幼稚園の女の子グループ問題~仲間に入れない我が子への親の対応
入園やクラス替えといった環境の変化は、子供にとって大きなストレス。それでもお友達やグループができ始めると毎日笑顔で幼稚園に通うようになりますが、自分だけが幼稚園の女の子グループに入れない場合は「幼稚園に行きたくない」と言い出すことも。そんな時、親として我が子にどんなフォローをしてあげるとよいのでしょう。
今回は幼稚園の女の子グループ問題について、グループに入れない原因や原因となることがある発達障害、幼稚園や親の対応について、問題を解決したママ達の体験談と共に見ていきましょう。
なぜ入れないの?幼稚園の女の子グループ
子供が幼稚園の女の子グループに入れない場合、親は「仲間に入れてって言ってごらん」とアドバイスしがちですが、入園やクラス替え当初から既にグループ内の女の子同士で親密な関係を築いているため、声をかけることすら困難で困っているケースも多いです。
- ママ同士が仲良し
- 前年度もクラスが同じ
- 家が近所 など
降園後の家の行き来も子供の幼稚園での友達関係に影響を及ぼします。子供が「今日〇〇ちゃん達と遊ぶ約束したんだ」と親に伝えたのに親が全く許可しない場合、相手のお友達は別の子と降園後に遊ぶことで親密になっていき、我が子が自然に幼稚園の女の子グループに入れなくなってしまうこともあります。
また2年保育で入園した場合やクラス替えで仲の良いこと離れてしまった場合も、なかなか女の子グループの仲間に入れない、友達がいないといった状況が起こりやすいです。
グループに入れないのは発達障害が原因?
幼稚園で女の子グループに入れない子供に対する親の対応は様々。中には「子供の問題は子供自ら対処すべき」「親が口を出すと問題を解決できない子になる」と全く何のフォローもしない保護者もいますが、幼児の場合は兄姉の有無や環境などによる発達の個人差が大きいため、先天性の発達障害の有無にかかわらず何らかのフォローがプラスに働くケースが多いです。
また政府は幼稚園などの集団生活に馴染めない子供に次のような行動が見られる場合、発達障害が原因である可能性があるため、早く気づいて適切な療育を受けさせることが大切だと促しています。(注1)
発達障害が原因かも!?気になるサイン
- やり取りが一方的すぎる
- いつも受け身でおとなし過ぎる
- 年上や年下、大人としか遊べない
- 話が聞けない
- 相手が不快になることを言う
- 音などへの感覚が過敏でひどく混乱する
- こだわりが強すぎる
- 声の大きさや動きの調整が過度に苦手
- カッとなってパニックを起こしやすい
- 気持ちの切り替えが苦手 など
愛情だけでなく知識も大切!
娘は入園後も仲の良いお友達グループができず、マイペースに遊ぶことが好きな子でした。マイペース過ぎて幼稚園の先生から注意を受けることも多く、園長先生も「愛情をもって真剣に伝えれば、子供には伝わるんです」と言って時には厳しく注意していましたが、効果はあまり見られませんでした。
私は娘に発達障害があるのではないかと思って3歳児健診でも相談し、幼稚園や幼児教室でも子供のことで指摘を受ける先生方に相談してきましたが「子供にはよくある」と言われるのみ。小学校に入学してからも担任や養護教諭に相談しましたが、やはり「子供にはよくあること」と言われて終わってしまいました。
それでも娘が女の子グループに入れない状況は家庭で見ていても変わらず、次第に娘も荒れ出したので小学2年生の時に地域の発達障害支援センターを受診しました。検査の結果、アスペルガー症候群とADHDを併発しているとのことでした。
その後家庭での対応を変え、娘の学校にも対応をお願いしたことで、娘は徐々に落ち着いてきて女の子グループに入れるようになりました。今では楽しく学校に通っています。親は愛情や決めつけで子育てをせず、子供を守れる砦として学ぶことも大切だと思います。
ただしこうした様子は発達障害のない幼児に見られることもあるため、特に園では問題が起こっていないのに親が子供の話をうのみにしたり、その時たまたま目にした状況で不安になったりして大騒ぎしてしまうことで、逆に子供を傷つけてしまうケースもあります。まずは冷静になりましょう。
そして子供が幼稚園の女の子グループに入れないことへの愚痴を言う、「幼稚園に行きたくない」と言う、仲間はずれにされて悲しむ場面を目撃したなど何らかの問題が発生したと感じ取った場合は、子供の話をしっかりと聞いて「そうだったの。嫌だったね。」と不安な気持ちを受け止めるフォローが大切です。
さらに園の先生に確認して原因や状況を把握すると同時に、家庭と園で連携して子供の主体的な問題解決への支援を行いましょう。
家庭での女の子グループ問題への対応
幼稚園に入園すると子供達はコニュニティーを親の知り合いや隣近所から幼稚園のクラスへと広げ始めます。幼稚園でお友達と遊ぶ約束をしてくるのはその第一歩で、発達心理学の研究では社会的能力の高さとの相互関係も示唆されています(注2)。ところが子供達はまだ自力でお友達と降園後に遊ぶことはできません。
ですからこれまで誘いをお断りしていたことがグループに入れない原因と思われるご家庭では、可能であれば親がお手伝いしてあげると子どもは幼稚園の女の子グループに入りやすくなります。
無理な場合も「親が見守ってくれている」という安心感を持てることで、子供の情緒は安定し、自ら女の子グループに入れない問題を解決していく勇気を持ちやすくなります。ですから子供が安心できる幸せな家庭となるように心掛けましょう。
子供の友達関係への幼稚園の対応
「友だち関係のトラブルがあっても幼稚園や学校には行かないといけないの?」という意見を耳にしたことがありますが、親はいつまでも子供を人と関わらずに生活させることはできません。自立して生きていくためには、多かれ少なかれ人との関わりを持つことが必要になります。そのため人格形成を行う幼児期に、子供の適正に合った方法で人との関わり方を学ばせることはとても重要です。
文部科学省「幼稚園教育要領解説」には幼稚園の先生が子供達一人一人に合った人格形成に必要な支援を行う必要性や、直接的な指示や指導で子供達の問題を先回りして解決せず、先生に守られているという安心感を与えて子供のやる気を高めたり、遊びを通してきっかけ作りをしたりといった間接的な対応を行い、幼児が主体的に問題解決をすることが重要だという内容が記載されています。(注3)
実際に幼稚園の個人懇談の後に「先生のきっかけ作りのお蔭でグループに入れた」という保護者からの声が聞かれることもありますし、幼稚園にお友達がいないことを相談した親が園の先生から「お母さんから教えてもらえてよかったです」と言われる場合もあります。
「いちいち幼稚園の先生に相談する必要はない!」と決めつけず、園と家庭で協力して幼稚園の女の子グループ問題に取り組みましょう。
Q幼稚園の女の子グループに入れない我が子への対応を教えて!
幼稚園の友達関係への親の介入には賛否両論。「親が介入すべきではない」という意見も多かったのですが、実は全くフォローしないという体験談はありませんでした。
「親がフォローすべきではない」という意見のママの子供が幼稚園の女の子グループ問題を解決している場合、ママが当たり前のこととして子供が主体的に問題を解決できる取り組みを行っていたのです。あなたは日頃から子供を勇気づける取り組みを行っていますか。
親が関わることが必要!
一緒に考えながらアドバイス
子供が幼稚園から帰ってきて、今日あったことを話してくれている中で「一人で遊んでいた」「一緒に遊んでくれなかった」など気になるワードが出てくるようになったことで問題が発覚しました。
幼稚園のバスが同じ女の子達のグループのようでした。私は幼稚園の間、特に年中までは親がサポートしてあげる必要があるかなと感じています。
とはいっても子供たちが遊んでいるところに張り付いて何か口出しするということではなく、よく子供の話を聞いて「じゃあそういう時はどうすればいいかな?」と子供に問いかけ、一緒に考えながらアドバイスをするようにしています。そして頑張って自分から誘ったりしたりしても状況が変わらなければ、幼稚園の先生に話しています。
女の子は男の子よりもグループの結びつきが強く、友達関係が難しいと思います。それも経験ですし、少しのトラブルはあってもよいのかもと思いますが、子供の負担になっているようだったら遠慮せず先生に相談していいと思います。私はお友達のママに直接相談するのはあまりオススメしません。
広い心を持って見守ることが大切。
私は子供が幼稚園の間は、ある程度親が子供の友達関係に関わっても良いと思います。
うちの娘は年中のとき、クラスの女の子グループの仲間になかなか入れませんでした。娘は二年保育だったので年中から入園したのですが、同じクラスには3年保育で年少から上がってきた子が半分くらいいました。その持ち上がり組で既に仲良しグループが出来上がっており、途中入園の娘はなかなかグループに入ることができませんでした。
入園して一週間ほど経ってから、急に蕁麻疹が出ました。楽しそうに幼稚園に行っていると思ったのに、ストレスを感じていたことに私が気づけなかったのです。
娘は外に出ると人に合わせたりする性格なので、どんどん声をかけるタイプではありません。ですが「同じクラスでグループに入れなくても、幼稚園の中にはきっと仲良くなれるお友達がいる」と励ましました。すると同じ方向に帰る女の子と仲良くなり、その子がきっかけで娘も積極的に友達を作ろうという気持ちになり、持ち上がりグループのお友達とも徐々に仲良くなることができました。
幼稚園は短い期間ですが、小学生になった娘が言うには「幼稚園のころに戻りたい」だそうです。お子さんが楽しく幼稚園に通えるように、見守ってあげたらと思います。
グループのママ達にも協力してもらいました
私は子供の友達関係には幼稚園の時は関わってあげることが必要だと思います。
幼稚園の女の子グループに入れなかったのは年少の時でした。幼稚園の参観日の時にうちの子が女の子グループに入れていないことに気付きました。その女の子グループは家が近所の仲良しグループでした。
子供に一緒に遊びたくないか聞いてみると「一緒に遊びたい」と言っていました。私は女の子グループのママ達に話をして、子供が一緒に遊びたがっていると伝えたら、女の子グループのママ達も協力してくれましたが、上手く馴染めず結局他の子と遊んでいました。
子供が幼稚園の女の子グループに入れなくても焦る必要はないと思います。大事なことは自分の子供が誰と一緒に遊びたいかということなので、見守ってあげるのが良いと思います。
先生にやんわりとサポートをお願いした
私は幼稚園だったら親が子供の友達関係に多少は関わるべきだと思っています。やはりこの年齢では、まだまだ人間関係を築く力が未熟だと思うので。
幼稚園の女の子グループの仲間に入れない問題があったのは、幼稚園年中のときです。気づいたのは朝幼稚園に送っていった後に隠れて様子を見ていると、女の子グループに入れずに遊んでいることが多かったからです。
その女の子グループは自然に出来たものでしたが、正確には年少の頃に仲の良かったお友達が年中になって他のグループに入ってしまい、うちの子供が孤立したと言う感じでした。
子供は「〇〇ちゃん(年少の時に仲の良かった子)はあの子たち(グループの女子)とお友達になって遊んでくれなくなった」と言っていました。私は親として一応先生に「どうですか?お友達と仲良くできていますか?最近は〇〇ちゃんと遊んでいないようですが…」とそれとなく聞いたりして、少し様子を見たりサポートしていただけるようにやんわりと(本当にやんわり、遠回しに…)お願いしました。
でもその後、子供は結局他に仲良しなお友達が出来てこの問題は解決しました。子供が幼稚園の女の子グループの仲間に入れず悩んでいるママへのアドバイスとしては、やはり先生に相談するのが良いと思います。ただ、あくまで「どうにかしてください!」という感じでなく、「出来る範囲でサポートしていただけると助かります」という感じが良いのかなと感じます。
親同士がまず仲良くなってグループに入れるようにした。
小学校低学年までの間は、子供の友達関係について親がある程度関わるべきだと思います。私自身、子供が幼稚園に入園したての頃、ママ友の知り合いも全くなく寂しい思いもしました。
5月頃になると、とりあえず帰りが同じ方向のお友達と一緒に帰ったり、公園で一緒に遊んだりする話を親同士でつけて仲良くなろうと努力しました。最初は男の子のママさんばかりでしたが、そのうち女の子のグループができつつあるのに気が付いたので、おとなしそうな子と一緒に幼稚園でも遊ぶよう仕向けました。
毎日半ば強引でしたが幼稚園の帰りに短時間でも一緒に話したり、遊ばせてから帰ったりすると、お互い打ち解けあっていけたのか、2学期にはお互いの家を行き来するくらい仲良くなりました。
幼稚園の間はまだまだ親同士のつながりが大事だと思いました。子供のためと割り切って話かける勇気が必要だと思います。
子供のグループに自分も入れてもらう
幼稚園の子供が円満に友達関係を築くにはまだまだ親のサポートが必要です。
私の娘が幼稚園の女の子グループから外れているなと感じたのは、年中の時でした。参観日に幼稚園を訪問した時に、いつも遊んでいる女の子グループとは別にポツンと一人で遊んでいたのです。いつも遊んでいたグループは入園以来の仲良しでした。
家に帰って娘に聞くと「何か言うたびに偉そうに言わないで」と怒られると言うのです。このままではいけないと思い先生に様子を聞きましたが、はっきりものを言うグループなのでお互い様の部分があるとの返答でした。
確かにそうですがこのままでは辛いだろうと、さりげなく一緒に遊べるように積極的にグループの子達と遊びに来るように誘いました。私も仲間に入れてもらって遊ぶことで、娘も一緒に遊べるようになったのです。
女の子がグループを作って入れずに悩むのも大切な成長過程だと思います。自分が真ん中に立って解決するのではなく、一緒に楽しく遊べる環境を作るお手伝いが出来るといいのだと思います。
最初にママが声をかけてみる
私自身子どもは子ども同士で自然に仲良くなっていくものだと考えていましたが、必要な時はママがそっと子どもの背中を後押しするような行動をしてみることも大事だなと思いました。
引っ越しと娘の幼稚園入園の時期が重なりました。そのため事前に引っ越し先の幼稚園事情を調べることができず、近所で人数に空きのある幼稚園に入園することになりました。
入園当初なかなか幼稚園に慣れなかった娘ですが、私は同じバス停のお友達とそのうち仲良くなるだろうとのんびり構えていました。ところが同じバス停のお友達は入園前のプレクラスから一緒だったようで、既に親同士も顔見知りで女の子グループが出来上がっているようでした。
バス停で一人ポツンとしている娘を見て、このままではいけないなと思うようになりました。娘はバス停のお友達と遊びたがっているようだったので、まず親の私がバス停のお母さんに積極的に話しかけるようにしました。
すると娘も自分からバス停のお友達に自然と声をかけるようになりました。気がつくとバス停のお友達の輪に入っていけるようになり、私も一安心することができました。
基本的には親が関わるべきではないけど…
仲のよい女の子に助けてもらいました
子供の友達関係には口を出さないほうが子供のためだと思っていますが、どんな友達と仲がいいかは知っておいたほうがいいと思っています。
年少のときは問題なかったのですが、年中で新しいクラスになったら仲のよい友達と離れてしまい、女の子たちはすでにグループができていたので一人でいることが多くなったようです。
参観日に二人組を作ることがあって誰とも組めなくて、友達ともおしゃべりしていないのでグループに入れていないことに気づきました。元々私がグループは苦手で一人でいることが多く、それが苦痛ではなかったので子供も辛い様子はありませんでした。
参観日から3ヶ月たったくらいで仲のいい友達ができたようで、自然とグループに入ることができたようです。今女の子のグループに入れていなくても、自然と仲良くなってグループに入れると思うので親が心配しすぎないほうがいいと思います。
最低限の声かけで、ひたすら見守り。
私は基本、度を過ぎた場合は除外して、親は子供の友人関係に介入すべきではないと考えています。
我が家の娘が年中の時、突然娘が身なりに異常に気にするようになったのです。それが変化を察知した最初のサインでした。
「かわいいゴムつけていかないとAちゃんが遊んでくれない」、娘はAちゃんのお友達グループに入っているようでした。年中になって急になので自然にできたグループなのでしょうね。
あまり度が過ぎているようだったので「あのね、ゴムがかわいいかどうかでお友達決められるなんて悲しくなかった?あなたには自分がやられて嫌なことを他の子にはしないでね」とだけ言いました。でもそれまでよりゴムは若干可愛くしてあげましたよ(笑)
その後、先生にもそれとなく話はしましたが、娘なりにひたむきに根気よくAちゃんとは付き合っていたみたいです。今は年中。びっくりしたことに、授業参観で娘が一番笑顔でお話していたのはそのAちゃんとでした。娘は自分の力で解決したのです。娘をほこらしく思う瞬間でした。
同じような悩みを持つお母さんへ。子供の力を信じてあげてください。口と手を出さず、ぐっと我慢するのも子育てです!
先生に相談して、間に入ってもらいました。
娘が年中の頃、ポツリと「私、遊びの仲間に入れないの」と言ったことがありました。ビックリして、どういうことなのか娘に聞いてみたところ「クラスの女の子が4~5人のグループになっていて、いつも楽しそうにおままごとやお店屋さんごっこをしている」ということ、そして「自分もそのグループに入りたいけど、声をかける勇気が出なくて入れずにいる」ということを話してくれました。
親としては「子どもには自分の力で、輪の中に入ってほしいな」と思っていたし、親が子どもの友人関係に介入すべきではないと思っていたので、しばらくの間は「一緒に遊ぼうって声をかけてごらん」と、娘が自分の力で一歩踏み出せるのを待っていたのですが、いつまでもその状態が進展しなかったので、担任の先生に相談をしました。
すると先生は「その女の子たちは、全員、同じ保育園からの編入生で赤ちゃんの頃からのお友達だから結束が強くて、声をかけにくい雰囲気を持っているかもしれません」ということを教えてくれたのと同時に「私が間に入ります」と言ってくれました。
先生は娘が「一緒に遊ぼう」と自分で言うのを後押ししてくれ、声をかけるときも付き添ってくれたそうです。その結果、娘はそのグループに入ることができ、卒園までずっと仲良くすることができました。
幼稚園の友達関係は、先生が入ってくれることでうまくいくこともあるので、困ったときは先生に相談することをおすすめします。