モンスターペアレント増加の原因10!6種のモンペと先生の誤認
近年モンスターペアレントは急増していると言われていますが、当のモンスターペアレントには、自分がそうなっているという自覚がないことが多いようです。親の子供への愛情が深いことは昔も今も変わらないはずですが、なぜ近年急増しているのでしょう。
こちらでは、モンスターペアレントになってしまう原因、モンスターペアレントの種類、モンスターペアレントにならないために気をつけること、モンスターペアレントと勘違いされてしまった体験談をご紹介します。
親も先生もモンスターペアレントについて一度しっかりと考えることが、状況を好転させるきっかけになるのかもしれません。
モンスターペアレントとは?
モンスターペアレント(モンペ)とは、子供が学校や幼稚園で怒られたりトラブルが起こったり、嫌な思いをした時などに常識では考えられないような理不尽なことを学校へ求めてくる親のこと です。
テレビや雑誌、ネットでも取り上げられて社会問題にもなっていますが、特に最近は増加し続けていて、精神的に追い込まれてうつ病になったり休職したり退職したりする先生もいるほど。
現役の先生の中にもモンペに戦々恐々としているため、普通の保護者であってもすぐにモンペ扱いしてしまう先生方が実は少なくないとか。例を挙げると驚くようなことばかりですが、全て実際に起こっていることなのです。
- 倫理的に子供が悪くて教師に怒られたのに、苦情を言いに学校に乗り込んでいく
- 「税金を払っているんだから、義務教育の学校で給食費を払う必要はない」と拒否する
- 部活で「レギュラーにしてほしい」、学芸会で「主役でなかったのでやり直せ」とクレームを言う
- 小さな問題も、学校や担任を通さず教育委員会へ連絡して大騒ぎする
- プライバシーの侵害であると、家庭訪問を拒否 など
モンスターペアレントは増加中!?
こどもチャレンジや進研ゼミでお馴染みのBenesseが2011年にママたちに行ったアンケートによると、ママ友の中にモンペがいる、と感じる人が30%近くいることが分かっています。また、モンペが増えていると実感しているママは、実に80~90%にものぼるそうで、近年かなり増えていることがうかがえます。
「学級懇談の時に発言する人が毎回同じ、中身はいつもクレームのようなもの」「いつも先生の悪口を言っている人がいる」など、身近なママ友でもモンペかモンペ予備軍となっているようです。
先生にクレームをつける理由
モンスターペアレントが暴れるのは、主に幼稚園や保育園、学校、病院、塾など「先生」と呼ばれる人がいる環境です。学校や病院はすべての人を平等に受け入れるところでもあるので、怒りの矛先が向けやすいという面もあります。
学校や病院がサービスを提供する側で、子供と親は消費者側、という消費者感覚を持つ人が増えてきたため、お客様目線でケチをつけるのではないかという声もあります。
また、コミニュニケーションをうまく構築できない人の増加、教員不足で業務が増えて丁寧な対応ができない、教師の質の低下などが原因ではないかとも言われ、行き違いが生まれた結果、保護者がモンスターへと変化していくのではないかという意見もあります。
モンスターペアレント6つの種類
モンスターペアレントとひとくくりに呼んでいますが、実は人によってタイプが違います。クレームだけがモンペと勘違いしている人は、「エ~!これもモンペなの?あのママモンペだったんだ!?」となるかもしれませんよ。
1過保護/過干渉
わが子が可愛いあまりに、過保護や過干渉になりがちなのが親ですね。「あの子と仲が悪いから違うクラスにして」「徒競走では1等になれるようなグループにして」「学芸会ではピアノ伴奏をさせて」など、先生や生徒が決めることにまで口出しして我が子によい環境を与えようとします。
2育児放棄
服装の乱れ、朝食を食べさせない、高熱があっても迎えに来ない、学校から呼び出されても無視、連絡がつかないなど子供に関心がない育児放棄状態のモンペもいます。「仕事で抜けられない」「自分は一生懸命やっている」と自分目線でしか物事を語れず、子供や教師など周囲に迷惑を掛け続けます。
3学校への依存心が強い
本来であれば家庭でするようなことも、学校でやってもらおうとします。「朝起きられないからモーニングコールして」「親が言ってもいうことを聞かないからゲームを学校で禁止して」など、子育ては親の責任であることを忘れ、親が困ったら代わりに学校が解決するべきだと考えています。
4権利ばかリを主張
自己責任は棚に置き、権利や法律を持ち出して先生を責めてきます。給食費未納問題が典型的ですね。他にも、子供が風邪で休むと「休んだ日は食べてないんだから、給食費を返して!」と要求する、子供がトラブルを起こして帰宅時間が遅れると、「習い事に行けなかった分の費用を返して」と言ってきます。
5倫理・道徳が欠如
常識的やマナーなどの考えや知識を持ち合わせていないため、平気でおかしな理論を展開して責めてきます。思い立ったら深夜でも早朝でも、時間を配慮せずすぐに担任に電話をして来り、お便りを渡しているのに読まずに「明日の運動会は長袖?半袖?」と、どうでもよいことまで担任へ電話をしたりします。教師が注意しても、倫理観が欠如しているため理解できず、逆切れしてくることもあります。
6暴力や、暴力団との繋がりを臭わせる
教師を従わせようと、「ただじゃおかないから」「覚えておけ」など暴力的なことをちらつかせ、脅しをかけてくるモンスターペアレントもいます。中には「うちの子の祖父ちゃん暴力団なんだよね。祖父ちゃんもうちの子の主役姿楽しみにしてるんだけど…」などと、暴力団を脅しの材料にしてくるモンスターペアレントもいるそうです。
モンスターペアレントになってしまう10の原因
「あの人いい人だと思ってたのに…」と、それまでは感じのいいママさんだったのに、子供のトラブルが発生した途端に、それまでの様子と打って変わってモンスター化してしまう人もいますよね。誰だってトラブルは避けたいはずなのに、それでもモンペになってしまう親。その原因や背景について探っていきましょう。
1過保護すぎる
子供が可愛くて仕方がない親、子供の苦しむ姿を見て自分が苦しくなってしまう親は、子供がかわいいあまりに、つい口出し手出しをしてしまいますよね。その愛情が、時としてママやパパをモンスターペアレントに変えてしまう原因となります。誰でも自分の子供は可愛いし心配ですが、学校の中でのことにまで細かく口を出し、行き過ぎた行動をとってしまっては、かえって可愛い我が子を苦しめることになります。
2自己愛が強い
自分がかわいいあまりに、周りが見えなくなってしまう「自己愛性人格障害」の人は、モンペになりやすいと言われています。自分勝手で人の気持ちが考えられないので、周りが困ることが分からず、自分の思いばかりを伝えてしまうのです。
3ネグレクト(育児放棄)傾向がある
子供に無関心でネグレスト(育児放棄)の傾向がある親も、モンスターペアレントになりやすいと言われています。こういった親の中には生活に追い詰められ、悩みを抱えて精神的にいっぱいになっている人もいます。そのため自棄になって自分の責任は放置し、学校へは注文をつけるという無責任な親も増えているようです。
4小学校や幼稚園への不信感
集団無視やからかいなどの問題の隠ぺいや教員による事件などのニュースを見ることで、「うちの学校(園)もそうなのでは?」「うちの学校の先生は大丈夫?」という不信感が、保護者の中に広がり不安を抱いているママやパパもいます。担任と園児や児童、学校と保護者との信頼関係の希薄さは、親をモンスターペアレントに変えてしまう原因のひとつと言えるでしょう。
5学校との垣根が低くなった
今の親や祖父母の世代には、学校の存在は絶対的であり「先生に意見するなんてとんでもない!」という風潮もありました。ところが今は違ってきています。先生と保護者の距離が近くなり、先生を平気であだ名で呼ぶ、敬語を使わないなどの親も増え、親が担任や学校・園に意見を言いやすくなったという背景もあります。
6日常生活に不満がある
日々の生活に不満がある場合、怒りのスイッチが入りやすい人もいます。そのため怒りの矛先が学校に向いてしまい、攻撃してくるケースもあります。日常生活の不満の吐き出し口となり、ストレス発散をするためにモンスター化します。まさに、理不尽な要求ですね。
7先生への過度の期待
先生に幻想を抱いている保護者の場合、現実とのギャップに驚き「教師のくせに」「先生なのに」と攻撃することがあります。また、経験不足や親との人間関係の築き方がよくわからない先生もいて、「昔の先生に比べて今の先生はダメだ!」という祖父母世代の声もあり、先生のスキル不足も指摘されています。
8周りの親とのコミュニケーションがない
核家族も増え、地域社会とのコミュニケーションが少なくなっているので、直接学校へ問い合わせる保護者も多くなり、その分トラブルが増えているという背景もあるようです。
子供が怪我をして帰ってきた、問題のある生徒の指導ばかりで授業が進まず勉強がわからなくなっていなどのトラブルがあるにもかかわらず、学校から連絡がない、クラスの様子がわからない、お便りもない、近所に相談する相手もいない。という状況では、親も心配になりますよね。
9インターネット社会の発達
昨今のインターネット社会は、スマホやタブレット、PCでどこにいても簡単に世界中の情報が入手できます。が学校の不祥事を取り上げれば、親は不安になりますし、モンスターペアレントを取り上げれば、過敏に反応して「あの人モンペじゃない?」と攻撃しやすくなっているという状況もあります。
10先生が誠実に取り合わない
学校や幼稚園でどのようなことがあったのか、確認したい時もありますよね。そうして問い合わせたところ、相手にされないなどの不誠実な対応が続くと、先生への不信感が増し、「これでは子供を人質にとられているようなものだ!」と、モンスター化してしまうこともあります。先生も日々の業務に忙殺されていて、親の対応まで行き届かないケースも増えているのですが…。
モンスターペアレントにならないためのポイント
学校に気になることや要望を伝えるのは、悪いことではありません。モンスターペアレントと思われる言動に注意すれば、子供や学校のことをキチンと考えるよい保護者として、先生と協力体制を作ることは良いことでしょう。そのためにも、学校へ問い合わせる前に4つのポイントについて考えてみましょう。
一方的な要求になっていない?
トラブルが発生した時に、学校側の言い分もキチンと聞いていますか?あなたの側の言い分を一方的に伝えていませんか?意見の違いに対し「だってこっちの方が正しいでしょ」と自分の意見を押し付けていませんか?
子供同士のトラブルが起きた時、子供の話では説明不足で行き違いになってしまうことがよくあります。口の上手い子は自分だけを良く言いますが、周囲の子供に聞いてみる「確かにAくんは叩いたけど、その前にBちゃんがA君を凄くバカにして、Aくんのママの悪口まで言ってた…」などと、親が子どもから聞かされていたのとは違う話が飛び出してくることもあります。
先生はそういった子供達の様子を毎日見ています。ですから、保護者の方と必ずしも同じ意見ではないこともあります。そのようなことも想定し、先生や子供に自分の考えや意見を押し付けるのではなく、対話する姿勢を持つことが大切です。
人の意見に惑わされず、冷静に物事を見ている?
子供に問題が起こったとき、冷静に判断できていますか?ママ友や周囲の子供、自分の子供から聞いた情報がすべて正しいとは限りません。特にママ友間の間ではいろいろな憶測も加わって、話が大きくなってしまうケースが多いようです。
実はたいしたことではないのに「先生!子供のお友達の保護者からこのような話を聞きましたが、一体どういうことですか!」などと大騒ぎして攻撃的に連絡されては、モンペ認定されても仕方がありませんね。気になる情報を聞いた場合にも、冷静に物事を判断して対処しましょう。
第三者に相談している?
子供の言い分を受け止めるのは親として当たり前と考える保護者の方も多いでしょう。けれど、子供の場合、嘘をついているわけではないけれど、自分だけがそう感じていたり、親にはオーバーに表現していたりすることも多々あります。アレ?と思ったら、学校に相談する前に第三者に相談をしてみましょう。第三者の客観的な目線も参考になりますよ。
時間や場所を考えていますか?
子供のことが心配で頭から離れず「先生に確認しなきゃ」「先生に伝えておかないと…」と、時間や場所を考えずに連絡をしていませんか?心配なのはわかりますが、授業中に学校に連絡しても先生は出られませんし、出るということは他の生徒が授業を受けられなくなるということです。
また、アポなしで突然「A先生いますか?」と夕方学校に押し掛けるのも、先生にとっては迷惑になってしまうでしょう。子供達が帰った後も先生は仕事が山積みですし、プライベートな用事もあるでしょう。先生だって人間です。ドラマの中の金八先生の様な人ばかりではないのです。深夜などの電話も非常識です。冷静になり相手に失礼のない時間帯であるかをキチンと考えましょう。
先生が変なのにモンスターペアレント扱いされることも…
モンスターペアレントの原因を考えると一方的に保護者が悪いように感じてしまいがちですが、中にはちょっと問い合わせただけなのにモンスターペアレントのように扱われたママ達もいます。
幼稚園
A何度も電話したらモンペ扱い?!
初めての子どもが幼稚園に行きはじめたときに、わからないことがたくさんあったので、連絡帳や、電話などで何度か教えてもらいました。子供の説明もまだうまくできず、お便りなどもわかりにくく感じたので聞いただけなのですが、先生からはモンペ扱いをされているようで、次第に面倒くさそうに対応されるようになりました。
別の保護者と話した時も「お便りはわかりにくいよね!」という話になったのですが、私からはもう園へ聞きたくない気持ちです。また面倒がられるのではないかと躊躇してしまい、分からないことはママ友に確認するようになりました。
保育園
A予定変更は教えてほしい!
お便りで行事日程変更のお知らせが届きました。保育園なので仕事をしているママもほとんどです。前もって休みを取って、行事に合わせていたので、急な変更はこちらも困ります。
園に、「変更がある場合は早めに教えてほしい」ということを伝えたところ、「そちらの都合に合わせるわけには・・・」と言われ、訳が分からなかったです。謝罪もないし、行事に参加できないことを責められ…。なんだか腑に落ちませんでしたが、モンスターペアレントと思われたってことでしょうか?
小学校
A聞いただけなのに?
子供が課外授業で忘れ物をしてきました。先生へ確認の電話をした際に、「忘れ物は取りに行ってもよいでしょうか?」と聞いたのですが「学校の授業でのことなので、こちらが取りに行ってもいいですけど!」と急に逆切れ?のようなものをされてびっくりしました。
わが子の忘れ物なので、私が取りに行くというのでいいですか、という確認だったのですが、先生にとっては学校の責任にされたと思われたのでしょうか。取りに行きたくないと取られたのかなと思っていますが、言い方って難しいと感じました。
習い事
Aモンペ予備軍?
子供がまだ小さいので、習い事の送り迎えをしています。終わったら先生がメールか電話をしてくださることになっているのですが、その日はいつになっても連絡がなく…。その教室には親が待つスペースなどもなく、階下の入り口でずっと待っていましたが降りてくる気配もありません。
邪魔にならないように教室の入り口に行ったら、子供が本を読んで待っていました。先生は私に連絡をしたつもりでいたようでしたが、そのままになっていたみたいです。忙しいだろうし、それはあるかなと思いましたが、謝る訳でもなく、しかも最初は気付かないふりまでされました。
「今日はお母さん、お買い物が長引いたみたいだね」と子供に言ってました。文句も言いたくなりましたが、いつも上から目線で、嫌味しか言われないので、何も言いませんでした。
病院
A説明が聞きたい
病院の先生は、診察するとどこが悪いか分かると思うんですが、詳しい説明がないのが気になったので、色々と質問をしました。子供の病気だったので、自分の事以上に心配になって、アレコレ聞いたのが悪かったのか・・・。先生は明らかに不機嫌になり「はぁ」という感じになっていました。
たくさんの症例を見てきて、問題ないと思われているのでしょうが、こちらにとっては初めての事ばかりで戸惑いました。処方箋をもらう時に、もう一度確認をと思って事務の人に聞いたら、先生に聞きに行ってくれましたが、先生の声が「だからー!」と荒く聞こえてきました。きっとうるさい親だと思われたんだと思います。
モンスター教師に子供が傷つけられて問い合わせたところ、先生が学校に来なくなったなどのケースもあります。現代社会では保護者も先生も共に子供に恥ずかしくない広い視野と相手への感謝や謙虚さを持ち、自分の利益ばかりを求めずに協力して子育てに取り組むことが求められています。