米のとぎ汁の利用法10~捨てずに使って節約できるお得な活用術
米は安くて腹持ちの良い、日本人になじみ深い主食です。毎日お米を研ぐときに出るとぎ汁は、そのまま流してしまいがちですが、実は掃除や園芸、料理の下ごしらえなどに活用できます。捨てずに使えば、洗剤代や水道代といった細かな出費をおさえ、家計の節約にもつながります。
米のとぎ汁には、暮らしに役立つさまざまな成分が含まれています。ここでは、米のとぎ汁に含まれる節約に使える成分と、実際に活かせる利用法をご紹介します。無洗米を使う人も増えていますが、白米を研ぐ家庭ではとぎ汁を上手に使うことで、よりお得に暮らせます。
目次
米のとぎ汁の効果と安全性
米のとぎ汁を活用する前に、掃除や暮らしに役立つ成分と、使ううえでの安全性・衛生面をチェックしておきましょう。中身を知っておくと「めんどくさい」が「もったいない」に変わり、節約につながる使い方に楽しく取り組めます。
米のとぎ汁に含まれる成分と効果
米を研いだときに出る白いとぎ汁には、精米で取り切れなかった糠(ぬか)や米のかけらが溶け出しており、次のような成分が含まれています。
- デンプン
- セラミドなどの脂質
- たんぱく質
- ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン
- リン、マグネシウムなどのミネラル
- 食物繊維 など
精米のときに取り除かれる糠は、漬物床や米油などにも利用されています。とぎ汁も同じように、捨てずに使えば暮らしのさまざまな場面で役立ちます。
たとえば、とぎ汁に溶け出したでんぷんや細かな米ぬかの粒子は、油汚れになじんだり、野菜のアクを吸着したりと、掃除や調理の下ごしらえに向いています。米ぬかの油分は、昔から木製品のツヤ出しにも使われてきました。
また、デンプンが多く含まれるため、加熱すると土鍋などの陶器の細かな穴に入り込み、隙間をふさぐ役割も果たします。
米のとぎ汁の安全性
米のとぎ汁は、お米を洗った水なので、基本的には特別な薬品などが入っているわけではありません。日本で流通するお米は、食品衛生法にもとづく残留農薬の基準(ポジティブリスト制度)や、農林水産省・厚生労働省による検査のしくみのもとで管理されています。
ただし、とぎ汁は飲むために取っておくものではありません。掃除や園芸などに使う場合は、後述の「再利用する際の注意点」を参考に、衛生面に気をつけて使いましょう。肌に使う用途は、体質や肌の状態によって合わないこともあるため、無理をしないことが大切です。
米のとぎ汁で節約できる利用法10
米のとぎ汁には、掃除や暮らしに役立つ成分が含まれています。捨てずに活用すれば、毎日の細々とした出費をおさえて家計の節約にもつながります。ここでは、米のとぎ汁を使った活用法10選をご紹介します。
1野菜のアク抜きに使う
大根や里芋、たけのこ、ゴボウなど、アクの強い野菜も米のとぎ汁で下ゆですると、アクが抜けて味がなじみやすくなります。とぎ汁のデンプンがアクを吸着してくれるためです。
さらに、身欠きニシンや干し数の子を戻すときにも米のとぎ汁を使えば、独特の臭みをやわらげられます。家庭で下ごしらえまでていねいにできれば、外食費の節約にもつながります。
2食器を洗う
米のとぎ汁に含まれるでんぷんやぬかの成分は、油汚れになじんで落としやすくしてくれます。食後の皿や箸、調理に使ったフライパンなどをとぎ汁につけおきしてから洗うと、油汚れがゆるんで洗いやすくなり、洗剤の使用量の節約になります。
ちなみに、米のとぎ汁以外にもコーヒーかすも油汚れを落とすのに役立つので、ゴミにせず再利用すると節約につながります。
3タッパーなどの嫌な臭い取りに
米のとぎ汁は、タッパーや弁当箱、プラスチック容器、水筒などの気になるにおい対策にも使えます。においが残りやすい容器を一晩とぎ汁に浸しておくだけなので、手間や洗剤代の節約になります。翌朝は水でよくすすいで乾かしましょう。
4魚焼きグリルを磨く
米のとぎ汁をしばらく置くと、透明に近い上澄みと、なめらかな粒子の沈殿物に分かれます。この沈殿物には細かなぬかの粒子が含まれており、スポンジにつけてシンクやグリルをこするとクレンザー代わりに使えます。
魚焼きグリルの焦げやにおいのケアにも向いているので、クレンザー代や消臭グッズの節約にもなります。あわせて、使い終わった茶殻もにおい対策に使えるので、捨てずに再利用してみましょう。
5フローリングをピカピカにする
米のとぎ汁に含まれる脂肪分(オリザオイル)は、フローリングのつや出し拭き掃除に使えます。かたく絞った布に含ませて拭くほか、スプレーボトルに入れれば洗面まわりなどの拭き掃除にも活用できます。化学洗剤を控えたい場所の掃除に取り入れる人もおり、ワックスや洗剤代の節約にもつながります。使ったあとはベタつきが残らないよう、乾拭きで仕上げると安心です。
6植物の栄養剤にする
米のとぎ汁にはミネラルなどが含まれ、植物の水やりに活用する人もいます。花や野菜の水やりに少量を使えば、水道代の節約にもなります。
ただし、でんぷん質が多いため、与えすぎると害虫やカビ、悪臭の原因になりやすく、根を傷める場合もあります。観葉植物や庭木には、薄めて少量ずつ・与えすぎないことを心がけてください。心配なときは屋外の植物から試すのがおすすめです。
また、植物の土づくりには卵の殻も役立つので、細かく砕いて土に混ぜて再利用すると無駄がありません。
7ヘアケアに活用する
米のとぎ汁は、平安時代に「ゆする」と呼ばれ、古くから髪のお手入れに使われてきました。現代でも、トリートメント代わりに時々取り入れているという人がいます。
使い方は、髪を洗ったあとに水気を切り、米のとぎ汁になじませてから、しっかりすすいで乾かすだけです。油分が多いため毎日使うと重く感じることもあるので、様子を見ながら時々使うのがおすすめです。頭皮や肌に合わないと感じたときは、使用を中止してください。
8陶器を長持ちさせる
新しい茶碗や湯飲み、土鍋を米のとぎ汁に入れて弱火で煮立たせる「目止め」をすると、陶器が欠けにくく長持ちしやすくなります。とぎ汁のでんぷんが陶器の細かい穴に入り込み、糊のような役割を果たすためです。
買ったばかりの陶器にこのひと手間をかけておくと、食器の寿命が延び、買い替えの出費をおさえることにもつながります。
9美肌スキンケアに使う
米のとぎ汁の上澄みを洗顔やお手入れに使う方法は、昔ながらの活用法として知られています。市販の洗顔料や化粧水の代わりに使うことで、スキンケア費用の節約になるという声もあります。
米のとぎ汁化粧水の材料
- 米のとぎ汁(上澄み) 100ml
- 精製水 150ml
- 植物性グリセリン 少々
- ガラス製ボトル
作り方は、すべての材料をボトルに入れてよく振って混ぜるだけです。米のとぎ汁は傷みやすいため、必ず冷蔵庫で保存し、2日以内に使い切りましょう。肌に使う前には、腕の内側など目立たない部分で試し(パッチテスト)、赤みやかゆみなどが出ないか確認してください。傷や湿疹などがある肌には使わず、少しでも異常を感じたら使用を中止しましょう。
10クレイパックを作る
米のとぎ汁の沈殿物は、なめらかな粒子が特徴で、パックのように使う人もいます。市販のパックは高価ですが、普段捨ててしまう沈殿物なら費用がかからず、美容費の節約になるのがうれしいポイントです。
作り方は、米のとぎ汁をボウルに入れて半日ほど置き、上澄みを取り除いた沈殿物を使います。肌にのせるときはこすりすぎないようやさしく扱い、使ったあとはよく洗い流しましょう。こちらも肌に合わないことがあるため、先に目立たない部分で試し、異常があれば使用を中止してください。作った沈殿物はその日のうちに使い切るのが安心です。
なぜ米を研ぐの?美味しく洗う3つのコツ
とぎ汁を再利用するより、そもそも米を研がない方が節約になるのでは、と考える人もいますね。無洗米も販売されていますが、そもそもなぜ米を研ぐ必要があるのでしょうか。
収穫したばかりの米粒は、籾(もみ)という硬い殻で守られています。そのままでは食べられず、籾を取り除いた状態が玄米です。玄米は硬く消化しにくいため、外側の糠(ぬか)や胚芽(はいが)を削って、中心部の白くやわらかい胚乳を食べています。その際、どうしても白米の表面に糠が残ってしまうのです。
糠は食べられないわけではありませんが、残っていると炊いたときににおいが出て、ごはんの風味を損なうことがあります。そこで、米を研ぐ作業が必要になります。
米は研ぐべき?洗うべき?
現在は精米技術が向上しているため、白米に付着している糠の量は少なく、簡易な精米機で精米したもの以外は、ゴシゴシ研ぐ必要はありません。米や物流の過程でついた糠やホコリを洗い流す程度で十分です。
研ぎ方を工夫すると水道代の節約にもなり、風味の良いごはんを炊けます。以下の3つのコツを意識して洗米しましょう。
11回目の水はすぐ捨てる
米をボウルに入れ、きれいな水を注いで軽くかき混ぜたら、最初のとぎ汁はすぐに捨てましょう。1回目の水をそのままにすると、糠を含んだ水を米が吸ってしまい、糠くさくなって美味しく炊けません。
2優しく洗い流す
米をゴシゴシ研ぐと米粒が割れて、旨みや栄養がとぎ汁に流れ出てしまいます。指先や手のひらで優しくかき回し、米粒を潰さないように洗いましょう。
3水で洗い流し過ぎない
とぎ汁が透明になるまで洗う必要はありません。白い濁りの元はデンプンなので問題なく、洗いすぎるとビタミンB1やデンプンなどの栄養素まで流れ出て、味も落ちてしまいます。数回すすいで、少し濁りが残る程度で十分です。
米のとぎ汁を再利用する際の注意点
暮らしに役立つ米のとぎ汁ですが、栄養がある分、雑菌が繁殖しやすい点には注意が必要です。米を洗う前の手洗いは基本ですが、とぎ汁を安全に使うためにも欠かせません。
とぎ汁を取っておく場合は、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保管し、暖かい場所に長時間放置しないようにしましょう。においや濁りに変化を感じたら使わず、できるだけその日のうちに使い切ることが、気持ちよく活用するポイントです。肌に使う用途は、体質や肌の状態によって合わないこともあるため、事前に目立たない部分で試し、異常があれば中止してください。
参考文献
- 農林水産省・厚生労働省「食品中に残留する農薬等(ポジティブリスト制度)」


