和食・洋食・フレンチ・イタリアンのテーブルマナー5つ
皆さんはレストランでの食事の際、テーブルマナーって気にしたことありますか?料理によって作法は丸っきり違うものです。デキる女性に思われたいなら、テーブルマナーは心得ておいて損はありません。ここでは、和食、洋食、フレンチ、イタリアンの4つのカテゴリーごとにそれぞれ覚えておくべきテーブルマナーを紹介します。
和食の5つの基本マナー
1嫌い箸をしない
「箸の持ち方で育ちがわかる」などと言われることもありますが、箸を正しく使うことが和食マナーの第一歩とも言えるでしょう。
箸には「嫌い箸」といって、マナーとしてNGな使い方がたくさんあります。次に紹介するのは、主な嫌い箸の種類です。多くの種類がありますので、全て覚えて箸のNGをしないようにすることは大切なことでしょう。大人がマナー違反をしていると、子供もそれが普通だと思ってしまいます。
●拝み箸
箸を持ったまま「いただきます」をすること。
●突き箸(または刺し箸)
箸で食べ物を突き刺して食べること。
●返し箸または逆さ箸
料理を取り分ける時などに箸の柄のほうを使うこと。
大皿の料理を取り分ける際に、取り箸がなければ、箸の柄を使ったほうが良いように思っている人も多いと思います。しかし、箸を反対に使うことはマナー違反なんです。
●仏箸(または立て箸)
枕飯のように茶碗に盛ったご飯に箸を2本突き立てること。
●くわえ箸
箸を口でくわえたり、くわえたまま手で茶碗やお椀などの器を持つこと。
●合わせ箸(または箸渡し)
食べ物を箸で渡し、それを箸で受け取ること。亡くなった人の骨を拾う行為をイメージさせてしまうため、良くないとされています。
●叩き箸
箸で茶碗などの器やテーブルを叩くこと。
●なぶり箸
箸を舌で舐めること。
●握り箸
2本の箸を、手をグーにして握るように持つこと。
●渡し箸
まだ食べている途中なのに、茶碗やお椀の上に箸を置くこと。
●せせり箸
箸をつまようじのように使って歯の間に挟まったものを取ること。食べ物をつついたりほじくりまわしたりすることを指す場合もあります。
●寄せ箸
箸で茶碗や小鉢など器を引き寄せること。
●迷い箸
何を食べようか迷って、食べ物の上で箸をウロウロと動かすこと。
●込み箸
すでに口の中に入っている食べ物を箸でさらに奥へ押し込もうとすること。
●探り箸
汁物のお椀の底に具が残っているかどうか確かめるため、箸をお椀に入れてかき回すこと。
●指し箸
箸で相手や物を指すこと。
●涙箸
箸の先端から汁物の汁が落ちること。
●空箸
一度食べようとして料理に箸をつけたのに、結局食べないこと。
●横箸
箸をそろえて握り、スプーンを使う時と同じ要領ですくって食べること。
●持ち箸
箸を持った方の手で、ほかの器を持つこと。
●違い箸
組になってない箸を一本ずつ使って食べること。(例:割り箸と竹でできた箸を対にして使う)
●受け箸
箸を持ったままの状態でご飯のおかわりをすること。
●洗い箸
汁物のお椀に箸を入れ、箸の先端を洗うこと。
●噛み箸
銜え箸(くわえばし)と似ていますが、こちらは箸を噛むこと。
●直箸
取り箸を使わず、直接大皿の料理を自分の箸で取ること。
●もぎ箸
箸についたご飯を口で取ること。
●掻き箸
茶碗やお椀などに直接口をつけて箸で料理を掻きこむこと。
●揃え箸
皿やテーブルなどに箸をトントンと突き立て、揃えること。
●重ね箸
好物など、一つの料理だけ食べ続けること。
●こじ箸
皿の中身を下から上にかき回して好物だけ食べようとすること。
●振り箸
箸の先端についた汁を落とすため、箸を振ること。
●すかし箸
魚を食べる時、上身を食べた後、骨を外さずに下身を食べること。
●落とし箸
食べている途中に箸を落とすこと。
●膳ごし
お膳の向こうにある料理を手で器を取らずにそのまま箸を伸ばして食べること。
●撥ね箸(はねばし)
好き嫌いをして嫌いな食べ物を箸で避けておくこと。
●二人箸
ひとつの皿の上で二人が料理をつつこうとすること。
2器は正しく持って食べる
「お茶碗を持って食べなさい」などと、子供の頃に注意された経験がある人も多いかもしれません。
和食は茶碗や小鉢、お椀など器を持って食べます。右手の傍にある器は右手で引き寄せ、同じように左手の傍にあるものは左手で引き寄せます。器を持ち上げる時は一度箸を置き、両手を使って持ち上げます。そして胸元の高さで左手に器を持ち、右手で箸を持って(左利きの人は右手で器、左手で箸)食べます。
3お椀の蓋は片手で取らない
お椀のフタを開ける時には両手で開けます。お椀のフチを左手で押さえ、右手でフタの真ん中にあるつまみをつまんで開けます。
フタが開いたらすぐにテーブルには置かず、滴が垂れないように注意して、滴が垂れそうな場合はフタを完全に外す前にお椀の右フチにフタを立てかけるようにして少し動作を止めます。これを「霜切りの所作」といい、れっきとした和食のマナーです。霜切りを終えたらフタの裏側を上に向けた状態でテーブルの上に置きましょう。この時、必ず両手を添えて、折敷の外側に置くこと。皿や器を丁寧に扱うことが大切です。
お椀だけでなく、フタのついた器の場合は同様に行いましょう。
4おしぼりで口元を拭かない
おしぼりは手を拭くためのものですが、口元が汚れてしまった場合に使用する人も少なくないでしょう。口元を拭く場合は、懐紙(かいし)を使用するのがマナーです。
といっても、懐紙を持ち歩く人は少ないと言えるでしょう。懐紙を持ち歩き、使いこなしている人はマナー上級者と言っても良いかもしれませんね。
懐紙とは、口元を拭くだけでなく、メモとして使用したり、ティッシュと同じような用途で使用したりする和紙のことを言います。懐紙はテーブルの上には置かず、着物なら懐、洋服の場合はポケットに入れておくのがマナーです。
なかなか懐紙を持ち歩いている人はいないかもしれませんが、わかる人がみれば一目おかれること間違いなしでしょう。
5座敷の場合は正座がマナー!足はくずさない
食事を終えるまで正座でいるのは無理!という人もいるかもしれません。でも、座敷の場合は、正座するのがマナーです。
といっても、やはり足がしびれてしまうと、せっかくの料理をおいしく楽しめなくなる可能性もあるでしょう。
足を崩す場合には、ぺしゃんこ座りのようにならないように、片側にななめにそろえて足をくずします。この時、足が下座の方に流すようにします。
また、和食や座敷に限らず言えることですが、背筋を伸ばして姿勢良く食べることも大切ですし、マナーの一つと言えるでしょう。
洋食の5つの基本マナー
1乾杯する時はグラスをぶつけない
ドラマなどでよく見る乾杯はグラスのフチとフチをぶつけますが、正しいマナーでは乾杯はグラスをぶつけません。高級レストランではグラスも高価で繊細なものを使っている場合が多く、むやみにぶつけるとヒビが入ってしまったり、破損してしまう恐れがあるからです。なので、正しい乾杯はグラスを顔の横、目の高さ辺りまで持ってきて、アイコンタクトをして乾杯という意味になります。
2カトラリーは外側から順に使う
洋食ではたくさんのカトラリーを使います。カトラリーとはナイフ、フォーク、スプーンなどの総称です。コース料理などの場合、大量に並べられたカトラリー類に、どれを使っていいのか迷ってしまうかもしれません。基本的に出される1つの料理に対して1本(ナイフとフォークの場合は1組)ずつ用意されているものなので、外側から順番に使っていくのがマナーです。
3食事中と食事が終わったことはサインで伝える
食事中、いったん休憩する時など、カトラリー類から手を離す時は、皿に対してカトラリーを「ハの字」に置きましょう。まだ途中ですというサインになります。食べ終わったら、お皿の右側にカトラリーを揃えて斜めに置きます。(時計で言う5時25分くらいの角度)これで食べ終わりましたというサインになります。
4飲み物に合わせてグラスを使い分ける
洋食ではカトラリーだけではなくグラスも様々な形のものがあります。何故なら、酒や飲み物の種類によってグラスを変えているからです。最大限その飲み物のおいしさを引き出すような工夫がなされています。シャンパングラスは泡立つ気泡を楽しむために長細い形で作られているし、ブランデーグラスは手で温めながら飲むので、底は大きく深く、持つ足の部分は短めです。ワイングラスと水用のグラスが似ているので注意しましょう。一番丸く大きいのが水用グラス、二番目に大きいのが赤ワイン、一番小さいのが白ワイン用グラスです。
5ナプキンの使い方
ナプキンは懐紙と似たような役割を果たします。口元や指をふいたり、口元を隠す際に使用します。
広げるタイミングは注文が済んでからがいいです。披露宴や会食の場合は、乾杯が済んでからになります。二つ折りにし、膝の上に広げます。汚れた部分を相手に見せないように汚れが内側に来るように使いましょう。
また、ナプキンがあるのに自分のハンカチやティッシュを使うという行為は「ナプキンが汚くて使えない」というサインになってしまいますので、しないようにしましょう。食事の後、良かれと思ってナプキンを綺麗にたたむ行為も「料理に満足できなかった/味が不満」といったサインになりますので注意しましょう。
ナプキンは、丁寧にたたむのではんなく、ざっくりとたたんでテーブルに置くと良いでしょう。
フレンチの5つの基本マナー
1ワインを注いでもらう時にはグラスを持たない
ビールを注いでもらう時には、グラスをテーブルにおいたままにせず、手に持つ習慣があります。でも、ワインの場合は違います。ワインを注いでもらう時には、ワイングラスに触れたり、持ち上げたりしないようにしましょう。
ワインを注いでもらう時に、特に手を添えたりしないのがマナーではありますが、ワインを注いでもらったら「ありがとうございます」などの声かけは大切だと言えるでしょう。
2スープは音を立てずに飲む
フランス料理ではスープは飲み物ではなく食べ物に近いです。ですから、スープを飲む際は決して音を立ててはいけません。これは、日本でもすでに当たり前のマナーと言えますが、熱いスープをスマートに飲めない人も少なくないようです。
熱くて飲めない場合、息を吹きかけて冷ますのはNGです。スプーンで表面をなでたり、ゆっくりと静かにかき混ぜたりして冷ましましょう。
飲むときは奥から手前にスプーンを掬って口へ運びます。量が少なくなって掬いづらくなったら、皿の奥側を少し浮かせて掬いましょう。
3食べ終わったらナイフとフォークを真横に置く
カトラリーの使い方は、洋食と同じで外側から使っていきますし、一旦休憩を取りたい時のサインはフォークとナイフを、皿の上にハの字に置きます。洋食のマナーと共通点が多いのですが、食べ終わった時のナイフとフォークの置き方が少し違っています。
イギリス式では、右側に斜めにしておきますが、フランス式では、右側にさらに対して真横に置くのがマナーです。いずれも、ナイフの刃が外側に向かないようにしておきましょう。
4パンばかりを繰り返し食べるのはNG
フランス料理に出てくるパンですが、主食としてではなく、料理の味が混ざらないように一呼吸置くためのいわば繋ぎのような役割をしてくれます。そのため、パンばかりを繰り返し食べるのはあまり良くありません。料理をきちんと味わうためのものです。食べるタイミングとしては、スープからデザートまでの間で食べるのが良いとされています。
また、パンはパン皿に置きますが、パン皿がない場合にはテーブルクロスにそのまま置きます。
5コーヒーを飲む際はソーサーを持たない
デザートまで食べ終わると食後のコーヒーが出てきます。「飲み物を飲み終わるまでが食事」ですから、テーブルマナーはまだ続いていることに注意してください。デザートを食べてすぐに席を立つのはマナー違反です。
立食パーティーなどでは、カップを右手に、ソーサーを左手に持ちますが、着席している場合にはソーサーはおいたまま右手にカップを持ちます。
イタリアンの5つの基本マナー
1食べ終わったナプキンはキレイに畳まない
広げるタイミングは、料理が来る前です。披露宴や会食なら乾杯の後が良いでしょう。広げ方や使い方は基本的には洋食の場合と同じです。途中で席を立つときにはナプキンは畳んで椅子の上に置きます。食事が済んだら軽く畳んでテーブルの上に置きましょう。この時、あまり綺麗に畳まないように注意しましょう。
2パスタをスプーンとフォークで食べるのは日本流!?
イタリアでは、ロングパスタを食べる時にスプーンを使わないようです。スプーンとフォークを使って食べるのは、日本流とも言えるでしょう。
パスタを注文すると、フォークだけでなくスプーンも運ばれてくるお店もありますが、日本でも少なくなってきているとされています。スプーンがあった方が食べやすいという人もいるかもしれませんが、スマートにパスタを食べるならばフォークだけの方が良いでしょう。
また、パスタはフォークに巻きつけて食べますが、巻きつけ過ぎて大口を開けて食べるのはNGでしょう。適量をフォークに巻きつけて食べます。
3ピザはナイフで食べる
アメリカではピザは手で食べるケースも多いですし、必ずしもピザを手で食べるのはNGということにはならないでしょう。日本人ではピザを手で食べる習慣がありますが、イタリアではナイフとフォークを使って食べます。現地で食べる場合やイタリア料理店などで食べる際には、イタリアの習慣に習って、フォークとナイフを使って食べると良いでしょう。
4スープを飲む時はスプーンを手前から奥に
フランス料理と違いイタリア料理のマナーでは、スープはスプーンを手前から奥に動かして飲みます。
カップスープの場合は直接口をつけてもOKですが、スプーンで飲む場合は直接口をつけるのはNGです。それからフランス料理と同じく啜る音は立てないように気をつけましょう。
5リゾットはフォークで食べる
リゾットはスプーンで食べたくなるところですが、イタリアではフォークで食べます。リゾットは、日本でいうところの雑炊・おかゆという認識の人も多いのですが、リゾットは雑炊のように汁気がありませんから、スプーンでなくても食べられます。