赤ちゃんサインで赤ちゃんと楽しくコミュニケーションを取ろう
自分の気持ちを言葉で話すことができない赤ちゃん。赤ちゃんサインは、そんな赤ちゃんと、手や指の動きを用いてコミュニケーションをとる育児法です。1990年代にアメリカで始まり、2000年以降、日本でも実践する人が増えてきました。
かわいい赤ちゃんとコミュニケーションが取れるだなんて魅力しかないように感じますが、赤ちゃんはいつごろサインを覚え始めることができるのでしょうか?どんなサインがあり、どのようにして赤ちゃんに教えればよいのでしょうか?コミュニケーションが取れる以外にメリットはあるのでしょうか?順番に見ていくことにしましょう。
赤ちゃんへのハンドサインのスタートは生後6ヶ月~1歳6ヶ月ごろ
いつから赤ちゃんサインをスタートさせるかについて特に決まった時期はありませんが、ハンドサインが主になりますから、お座りと指さしができるようになる6ヶ月ごろがスタートの目安とされています。
もちろん、6ヶ月を過ぎたら始められないというわけではありません。あんよができるようになった1歳以降のスタートでも十分です。かえって月齢が進んでから始めるほうが、サインを早く覚えてくれるようです。
赤ちゃんサインを学ぶ方法は、教室または独学で
ベビーサインの学び方は大きく2通りあります。ひとつは教室に通うこと、もうひとつは本やDVDなどで独学することです。
教室に行けば友だちもできますし、アドバイスを受けることもできます。外出がママの気分転換になることもあるでしょう。近くに教室がない場合や、なかなか外に出られないママ、マイペースで取り組みたいママは、本やDVDを使って学んでみてはどうでしょうか。
赤ちゃんサイン、教えるときの心がまえは?
赤ちゃんにハンドサインを教えるときには、ママやパパの心構えとして次のことを心に留めておくとよいでしょう。
教え方の基本は、笑顔でサイン
基本は、授乳やおむつ替えのときに言葉をかけながら、その言葉をサイン(手の動き)で見せてあげることです。赤ちゃんの目を見ながら、笑顔でサインを見せてあげましょう。
「覚えさせよう」と意識しすぎると、ついつい肩に力が入ってしまいます。覚える、覚えないにあまりとらわれず、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しむことを第一にすると、負担感なく進められるのではないでしょうか。
覚えた数にはこだわらない
日本ベビーサイン協会のアンケートによると、赤ちゃんが覚えたベビーサイン®の平均は、77個。かなりたくさんのハンドサインを赤ちゃんは覚えていくのですね。授乳やおむつ替えなど、1日のうちに何度もサインを見せる機会のあることから始めると、赤ちゃんも覚えやすいようです。
ただし、大切なことは覚えた数ではなく、親子のコミュニケーションが取れているか否かです。覚えることを無理強いしないように気をつけましょう。
覚えるまでには個人差があることを念頭に置く
赤ちゃんサインの練習を始めた月齢や赤ちゃんの性格にもよりますが、赤ちゃんたちがサインを覚えるまでの期間には個人差があります。ひとつのサインを覚えるまでに2ヶ月以上かかる赤ちゃんもいますから、よその赤ちゃんと比較して焦らず、あきらめず、取り組んでいきましょう。
ちなみに、日本ベビーサイン協会がとったアンケート結果によると、赤ちゃんが使うベビーサイン®の上位5個は次の通りです。
赤ちゃんが使うサイン 上位5個
- もっと
- おしまい
- おいしい
- おっぱい(ミルク)
- ねんね
根気よく進める
一生懸命ママがサインを出しているのに、なかなか赤ちゃんがサインを返してくれないと、がっかりしてしまいますよね。ですが、ママが根気よくサインを出していれば、必ず赤ちゃんはサインを返してくれるようになります。
決められた通りの覚え方ではなくても、赤ちゃんとママのコミュニケーションが取れているなら、それでOKです。
先ほどもお伝えしましたが「覚えさせよう」「覚えてほしい」という気持ちが強すぎると、かえってストレスになってしまいます。
覚えるまでに時間がかかったことも、後になってみれば楽しい思い出です。焦らず、気長に続けることが、ママにとっても赤ちゃんにとってもいちばんです。
コミュニケーションがもっと楽しくなる赤ちゃんサイン
ひとつ覚えたら、またひとつ。できるサインが増えれば増えるほど、コミュニケーションのはばが広がります。
以前、最初に覚えさせたいベビーサイン10選として「おっぱい・ミルク」「おむつ」「替える・変える」「抱っこ」「お風呂」「おいしい」「もっと・もう一回」「おしまい」「ねんね」「ありがとう」の赤ちゃんサインをお伝えしました。
ここでは、コミュニケーションを楽しむために覚えたい赤ちゃんサインとして、覚えておくと便利なハンドサイン7つをご紹介します。
1食べる
<動作>
5本の指で食べ物をつまんで口に持っていく動作をします。
<使える場面やポイント>
赤ちゃんが泣くなどの様子を見て「もしかしたら、お腹がすいたのかな?」と感じたら、「まんま食べる?」などと声をかけながら、ママがこのベビーサインをしてみせましょう。それから食べ物をあげることで、赤ちゃんはサインの意味を理解していきます。
食べることから発展して、「おやつ」という意味で使うこともできます。覚えやすいサインのひとつなので、ぜひ取り入れてみてください。
2飲む
<動作>
片手でコップを持ち、飲む動作をします。
<使える場面やポイント>
白湯やお茶など、おっぱいやミルク以外の飲み物を飲ませるときに、このサインを見せてみましょう。のどが渇いたときにサインを見せてくれると、ママも助かりますね。
3トイレ
<動作>
手をグーの形にして左右に振ります。
<使える場面やポイント>
ママがトイレに行くときや、赤ちゃんをトイレに誘導するときに「トイレだよー」と声をかけながら動作をしてみましょう。
トイレトレーニングが始まった赤ちゃんの「トイレに行きたい」サインとして便利です。
4帽子
<動作>
片手で頭をトントンと軽くたたく動作をします。
<使える場面やポイント>
お散歩など、外に出かける際に「帽子をかぶろうね」と声をかけながらサインを見せてみましょう。外に行くときにかぶるものと赤ちゃんが認識すれば、「外に行きたい」という意思表示のサインにもなります。
5痛い
<動作>
両手の人差し指を伸ばし、その先をツンツンと触れ合わせる。
<使える場面やポイント>
赤ちゃんがどこかにぶつかったり、転んだりしたときに「痛い痛いだったね」と言いながら、この動作をしてみましょう。ママが痛そうな顔をするとイメージが伝わりやすく、効果的です。
赤ちゃんはなかなか痛みを伝えることができないので、サインでママに伝えられるようになると、赤ちゃんにとっても安心です。「おなかが痛い」「耳が痛い」など、赤ちゃんの様子をママも察知しやすくなるのが嬉しいですね。
6絵本
<動作>
胸の前で両方の手のひらを合わせ、そのまま前方に倒すようにして開く動作をします。
<使える場面やポイント>
絵本を読み聞かせするときに、このサインを使ってみましょう。赤ちゃんからの「絵本を読んで」という意思表示にも使えますし、ママから「絵本、読む?」と問いかけることもできますよ。
7楽しい・嬉しい
<動作>
胸のあたりで両方の手のひらを体のほうに向け、交互に上下に動かす。
<使える場面やポイント>
何かをしていて楽しいとき、嬉しいときに、言葉を添えてこのサインを見せてみましょう。赤ちゃんが笑顔でこのサインをしてくれるようになったら、かわいさ満点ですよ。
コミュニケーションを楽しみながら成長していこう
日本ベビーサイン協会では、ベビーサイン®の教室を卒業した赤ちゃんたちのその後を追跡調査して、公表しています。それによると、「集中力がある」「本や絵本を読むことが好き」「指先が器用」と感じているママが多いという結果が出ています。
赤ちゃんがいろいろなサインを覚えること、ママとコミュニケーションが取れることは、その後の発育にも好影響を与えるのかも知れませんね。
赤ちゃんとのハンドサインでコミュニケーションを楽しみながら、ママも赤ちゃんと一緒に成長していきましょう!