を先に試す |
| 歯ぐずりや寝かしつけ以外でも常用する | 「寝室=おしゃぶりOK、リビング=なし」とエリアで区切る |
| 1日で完全卒業を狙う | 1〜2週間かけて段階的に減らす |
| こっそり捨てて、聞かれてもごまかす | 「ちぎれた」「サンタさんに渡した」など本人に説明する |
| 卒業後に泣かれて元に戻す | 添い寝、背中トントン、絵本など別の入眠儀式で寄り添う |
| 2歳半を過ぎても継続使用する | 1歳半健診や3歳児健診で歯科に相談する |
シーン例として、1歳半の子どもがおしゃぶりを手放せないケース。最初の1週間は寝る前の絵本を1冊増やし、入眠時のみおしゃぶりを継続。2週目は絵本のあとに「今日はおしゃぶりなしで挑戦してみる?」と本人に選ばせる。3週目以降に「サンタさんに渡したね」とイベントと結びつける、という流れがやりやすいです。次のアクションとして、卒業を決めた日にカレンダーへ大きく印を付けると、家族全員で同じゴールを共有しやすくなります。
よくある質問 おしゃぶりの不安に答える
Q1. 何歳までに卒業すれば歯並びへの影響は残りにくいですか?
日本小児歯科学会と日本小児科連絡協議会の「おしゃぶりについての考え方」では、遅くとも2歳半までに使用を中止すれば、開咬や上顎前突などの不正咬合は成長とともに自然に改善することが多いとされています。3歳を過ぎても続けていると、影響が残りやすくなります。
Q2. 寝るときだけの使用なら歯並びは大丈夫ですか?
日中も常用するよりは影響が出にくいとされますが、睡眠中もおしゃぶりによる微弱な圧力が歯や顎にかかり続けます。2歳を過ぎたら寝るときの使用も徐々に減らし、卒業を目指すのが安全です。
Q3. おしゃぶりと指しゃぶり、どちらの方が歯並びへの影響が大きいですか?
指しゃぶりは吸う力が強く、習慣が強固になりやすい傾向があります。指が前歯のあいだに挟まることで開咬を引き起こすリスクがあるとされており、おしゃぶりよりも卒業が難しい場合があります。ただしどちらも長期化すれば影響は出るため、月齢に合わせた卒業計画が大切です。
Q4. おしゃぶりはSIDSの予防になりますか?
米国小児科学会は、就寝時のおしゃぶり使用がSIDSの発症率を下げる可能性があると報告しています。ただし、おしゃぶりだけで予防できるわけではなく、仰向け寝、固めの寝具、室内禁煙など他の基本対策が前提です。
Q5. 母乳育児中におしゃぶりを使っても大丈夫ですか?
授乳が安定する生後1か月以降の導入が推奨されています。あまり早い時期から常用すると、乳頭混乱が起きたり授乳回数が減ったりすることがあるため、母乳育児を軌道に乗せてからの導入が安心です。
Q6. 3歳を過ぎても手放せない場合、どこに相談すればいいですか?
かかりつけの小児歯科か小児科に相談しましょう。歯並びの状態、顎の発達、発音の状況を見ながら、家庭で取り組めるステップを提案してもらえます。早めに相談しておくと、将来的な矯正の負担を減らせる可能性があります。






