意地悪な子は親が悪いって本当?子供の心理と親がしたい対応
子供が幼稚園や保育園などの集団生活に通い始めると、親を悩ませるのが意地悪な子や子供同士のトラブル。子供のケンカは「両成敗」とわかっていても、我が子が意地悪な子のレッテルを貼られてしまった場合は、「私の育て方が悪かったのね…」と心底落ち込みますし、逆に意地悪な子に我が子困っている場合は、「いったいどういう育て方をしているの!?」と相手の子供のママに憤りが向いてしまうことも…。
そこで、今回は親の育て方が悪いから意地悪な子になるのか、意地悪な子の心理や発達障害、親の関わり方や対応、おすすめの絵本をご紹介します。意地悪な子供への対応は難しく、悩んでしまうことも多いでしょうが、子供は意地悪をする側もされる側も、親の対応次第で良くも悪くも学んでしまいますので、気をつけましょうね。
意地悪な子は「親が悪いからよ!」は本当?
親になると母性が芽生え、我が子だけでなく子供全体が可愛い愛すべき存在だと感じる女性は多いですね。その一方で、意地悪な子に我が子が苦しめられると、子供相手に本気で腹を立ててしまうママやパパも少なくありませんよね。
確かに、子供とはいえ大人ですらそばに寄りたくないという子供も存在います。
例えば…
こうした意地悪な子のことを、「親の育て方が悪いからよ」と陰で言う人がいますが、それって本当なのでしょうか?
そうしたママ達の意見、意地悪な子の心理や背景などを一緒に考えていきましょう。
意地悪な子は親が悪いと思うママの体験談
この親にしてこの子あり!
6歳の長男が通う幼稚園の同じクラスに、スゴイ意地悪な女の子がいます。長男は一人っ子なのでおっとりとしたタイプなのですが、相手の女の子はお兄ちゃんが二人いて、とても男勝りの性格です。隠れてうちの子をからかったり靴を隠したりと、よく嫌がらせをするため長男はいつも泣かされています。
幼稚園の先生もいつも長男が泣いているため心配してくれています。相手の親にも事情を話してくれたのですが、「ウチの子はそんなことはしません。ウチの子が靴を隠したって証拠があるんですか!?」って逆切れする始末で、一向に意地悪が止む気配がないんです。
私はこんなに困っているのに、相手のママは全然悪びれずに幼稚園に通っていて、ふてぶてしい態度は意地悪な娘さんそっくり!こういった親だから、子供が意地悪な性格になるんだと実感しています。
悩んじゃう…
息子が通っているスイミングにA君という同い年の男の子がいるのですが、最近になって息子の水着のパンツを突然下げたり、練習中にヤジを飛ばしたりして意地悪をするので困っています。
もともと仲良くしていたお友達同士だったので、初めのうちは喧嘩でもしているのかと思ったのですが、最近は先生がいても私達親がいても息子にいたずらを仕掛けてくるんです。しかも行動がエスカレートしていて、先日は息子の頭を押さえつけてプールに押し込むようなことをし、さすがにスイミングの先生がしばらくの間A君をスイミングに出席停止にしてくれました。
その後、A君のママは丁寧に自宅まできて謝罪をしてくれましたし、私の目の前でもA君のことをいさめてくれましたが、A君の態度はなかなか良くなりません。だから、私はA君のママではなくてパパのせいではないかと思っています。原因がわからず、本当に困っています。
子供を育てていると実感することと思いますが、子供はパパやママ、特に一番身近にいるママの影響を強く受け、物言いや振る舞いが驚くほどそっくりになることがあります。そういった様子を見ていると、子供の意地悪な振る舞いが母親のマネであり、母親がきちんと子供を指導せずに甘やかしていることが原因なのではないかと考えてしまいがちですよね。
しかし、子供の行動を母親のせいだと考えるのであれば、一旦冷静になって、ママ同士の関係性も考慮してみましょう。もちろん、子供が母親から何らかの影響を受けてトラブルを起こしている可能性は否定できませんが、子供の行動をママに転嫁する場合は、何らかのママ同士の葛藤やトラブルがあることも多いのです。
子供の意地悪な行動を相手の母親のせいにしてしまうと、相手の母親を追い詰めることに気持ちが集中してしまい、相手の子供の意地悪な行動を改めさせる対策が後手に回ってしまう可能性もあります。また、子供は父親の影響も受けるため、一人で必死に子供を教育している母親を追い詰めて悪循環になり、意地悪な子の行動が余計にエスカレートすることもあるのです。
意地悪な子の行動を「○○のせい」と責任追及するのではなく、問題行動を改めさせることに重点をおいて考えていきましょう。
意地悪な子の心理とは?
当たり前のことですが、子供は経験値が少なく、友達付き合いにおいて意図せず意地悪をしてしまうなどの間違いを犯してしまいがちです。通常であれば意地悪をすることでトラブルになり、大人から叱られたり諭されたりして、「自分がされて嫌なことを人にしない」というルールを学んでいくのですが、それをうまく学べないと、繰り返しお友達に意地悪をするようになってしまいます。
子供は快楽や娯楽への欲求に弱く、相手の子や周りの大人が大騒ぎをする様子を見ることで、日常のイライラや鬱屈を発散し「スッとする」と感じてしまうことがあります。また、共感力が育っていないため相手の気持ちを分からなかったり、ストレスの発散方法が身についていないため、意地悪という形で表に現れてしまったりするのです。
<意地悪な子が他人に意地悪をする心理>
- 友達が欲しくてちょっかいを出している
- 上手く友達ができずイライラしている
- 相手がなぜ嫌がるかわからない
- 生活上の欲求不満の不安の八つ当たり
- 乱暴な言葉が身についてコントロールできない
- 自分を正当化している
- 正義感から行っている
- やられたことへの仕返しや反発
- 嫉妬や妬みで相手を引きずり落としたい
- 相手を自分の思い通りに動かし支配したい
- 相手が困って面白いという遊び感覚
- 相手への嫌悪感
子供の意地悪な行為をなくしていくためには、こういった意地悪の元となる心理への対応の誤りを早い時期に大人が是正し、相手の気持ちを理解できる共感力を高めたり、心が安定するように自己肯定感を高めたりすることが重要です。
意地悪な子と発達障害
子供や大人から見て「意地悪な子」と思う子の中には、発達障害を持っているのに何の援助も理解も得られず、反抗挑戦性障害などの二次障害を起こしているケースもあります。
発達障害を持つ子供は性格の偏りが大きく、優しい子でも相手の気持ちが分からない場面があったり、気持ちをコントロールできない場面があったりします。そうした性格の特徴を誰にも理解されず怒られてばかりだと、心が傷つき周囲を困らせる行動に走ってしまいがちになるのです。
けれど、必要に応じて専門医の指導を受けながら、根気よく本人に伝わりやすいアプローチを使った療育を行い、周囲の理解や環境改善などの支援をすることで、行動が劇的に改善されることも多いのです
発達障害とは、発達の凸凹が非常に大きく、生きるのが困難であるという一つの個性ですが、発達の凸凹はどんな子供にもあり、発達のスピードも人によって異なります。ですから、発達障害があるなしに関わらず、子供にはこういった行動がよく見られます。ですが、そうした性格や発達の凸凹を理解せず偏見を持っていると、次のような行動が意地悪な子と映ってしまうことがあるのです。
例えば…
- おもちゃを「貸して」と言われても、こだわりが強く手放せない
- 相手の子供の「やめて」という言葉の意味を推察できない
- 自分の行動が何を引き起こすのか、予想ができない
子供の意地悪に悩むママの声
子育ては予測のつかない苦労の連続。ときに大きな壁に突き当たってしまうことも多いですよね。我が子が周りのお友達に意地悪をしてトラブルを起こしてしまうことも、親としての苦労の一つです。意地悪な子供を持ったママのなかには、子供の悪い所を認めることができず、子供に的確な指導ができない人もいるのですが、なかには我が子の問題行動をやめさせよう、相手の子供とも良い関係を維持したいと、頑張っているママもいます。
ただし、ママが子供をどれだけ叱っても、子供が指導を受け入れる状態になっていなければ、反発をするだけで問題行動は是正できませんし、親子としての関係も悪化してしまいます。そういったジレンマに悩む、真面目なママがいることにも、目を向けていきたいですね。
壁に突き当たっています
幼稚園年長の男の子の母親です。半年ほど前に次男が生まれたのですが、それをきっかけに長男が赤ちゃん返りをし、幼稚園でお友達を叩いたり、女の子の髪の毛を引っ張ったりするなどの問題行動が増えてしまいました。
もう何度も幼稚園の園長先生から呼ばれていて、「小さい子がいてお母さんが大変なのはわかりますが、もっと○○くんの面倒も見てあげて下さい」といわれるのですが、私としては長男のことも次男以上に愛情を示しているつもりです。
相手の子供や親御さんへの謝罪もしょっちゅうで、パパと一緒に「意地悪はいけないこと」と厳しく言い含めているのですが、なかなかわかってもらえません。最近は園に通っているほかのママ達の視線も気になってしまい、母親としての自分に自信が持てません。
本当にその子は意地悪な子?
幼稚園児などの小さい子供の場合、親が我が子の異変に気づいて問いただすと、個人名を挙げて説明したため、我が子を傷つけた意地悪な子とその親について、幼稚園の先生に事実確認もせずに悪口を言ったり、直接クレームをつけたりする親の対応が見られることがあります。悪口を言われた親が事情を聴いても子供は忘れていて、先生に事情をきくと実は自分の子は悪くなかった…。
ちょっと怖いですよね。こういったことをきっかけにママ同士のトラブルに発展してしまうことも多いので、トラブル発生時は自分の子供の言葉だけをうのみにするのではなく、まず園の先生などに事実を確認し、落ち着いて対処していきましょうね。
子供は嘘をつくものなんですね
いまは中学生になる次男が小学生1年生になったばかりのことですが、次男が頻繁に消しゴムを学校で無くしてしまうことがありました。何度か消しゴムを買ってあげましたが、ひどいときには朝あげた消しゴムを夕方には持っていないこともあって、次男にどうして消しゴムをなくすのか問い詰めました。
そうしたら、次男が「B君が消しゴムを持って行っちゃうんだ」と涙ながらに言うので、慌てて担任の先生に抗議の電話をしました。息子の言うB君の家はシングルマザーで、私はB君のママとお付き合いはなかったのですが、「ちょっと乱暴な子なんだよね」という周りのママの話を聞いていたので、すっかりB君がウチの子に意地悪をしているのだと思い込んでいたのです。
ところが、先生が子供達全員から話を聞いてくれたところ、次男はB君を含むお友達とは消しゴムを細かく切ったものをおはじきのようにはじいて当てて遊ぶ「消しピン」という遊びにハマっていて、自分で消しゴムをゴミ箱に入れていたんです。
次男は自分がやったことを私に言えなくて嘘をついていたわけですが、最終的に次男と同じように消しゴムを何度も買ってもらっている子が大勢いるとわかったのですが、B君の家に怒鳴り込まなくてよかったと、冷や汗が出ました。
我が子が意地悪された時の親の対応
子供の様子がおかしくて訪ねてみると、「お友達に意地悪をされたの」と聞かされたら、親として穏やかではいられませんよね。こういったときはまず少し冷静になって、充分に子供の話を聞いてあげましょう。子供は自分の感情を言葉で適確に表現することができない場合は多いのですが、「何があったの!?」ときつく問いただすのは厳禁です。
意地悪をされて一番傷ついているのは、その子供本人です。話が突っかかってしまったら、「そのとき、○○ちゃんはどうしたの?」と穏やかに問いかけてあげながら、子供の気持ちに配慮してトラブルの把握に努めましょう。子供同士のトラブルで多いのは、どちらか一方が悪いのではなく、お互いにちょっとしたすれ違いがあってトラブルになってしまったというケースです。
我が子が言動に気をつければ、大きなトラブルになるのを避けられたという可能性があるならば、それは同じようなトラブルを繰り返さないために、意地悪をされた我が子にも指導をしておかなくてはいけません。子供はこういった苦い経験から、周りとのコミュニケーションの方法を学んでいきますので、子供の悲しい気持ちを受け止めながら、子供を指導していきましょう。
意地悪をされた子への指導ポイント
- 意地悪をされて悲しい気持ちに共感する
- 子供が話したいだけ話しをさせる
- トラブルが起きたときの状況を言葉ではなすことで、正確に認識させる
- 相手の子をポジティブに受け入れる方法もあることを教える
- 悪気はなくても、言い方によってはお友達を傷つけることを気づかせる
- 自分がされて嫌なことは、自分でもしてはいけないと思わせる など
意地悪な子に悩む我が子に読みたい絵本
ママの指導だけではトラブルを前向きに受け入れならない場合には、絵本などを読み聞かせて、「自分だったらどうだろう」と考えさせるのも効果的な指導方法です。意地悪をされたときの気分を解きほぐし、相手の子供へ目を向けさせるような絵本をご紹介しますので、参考にしてみて下さいね。
いじわるアイザック
著者:そのだ えり
ディスカヴァー・トゥエンティワン
真っ黒で大きな意地悪犬アイザックと、近所に引っ越してきた気のいいワニのオーリーとのやり取りを通して、意地悪をすることには理由があるということを教えてくれる絵本です。
目つきの悪いアイザックの絵もインパクトが強く、子供が興味をもちやすいので、読み聞かせだけでなく、子供の読書にもおススメですよ。
我が子が意地悪した時の親の対応
我が子が意地悪をしてしまったと知ったとき、多くのママが「相手の子に謝らせなきゃ!」を優先させてしまいがちですが、子供が意地悪を反省しなくては、子供は「意地悪=いけないこと」と認識することはできませんし、謝罪も口だけになってしまいます。謝らせることではなくて、子供を反省させることを重点に対応していきましょう。
子供を指導する以上に大事なのが、ママが子供の心に寄り添ってあげることです。意地悪な行動には何らかの不満やイライラが隠されていますので、子供の話を充分に聞いてあげて、子供の心を解きほぐしていきましょう。
意地悪をした子への指導ポイント
- トラブルの経過を、子供の言葉で説明させる
- 強い言葉で叱らない
- 頭から否定するのではなく、意地悪をしてしまった気持ちを認めてあげる
- 自分が悪かったと思うところを、言葉にさせる
- 相手に謝ることを強制するのではなく、子供が自分から謝りたいと思わせる
- 日頃から子供を受け入れる家庭の雰囲気を作る
- 友達とのお付き合いを制限しない など
心配な我が子に読みたい絵本
子どもが意地悪な行動を繰り返していて、ママや先生の話を受け入れることができない場合には、絵本などを使って心を解きほぐしていくといいでしょう。わかりやすい文と絵で描かれた絵本は、子供に具体的な例をしめし、登場人物に同調することで、自分の行動を振り返りやすくなりますよ。
いじわる
著者:せな けいこ
鈴木出版
意地悪をしてしまう男の子を主人公に、嫌なことがあったときやイライラして、ついつい周りに意地悪をしてしまう子供の気持ちをわかりやすく解説しています。
意地悪をすると意地悪をされるというストーリーを通して、意地悪はつまらないことなんだということを、子供にもわかりやすく教えてくれる絵本ですよ。
http://www.suzuki-syuppan.co.jp
意地悪な子やされた子の心に寄り添って!
子供がトラブルを起こすと、親は周りの目を気にしてしまいがちですが、トラブル解決と子供の指導でしちばん重視すべきは子供の心です。トラブルを起こしたことで頭ごなしに怒るのではなく、子供の良いも悪いもありのままを受け止めてあげましょう。
子供の成長にとってパパやママの存在は大きく、子供に一番よい影響を与えられるのは、親と子供がしっかりコミュニケーションが取れて、お互いの気持ちが通じ合っているときです。家族間のコミュニケーションはお友達との関係の基本ですから、日頃からしっかり子供の心に寄り添って、理解していけるといいですね。