米のとぎ汁で節約できる利用法に関する記事

米のとぎ汁活用法10選|栄養を生かす節約&簡単レシピ

米のとぎ汁活用法10選|栄養を生かす節約&簡単レシピ

米のとぎ汁はただの汚れた水じゃない!美容や掃除など日常生活に役立つ有効成分や栄養素がたっぷりと含まれていますので、家計に役立つ10の節約術で無駄を省いて節約しましょう。米のとぎ汁の残留農薬や水道代節約にも役立つ米を洗うコツもご紹介します。

マーミーTOP  >  ライフスタイル  >  米のとぎ汁活用法10選|栄養を生かす節約&簡単レシピ

米のとぎ汁の利用法10~捨てずに使って節約できるお得な活用術

米をといでる女性

米は安くて腹持ちの良い日本人向けの主食です。毎日出る米のとぎ汁を再利用できれば、節約にもつながります。国民生活センターが2016年に無洗米および炊飯について2064人の主婦を対象に行った調査では、58.6%の主婦が米のとぎ汁を何らかの形で再利用していると報告されています(注1)。

米のとぎ汁には健康や生活に役立つ成分が含まれているため、上手に活用すれば家計の節約にも役立ちます。ここでは、米のとぎ汁に含まれる節約に使える成分と、実際に節約に活かせる利用法についてご紹介します。無洗米を使う人も増えていますが、とぎ汁をリユースすることでよりお得に生活できます。

米のとぎ汁の効果と安全性

米のとぎ汁を活用する前に、掃除や美容に役立つ栄養素や成分安全性をチェックしておきましょう。効果を知ることで「めんどくさい」という気持ちが「もったいない」に変わり、節約につながる利用法に楽しく取り組めます。

米のとぎ汁に含まれる成分と効果

米を砥いだときに出る白いとぎ汁には、精米で取り切れなかった糠(ぬか)や米のかけらが含まれており、栄養素が豊富に入っています。

  • デンプン
  • セラミドなどの脂質
  • γ-グロブリンなどのたんぱく質
  • ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン
  • リン、マグネシウムなどのミネラル
  • 食物繊維 など

精米の際に捨てられる糠は漬物や米油などに再利用されますが、米油は健康に良い油として知られています。とぎ汁も再利用すれば、私たちの生活に大いに役立ちます。

たとえば、米ぬかに含まれるトコトリエノールは抗酸化力が高く、美肌や美白に役立ちます。またγ-グロブリンは悪玉コレステロールを減らす働きがあり、油の分解や生活習慣病予防に貢献します。さらに、米ぬかの脂質は木製品のツヤだしにも活用できます。

また、米のとぎ汁にはデンプンが豊富に含まれているため、野菜から出るアクを吸収したり、デンプンの細かな粒子が土鍋などの陶器に入り込むことで隙間をふさぐことも可能です。

米のとぎ汁の安全性

米のとぎ汁は本来食品なので、赤ちゃんや小さな子供がいる家庭でも安心して使用できます。ただし、安全性で気になる点は残留農薬です。米作りには雑草や害虫を防ぐための農薬が使用されるため、とぎ汁にもわずかに残留農薬が含まれています。(注2)

しかし、日本国内で製造された米は、食品に使用するための厳しい安全基準をクリアした農薬を使用しています。国内産米のとぎ汁であれば残留農薬について過剰に心配する必要はありません。

米のとぎ汁で節約できる利用法10

米のとぎ汁には健康に役立つ栄養素だけでなく、日常生活で活用できる成分も豊富に含まれています。捨てずに活用すれば、毎日の細々とした出費を抑えて家計の節約にもつながります。ここでは、米のとぎ汁を使った節約法10選をご紹介します。

野菜のアク抜きに使う

とぎ汁で野菜のアク抜きをしている

大根や里芋、たけのこ、ゴボウなど、アクの強い野菜も米のとぎ汁を使って煮るとアクがきれいに取れ、美味しく仕上がります

さらに、身欠きニシンや干し数の子を戻すときにも米のとぎ汁を使えば、臭みを抑えることができます。家庭で美味しく調理できれば、外食費の節約にもなります。

食器を洗う

とぎ汁で使った食器を洗っている

米のとぎ汁に含まれるγ-グロブリンは、食器洗い洗剤に含まれる界面活性剤と同じように油を分解する効果があります。食後の皿や箸、調理に使ったフライパンなどをとぎ汁につけるだけで油汚れが落ちやすくなり、洗剤代の節約になります。

ちなみに、米のとぎ汁以外にもコーヒーかすも油汚れを落とすのに役立つので、ゴミにせず再利用すると節約につながります。

タッパーなどの嫌な臭い取りに

とぎ汁にタッパーをつけて臭い取りをしている

米のとぎ汁はタッパー、弁当箱、プラスチック容器、水筒などの嫌な臭いにも効果があります。臭いが気になる容器を一晩とぎ汁に浸しておくだけで、手間や洗剤代の節約になります。

魚焼きグリルを磨く

とぎ汁で魚焼きグリルの焼き網を洗っている

米のとぎ汁をしばらく置くと、透明に近い上澄みと滑らかな粒子の沈殿物に分かれます。この沈殿物にはγ-グロブリンが豊富に含まれており、スポンジにつけてシンクやグリルを擦ると油汚れを落とすクレンザー代わりになります。

魚焼きグリルの焦げや臭みをきれいに取り除けるので、クレンザー代や消臭剤の節約にもなります。さらに、茶殻も消臭効果がありますので、捨てずに再利用してみましょう。

フローリングをピカピカにする

とぎ汁でフローリング掃除

米のとぎ汁に含まれる脂肪分のオリザオイルには、フローリングをピカピカに磨き上げる効果があります。スプレーボトルに入れて使用すれば、浴室や洗面台などの住宅用洗剤としても利用可能です。赤ちゃんがいる家庭でも舐めても安心なので、ワックス代の節約にもなります。

植物の栄養剤にする

研ぎ汁を植木鉢に入れている

米のとぎ汁にはミネラルなどの栄養が豊富で、植物の栄養剤としても活用できます。花や野菜の水やりに少量加えるだけで、水道代の節約にもなります。

ただし、でんぷん質が多いため害虫やカビの繁殖や悪臭の原因になりやすく、栄養過多は植物の根を弱らせることもあります。観葉植物や庭木には、与えすぎないよう注意してください。

さらに、植物の栄養には卵の殻も役立つので、米のとぎ汁と一緒に土に混ぜて再利用すると効果的です。

ヘアケアに活用する

とぎ汁で髪を洗っている

米のとぎ汁は平安時代から「ゆする」として使われ、現代ではヘアケアとして女性の髪を艶やかにするのに役立ちます。髪のパサつきや広がりを抑え、ワックス効果でしっとりとした髪に仕上がります。

使用方法は、髪を洗ったあとによく水気を切り、米のとぎ汁に浸してからしっかりすすいで乾かすだけです。油分が多いため毎日使うとベタつくこともあるので、トリートメント代わりに時々使うのがおすすめです。

陶器を長持ちさせる

とぎ汁に陶器をつけている

新しい茶碗や湯飲み、土鍋に米のとぎ汁を入れて煮立たせると、陶器が割れにくく長持ちします。米のとぎ汁に含まれるでんぷんが陶器の細かい穴に入り込み、糊のような役割を果たすからです。

陶器を購入した際には、この方法でメンテナンスすると食器の寿命が延び、無駄な出費を抑えることができます。

美肌スキンケアに使う

とぎ汁を手で受けている

米のとぎ汁には、セラミドやビタミン・ミネラル類など、美肌に効果的な栄養素が豊富に含まれています。米のとぎ汁の上澄みで洗顔すると、皮脂を取り除きつつ肌がふっくらしっとり。さらに化粧水として使えば、洗顔フォームや市販の化粧水の費用も節約できます。

米のとぎ汁化粧水の材料

  • 米のとぎ汁(上澄み) 100ml
  • 精製水 150ml
  • 植物性グリセリン 少々
  • ガラス製ボトル

作り方は簡単です。すべての材料をボトルに入れ、よく振って混ぜるだけ。ただし、米のとぎ汁化粧水は傷みやすいため、冷蔵庫で保存し、2日以内に使い切るようにしましょう。

10クレイパックを作る

とぎ汁で作ったクレイパック とぎ汁で作ったクレイパックを顔に塗っている女の子

米のとぎ汁の沈殿物には、美肌に良い栄養素と洗浄効果のある成分が凝縮されています。さらに、なめらかな粒子によるスクラブ効果も期待でき、クレイパックとして顔や体のマッサージに使用可能です。

とぎ汁を半日置いて上澄みを捨ててできたクレイパック

作り方は、米のとぎ汁をボウルに入れて半日置き、上澄みを取り除いた沈殿物を使います。市販のクレイパックは高価ですが、普段捨ててしまう米のとぎ汁の沈殿物なら費用はかかりません。美容費を賢く節約しながら、美しくなれます。

なぜ米を研ぐの?美味しく洗う3つのコツ

米のとぎ汁を再利用して節約するより、そもそも米を研がない方が節約になると考える人もいますね。無洗米も販売されていますが、なぜ米を研ぐ必要があるのでしょうか。

収穫したばかりの米粒は籾(もみ)という硬い殻で守られています。そのままでは食べられず、籾を取り除いた状態が玄米です。玄米は硬く消化しにくいため、外側の糠(ぬか)や胚芽(はいが)を削って中心部の白く柔らかい胚乳を食べています。その際、どうしても白米の表面に糠が残ってしまうのです。

糠は食べられないわけではありませんが、残っていると米を炊いたときに匂いが残り、美味しく炊けません。そこで米を研ぐ作業が必要になります。

米は研ぐべき?洗うべき?

現在は精米技術が向上しているため、白米に付着している糠の量は少なく、簡易な精米機で精米されていない米以外はゴシゴシ研ぐ必要はありません。米や物流で混入した糠やホコリを洗い流す程度で十分です。

米のとぎ方を工夫することで水道代の節約にもなり、栄養価の高い美味しいご飯を炊けます。以下の3つのコツに注意して洗米しましょう。

1回目の水はすぐ捨てる

米を1回といだ時のとぎ汁

米をボウルに入れ、きれいな水を注いで軽くかき混ぜたら、とぎ汁をすぐ捨てましょう。1回目の水をそのまま使うと、糠を含んだ水を米が吸収して糠臭くなるため、美味しく炊けません。

優しく洗い流す

手のひらで優しく米をといでいる

米をゴシゴシ研ぐと米粒が割れて旨みや栄養がとぎ汁に流れ出ます。指先や手のひらで優しくかき回し、米粒を潰さないようにして洗いましょう。

水で洗い流し過ぎない

数回米をといだ後の少し濁った水

米のとぎ汁が透明になるまで洗う必要はありません。白さの元はデンプンなので問題ありません。洗い過ぎるとビタミンB1やデンプンなどの栄養素まで流れ出し、美味しさも損なわれます。

米のとぎ汁を再利用する際の注意点

栄養豊富で生活に役立つ米のとぎ汁ですが、栄養が多い分、雑菌が繁殖しやすいため衛生管理が重要です。米を洗う前の手洗いは基本中の基本ですが、とぎ汁を安全に使うためにも欠かせません。

とぎ汁を保存する場合は、清潔な容器を使用し、冷蔵庫で保管しましょう。暖かい場所に長時間放置せず、できるだけその日のうちに使い切ることが安心して利用できるポイントです。

参考文献

この記事を書いたライター
木村さくら

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

おすすめの記事