こたつの電気代をカットする8つの節約術!一番安い暖房器具は?
雪が降って体が芯から冷える冬、家族で集まってぬくぬく暖まることができる「こたつ」は、独特の幸せを感じさせてくれますよね。住宅の洋風化やエアコンの普及などでこたつを置かない家庭も増えている一方、まだまだ根強い人気がある家電ですが、気になるのは電気代でしょう。使い方次第でもっと節約できますが、あなたはどんな節約術を実勢していますか?
今回は、こたつの電気代節約術、こたつと他の暖房器具との電気代比較、電気代が安いこたつの選び方、取り替え用こたつヒーターの種類別電気代比較など、こたつの電気代について解説します。今使っているこたつの電気代を節約したい方はもちろん、買い替えを検討中の方も必見ですよ!
こたつの電気代を安くする8つの節約術
こたつは、上に布団を覆いかぶせてヒーターの熱を内部に閉じ込める暖房器具ですので、部屋の空気全体を暖める効果はありません。けれど、足元の狭い空間だけを暖めるため、消費電力が比較的少ない暖房器具です。また、一工夫することでさらに電気代を節約することもできますので、ぜひ試してみてくださいね。
1上下のこたつ布団を使う
こたつ布団を買いに行くと、上のこたつ布団だけ販売されているのを見かけますよね。「暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまるから、こたつは上のこたつ布団だけでOK」と思っている人も多いのですが、しっかりと放熱を防ぐにはこたつ布団は上下とも必要!下のこたつ布団がないと、熱が床を使って放出してしまうため、電気代が多くかかってしまいます。
また、こたつ布団だけでなく毛布やフリース性の内掛けを使ったり、上掛けをプラスしたりすると、さらに節約効果がアップしますよ。こたつ布団を選ぶときは、中綿の入った厚手のものやサイズが大きくしっかりとこたつ全体を覆えるものを選びましょう。
2下に断熱シートを敷く
こたつ布団は熱を閉じ込めてくれますが、それでも放熱は完全に防げず、熱は床下に逃げてしまいます。「こたつを“強”にしているのに、いつまでたっても暖まらないのはナゼだろう?」と思うのはこのため。
そこで、お勧めしたい電気代節約術が、こたつの下に断熱シートを敷くこと。高い保温率で床からの放熱を遮断できるため、こたつの温度設定を低くしても暖かく、電気代を大幅にカットできますよ。
3室温を下げず、設定温度を下げる
室温が低いと、こたつに入っても快適ではなくなり、必要以上にこたつの温度を上げてしまいがちですよね。ですから、こたつの電気代を節約するには、部屋の熱を少しでも逃がさない工夫をすることが大切。室温を下げず、こたつの設定温度を下げて節電しましょう。
- 窓のカーテンを厚手にする
- 断熱材を窓際に置く
- 床や壁とドアの隙間風ストッパーを使う
4室温を上げ過ぎない
こたつを使用している家庭では、エアコンや電気ストーブなどの暖房器具と併用することが多いですよね。でも、こたつで下半身が温まると、血液の循環で上半身も徐々に温まりますので、室温が高すぎることで汗をかき、逆に体を冷やして風邪をひいてしまうことも…。
こたつの電気代だけでなく、暖房費トータルで節約するために、エアコンなど室内を温める暖房器具の設定温度は低めに設定しましょう。
5暖かくなったら設定温度を下げる
こたつは保温性の高い暖房器具ですので、サーモスタットなど自動で温度設定を変えてくれる機能がついていないと、内部が暖まっているのに暖め続けて電気代がムダにかかってしまいます。ですから、こたつ内が暖まったら設定温度を「弱」にするのが賢い使い方。こたつの設定温度はこまめに調整し、電気代の無駄をカットしましょうね。
6上半身を防寒する
せっかくこたつで全身を暖めても、熱はどんどん上半身から逃げてしまいます。でも、他の暖房器具と併用せずに着る毛布などの暖かい衣類を一枚上半身に重ねるだけで、他の煖房器具を使わなくても快適に過ごすことができる日もありますよね。体温は首周りや背中から逃げやすいので、特に念入りに防寒して光熱費を節約しましょう。
7出入りに注意する
こたつは保温性がよい暖房器具ですが、さすがに布団をめくれば熱は逃げてしまい余計な電気代がかかります。出入りが頻繁であればあるほど熱が逃げますので、こたつを出入りする際はできるだけ布団をあげないように気を配り、空いた隙間はすぐにふさぐ習慣をつけましょう。
また、こたつに入りながら寝転がると、こたつ布団に空きスペースができるので、ブランケットなどを併用して節電しましょう。
8家族で使う
こたつはヒーターを熱源としていますが、人の体が発する体温で使用する人数が多ければ多いほどぬくもりがプラスされます。ですから、できるだけ家族で団らんするほうが設定温度を低くできて節電になりますよ。
また、夫婦2人の生活に6人以上が使う大型のこたつを使っていると、無駄に電気を消費してしまいますから、こたつは家族の人数にあったサイズを選ぶようにしましょうね。
こたつと他の暖房器具、どちらが安い?
電気を使って暖める暖房器具には、こたつ以外にエアコンやホットカーペットなどがありますね。こういった暖房器具とこたつでは、電気代にどのような違いがあるのでしょう?
こたつはエアコンより安い?温め方の違い
こたつとエアコンの電気代を比べると、圧倒的にこたつの電気代の方がおトクです。エアコンは部屋の空気を取り込んで暖めて送風したり、細かく温度や湿度を調整するために多くの機械や電子回路を使ったりしているので、その分消費電力が高いんです。
ですが、足元だけを暖めるこたつと室内を暖めるエアコンでは、そもそも機能や温める対象が違うので、単純に比較してこたつのほうが安いとは言えません。
1時間あたりの電気代
- こたつ ⇒ 約2.2~4.6円
- エアコン(8畳用) ⇒ 約4.5~35.1円
こたつは単純なヒーターだけを熱源としているので消費電力は少ないですが、さすがに一日中「強」にしていれば電気代はかさみます。
また、節約のためにこたつばかりを使っていると、外気温との差で体調を崩して余計な医療費がかかってしまう恐れも…。
ですから、節電のためにこたつオンリーで無理をするのはおすすめできません。無理をせずエアコンなど他の暖房器具と併用して、賢く電気代節約に取り組みましょう。
こたつはホットカーペットより安い?
ホットカーペットはこたつと同様に室温を暖める暖房器具ではなく、足元の接している部分だけを暖めるのに特化した暖房器具です。そのため、こたつとどちらを購入するか悩む人も多いのですが、電気代を比較すると1時間当たりの電気代が約2.2~4.6円のこたつの方が割安に済みます。
1時間あたりの電気代
- ホットカーペット(3畳用) ⇒ 約13.5~23.0円
ですが、ホットカーペットは直接熱源が体にあたる満足感の高い暖房器具。大きなスペースがとれず設置しづらい家庭ではホットカーペット、置き場所があってより節約を重視するならこたつというように、暖房器具は賢く使い分けていきましょうね。
電気代が安いこたつの選び方
「これから暖房器具を購入するから、電気代がよりおトクなこたつを選びたい!」という人に、こたつ選びのポイントをご紹介します。こたつは暖かさへの好みによって満足度に個人差がありますので、ご家庭に合った選び方をしましょう。
1サーモスタットやセンサー付きを選ぶ
最近販売されているこたつには、人感センサーやサーモスタットを搭載したモデルがあります。お値段は若干高めなのですが、実際に使ってみるとより節電できることがわかります。理由はサーモスタットや人感センサーにより、暖まると自動で設定が弱になったり、人がいなくなると自動で電源が切れたりするから。
温度設定を変更したり電源をOFFし忘れたりしても、自動で無駄な電気代を省けるので省エネ効果が高く、使い勝手もいいですね。
2長持ちするヒーターはコルチェ
節約のために家電製品を選ぶ場合には、購入にかかる初期費用や消費電力に加えて、耐久性も考慮することが大切です。せっかく高いお金を払ってこたつを買っても、何もわからず買い替えばかりでは「なんでうちのこたつはすぐ壊れるの?」とガックリしてしまいますよね。こたつを買う時には使われているヒーターの寿命も知っておきましょう。
ヒーターの種類と寿命
- コルチェヒーター …10,000時間
- ハロゲンヒーター … 8,000時間
- 石英管ヒーター … 7,000時間
ただし、ヒーターの種類によってメリット・デメリットがありますので、寿命による節約効果だけを重視せず、自分の好みやライフスタイルも考えて選ぶと満足度はアップしますよ。
- コルチェヒーター
電源を入れるとすぐに暖まる、寿命が長い、値段が高い - ハロゲンヒーター
電源を入れてからの立ち上がりが早い、寿命も値段もほどほど - 石英管ヒーター
遠赤外線効果で体の芯から暖まる、値段が安い、立ち上がりが遅く寿命も短い
3フラットヒーターはぬるいが安い
最近、電気カーペットを張り付けたようなフラットヒーターのこたつが出回り、電気代が安いと評判です。「省エネこたつ」としても宣伝されていますが、実際の電気代はどうなのでしょうか?
2016~2017年の冬に販売されたニトリのこたつの中から、同じ105cmのハロゲン、石英管、フラットのこたつ1時間の電気代と一日6時間使用した場合の1年間の電気代を比較してみましょう。
ヒーターの種類 | 1時間の電気代 | 年間電気代 |
ハロゲンヒーター | 弱1.9円 強4.9円 |
弱 4,161円 強10,731円 |
石英管ヒーター | 弱2.2円 強4.6円 |
弱 4,818円 強10,074円 |
フラットヒーター | 弱2.2円 強3.9円 |
弱 4,818円 強 8,541円 |
「弱」で使用した場合、他のヒーターのこたつとフラットヒーターのこたつの電気代に大きな差はありませんが、「強」で使用すると明らかにフラットヒーターの電気代が安く済みます。ただし、フラットヒーターは「あまり暖まらい」という感想を持つ人も多いので、こたつのヒーターは電気代だけでなく使用感も考慮して選ぶといいですね。
取り替え用こたつヒーターの電気代
こたつはヒーターのみを取り換えることができます!ですから、古くなってヒーターが故障してしまった場合、ヒーターだけを新しいものに交換したほうが、新しいこたつを購入するより費用が安く済むので節約になりますよね。
こたつの電気代を節約するために、今あるこたつのヒーターを別の種類のヒーターに取り換える人もいますが、メトロの取り換え用ヒーターを比べてみると、電気代はどの種類のヒーターでも変わりません。つまり、安易にヒーターを取り替えても電気代を節約できるとは言い切れません。
ヒーターの種類 | 1時間の電気代 |
ハロゲンヒーター MHU-601E(K) |
弱およそ1.9円/強およそ4.9円 |
石英管ヒーター MSU-601E(K) |
弱およそ1.9円/強およそ4.9円 |
カーボンヒーター MCU-501EC(K) |
弱およそ1.9円/強およそ4.9円 |
ただし、こたつのヒーターの取付部は、メーカーや年代によって大きさやネジ穴の違いがありますから、ヒーターの取り換えをするときは最初に仕様書で取り付けられるテーブルの条件をよく確認してから選んでくださいね。
昔のこたつと今のこたつの電気代は違う?
いま科学技術は日進月歩で進んでいて、消費電力の少ない省エネ家電が続々と発売されています。こういった家電製品は、10年前と最新のものとではかなりの消費電力の差があり、古いものは新しいものに買い替えた方が電気代はお得になるのですが、こたつは年代によって消費電力に大きな差のない家電製品です。
確かにセンサーやサーモスタット機能付きのこたつは消費電力が少なくなる傾向がありますが、その他のこたつはヒーターが同じワット数であれば、10年前のこたつも今のこたつも電気代に変わりはありません。
ただし、こたつは冬の期間だけしか使用しませんし長期間故障せずにしようする可能性もある暖房器具ですので、古くなるとコードなどが劣化して事故の原因になる恐れがあります。シーズン前にはきちんと点検をして、安全確認をしてから使用してくださいね。
北海道の節電にこたつはおすすめ?
こたつは日本全国で愛用される暖房器具ですが、やっぱり地域で寒暖の差がありますので、向いている地域とそうでない地域があります。特に北海道は寒さが厳しく室温が低くなるため、こたつで部分的に温めても、こたつから出たら気温差で大変。そのため、セントラルヒーティングや灯油ストーブを使う家庭が多いです。
部屋に温度計を置いて日中の室温を低めに設定し、こたつと併用すれば電気代を抑えられますが、こたつオンリーはおすすめできません。気温差のヒートショックにも気をつけなければなりませんので、北海道でこたつを使う際は、室温をある程度他の暖房器具でキープして併用しましょうね。