語りかけ育児で才能の芽が摘まれる!?伸びるか否かはやり方次第!
「語りかけ育児」が赤ちゃんの発育や親子の絆づくりに役立つのはママ達の間でもよく知られていますが、実際に取り組むと「どんな言葉をかければいいの?」「無反応で虚しくなる…」と具体的なやり方がわからずに悩むママがとても多いです。
そんなママ達にぜひ知って欲しいのが、語りかけ育児のよくある失敗例です。赤ちゃんにただ一方的に言葉のシャワーを浴びせればいいと勘違いされがちですが、やり方を誤るとかえって赤ちゃんの自由な発想や才能の芽を摘むことにもなりかねません。
語りかけ育児で赤ちゃんがのびのびと育つか否かは、日々のやり方次第。ママのプレッシャーやストレスにならずに、赤ちゃんの好奇心を最大限に引き出せる正しい方法を知って、楽しく取り組みましょう。
語りかけ育児とはどんな育児方法をいうの?
語りかけ育児とは、日々の生活のなかでママやパパが優しく話しかけながら、赤ちゃんの好奇心や豊かな感情を最大限に引き出そうという育児法です。
育児中の親が子供に話しかけながら育てるのはごく自然な行いですが、語りかけ育児のポイントは、まだ言葉を話せず会話のキャッチボールが難しい赤ちゃんの時期から意識して語りかけ始めるところにあります。
「赤ちゃんへの語りかけ育児」と聞くと、「言葉を理解できない赤ちゃんに話しかけても仕方がないのでは?」「流行りの早期教育みたいで気が進まない」とネガティブなイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、語りかけ育児という言葉こそ最近メディアで聞かれるようになりましたが、実は特別な教育方法ではなく、昔から当たり前に行われてきた、親と子の心を繋ぐ温かいコミュニケーション主体の自然な育児法なのです。
昔の日本人は自然に行っていたのに!やり方がわからない親が増加
もともと日本人にとって、赤ちゃんへの語りかけは、親から子へと伝わってきた昔からのごく自然な育児風景でした。
両親だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃん、親戚、隣近所などの大きなコミュニティで子育てをしてきた時代には、赤ちゃんの頃から多くの大人に囲まれ、「お腹すいたのかな?」「いいお天気だねえ」と沢山の言葉をかけられるのが当たり前でした。
ところが、戦後の社会の変化で急増した核家族化により、日中はママと赤ちゃんが二人きりになる時間が増え、赤ちゃんが多様な大人とふれあい、語りかけられる機会が激減してしまいました。また、親自身も赤ちゃんへの語りかけ方を見本として見る機会なく育ったため、今では「赤ちゃんと二人きりになると、どう接していいかわからず無言になってしまう」と悩む親が増えたのです。
近年、スマホを見ながら無言で赤ちゃんのお世話をする「サイレント育児」が増え、親子の愛着形成や子供のコミュニケーション能力の育ちにくさが社会的にクローズアップされるようになりました。そこで改めて、親子の絆を育む「語りかけ育児」の大切さが見直されるようになったのです。
イギリスでも推奨される語りかけ育児!オススメの本は?
語りかけ育児の良さは日本だけでなく、海外でも高く評価されています。イギリスでの「語りかけ育児」は、言語療法士のサリー・ウォード博士が自身の研究や子育ての経験から提唱した育児方法として有名です。
親が静かな環境で1日30分間だけ、赤ちゃんの興味や関心を示すことに沿って一緒に遊び、月齢に応じた言葉で語りかけることで、子供の心身の健やかな育ちをサポートするというやり方です。
サリー・ウォード博士の語りかけ育児は、親子の絆を深め、赤ちゃんの好奇心を刺激する豊かなコミュニケーション法として世界中で親しまれています。
博士が語りかけ育児の良さを分かりやすく説明した本は日本でも翻訳出版されているので、妊娠中や赤ちゃんの育児中で、子供とのコミュニケーションに難しさを感じているママにとてもおすすめです。
1日30分間「語りかけ」育児
著:サリー・ウォード 監修:汐見稔幸
出版社:小学館
イギリスで多くの親子に支持された、1日30分間の語りかけ育児の方法をわかりやすく紹介しているママ向けの指南書です。赤ちゃんの月齢別に「どんな言葉をかければいいか」「どんなおもちゃを使ってどう遊べばいいか」などを詳しく解説していますので、これから語りかけ育児を基礎から知りたいママにぴったりの一冊です。
語りかけ育児の6つのメリット!一日30分で何が得られる?
反応を言葉で返してくれない赤ちゃんに話しかけることは、一見してママの独り言のようで空しく思える日もあるかもしれません。しかし、赤ちゃん期の脳はスポンジのように柔らかく、優しい言葉の刺激を受ければ受けただけ多くのことを吸収し、豊かな心を伸ばすことができます。
イギリスで推奨されるようにきっちり1日30分という時間にこだわらなくても、赤ちゃんが小さい頃からママが日常的に話しかけてあげることで、赤ちゃんには次のような素晴らしいメリットが生まれます。
1赤ちゃんのコミュニケーション能力の基礎を育てます
話しかけても赤ちゃんが言葉で答えてくれないからといって、コミュニケーションがとれていないわけではありません。赤ちゃんはパパやママの言葉の正確な意味が分からなくても、優しく語りかけられることによって「自分は大切にされている」という安心感を得て、「もっとこの人の声を聞きたい」「この人を喜ばせたい」という感情が芽生えてきます。
この「相手と気持ちを共有したい」という感情こそがコミュニケーションの原点であり、語りかけを通じて相手を理解し、自分の想いを伝えようとする社会性の土台が育まれます。
2赤ちゃんの心と表現力の発達を促します
周りの大人がただ無言で黙々とおむつ替えをし、離乳食を口に運ぶだけでは、赤ちゃんはその作業の意味や温かみを感じ取ることができません。パパやママが「お尻キレイになってさっぱりしたね」「ご飯、甘くて美味しいね」と笑顔で言葉を添えてあげることで、赤ちゃんはお世話されることが「心地よくて嬉しいこと」だと認識します。
この嬉しい・楽しいというポジティブな感情は赤ちゃんに強い意欲を芽生えさせ、少しずつ言葉の響きをため込み、自分も真似して表現してみようとする原動力になります。
3赤ちゃんが安心して愛情を実感できる
小さな赤ちゃんはまだ複雑な会話の意味を理解できないので、語りかけから受け取る一番のメッセージは、言葉そのものではなく親の暖かな愛情や優しいトーンです。
毎日繰り返される穏やかな声掛けから、赤ちゃんは自分が無条件に愛されていることを肌で実感します。ママの心地よいお腹の中とは違い、外の世界は赤ちゃんにとって光や音が刺激的で不安な環境です。語りかけ育児で親の愛情を実感して「心の安全基地」を得た赤ちゃんは、心穏やかに安定して、新しい世界への好奇心を発揮できるようになります。
4赤ちゃんの意欲と自己肯定感を育てます
小さな赤ちゃんは、自分の目を見て繰り返し話しかけられることで、自分という存在をはっきりと意識することができます。自分が「あー」と声を出したり笑ったりした時に、パパやママが「お話し上手だね!」と喜んで反応してくれることで、赤ちゃんは「自分はここにいていいんだ」「自分は価値があるんだ」という自己肯定感を強く持ちます。
この根底にある自信は、将来失敗を恐れずに、どんなことにも積極的に挑戦していくしなやかな強さへと繋がっていきます。
5思春期以降のトラブルを防ぐ良い親子関係を構築します
繰り返し話しかけられることで、赤ちゃんは語りかけてくれるパパやママの顔や声を深く記憶し、自分にとって一番身近で絶対的に信頼できる存在であることを刻み込みます。赤ちゃんに語りかけてその可愛らしい反応を間近に見ることで、パパやママにもいっそう愛おしさがわいてきますから、しっかりと揺るぎない親子の絆を結ぶことができます。
乳幼児期の早い段階で強い信頼関係を築いておくことは、子供が思春期を迎えて精神的に不安定になった時にも大きな支えとなります。信頼の土台があるからこそ、深刻な家族内のトラブルを防ぎ、良好な関係を長く維持することができるのです。
6パパやママに育児の自信を持たせます
いくらお腹の中で赤ちゃんを10ヶ月育てたとはいえ、初めての出産であればママは赤ちゃんのお世話はわからないことだらけ。パパも、言葉を返してくれない赤ちゃんがなぜ泣いているのか分からず不安になりがちです。育児に自信が持てないと義務感ばかりが強くなってしまいますが、意識して積極的に話しかけることで、赤ちゃんのわずかな表情の変化や気持ちを読み取る能力が自然と身につき、パパやママは育児の本当の楽しさを実感することができます。
赤ちゃんの反応を引き出せるようになったパパやママは育児に自信を持つようになり、「私でもちゃんとこの子を笑顔にできる」という充実感から、より前向きに子育てに関わっていくことができるようになります。
語りかけ育児の簡単なやり方!ストレスなく手軽に取り組める方法
サリー・ウォード博士のメソッドでは「静かな環境で1日30分集中して」と推奨されていますが、家事や仕事に追われる現代のママにとっては、毎日それをキッチリこなすのはプレッシャーになることも多いでしょう。
「30分も時間が取れない」という場合は、これから紹介する手軽に取り組める簡単なやり方の中から、まずは「これなら気負わずにできる!」と思う方法を取り入れてみてください。
語りかけ育児で一番大事なのは、ママやパパが「やらなきゃ」という義務感から無理して言葉を発するのではなく、リラックスした前向きな気持ちで話しかけること。言葉のシャワーを浴びせ続けなきゃと力む必要はありません。日常生活の中の自然な語りかけで充分効果があるので、無理なく楽しく続けましょう。
1心の声をそのまま口に出して語りかける
改まって「さあ、語りかけの時間よ」と構える必要はありません。おむつを替えるとき、ミルクを作るとき、お出かけの準備をするときなど、日々のあらゆる機会を活用して赤ちゃんに話しかけましょう。気の置けないお友達と一緒にいる時と同じように、ふと思ったことを何でも声に出していくイメージです。
例えば、「あ、冷蔵庫に卵がないから買いに行かなきゃ」「今日は風が強いねえ」「ママ、今から美味しいご飯作るね」といった日常のつぶやきでOKです。大人の独り言のような状態になりますが、赤ちゃんは言葉の意味が分からなくても、ママの声のトーンやリズムをしっかり聞いて言葉のシャワーを吸収していますので、どんどん心の声を口に出して聞かせてあげてください。
2テレビやスマホなどの雑音を極力排除する
日常生活の中で常にテレビや音楽を消さなくてはいけないわけではありませんが、赤ちゃんはまだ自分に必要な音だけを拾い上げる聴力(カクテルパーティー効果)が未発達です。テレビの音やスマホの通知音が一度に耳に入ると、ママの声に集中できず混乱してしまうため、しっかり目を合わせて語り掛ける時は、周囲の音を消して静かな環境を作るのが好ましいです。
静かな環境でママの顔を見ながら語りかけをすると、赤ちゃんの集中力がより長く続き、言葉の響きや表情の動きを深く観察しやすくなります。いきなり大きな音が鳴り出すと赤ちゃんの興味がそちらへ逸れてしまうので、遊ぶ時はスマホをマナーモードにしておくのがベストです。
3聞き取りやすい高めの声でゆっくり語りかける
赤ちゃんの聴覚は、低くドスを効かせた声よりも、少し高めの周波数に心地よく反応する傾向があります。そのため、赤ちゃんに語りかける時は、いつもよりワントーン高めの優しい声を心掛けてください。
高めの声(マザリーズと呼ばれます)は明るく愛情深い印象を与えますので、赤ちゃんに「ママとお話しするのは楽しいな」という安心感の印象づけができます。
また、赤ちゃんは大人の早口を聞き取るのが苦手です。大げさなくらいのゆっくりとしたテンポと表情で、「お・は・よ・う!」と話しかけた方がよく反応してくれますので、声の明るさや優しいリズムを意識してみましょう。
4赤ちゃんの声や行動をまねてオウム返しをする
語りかけは、親が一方的に意味のある大人の言葉を教え込むことではありません。赤ちゃんが機嫌よく「あー」「うー」と喃語(なんご)をしゃべり出したら、すかさず赤ちゃんの目を見て「あー、だね」「うー、なのね」と同じ音を真似してオウム返しをしてあげましょう。
自分が出した声をそのまま返されることで、赤ちゃんは「自分の声がママに届いた!」と自分の存在に興味を持たれていることを実感し、反応を返された嬉しさから、もっともっと声を出しておしゃべりしようという意欲を持つようになります。パパやママに真似をされることは、発語の素晴らしいトレーニングになります。
5赤ちゃんが笑顔になる工夫(間やアクション)をする
赤ちゃんに語りかける時は、ただ言葉を発するだけでなく、赤ちゃんの顔を見てしっかりと表情を読み取りましょう。「いないいない〜」と言って少し間を開け、赤ちゃんが期待の表情を見せたところで「ばあ!」とアクションをつけるなど、表情を見ながら語りかけると、赤ちゃんがどういうタイミングで喜ぶのかがわかるようになり、お互いに楽しくなってきます。
赤ちゃんがキャッキャと笑うようにあやすリズムを変えたり、体を優しくツンツンと触るアクションをつけるなどの工夫をすると、生後3~6ヶ月頃には全身で喜びを表現して、もっと豊かな反応を返すようになってくれます。
6赤ちゃんの気持ちや行動を言葉にして代弁する
赤ちゃんが喃語を発したり、手足をバタバタさせたり、泣いたりして感情を表現した時は、その気持ちや動作を言葉にして代弁してあげましょう。
「今、こんな気持ちなんだね」と気持ちを代弁する語りかけを繰り返すと、赤ちゃんは次第に自分の中のモヤモヤした感情と「言葉」が結びつくことを学び、自分の気持ちを相手に伝える意欲を伸ばし、将来的なコミュニケーションがとりやすくなります。
例えば、「アーウ」と機嫌よく声を出した時は「アウアウなのね、お話し上手だね」と返す。おむつが濡れて泣いてしまったら「気持ち悪くて泣いちゃったのね、スッキリしようね」と共感する。姿が見えなくて泣いたら「ママがいなくて寂しかったのね、ごめんね」と気持ちに寄り添うことが大切です。
7語りかけを「やらなきゃいけない親の義務」と思い込まない
「発育のために、毎日たくさん話しかけなきゃ!」とプレッシャーに感じて義務のように考えると、子育てそのものが心の負担になってしまいます。語りかけ育児は、日常生活の中でおむつ替えや食事のお世話、遊びの延長として、ママ自身が楽しめる無理のない範囲ですることが何より重要です。
親が疲れ切ってイヤイヤ行う語りかけでは、声のトーンも暗くなり、赤ちゃんに「お話しすることはつまらないこと」というネガティブな感情を伝えてしまいます。
パパやママは、毎日赤ちゃんにご飯をあげ、おむつを替え、お風呂に入れ、寝かしつけるだけでも、すでに十分赤ちゃんに極上の愛情と安心感を与えています。「今日は疲れたから無言になっちゃった」という日があっても自分を責めず、必要以上に頑張りすぎてストレスを溜めない自然体を維持しましょう。
語りかけ育児のより具体的なやり方|ママに多い疑問を解決!
語りかけ育児は「こうでなければいけない」と難しく考えず、自分のできる範囲で赤ちゃんに話しかけていけばよいのですが、初めての育児だと「これで合っているのかな?」と疑問に思うことも多いはず。ママからよく寄せられる、具体的な疑問への回答を見ていきましょう。
赤ちゃん言葉での語りかけはダメ?
「はい、マンマ、オイチイね」とか「あ、ブーブーが走ってるよ」などの赤ちゃん言葉。時折、「大人が赤ちゃん言葉を使うと、正しい日本語を覚えないから良くない」と厳しく指摘する人もいますが、赤ちゃん言葉は赤ちゃんの発語を促す素晴らしい魔法の言葉なので、気にせずたっぷり使ってください。
赤ちゃんにとって、大人の複雑な単語よりも「ワンワン」「ブーブー」といった単純で繰り返しの多い赤ちゃん言葉の方が、耳に心地よく聞き取りやすいため、言語学習の最初のステップアップとして非常に役立ちます。
成長して口や声帯の機能が発達し、理解力がついてくれば、自然と大人と同じ「犬」「車」という言葉を話すようになるので、赤ちゃんのうちは全く気にする必要はありません。赤ちゃん言葉のリズムは赤ちゃんが関心を持ちやすく、楽しく学習してより多くの言葉を吸収する助けになります。
一人遊びの時も話しかけた方がいい?
赤ちゃんが一人でブロックや絵本に夢中になっている時に親がベラベラと語りかけると、「子供の集中力や自主性を損ねるのでは?」と心配する意見もありますが、親が遊びの主導権を奪って仕切らなければ、むしろ自主性を育むのに役立ちます。
赤ちゃんにとっての一人遊びは、自分の力で世界を知る大冒険のようなもの。パパやママが少し離れたところからさりげなく側で見守り、時折ウンウンと相槌を打つと、赤ちゃんは「親が見てくれている」と安心して冒険を続ける意欲を持てます。
「自分でやりたい」「これなんだろう?」という意欲は好奇心の表れであり、子供の心を大きく伸ばします。赤ちゃんが一人遊びに集中している時はむやみに口を挟まず、「ここで見ているからね」と一歩引いてサポートし、赤ちゃんが「ママ見て!」と言っているかのようにパッと振り返ったタイミングで、「ボール、転がって楽しいね」「上手に積めたね」などと、赤ちゃんの行動を認める語りかけをしてあげましょう。
子供の意見に共感して大人の感情は抑えるべき?
赤ちゃんも1歳、2歳と大きくなってくると、「これがいい!」「あれはイヤ!」と明確な自己主張を始めます。親から見ると「えっ、そっちを選ぶの?」と好みが食い違う場面も出てきますよね。
そんな時は、親が無理をして「ママもそっちの服が大好き!」と自分の感情を押し殺して嘘をつく必要はありません。語りかけ育児の基本は「お互いの気持ちを交わす積極的なコミュニケーション」であり、親が子供の言いなりになって何でも全肯定することが主旨ではないのです。
「ママはこっちの青い方が好きだな。でも、〇〇ちゃんは赤い方が好きなんだね。それも素敵だね」と、親と子供は違う人間であり、それぞれに異なる好みや意見があることを学ぶのも、発達上とても大切な経験です。子供の人格を傷つけたり否定したりせず、「お互いの違いを認め合う」伝え方をすればいいのです。
語りかけ育児の注意点!NGな7つの失敗例で才能の芽を摘まないで
語りかけ育児で何より注意したいのは、「教育しなきゃ」と焦るあまり、語りかける親も言葉を受けとる赤ちゃんも全く楽しくなくなってしまう一方的な語りかけです。
せっかくの語りかけ育児が、逆に赤ちゃんの好奇心や才能の芽を摘む結果に繋がってしまいかねない、やってはいけない7つのNG例をご紹介します。
1早期教育と混同して強制する
「早く言葉を覚えさせたい」「賢い子に育てたい」という親の大人の都合でフラッシュカードのように言葉を強制すると、赤ちゃんは自ら興味を持って世界を探索する自由な発達のチャンスを失ってしまいます。語りかけ育児を「お勉強」のような早期教育と混同しないように注意しましょう。
語りかけ育児は赤ちゃんの自然な興味に寄り添い、将来にわたって豊かなコミュニケーション能力を育もうというものですから、今日話しかけたからといって明日すぐに結果が出るものではありません。
早期教育と混同すると「なんでこの月齢になっても喋らないの!」と親がイライラし、そのプレッシャーを感じた赤ちゃんも自己肯定感を下げてしまうため、逆に才能の芽を摘んでしまう可能性があります。
2一方的にマシンガントークで話しかける
語りかけ育児は「対話(コミュニケーション)」の手法なので、赤ちゃんの興味や気持ちを無視して、親が一方的にベラベラと話し続けるだけでは良い効果が得られません。
生後3ヶ月ごろになり、喃語や表情で自己表現が少しずつできるようになってきたら、一方的に話し続けずに、赤ちゃんの表情や唇、身体の動きをよく観察し、赤ちゃんが声を返すための「間」をたっぷりと取りましょう。
意味のない「あー」という喃語であっても、音を親に返すことは赤ちゃんのコミュニケーション能力の発達を促すとても大切なステップです。返事に必要な「間」は、赤ちゃんが頭の中で一生懸命言葉を組み立てている集中時間なので、大人は焦らず、にっこり笑って待ちましょう。
3過剰に語りかけすぎる(言葉のシャワーの浴びせすぎ)
赤ちゃんにひたすら「言葉のシャワー」を浴びせ続ければ早期に発達するという理念は、少し古い考え方です。
お花に水をやりすぎると根腐れしてしまうように、語りかけも赤ちゃんの自然な許容量を超えると疲れてしまいます。知識のインプットだけを目的に、赤ちゃんの反応を見ずに過剰に語りかけ続けると、赤ちゃんは情報を処理しきれずに耳を塞ぎ、かえって発達を阻害する恐れがあるので注意して下さい。
赤ちゃんの能力は、大人との心地よい関わり合いの中で本人が「自ら」伸ばすものです。語りかけは四六時中ひっきりなしに行う必要はありません。赤ちゃんが一人で静かにしている時は見守り、興味がこちらに向いたタイミングで適切な量で行いましょう。
4大人の正しい発音や真似を強要する
赤ちゃんに無理に正しい大人の言葉を覚えさせようとして、「『ブーブー』じゃなくて『く・る・ま』でしょ?言ってごらん?」と真似を強要するのはやめましょう。
複雑な大人の言葉は、赤ちゃん言葉に比べて音の響きが難しく、興味を引きにくいため、真似を強要するのは赤ちゃんにとって苦痛な押し付けになってしまいます。
語りかけ育児とは、赤ちゃんの興味を惹きつけ、遊びや体験に大人が「楽しい音」を添えてあげることです。擬音語・擬態語(コロコロ、ピカピカなど)の遊び言葉の方が、赤ちゃんが楽しく会話に乗ってこれることを理解し、無理に訂正したり言い直しをさせないように注意しましょう。
5長くて複雑な言葉で話しかける
語りかけ育児は、赤ちゃんに難しい言葉の意味を教え込む教育ではありません。できるだけ赤ちゃんにわかりやすい、短くてシンプルな言葉を使いましょう。
「今日はスーパーでお野菜とお肉を買って、夜ごはんに美味しいカレーを作ってパパと一緒に食べようね」と一気に長い文章で語りかけると、赤ちゃんはどこを聞き取ればいいのか分からず、大人の言葉を受け止めきれずに混乱します。
語りかけの基本は「お買い物、行こうね」「カレー、美味しいね」といった短く調子のよい短文です。親自身も感情を込めやすくなり、親子のコミュニケーションがスムーズに楽しめます。
6赤ちゃんの気持ち(興味の対象)を無視する
語りかけ育児では、親と赤ちゃんが同じものを見て気持ちを共有する「ジョイント・アテンション(共同注意)」と呼ばれるやり方が最も好ましいとされています。
赤ちゃんが足元のダンゴムシに夢中になっているのに、親が無理やり絵本を見せて「ほら、ワンワンだよ!」と気を引こうとしても、赤ちゃんは自分の興味が向いていないことからは学習できません。
赤ちゃんが興味を引かれてじっと見つめているものに対して、「ダンゴムシさん、丸まったね」と親が語りかけて共感を示すことで、赤ちゃんは「自分の見ている世界をママも分かってくれた!」という達成感を味わえ、親子の信頼関係をグッと高めることができます。
7赤ちゃんをテストするような質問をする
赤ちゃんへの語りかけに熱が入ると、「これは赤いブーブーだね。じゃあ、こっちの動物さんは何かな?」「これ、わかる?」と、具体的な答えを求めるテストのような質問をしがちですが、これはNGです。答えを試すような質問ばかりしていると、赤ちゃんは「間違えたらどうしよう」とプレッシャーを感じ、親の顔色をうかがうようになって信頼を失いかねません。
「もう一回、コロコロしてみる?」「こっちの絵本が好きかな?」といった、赤ちゃんが「うん」と笑顔で返せるような、正解のない質問ならコミュニケーションのリズムとして問題ありません。赤ちゃんを試すのではなく、一緒に楽しむ声かけを心掛けましょう。
語りかけ育児で赤ちゃんとの時間を楽しみましょう
以前のように大家族で仲良く暮らしていた時代と違って、核家族化が進んだ現代は家族以外の大人やご近所付き合いも疎遠になってしまい、親も子供も他者とのコミュニケーションを経験する機会が極端に減っている傾向があります。自分以外の人と温かい言葉を交わして気持ちを繋げるコミュニケーション能力は、私たちが社会で幸せに生きていくためには必要不可欠な一生の財産です。
もちろん、語りかけ育児は「赤ちゃんとどう接していいか分からない」という現代のパパやママにとっても、子育ての楽しさを実感できるとても有効なメソッドです。
どうか「赤ちゃんの発達のためにお勉強させなきゃ」と難しく考えず、親自身が笑顔でいられる範囲で、優しい語りかけを日々の生活に取り入れてみて下さいね。
子育て4コマ漫画:核家族は要注意!?実践したい語りかけ育児
語りかけ育児に積極的に取り組むママやパパも多いのですが、専業主婦で毎日手のかからない大人しい赤ちゃんに声をかけるも無反応……。ママ自身もパパ以外の大人との会話が少なく孤独を感じている場合、特に「私のやり方が間違っているのかな?」と迷いや不安を感じやすくなります。
手のかからない赤ちゃんとの過ごし方が心配な場合は、マーミーの手のかからない赤ちゃんの体験談や永岡さくら(saku)さんの子育て漫画を読んで「うちだけじゃないんだ」と不安を解消し、安心して語りかけ育児を無理のない範囲で続行してください。
また、ママ自身が煮詰まって笑顔を忘れてしまっては本末転倒です。赤ちゃんのためにも、できるだけ児童館に出向いて他のママと話したり、電話やSNSを利用して大人との語り合いを増やし、ママ自身が精神的に満たされて健全に過ごせる環境を作りましょう。
たっぷり愛情を注がれた語りかけ育児の経験は、赤ちゃんが将来大きくなって人間関係で困った時や不安になった時に、親の顔色をうかがうことなく自ら周囲にSOSを出し、解決への道しるべを見つける強い心を育むのにも必ず役立ちますよ。








