幼稚園に友達がいない!我が子にできるママのナイスアシスト
入園、クラス替え、転園など、幼稚園で子供にお友達ができないという状況はよく起こることですが、ママによっては「かわいそう」「助けてあげたい」という気持ちで胸が苦しくなり、つい子供を追い詰める対応をしてしまうこともあります。親のサポートが功を奏すこともあるだけに、どうすればいいのか悩むところ。
そこで今回は年少児の友達作りの様子、幼稚園の先生の役割と支援、幼稚園に友達がいない我が子への親の対応、幼稚園に友達がいない我が子にママ達が行ったナイスアシスト体験談をご紹介します。
友達がいないのは当たり前!年少児の様子
自我の芽生える3歳になると、それまで家庭内の人間関係が主だった多くの子供達が幼稚園へと入園します。ママに依存していた子供達が自立への第一歩を歩み始めるわけですが、全ての年少児がいきなり家族以外の先生やお友達に興味を持てるわけではありません。
子供によっては「もう少しママと一緒にいたかった」「自由に遊びたい」など、お友達に目が向かない状態で入園してきます。特に年少児は自らお友達を作るための歩み寄りをしたいという気持ちを持っていないことも多く、気持ちがある子供でもお友達を自分で作り上手く付き合う術を知りません。だからこそそれを学ぶために幼稚園があるのです。
ですから、年少児が入園してからお友達がいない状態が続くのは当たり前なのです。
変化するお友達への気持ち
初めは同じ場所にいるだけで他の子と一緒に何かをしようとしない年少児も、徐々に交流をもつようになっていき、ぶつかり合いや助け合いなど様々な経験を通して社会性や自主性を身に着け、お友達を作っていきます。そして幼稚園の活動を通して同じことに一緒に興味を持ち、一緒に行う楽しさを味わうことで、お友達との関係をさらに発展させていきます。
幼稚園に入園すると子供達は徐々に他者との関係を広げ、感情のコントロールなどを覚え、お友達の影響を受けて興味や関心を次第に広げていきます。入園後しばらくは親が焦らず子供を暖かく見守ってあげましょう。
先生の役割~友達がいない子への支援
幼稚園にお友達がいないと知った時、親は家庭で対応する、あるいは先生に相談するという対応をします。近年モンスターペアレントの存在もあり相談することを「それって先生に迷惑なのでは?」と思う親もいますが、実際のところはどうなのでしょう?
文部科学省「幼稚園教育要領解説」(注1)には、幼稚園の先生は次のようなことを重視する必要があると記されています。
幼児教育で大切なこと
- 園児との信頼関係
- 園児の興味感心のあることの具体的な体験
- 友達と関わる生活
- 一人一人の特性や発達に応じた指導 など
幼児は先生との信頼関係を築き見守られている安心感を持って幼稚園生活を行うことや、必要に応じて適切な支援を受けながら自主的に活動に取り組む経験が大切です。
ですから友達が欲しいのに上手く作れない子に支援するのは、先生の大切な役割のひとつ。子供に友達がいないことに気づいて親が先生に相談した時、既に先生達が指導を行っている最中ということも多いです。
先生達の心配りに感謝!
いま年長の息子は年少のころ家でお友達の話を全くしませんでした。同じクラスの子のママから「最近、うちの子が息子君と遊んだみたい」と言われたこともあるのですが、私は聞いていなくて。よく話す子なのですが幼稚園の話は一切しなくて幼稚園にお友達がいないのかなと心配していました。
そこで夏休み前の面談の時に先生に聞いてみると「お友達と遊んでいる時もありますが、特に仲がいい子はいません。お友達と興味があることが合わないみたいで、一人で折り紙をしていることもあって。本人が自主的に楽しめるようなきっかけを作るようにしているところです。」と言われました。
なんとなくわかってはいましたがショックを受けてしまい、帰宅してから息子に聞いてみると話したがりません。心配が続いたある日、息子が「今日飛行機の作り方をA君に教えたんだよ。」と始めて幼稚園のお友達の名前を言いました。後日たまたま園にお迎えに行った時、先生が息子のためにクラス全員で紙飛行機飛ばしをしてくれて、それがきっかけで仲の良いお友達ができたことを話してくれました。今では毎日楽しく幼稚園に通っています。先生にはほんとに感謝しています。
ただし幼稚園の先生の役割はあくまでも子供の自主的な活動を支えること。ですから先生が問題を直接解決するのではなく、子供自身に考えさせたり、環境を与えてどうするか様子を見守ったりといった間接的な対応を行うことが多いです。
「仲の良いお友達とずっと同じクラスにしてくれればいいのに」と言うママもいますが、先生は親が側にいない時の子供の様子を見て子供の自立に必要な支援・指導を行っています。親は先生を信頼して子供が家庭で安らげる環境を作り、園とのよい協力関係を築いて子供の成長を支えましょう。
幼稚園に友達がいない我が子への親の対応
幼稚園に友達がいないことを知ったら、まずは子供が幼稚園に友達がいないことについてどのように感じているのかを知ることが大切です。
気にしている場合、園と協力して何らかの援助をすることで子供の成長のきっかけ作りをすることができます。
気にしていない場合、親が先回りすることで子供の自主性などに悪影響を及ぼしてしまうことがあります。
子供の家庭での状況と幼稚園での状況を先生とすり合わせすることで、親も先生も子供の心が見えやすくなりますので、本人が気にしている場合は遠慮せずに園の先生と互いの情報を共有しましょう。ただしトラブルになりますので、連絡手段や連絡時間のマナーだけは守ることが大切です。
本人が気にしていない場合は、園での様子をあれこれ詰問したり、友達を作るように指示したりせず、家庭で安心してくつろげる環境を作って温かく見守りましょう。言葉の発達や先生との信頼関係構築などに伴い、次第にお友達への興味関心が芽生えてきます。
また幼稚園に友達がいない子供の中には、発達障害への指摘を幼稚園から受ける子供もいます。そうしたことがあると親は園への不信感を抱きやすくなりますが、放置することで子供の心が傷つき発達に害をなす恐れもありますので、まずは保健センターや児童相談所などに相談してみるとよいでしょう。
ナイスアシスト!幼稚園にお友達がいない子のママがとった対応
子供や先生から「幼稚園にお友達がいない」と聞くと親は心配になってしまいますが、幼稚園にお友達がいないことを心配したことがあるママ達は、どのように対処して状況を改善したのでしょう?
年少児への対応
ランチ会や役員などに積極的に参加!親のつながりが大切です
幼稚園に入園した当時、3歳の娘は全くお友達がいませんでした。他の子達は習い事や家が近いなどで仲良しグループがあり和気あいあいとしている中、入園式からぼっち状態。入園後はしばらく親も園内で過ごすのですが、娘は一人でうろうろしていて寂しそうな様子。見ていて辛かったです。
わたしの方も初めての子供で初めての幼稚園なので、右も左もわからずママ友もおらずぼっち状態。だから余計娘に友達ができないのでは?と悩み、ランチ会や交流会、役員などに積極的に参加しました。
そうして私にもママ友ができて、降園後にみんなで遊ぶようになりました。次第に娘も幼稚園でお友達と遊ぶようになり、以来楽しい日々を過ごせています。やっぱり幼稚園の間は親同士のつながりで子供は仲良くするのかなと実感したので、子供にお友達がいないようだと悩んでいるお母さん達は、まず自分がママ友を作ってみるのがいいのではと思います。
気にしすぎず、先生にも協力を求めました
子どもは男の子です。年少のときに幼稚園にお友達がいない状態でした。幼稚園にお友達がいないと気づいたのは、「運動場で2人組になってダンスをする時に、いつも1人でポツンとしている」と先生から聞いたからです。
ですが息子は友達がいなくても幼稚園に行くのは楽しいようで、嫌がったことは一度もありませんでした。その時幼稚園にママ友は一応いましたが、信頼してなんでも話せるような友達はいませんでしたので、先生に協力を求めました。
また、先生から話を聞いたあとにちょうど息子の誕生日だったので、ママ友とその子ども達を自宅に呼んでパーティーを開いて盛り上げました。それからは幼稚園でもだんだんお友達と仲良く遊ぶようになっていったようです。
お友達がいないと知ると親は慌ててしまいますが、小さい頃は固定した友達がいなくてもあまり心配せずに、先生の協力を得ながら様子を見ていっても良いと思います。
幼稚園の送り迎えの際に、クラスのお母さんに話しかけてみた
私には娘が二人いて、上の子が年少の時に一時友達ができない時期がありました。実は上の子が幼稚園に入園してすぐ、私は二人目を出産しました。親子共々仲良くなる1学期のあいだ中、バタバタしていて親同志の付き合いがまるでできませんでした。
ある日幼稚園から帰ってきた娘が、「今日も誰も私と遊んでくれなかった」と泣き出し、そこで娘はお友達がいないことで悩んでいるのだと気づきました。そして同時に私も幼稚園でママ友が一人もいないことに気づきました。
そこで私は幼稚園の送り迎えの際に、クラスのお母さんに話しかけるように努力しました。また幼稚園が終わったあとに公園に寄るなどして、交遊関係を少しずつ広げていきました。
結果、2学期の中盤あたりから娘にもお友達ができるようになり、年少が終わるころには親子共々沢山の友達ができました。
今の時期、幼稚園にお友達がいないことで悩まれている方は、まず送り迎えの際に同じクラスのお母さんに少しずつ話しかけて、交遊関係を徐々に広げていくようにすることをお勧めします。
子供と自宅でしっかりコミュニケーションをとりました
4歳になる長男はとてもおしゃべりが好きな男の子です。でも年少さんの夏休み明けはお友達がいなくて長男が寂しそうで本当に悩みました。赤ちゃんの頃から仲の良い男の子が同じ幼稚園に入園しましたが、夏休みに急な転勤で引っ越しをしてしまいました。その男の子とばかり遊んでいたので、夏休み明けに長男一人ぼっちになってしまいました。
幼稚園の門まで行くと長男が「また1人であそばないとな。」と言い始めたので、友達がいないことを本人も気にしていると気づきました。その後幼稚園には普通に通っていましたが、お迎えに行くと別の幼稚園に通っているお友達と遊びたいと言っていて、いつも寂しそうでした。
私はママ友が数人いたので何度か相談しました。長男に幼稚園に行くことは強制せずに、長男の様子を見ながら家では長男とじっくりお話するようにしました。
冬休みに入る前には、長男にも新しい友達がたくさんできたようで、毎日楽しく幼稚園に行くようになりました。幼稚園にお友達がいなくても、自宅でお母さんとしっかりお話ができコミュニケーションが取れていると、子供も前向きに過ごすことができると思います。
子供の気持ちを優先しました
長男は年少さんの時にいつも一人で遊んでいて、お友達がいませんでした。「今日は何をしたの?」と聞くと、いつも「一人で折り紙した」「先生と遊んだ」との返事でお友達の名前が出る事はありませんでした。
先生に会った時に聞いても、やはりいつも一人でいるとの事でした。ただ子供自身は全く気にしていない様子だったので、様子を見る事にしていました。
私自身も遠い園にバス通園でママ友があまりいなかったので、ママ友の子供と遊ばせるというのも難しく、「お友達と遊びたいときは一緒に遊ぼうって言ってごらん」と教えていました。
その後もしばらくは一人で遊んでいましたが、年中になりクラスが変わってから少しずつお友達と遊べるようになりました。子供がいつも一人でいると聞くと多くのママは心配になると思います。けれど子供自身は自分の世界を持って遊んでいる事もあるので、子供自身が気にしていない様子ならなにもせずにしばらくは見守る方が良いと思います。
まずは自分が社交的になりました
現在年少組に通う3歳男の子のママです。息子には入園後しばらくお友達がいませんでした。幼稚園に入園し2カ月が経った頃、園の行事で親子遠足がありました。周りのお子さんはお友達同士手を繋いで歩く中、息子は私と手を繋ぎ他のお友達と話す場面はほとんど見られませんでした。思い返せば小さいころから内向的な息子です。
初めての集団生活で自分をどう表現したら良いのか分からなかったのでしょう。好きなお友達と自由に食べてよいお弁当も、他のお友達は仲良く食べている中、私は息子と二人きり。親子共に少し寂しい遠足でした。
私たち親子は入園直前に転居してきたため、最初からお友達がいません。入園後もすぐに私が仕事を始めてしまったため、息子も私も共に園の中に友達がいませんでした。このままでは息子が孤立してしまうと思った私は、行事のたびに積極的に自分から他の親御さん、お子さんに話しかけるようにしました。
遠足の写真を見て「この子は何ちゃんっていうの?今日は幼稚園に来てた?」と、少しずつ息子が他の子供に意識を向けられるように家庭で努力してみました。そのうち息子にも私にも少しずつ話せる友達ができて、今では幼稚園から帰宅後は都合が合えば遊べるようなお友達も出来ました。
幼稚園は子供が初めて体験する社交の場です。親が子供の見本になって友達を作り他の人との接し方を見せてあげることで、子供も友達を作りたいと思えるようになるかもしれません。
時が経てば自然にお友達が出来ました
息子は年少時代、友達が出来ず運動会や保育参観の時に一人でポツンとしていることがとても多い子供でした。原因はおしゃべりを覚えるのが遅くてあまり言葉が出なかった上に、本人も一人遊びが好きなため特に友達を必要としていなかった事にありました。
私もママ友はいなかったために親子イベントでは孤立することが多かったのですが、それはそれで気にせずに息子と二人で楽しむようにしていました。
しかし年中に上がると、息子は言葉が増えて男の子同士で群れるようになってきました。今は小学校一年生になりましたが、毎日学校の友達の話をたくさんしてくれます。ですから子供は成長に従って友達が欲しいと思うような時期が来れば、自然に群れ始めるものなのだと感じています。
もし幼稚園でお友達が出来ないお子様に悩まれているお母さんがいても、それをお子様が特に気にしていない様子だったら放っておいても大丈夫なので、先生と見守りながらお子様の成長を待ってあげてくださいね。
年中児への対応
幼稚園での様子を本人に聞き過ぎない
私には女の子がいますが、幼稚園に通園していた時にお友達がいなくて困っていた時期がありました。年少の時にはとても仲のよかったお友達がいたのですが、年中で別のクラスになってしまい、他に仲良くできるお子さんがいなかったのです。
子供が幼稚園から帰ってきていつも「つまらない」という発言をしていたことから当時の担任の先生に尋ねてみると「何となくクラスの子供たちと一緒に遊んでいる様子が見られない」と言われ、幼稚園でお友達がいないのだということがわかりました。
当時私にはママ友が同じ幼稚園にいて子供同士も仲がよかったのですが、そのママ友の子供とも別のクラスだったのでクラスに仲良く遊べるお子さんがいなかったようです。
当時私は毎日子どもに幼稚園の出来事を尋ねたりもしていたのですが、それがかえって子供にとってはプレッシャーになると思い、あえて幼稚園の出来事を聞かないように心がけていました。
すると徐々に「つまらない」という発言をすることがなくなり、いつの間にか新たなお友達がクラスにできていたようです。
子供が幼稚園にお友達がいないからと親があれこれ話を聞き出そうとしたり、誰かとお友達にしようとしたりというのは、かえって子供にお友達と楽しい時を過ごさなければいけないという重荷になるのではないかと思います。
周りの子とテンポがあわない!そんな時は先生と遊ぶ組に加わる
次女が幼稚園に入りたて(公立二年保育)の頃の話です。長女について幼稚園の送り迎えに連れてきていたので園自体には慣れており、私も顔見知りのママさんもたくさんいて特に問題もなく通園していたのです。
ですが、ある日の帰り道に次女が「きょう誰も遊んでくれなかった」と突然言ったのです。私は「意地悪されているのかしら?」と心配しましたが、よくよく聞いてみるとクラスのみんなとうちの子のノリやテンポがどうやら合わないらしいのです。誰と遊ぼうかと迷っているうちに、気づいた時にはみんなすごいスピートですでに園庭を走りまわっているとのこと。
「入れてと言ってみたら?」と言ってみましたが、「入れてと言っても聞いてくれない」と不満顔。まあ、遊びに夢中になっている幼稚園児が、ウチの子に足を止めて気遣うなんて大人みたいな芸当しないですよね。
仕方がないので「先生のそばにくっついていたら?」とアドバイスしました。先生の側にはいつも何人かまとわりついて一緒に遊んでいます。先生ならウチの子も輪に入れてくれるはず。あえて先生の視界に子供を入れるのです。
子供もスムーズに遊びに溶け込むことができました。「お友達がいない」となるとハラハラしますが、我が子の性格は母親が一番わかっているもの。慌てないで我が子の性格を鑑みながら、置かれた状況に対処されるといいと思いますよ。
子供本人が苦じゃなければそれで良し
娘は2年保育の幼稚園に通っていました。小さい頃から人見知りが激しい娘は2つ離れたお姉ちゃんがいたのでいつもお姉ちゃんの後ろについて行く感じでした。元々ひとり遊びが大好きで人に合わせるのは苦手なようで、声をかけてくれる子がいても、結局はひとりで遊んでいたようです。
先生からも「おとなしいお子さんですね」と言われましたし、「いちばん仲がいい子は誰ですかね?」と聞いても、「特に仲がいい子はいないみたいですけど、みんなと仲良く出来ていますよ」と言われて心配した事もありました。
ですが娘に聞いてみても、特に寂しかったり困ったりしていないようなので、そのまま見守ることにしました。娘がそんな感じだったので、私にもママ友は特にいませんでしたが、お付き合いの煩わしさもなく過ごせて良かったと思っています。
小さい頃は感情が未発達ですし、人と合わせるのが苦痛な子もいます。もっと大きくなってからもひとりが大好きなようでしたらコミュニケーション能力が心配になりますが、幼稚園ならまだ見守っていても大丈夫だと思います。
お子さんが乱暴でお友達が居ないとか意地悪でお友達が居ないとか、悪い原因があってお友達が居ないのならまずそちらの問題を解決しなくてはいけませんが、そうでないのなら子供が幸せならそれでよし。他所に楽しみを求めていないという事は、お母さんや家族の愛情で満たされている証拠だと思って寄り添ってあげてください。
参考文献