二語文はいつから?子供の言葉の発達を促す練習法とは
赤ちゃんが正常に発達しているのかどうかは、子育て中のママにとって一番の関心事と言っても過言ではありませんよね。その中でも、とりわけ言葉の発達は、同じ月齢の子供との違いが顕著に出やすいことから気になってしまうはず。
言葉の発達は、個人差も大きいし性別によっても違うと分かっていても、つい他の子と比べてしまいがち…。そんなママが、赤ちゃんの言葉の発達の目安として知っておきたいのが「二語文」です。
二語文とはどんな文章で、いつ頃から話しはじめるのが普通なのでしょう?
ここでは、赤ちゃんの言葉の発達の流れを踏まえて、二語文を話す時期や言葉が遅れる原因やについて解説していきます。「うちの子は言葉が遅いのでは…」と感じているママは必見です。
二語文とは?
二語文とは、意味のある二つの単語で成り立っている文のことで、言葉の発達途中にある子供特有の話し方です。
それまでは、「ワンワン!」の一言で、「ワンワンがいる」「ワンワンがかわいい」などの意味を表現するため、ママは子供の表情を汲み取って意味を判断して、コミュニケーションをとっていました。
それに対して、「ワンワン、いる」や「ワンワン、大きい」などの二語文が話せるようになると、ワンワンについてどう思っているのか、どうしたいのか等、子供は気持ちや意思をママに伝えられるようになります。
二語文はいつからいつまで?
二語文は、2歳前後で話し始めるのが一般的です。急におしゃべりを始める子供が多いことから、この時期は「言葉の爆発期」とも呼ばれています。
そして、子供の二語文は、次のステップである三語文を話しはじめる3歳頃ころまで続きます。
二語文は、言葉の発達の過程のほんの一時期に話される言葉です。徐々に親が憶えてほしくない言葉まで憶えてしまうようになることから、カタコトで話す愛らしい二語文の時期をしっかり堪能しておきましょう。
また、子供の語彙が増える大切な時期でもあるので、ママやパパは汚い言葉遣いをしないように気をつけたいですね。
赤ちゃんの言葉の発達の6つの流れ
赤ちゃんは、ある日突然、ペラペラと話せるようになるわけではなく、段階を踏むことで徐々に大人と同じように話せるようになっていきます。赤ちゃんはいつから、どのような話し方をするのでしょう?
次の6つの言葉の発達の流れを、子供の言葉の発達の目安にしましょう。
step1~クーイング
クーイングとは、赤ちゃんが泣き声以外に初めて発する声のことで、舌を使わないで「あー」や「うー」などの母音のみを発するのが特徴です。
クーイングは「プレジャーサイン」とも呼ばれ、生後2~3ヶ月頃の赤ちゃんの機嫌がいい時によく見られます。そのため、赤ちゃんがクーイングをしていたら、「上手ねー」なとど褒めてあげるましょう。
step2~喃語(なんご)
生後4~6ヶ月頃になると、赤ちゃんは喃語を話しはじめます。クーイングが母音だけだったのに対して、喃語では、「キー」や「プー」などの子音のほか、言葉を反復する「バブバブ」「ダーダー」などの言葉が増えていきます。
さらに、生後10ヶ月くらいになるとより発音が明瞭になり、身振り手振りを交えながらお話するようになります。
step3~一語文
1歳頃になると、「マンマン」「パッパッ」などの喃語から、「ママ」「パパ」などのように意味のある一つの単語から成り立つ一語文を話すようになります。
この時期になると人や物の名前だけでなく、「ねんね」「おいしい」などの要求や気持ちを表す単語も徐々に増えるので、コミュニケーションが取りやすくなります。
step4~二語文
一語文に使われる語彙が50~60語くらいに増える2歳ごろになると、いよいよ登場するのが二語文です。子供は、それまでに蓄積した語彙を使って、二つの単語から成る二語文を話すようになってきます。
「まんま、食べる」や「ママ、すき」のように、名詞と形容詞・動詞などの知っている単語をつなげて話すようになるので、ママも子供の言いたいことが分かりやすくなります。
step5~三語文
3歳頃になると、「ママ、公園、いく」や「黄色い、電車、みる」などのように、3つの単語をつなげた三語文を話すようになります。
ただし、名詞と形容詞や動詞を組み合わせていても、「電車、黄色い、見る」のように語順を考えずに思いつくまま言葉を発することもあるので、ママ以外の人には理解できない場合があります。
step6~簡単な会話
最も言葉を獲得する時期でもある3~4歳頃にかけて、単語だけをつなげた三語文に、「が」「を」「に」などの助詞や、「でも」や「それで」のような接続詞も加わり、大人と同じような話し方になってきます。
徐々に、「○○ちゃんもごはんを食べる」「パパは会社に行った」など、動詞の語尾を変化させて、現在・過去・未来の区別もできるようになります。
二語文から三語文を引き出すおすすめの話しかけ方
子供が二語文を話しはじめたら、次に気になるのが三語文ですよね。子供といっぱいおしゃべりがしたくて、早く言葉が話せるようになってほしいと願うのが親心というもの。
二語文を話せるようになった子供から三語文を引き出すには、普段の会話がとても重要となります。
具体的には、子供は発した二語文に対して、ママが意識的に語彙を加えてあげる方法があります。そうすることで、子供は知っている言葉に関連付けて新しい言葉を覚えることができます。
例えば、子供が「ブーブー、きた」と言った場合、ママは「赤いブーブーが来たね」「大きなブーブーが走っているね」と答えてあげるようにしましょう。
また、絵本の読み聞かせを行う際も、絵を見ながら「女の子の靴が可愛いね」「黄色い鳥が空を飛んでいるね」などの言葉を付け加えてあげると、新たな単語を憶えるきっかけになります。
子供の言葉の遅れにつながる3つの要因
子供の言葉が遅れていると、「テレビの見過ぎ」「親の接し方が悪い」など、あたかもママの子育てに問題があるように周囲から責められて、つらい思いをしたというママも…。
実際は、なぜ子供に言葉の遅れが見られるのでしょう?子供の言葉が遅れる要因としては、次の3つがあげられます。
1言葉の発達の遅れ
子供の成長には個人差があるため、たまたま言葉の発達が遅れている場合もあります。これまでの子供の発達に問題がなければ、特に心配する必要はないでしょう。
2歳になると「言葉の爆発期」が訪れるため、言葉を蓄積し続ける時期の後で、ある日堰を切ったように言葉が溢れ出てくることもあるので、温かい目で見守ることも大切です。
2言葉が理解できない
耳の聞こえに問題がある場合や、聞こえているけれど言葉の意味や会話の内容を理解できない場合、子供の言葉が遅れる可能性があります。
例えば、誰かに「バイバイ」と言われたら、きちんと返すことができる、絵本を見ながら「リンゴはどれ?」と聞いた時に、正しく指差しすることができれば、言葉の理解に問題はありません。
3言葉を話すことができない
発声に何らかの問題があるほか、頭の中では分かっていても、上手に話すことができない場合もあります。
子供が話さない原因には、失語症のような身体的な原因のほか、場面緘黙症のような精神的な原因が考えられるため、そのような原因で言葉が遅れている場合は、然るべき医療機関の受診が必要となります。
子供の言葉が遅いと感じたら…
何らかの異常によって子供の言葉が遅れている場合は、早急な対応が必要となります。たとえ、異常がなかったとしても、ママの不安や心配を解消につながることから、気になる場合は次のような対処を行いましょう。
かかりつけ医に相談する
言葉が遅れる原因はさまざまなので、自己判断は禁物。いつも子供と関わっているママだからこそ気づくことがあるので、言葉の発達が気になる場合は、一人で悩まずに、まずはかかりつけの小児科に相談してみましょう。
かかりつけ医は問題の有無を判断し、必要に応じて専門医を紹介してくれるので、何か問題があれば早めに対処することができます。
発達検査を受けてみる
発達検査とは、子供の発達の遅れや偏りを見極めるための検査です。新版K式発達検査の場合、運動や認知機能のほか、言語機能の検査が0歳から受けられます。
費用は施設によって異なりますが、健康保険が適用されるほか、地域によっては無料となる場合があるため、お住まいの地域の保健センターや子育て支援センターなどに問い合わせてみるといいでしょう。