赤ちゃんが泣き止む音とは?どんな音が好きなの?
赤ちゃんが泣いている理由は、空腹や眠さ、暑さ寒さ、オムツの不快感などさまざまです。原因が取り除かれればケロッと泣き止むことも多く、ママやパパもホッと一息つけますね。
ところが、思い当たることを一通り試しても泣き止まないときがあります。自宅で時間に余裕があれば気の済むまで抱っこしてあげられますが、外出先や手が離せないときは、少しでも早く落ち着いてほしいものです。
そんなときに頼りになるのが、赤ちゃんがふっと泣き止みやすい「音」です。夜泣きのときにも、さっと流せる音の引き出しがあると心強いもの。この記事では、赤ちゃんが泣き止みやすいといわれる音を、効きやすい理由と安全な使い方までまとめて紹介します。ご家庭の赤ちゃんに合う音を見つけるヒントになればうれしいです。
そもそも、なぜ赤ちゃんは特定の音で泣き止むの?
「なぜこの音で泣き止むの?」がわかると、うまくいかないときに音を選び直しやすくなります。理由は大きく二つあると考えられています。
一つ目は、胎内で聞いていた音の環境です。ママのお腹の中は静かな世界というイメージがありますが、実際には血液が流れる音、心臓の鼓動、お腹や腸の動く音などが絶えず響く、意外とにぎやかな場所です。生まれて間もない赤ちゃんにとって、「ザー」「ドクドク」といった連続した低めの音は、ついこの前まで過ごしていた場所の音に近く、慣れ親しんだ安心感につながりやすいのです。ビニール袋や掃除機、シャワーの音で落ち着く子が多いのは、この胎内の音に響きが似ているためと説明されています。
二つ目は、音で注意が切り替わることです。赤ちゃんは、高い音や聞き慣れない音がすると思わずそちらへ意識を向け、泣くこと自体を一瞬忘れることがあります。リモコンの電子音やくしゃみで泣き止む子がいるのは、この「注意のリセット」が働いているからと考えられます。さらに、ホワイトノイズのように一定の音が流れ続けると、生活音の急な変化を覆い隠してくれるため、ちょっとした物音でハッと泣き出すきっかけを減らしやすくなります。
つまり赤ちゃんが泣き止む音には、「胎内で慣れた音でホッとさせる」タイプと、「意外な音で気をそらす」タイプの二系統があるわけです。この視点を持っておくと、次に紹介する音のどれを試すか選びやすくなります。
赤ちゃんが泣き止む音とは?
ここからは、実際に多くの家庭で「泣き止んだ」と語られる音を、試し方のコツと一緒に紹介します。赤ちゃんには一人ひとり好みがあるので、いくつか試して反応のよい音を探すのがおすすめです。
ビニール袋の音
ビニール袋のがさがさという音は、赤ちゃんが胎内で聞いていた血液が流れる音に響きが似ているといわれます。普通のレジ袋を用意して、赤ちゃんの耳元から少し離した場所で、ゆっくり「がさっ、がさっ」と一定のリズムでこするのがコツです。勢いよく鳴らすとかえってびっくりして泣いてしまうことがあるので、最初は控えめの音量から様子を見てあげましょう。
「大きな音がして驚かせちゃったかな、じゃあもう少しそーっとね」と声をかけながら手加減を変えると、ちょうどよい強さが見つかります。外出先でぐずったときのために、袋の音が鳴る赤ちゃん用のぬいぐるみを持ち歩くと便利です。なお、ビニール袋は赤ちゃんの顔にかからない位置で使い、遊び終わったら手の届かないところへ片づけておくと安心です。
テレビの砂音(ホワイトノイズ)
テレビの放送がないときに流れる「ザー」という砂嵐の音はホワイトノイズと呼ばれます。幅広い高さの音が均一に混ざった音で、まわりの生活音の急な変化を覆い隠してくれるため、物音で赤ちゃんが目を覚まして泣き出すきっかけを減らしやすいのが特徴です。今は砂嵐の画面を見る機会が減りましたが、同じような音を集めたスマホアプリがあるので手軽に試せます。
使うときは、赤ちゃんの耳元で大きく鳴らさず、少し離した場所から控えめの音量で流すのがポイントです。落ち着いたら音量を下げるか止めてあげると、耳への負担を抑えられます。具体的な音量の目安は後の見出しでくわしく紹介します。
ドライヤーの音
ドライヤーの「ゴー」という音も、胎内で聞いていた音に近いといわれ、泣き止む赤ちゃんが少なくありません。聞かせるときは赤ちゃんとドライヤーの距離を十分にとり、必ず「弱」から試しましょう。温風は赤ちゃんに直接当てず、送風や冷風にして音だけを届けるのが安全です。コードを引っかけない位置に立ち、抱っこした状態で少し離して鳴らすと、驚かせずに音を届けられます。
シャワーなど水を流す音
流れる水の音も、お腹の中で聞いていた音に近いようです。浴室のシャワーを使えないときは、キッチンや洗面所の蛇口から水を流す音で試してみましょう。「お水の音、気持ちいいねぇ」と抱っこしながら近づくと、泣き声がスッと小さくなることがあります。雨の日は、窓辺で雨音を一緒に聞くのもおすすめです。
ただ、水を出しっぱなしにすると水道代がかさむうえ、ずっとそばにいなければなりません。泣き止ませ用にはスマホの流水音を録音・利用しておくと、水を使わずに何度でも流せて便利です。
掃除機の音
大人には耳をふさぎたくなる掃除機の音も、胎内で聞いていた血流の音に似ているという理由から、泣き止んでくれる赤ちゃんが多い音です。掃除機をかけているうちに眠ってしまう子も少なくなく、家事とあやしを同時にこなせるのがうれしいところ。赤ちゃんを抱っこひもで抱えたまま、少し離れた場所からかけると、掃除をしながら落ち着かせることができます。
ただし、掃除機の音で逆に泣き出してしまう赤ちゃんもいます。体をこわばらせたり泣き方が激しくなったりしたら無理をせず、いったん止めて別の音に切り替えてあげましょう。
テレビCMの音
テレビCMは、一瞬で視聴者を引きつけるために工夫された音や映像でできています。赤ちゃんにとっても興味を引かれる刺激が多く、以前ある番組で特定のCMを見せたところ、その場の赤ちゃんがそろって泣き止んだと紹介されたこともありました。前の見出しで触れた「意外な音で気をそらす」タイプの代表例といえます。
とはいえ、赤ちゃんのうちから長時間テレビを見せることは控えめにするのが一般的な考え方です。どうしても手が離せず困ったときの最終手段として、短時間だけ頼るくらいがちょうどよいでしょう。
洗濯機の音
モーター音と流水音が混ざった洗濯機の音を好む赤ちゃんも多くいます。洗濯とあやしを同時に進められるのは助かりますが、洗濯をしているときにしか聞かせてあげられないのが残念なところ。また、脱水時の「ドンドン」という振動音で、せっかくのお昼寝から起きてしまう赤ちゃんも多いので、寝かしつけたい時間帯は脱水のタイミングを避けるなど、コースの順番を工夫すると安心です。
ママの心臓の音
赤ちゃんが胎内でずっと聞いていたママの心臓の音は、いちばん親しみのある音です。赤ちゃんをママの胸の前で縦抱きにして、鼓動が伝わるようにそっと寄り添わせてあげましょう。ママが横になり、その上に赤ちゃんを腹這いにして胸と胸を合わせる方法も、密着感があって落ち着きやすいものです。「ママのドックンドックン、聞こえるかな」とささやきながらだと、より安心してくれます。ただし、この抱き方はママが起きて見守っているときだけにして、そのまま寝かしつける場合は赤ちゃんを仰向けに戻してあげてください。
音を聞かせるときに気をつけたい音量と時間の目安
音は便利なあやしの道具ですが、大きすぎる音を近くで長く聞かせるのは避けたいところです。ここは赤ちゃんの聴こえに関わる部分なので、公的な情報をもとに、安全に使うための目安を整理します。
音の大きさはデシベルという単位で表され、身近な音の大きさはおおよそ次のとおりです。
| 身近な音 | おおよその大きさ |
|---|---|
| ささやき声 | 約30デシベル |
| 静かな住宅地 | 約40デシベル |
| 普通の会話 | 約60デシベル |
| 走行中の電車内や掃除機のそば | 約80デシベル |
世界保健機関は、80デシベルほどの音を週40時間以上聞き続けると聴力に影響が出る可能性があるとしています。また厚生労働省も、職場の騒音対策のガイドラインで、85デシベルを超える騒音が続く環境では対策が必要としています。これらは主に大人や長時間の目安ですが、耳が育っている途中の赤ちゃんは、より控えめに考えるのが安心です。病院の新生児室では、おおむね50デシベル以下が目安とされています。
家庭で音を使うときは、次の3点を意識しましょう。まず、赤ちゃんの耳元で鳴らさず、ベッドから2メートルほど離した位置に音源を置くこと。次に、音量は普通の会話やシャワー程度にとどめ、隣で小声の会話ができるくらいを上限にすること。そして、泣き止んだり眠ったりしたら音量を下げるか止め、一晩中大きな音をつけっぱなしにしないことです。これはあくまで一般的な目安で、感じ方には個人差があります。赤ちゃんが嫌がるそぶりを見せたら、目安の範囲内でもすぐに音を弱めてあげてください。
月齢別に見る「泣き止む音」の反応の違い
同じ音でも、月齢によって効きやすさは変わります。今わが子がどの時期かをイメージしながら選ぶと、成功率が上がります。
生まれてから3か月ごろまでは、胎内で慣れた音がとくに効きやすい時期です。ホワイトノイズやビニール袋、流水音など「ザー」という連続音が向いています。この時期は大きな音や体勢の変化に手足がビクッと反応することがあるので、おくるみで包んで安心させながら音を添えると、より落ち着きやすくなります。
4〜6か月ごろになると、まわりへの興味がぐんと広がります。胎内音系だけでなく、リモコンの電子音や高い音など、意外な音に「なんの音だろう」と反応して泣き止むことが増えてきます。いくつかの音を用意して、その日の気分に合うものを探す感覚で試すとよいでしょう。
7か月ごろからは好みがはっきりしてきて、お気に入りの音や楽器の音が出てくる子もいます。夜泣きが始まる時期とも重なりやすいので、寝る前に決まった音を流すなど、「これが鳴ったら安心する」という流れを作ってあげると、寝ぐずりのときにも役立ちます。
こんな音で泣き止む赤ちゃんも!?
赤ちゃんによって泣き止む音はさまざまですが、多くの赤ちゃんが泣き止むといわれる音もあります。ただ、赤ちゃんによっては不快に感じることもあるので、いくつか試してみるとよいでしょう。それぞれ好みや個性があり、中には「エッ」と驚くような音が好きな赤ちゃんもいるようですよ。実際に寄せられた体験談を見ると、泣き止む音はおおよそ「身近な電子音」「大きく意外な音」「やさしい楽器の音」の三つのタイプに分かれます。
A「ピッピッ」が大好き
我が家の長女が赤ちゃんの頃は、リモコンの音が大好きでした。たまたま泣き止んでくれない時に部屋が暑く感じられたので、エアコンの温度を下げようかなとリモコンを操作したらピタッと泣き止んでくれました。
それをきっかけに、テレビのリモコンでも試してみるとやはり泣き止んでくれました。
そのせいかリモコンをいじくるのが大好きで、リビングでテレビのリモコンを触ったりなめたりして良く遊んでいたので、途中でリモコンカバーを取り付けたほどです。
Aパパのくしゃみ限定
ウチの生後半年になる長男を泣き止ませるのには、パパのくしゃみがイチバンです。大きな音にビックリするのか、独特の高低差と間がお気に入りなのかはわかりませんが、泣き止ます効果大です。私のくしゃみではダメなようで、平日の昼間に長男が泣き止まない時などは「パパが居てくれたらなぁ」と思ってしまいます。
ただ困った事に、長男がお昼寝をしている時にパパがくしゃみをすると驚いて泣いて起きてしまう事も多いのです。メリットもデメリットもあるパパのくしゃみです。
A鉄琴大好き!夜泣きにも◎
8ヶ月になる娘は鉄琴の音がお気に入りです。泣き止んでくれない時に鉄琴を鳴らしてあげると落ち着いてくれます。
6ヶ月を過ぎたころから夜泣きが始まっているのですが、夜泣きをした時にも優しく鉄琴をならすと泣き止んでくれることが多いので助かっています。
他にも色々な楽器を試してみましたが、やはり鉄琴がイチバンのお気に入りのようです。まだ試した事はありませんが、お寺の鐘の音なんかも気に入ってくれそうな予感がします。
三つのタイプを整理すると、選ぶ手がかりが見えてきます。「ピッピッ」というリモコンの電子音は、身近な道具でいつでも再現できるのが強みで、外出先でもさっと試したい家庭に向きます。パパのくしゃみのような大きく意外な音は、注意をそらして泣き止ませたいときに即効性がある一方、寝ている赤ちゃんを起こしてしまう諸刃の剣でもあるので、寝かしつけ後は控えるのがコツです。鉄琴のようなやさしい楽器の音は、刺激が穏やかで夜泣きのときにも使いやすく、就寝前の決まった音として取り入れやすいのが魅力です。わが子がどのタイプに反応しやすいかを知っておくと、場面に合わせて音を使い分けられます。
赤ちゃんには嫌いな音もある?
赤ちゃんにとって、心地よい音があれば耳障りな音もあるようです。どんな音が嫌いなのかは赤ちゃんによって個人差があります。先に紹介したような「一般的に赤ちゃんが好きといわれる音」が苦手という赤ちゃんもいるので、反応をよく見てあげましょう。
Aお昼寝中はお料理できません…
6ケ月になる娘は、フライパンやお鍋がぶつかりあう音が苦手なようです。
お昼寝中にお料理しようとして、収納しているフライパンを出そうとする際に、何かにあたってカンッと音が出てしまうと、体をびくっとさせた後に大声で泣き始めます。
ただ、起きている時には気にならないようなので、どうしてもお昼寝中に料理を済ませておきたいときは、起きている間に使いたいお鍋やフライパンを準備しておくようにしています。
Aお兄ちゃんが大好きなオモチャの音が苦手
我が家の次男が赤ちゃんの頃は、モーター音が全般的に苦手でした。
掃除機や洗濯機などに反応して、泣き出すのももちろん困るのですが、一番困ったのが、当時長男が大好きだった電車や車のオモチャのモーター音が苦手だったころです。
当時、長男は電車が大好きで、家では殆ど電車を走らせて遊んでいたので、次男の機嫌が悪い時やお昼寝中に電車のオモチャで遊ばないように工夫するのに苦労しました。2歳になった今では苦手意識もなくなり、兄と一緒に電車や車のオモチャで仲良く遊んでいます。
二つの体験に共通するのは、「突然の甲高い音」と「低くこもったモーター音」が引き金になっている点です。赤ちゃんが体をこわばらせる、急に泣き方が激しくなる、顔をそむけるといったサインが出たら、その音が苦手な合図。すぐに音を止めて、抱っこや別の音に切り替えてあげましょう。さかなつりさんのように、寝ている間に使う道具を起きているうちに出しておく、バイキングさんのように、音の出るおもちゃで遊ぶ場所や時間帯をずらす、といった「音源を先回りして整える」工夫が効果的です。うれしいことに、苦手な音は成長とともに気にならなくなることも多いので、今だけの一時的なものととらえて、気長につきあってあげてください。
音を試しても泣き止まないときの考え方
いろいろな音を試しても泣き止まない日は、どうしてもあります。生後1〜2か月ごろは、はっきりした理由がなくても泣きが増える時期といわれ、これは成長の過程で誰にでも起こる自然なことです。「あやし方が下手なのかな」と自分を責める必要はありません。
どうしてもつらくなったら、赤ちゃんをベビーベッドなど安全な場所にそっと寝かせ、少しだけその場を離れて深呼吸してから戻る、という対応も立派な選択です。ママやパパが落ち着くことは、赤ちゃんの安心にもつながります。一人で抱え込まず、家族で交代したり、お住まいの自治体の子育て相談窓口やこども家庭庁の相談先を頼ったりしてください。周りに頼ることは、赤ちゃんにとってもよい選択です。
赤ちゃんが泣き止む音についてよくある質問
最後に、音であやすときによく寄せられる疑問をまとめました。
Q. 泣き止む音は毎日使っても大丈夫?
音量を控えめにして、つけっぱなしにしなければ、日常的に使っても問題ありません。あくまであやしの道具の一つととらえ、抱っこや声かけなど他の関わりと組み合わせて使うのがおすすめです。
Q. 夜泣きにも音は効きますか?
一定の穏やかな音は、赤ちゃんが再び眠りに入るきっかけになりやすいものです。寝る前に決まった音を流す流れを作っておくと、夜中に目が覚めたときも落ち着きやすくなります。ただし効果には個人差があるので、合う音を探しながら取り入れてください。
Q. スマホアプリと専用グッズ、どちらがよい?
手軽さで選ぶならアプリ、外出先での使いやすさで選ぶなら携帯できる音の出るグッズが便利です。どちらも、音量を細かく調整できるものを選ぶと安心して使えます。
Q. 音に頼るとクセになりませんか?
音でのあやしは一時的な手段で、成長とともに自然と卒業していく子がほとんどです。今の時期を乗り切るための道具として、心配しすぎず活用して大丈夫です。
Q. 音で逆に興奮したり嫌がったりするときは?
体をこわばらせる、泣き方が激しくなるといったサインが出たら、その音が合っていない合図です。すぐに止めて別の音に変えるか、抱っこや場所を変えるなど音以外の方法に切り替えましょう。
わが家に合う「泣き止む音」を見つけよう
赤ちゃんが泣き止む音には、胎内で慣れた音でホッとさせるタイプと、意外な音で気をそらすタイプがあります。ビニール袋やホワイトノイズ、家電の音、ママの心臓の音など、この記事で紹介した音を、音量と距離に気をつけながら一つずつ試してみてください。反応のよい音は月齢とともに変わっていくので、そのときのお気に入りを見つける気持ちで、気軽に引き出しを増やしていきましょう。合う音が一つ見つかるだけで、泣き止ませの時間がぐっとラクになりますよ。



