赤ちゃんにとってエアコンは大人より重要!正しい使い方を知ろう
暑い季節、赤ちゃんのお部屋にエアコンを使っていらっしゃいますか。生まれて初めての夏を経験している赤ちゃんには、服装での体温調節に加えて、赤ちゃんを中心に考えた快適な室内環境を作ることが非常に重要です。
近年、日本全国で猛暑日が増えており、「子供にエアコンは不要」という考え方は危険です。乳児は体温調節能力が未熟なため、あまりにも暑すぎると熱中症やうつ熱で命を失う危険性もあることをご家族全員で認識しておく必要があります。
また、エアコンをつけても使い方を誤ると、あせもがかゆくて赤ちゃんが眠れなくなったり、冷えすぎて体調を崩したりなどで大人もお世話が大変になります。エアコンの温度設定以外にも、赤ちゃんへの上手な使い方を知ることが、猛暑を家族全員で安全に乗り切るために大切です。
赤ちゃんには室内でも熱中症対策が必要!エアコン+ケアで守って
赤ちゃんは室内にいても熱中症になる可能性が成人と比べて高いです。乳児は、体温調節機能が未熟なため、体内で作られた熱を上手に発散(放熱)することが困難です。特に高温多湿な環境では、体温が急上昇しやすい状態にあります。
そのため、部屋の中で熱中症になるリスクが高いだけでなく、うつ熱などの重症化を招きやすいので、ママやパパはエアコンにこれからご紹介するちょっとしたケアをプラスして赤ちゃんを守ってあげましょう。
赤ちゃんが室内で熱中症になる理由は?未熟な体温調節機能と環境要因
屋外では熱中症対策をする人が多い反面、「家の中でもなるの?」と半信半疑の人もいますが、体力が乏しく、自由に身動きがとれない赤ちゃんや幼児、高齢者は室内でも熱中症になりやすいです。
乳児が体温調節が苦手な理由としては、以下の点が挙げられます。
- 汗腺の機能:汗をかく機能はありますが、その機能や発汗による体温調節能力がまだ未熟です。
- 体表面積の比率:赤ちゃんは、体重に対して体表面積の比率が大きいため、外部の環境温度の影響を大人よりも非常に受けやすいです。室温が上がると、すぐに赤ちゃんの体温も上がってしまいます。
- 自力での水分補給の困難さ:自分で喉の渇きを訴えたり、水分を補給したりすることができません。
車内への放置は、夏以外の季節でも危険です。外気温や日当たりによっては、短時間で車内温度が急上昇し、赤ちゃんが熱中症になるリスクがあるため、チャイルドシートへの暑さ対策と共に、車内の温度調節や放置への注意が不可欠です。
赤ちゃんが室内で熱中症になる主な理由
- 体温調節がうまくできず、体内に熱がこもりやすい(うつ熱・熱射病)
- 窓際などで直射日光を長時間浴びてしまう(日射病)
- 暑さで短時間に大量の汗をかき脱水症状を起こす
- 自分で水分補給ができない
- 猛暑日で外気温や室内の温度が体温以上に高くなっている
赤ちゃんにはエアコンをつけても足りない!こまめなチェックを忘れずに
エアコンの性能にもよりますが、赤ちゃんのいる場所とエアコンの温度センサーの場所は離れていることが多いため、設定温度と赤ちゃんのいる場所の気温は必ずしも一致しません。
また、体感温度や体の表面の温度も状況によってエアコンの設定温度と異なります。特に、設定温度より2〜3℃低くなるまで運転する機種もあるため、次のポイントに注意して赤ちゃんの様子もまめに確認してください。
エアコンにプラスでチェック!赤ちゃんの7つの様子
- 汗を大量にかいていませんか。
- 顔が赤く、体温が上がっていませんか。
- 呼吸が早く、苦しそうではありませんか。
- ぐったりしていませんか。
- おしっこの量や回数は少なくありませんか。
- 直射日光が当たっていませんか。
- エアコンや扇風機の風が直接当たっていませんか。
特におしっこの回数が少ない、唇が乾いている、元気がないといった様子が見られたら、脱水のサインかもしれません。すぐに水分補給を促し、症状が続く場合は速やかに医療機関を受診してください。
赤ちゃんが快適に過ごせる室温・湿度・空気を知ろう
赤ちゃんが安全で過ごしやすい快適な部屋を作る方法には色々ありますが、環境作りには大人との違いをきちんと理解しておく必要があります。
例えばエアコン一つをとっても、パパやママが快適と思う室温が必ずしも赤ちゃんに快適とは限りません。赤ちゃんは大人よりも環境温度の影響を受けやすく、体温が変わりやすいです。そのため、室温や湿度と共に、エアコンの風や日差しが直接当たらない配慮が不可欠です。赤ちゃんに快適な室温、湿度、空気の3つのポイントを理解しておきましょう。
赤ちゃんのエアコンの設定温度は自動運転で夏26~28℃、冬20~23℃
赤ちゃんに快適な室温の設定は、新生児室の室温がおおよそ24~26℃とされていますが、退院後は赤ちゃんの月齢に応じて徐々に外気に慣らす必要があり、厚生労働省の保育所の環境目安では夏が26~28℃、冬が20~23℃が推奨されています。大人の場合、環境省が推奨する室温の目安は夏が28℃で冬が20℃です。
赤ちゃんのいる部屋のエアコンは自動運転にし、設定温度を季節や外気に合わせて変えるのが赤ちゃんにとっても家計にとっても好ましいです。
外との温度差があり過ぎると、外出の際に赤ちゃんの体に大きな負担がかかり体調を壊す原因になりますので、外との温度差は5℃以内が目安です。猛暑日はエアコンの設定温度以外に、外出する時間帯(早朝や夕方など涼しい時間帯)にも注意してください。
自動運転にせず温度設定だけでつけっぱなしにするとどうなる?
設定温度だけで運転する場合、センサーが設定温度になったと感知するとエアコンは運転を停止しますが、エアコンの機種や設定によってはなかなか室温が安定せず、室温が高すぎる状態や低すぎる状態が続く恐れがあります。自動運転にすると一気に室温を安定させ、その後は自動で送風や弱風に切り替えて室温を一定に保ってくれます。また、電源を切ったり入れたりするよりも電気代もかかりにくい傾向があります。
冷たい空気は下に溜まりやすいので、エアコンの温度設定だけでなく赤ちゃんの寝ている場所に温度計を置いて室温調整をすることが大切です。サーキュレーターや扇風機を活用して室内の空気を循環させましょう。
また、春や初夏の場合はエアコンの設定温度よりも外気の方が涼しい日や時間帯があるため、エアコンからでる送風が暑苦しい場合は室温を確認してエアコンを止め、必要に応じて扇風機を活用するとよいでしょう。無理のない範囲で換気を行うことも重要です。
赤ちゃんのエアコンの湿度設定は50~60%
新生児を含めて赤ちゃんや幼児に推奨されている湿度設定は50~60%で、保育所では60%を目安として加湿器やエアコンを使っています。
赤ちゃんは大人よりも表皮が薄く乾燥しやすいため、エアコンや除湿器、加湿器での湿度調節が重要です。特に夏場、エアコンで冷房を入れると湿度が下がりすぎることもありますので、乾燥しすぎないよう注意が必要です。
同じ室温でも湿度が高いと体感温度が高くなるため、赤ちゃんには温度設定と同様にエアコンや除湿機・加湿器による湿度設定もしっかりと行いましょう。湿度が60%を超えるとカビやダニの発生リスクも高まるため、適切な範囲を保つことが大切です。
赤ちゃんに快適なエアコンの空気作りには2週間に1回の掃除が必要
ハウスダスト1gあたりに、カビの量は100万個、ダニは3000匹と言われるほど、室内の空気には様々な物質が含まれています。エアコンや扇風機は部屋中のハウスダストや花粉などを巻き上げます。
エアコン内にハウスダストが溜まっていれば、風と一緒にそれらの物質をまき散らすので、赤ちゃんの呼吸器や皮膚に大きな負担を与えます。
赤ちゃんがいる家庭では、室内やエアコンをこまめに掃除し、空気をきれいにする習慣をつけましょう。特にエアコンのフィルターには汚れが溜まりやすいので、定期的な掃除が不可欠です。
赤ちゃんの過ごす部屋の掃除のポイント
- 朝の涼しい時間にエアコンに掃除機をかける
- ホコリの溜まりやすい場所はこまめに拭き掃除をする
- エアコンのフィルターは2週間に1度掃除する
- 衣類などホコリの出やすいものはタンスやクローゼットにしまう
- ベビー布団はこまめに洗い、天気のいい日は天日干しする
赤ちゃんの部屋の夜のエアコンはつけっぱなし?設定やその他の対応
寝苦しい夜は赤ちゃんが暑くなるのも心配ですが、気温が下がる朝方に寝冷えをするのも心配です。赤ちゃんのいる家庭での夜のエアコン使用について確認しておきましょう。
夜はエアコンの温度設定を高めにしてサーキュレーターと併用する
大人も子供も寝つきやすい室温は24℃前後と言われています。熱帯夜は寝つきが悪い赤ちゃんを寝かしつける前にエアコンで室温を低めに設定するとよいでしょう。
ただし、低い温度設定のままでつけっぱなしにすると、明け方にかけて気温が下がり、寝冷えをする恐れがあります。赤ちゃんを寝かしつけたら室温設定を再設定し、扇風機やサーキュレーターを併用してエアコンだけに頼らないようにしてください。
また、エアコンや扇風機の風が直接あたると、体表面温度が下がって体調を崩す可能性があります。風が壁に当たるように角度を調節し、室内の空気を循環させて部屋全体の室温を26~28℃に保つようにしましょう。
乳児の安全な睡眠環境のためにも、寝返りができるようになった後は、顔が埋もれる可能性のある柔らかい寝具やぬいぐるみなどは置かず、固めの敷布団に寝かせることが推奨されます。
エアコンによる赤ちゃんの寝冷えは肌着や背中パットで解消
赤ちゃんがいる部屋にエアコンをつけて寝ると、気温が下がる朝方になってお腹を冷やしたり、夜中に汗をかいていて寝冷えをするのが心配ですが、寝冷えは衣類の工夫で対応しましょう。ただし赤ちゃんのパジャマデビューは市販されるのがほとんど70cmからなので生後6ヶ月以降が目安です。
それまでは赤ちゃんは肌着を着て寝ますが、足をバタバタさせるようになったら股下をホックで留められるコンビ肌着でお腹を出さないようにしてあげるのが良いです。
エアコンで手足が冷えたと思っても、寝ている赤ちゃんは体温が上がり背中に汗をかいていることがあります。夏場は背中に汗取りパットを入れておくと、汗をかいてもサッと引き抜くだけで着替えが完了するので便利です。スリーパーなどを利用して、寝ている間にお腹や体が冷えるのを防ぐのも効果的です。
寝具などを工夫して涼しく蒸れにくい環境を作る
赤ちゃんが寝ている時に汗をかくのは自然なことですが、汗が乾かずジメジメした寝具で寝ると体調を崩す原因になりますので、夏はこまめに布団を干しましょう。
赤ちゃんのベビー布団セットは、汗をしっかり吸収し、洗濯機で丸洗いできて清潔に保てる商品がおすすめです。
また、熱帯夜にはベビー布団にベビー専用の敷きパッドやござを敷くとサラッと蒸れにくくなり、赤ちゃんがより快適に眠れます。通気性の良い素材を選ぶことが重要です。
実家への帰省などでエアコンがない場合は、外に打ち水をすると気温差で風が起こるので少しだけ涼しく過ごせます。ペットボトルに水を入れて凍らせ、扇風機の前に置くのも、一時的に涼をとるためのおすすめの方法です。
赤ちゃんへのエアコンをみんなどうしてる?いつから?いつまで?
赤ちゃんにエアコンをいつからいつまで使うか、時期や設定温度は地域によっても年によっても日によっても違います。
育児中はベッド付近の室温や湿度を常にチェックし、日中は赤ちゃんのいる部屋のエアコン設定だけでなく扇風機なども利用して涼をとらせてあげましょう。外気温や赤ちゃんの体調に合わせて柔軟に対応することが大切です。
A28度を目安にして、気温が高くなる昼頃からエアコンをつけています
なるべくエアコンは使いたくないと思っていますが、気温が高くなると熱中症が気になります。午前中はエアコンの使用を控えて扇風機で過ごしていますが、部屋の室温計が28度を超えたらエアコンを使うようにしています。
Aエアコンの設定を高めにして扇風機を活用しています
エアコン設定を27~28度にしてつけていますが、暑いと感じることもあります。そんな時は扇風機を併用して使うようにしています。電気代の節約にもなるのでおすすめですよ。
扇風機には娘が指を入れないように、カバーをつけて使用しています。
A一日中つけています
梅雨が明けてからはほぼ一日中エアコンを使用しています。というのも友達の子が夜エアコンをつけない室内で発熱することが続き、病院で室温が高いことが原因だと言われたからです。
ただし、冷え過ぎないように外の気温と温度差が5度以内になるように設定温度には注意しています。お昼寝も夜も、寝ぐずりもなく寝付きよくしっかり寝てくれるので助かっています。

