子供心が教えてくれた親育てエピソード~我が子のお蔭で気づけた
子供が成長して自分の意志を言葉で表現するようになると、ふと発せられた一言に親がハッとして「私、何しているんだろう」と我に返ったり、大切なことを教えられたりすることがあります。親は子供を一方的に教え導き、育てるだけの存在ではありません。「良い親ほど、子供の心に育てられている」と語る先輩ママや教育者も少なくありません。
親が自分の未熟さや家族のあり方に気づくのは、子供からまっすぐに発せられた言葉や、ふとした瞬間に見せる寂しそうな表情など、ママが汲み取った「心の叫び声」からです。こうした気づきの繰り返しが、親となってからの自分を磨き、視野を広げてくれるのです。子供の純粋な心は、自分を大切に育ててくれる両親への最高の贈り物。ぜひ子育ての中で得た宝物として、これからの親子の関わり方に活かしていきましょう。
子供心が教えてくれた!親育てメッセージ
忙しさのあまり感情的に怒ってしまい、寝顔を見ながら情けなく感じる夜もあるでしょう。しかし同時に、そんな未熟な自分を無条件に許し、育ててくれる子供の存在に感謝し、誇らしく感じさせてくれる瞬間があります。ここでは、先輩ママたちが実際に体験した、子供からの愛にあふれる「親育てメッセージ」をご紹介します。
恋心が芽生えた子供の心
親はいつまでも「うちの子はまだ赤ちゃん」と扱いがちです。恋愛なんてまだまだ先のことと思ってしまいますが、幼児期から特定の誰かに特別な好意(恋心)を抱く子供は決して少なくありません。子供ながらの恋心に気づいた時は、「おませさんね」とからかったり邪険に扱ったりせず、一人の人間として真剣に向き合って話を聞いてあげましょう。
「〇〇ちゃん はずかしい」
息子が4歳の時に、幼稚園で同じクラスの女の子を好きになりました。とはいえ「〇〇ちゃんがかわいいの~」と言ってはしゃいでいましたが、まだまだ年少組の小さな子供なのでお遊びの延長みたいなものなんだろうなぁと思っていました。
ところがある日息子が「ラブレターを書きたい」というので紙とマジックを渡したところ、その内容を見てハッとしてしまいました。そこには『〇〇ちゃん はずかしい』と書いてあったのです。まだ「好き」というような想いを表現する言葉を知らない息子が、必死に感情を伝えようとひねり出した言葉が『はずかしい』でした。そうです。これはお遊びなんかではなくて立派な初恋だったのです。
それ以来、〇〇ちゃんの話をする息子の話に真剣に耳を傾けるようになり、息子はその想いを卒園式まで貫いた結果、別々の小学校に進学した今も時々お手紙をやり取りする間柄にまで進展しました。なので、もしもお子さんに恋の話をされる事があれば、たかが子供の恋愛の話とは思わずに真剣に聞いてあげてください。意外と大人顔負けの真剣な感情に心が打たれる事になるかもしれませんよ。
【ママへのヒント:幼児期の「好き」の発達心理】
幼児期の恋愛感情は、単なるおままごとではなく、他者への興味関心や共感性が育っている重要な発達の証です。うまく言葉にできない感情を「はずかしい」と表現した息子さんのように、子供は自分の語彙力の中で必死に心を伝えようとします。この時、親が「〇〇ちゃんとお手紙交換できて嬉しかったね」「恥ずかしいくらい好きなんだね」と感情を言語化して代弁してあげると、子供は「自分の気持ちを理解してもらえた」と深い安心感を得て、他者とのコミュニケーションに自信を持つようになります。
自分を傷つける不器用な子供心
子供はまだ、人間関係を円滑に進める術を知りません。何もかもが初めてのため、体当たりでぶつかって身に着けていくのですが、時には「誤った成功体験」を学習してしまい、結果的に自分自身を傷つけてしまうことがあります。
「叩かれるとみんなが心配して構ってくれるから嬉しい」
4歳になる娘が突然「幼稚園で友達に叩かれて嬉しい」と言い出しました。え!?とびっくりして「詳しく教えて」と言ったのですがそのときは教えてくれず、そういう風に言うことが度々ありました。
そしてある日ついに理由を娘が話してくれました。「叩かれるとみんなが心配してくれるから、構ってくれるから嬉しい」。構ってもらいたいけどうまく人とコミュニケーションがとれない娘にとっての一つの手段として考えているのかな、と娘を抱きしめて「叩かれなくてもお友達に遊ぼうっていおうね」と言ってあげました。
毎日「幼稚園楽しかったー」と言っていたので、娘のそう言った思いに全く気づけていなかったことがショックだったので、その日から娘には「あなたが1番大事だから、叩かれなくてもいいんだよ。お友達に構って欲しいときは、叩かれなくても遊ぼうって言えばいいんだよ」と伝えました。
気づけなければ娘の心の葛藤を知らないままだったので良い機会だと思いましたし、先生や私が気づかないことによって娘は知らずのうちに傷ついていったと思います。子供心って結構ギョッとする発言や行動の裏に問題が隠れていることが多いので、少しでも疑問に思ったら気にかけてあげると良いと思います。
【ママへのヒント:「構ってほしい」サインへの正しい対処法】
子供がわざと怒られるようなことをしたり、自分が傷つく状況を受け入れたりするのは、「どんな形でもいいから自分に注目してほしい」という切実なサインです。夕食の準備中などに足元でぐずり始めたら、手を止めずに「あとでね」と言うよりも、一度火を止めてしゃがみ込み、「どうしたの?ママお料理中だけど、ギュッて1回抱っこしようか」と数秒でも目を見て100%の意識を向ける方が、子供の心は早く満たされます。「痛い思いをしなくても、あなたは大切にされているよ」という事実を、日常のスキンシップで繰り返し伝えていくことが重要です。
パパの大切さを教えてくれる子供心
日々家事や育児に追われていると、どうしても一番身近な夫(パパ)に対してイライラが募りがちです。ストレスを発散するために、つい子供の前でパパの愚痴をこぼしてしまうママもいるかもしれませんが、子供にとっては大好きな家族の悪口を聞かされるのは想像以上につらい経験になります。
「そんなこといっちゃだめ。パパが好きだから」
日々育児と家事に追われて、主人にイライラしてしまうことがあります。子供が3歳になったばかりのころ、つい主人がいないときに子供に主人の悪口を言ってしまいました。
すると「そんなこといっちゃだめ。パパが好きだから」と言われ、子供心にハッとさせられました。確かに、子供にとってはたった一人の大事なパパであり、その悪口をママに言われるのは嫌だったはずです。それに気づけなかった私は、子供に対して可哀相なことをしてしまったと感じました。
それからは子供の前では主人の悪口は言わず、むしろ褒めるように心がけました。子供心に気づくことができて良かったと思います。
このように子供心に気づけないまま、知らずしらずのうちに子供を傷つけてしまっていることが、大人にはあると思います。子供が発する言葉、行動で表しているメッセージを見逃さないように日々気を付けることで、子供心に気づくことができると思います。
【ママへのヒント:両親の不仲が与える心理的影響とリカバリー】
子供は自分を形作る存在である「パパ」と「ママ」の両方を愛しています。そのため、片方がもう片方を否定する言葉を聞くと、自分自身の半分が否定されたような強い不安を感じます。もし夫婦喧嘩を見せてしまったり、つい愚痴を言ってしまった場合は、後から「さっきはパパに怒った声を出してごめんね。パパのことは大好きだけど、お片付けのことで少し意見が違っただけだよ。もう仲直りしたから安心してね」と、子供を不安から解放するフォローを必ずセットで行いましょう。
大人よりも大人な子供心
子供は「親の笑顔」を見るのが何よりも大好きです。親の顔色を敏感に察知し、自分が我慢してでも家庭内の波風を立てまいとする「大人びた気遣い」を見せることがあります。しかし、行き過ぎた自己犠牲は子供の自立や自己主張の妨げになってしまいます。
「本当は私、家にいたいと思っていたんだ~」
私が子供心にハッとしたのは、子供が7歳頃の時です。私の夫はどちらかと言うと亭主関白で、子供も基本的にはパパの言うことは絶対!と言う感じです。
ある時、子供が「〇〇したいな~」と休みの日のお出かけの希望を言ったのですが、夫はそれを聞いて「え~、家でのんびりしようよ(面倒くさいから)」と言い、それを聞いた子供が「本当は私、家にいたいと思っていたんだ~」と言ったのです。
これを聞いて親の顔色を見る子供になってしまっている!とハっとしました。「パパの言うことを聞かないと、怒られる」といつの間にか思うようになってしまっていたように思います。子供心に気づく前の自分は、今思うと子供のことをきちんと見ることができていなかったなぁと思います。反省です。
子供心に気づいてからは、子供の本心をきちんと聞くように心がけるようになりました。子供心に気づけて良かったです。自分の意見がない人間になってからでは手遅れですからね。子供心に気づかないことで大人は子供を傷つけているし、実際私の子供も傷つけてしまっていたと思います。
子供心に気づかないママやパパへのアドバイスとしては、家事や仕事の手を止めて子供のことをちゃんと見て、ちゃんと話を聞いてあげて欲しいな、ということですね。子供も「ママ・パパはちゃんと自分に向き合ってくれている」と感じてくれるはずです。
「幼稚園に行かなかったら仲良くできるでしょ?」
娘が3歳の時のことです。私は3年制の私立の幼稚園に娘を入れてやりたいと思っているのに、夫は2年制の市立幼稚園でいいと言い張り、毎日のようにどっちにするか話し合っていました。
「娘は早く幼稚園でお勉強がしたい」とよく言っていたのに、ある日突然「幼稚園に行きたくない」と言い出したんです。「だってパパとママがケンカするもん。幼稚園に行かなかったら仲良くできるでしょ?」と言われてハッとしました。ちゃんと私たちの話を聞いていて自分の幼稚園の話だと分かって、毎日どうやったらパパとママが仲良しに戻れるのか悩んでいたんです。
早く幼稚園に入れてやりたいなんて私のエゴだと気付かされました。それから娘に喧嘩をしている訳ではないことを説明し、夫との話し合いも娘がいない所でするように気を付けました。また気まぐれに適当な事を言っていると聞き流さずに子供心に気づいてあげられて本当に良かったです。娘のためにとことん夫と話し合おうと思っていましたが、そういう頑なな態度がケンカしていると思わせ、娘を傷つけていたのだと思います。
子供は思っているよりいつの間にか親の話をよく聞いて内容も理解しています。不用意に子供の前で話をして不安にさせないであげてください。急に変なことを言い出したら、気まぐれだと思わずにしっかり理由を聞いてあげて下さい。子供の言うことには子供なりの考えがちゃんとあるんです。
「ママ、泣かないで」
子供が2歳の時、育児や夫婦間での不満や不安などを一人で抱え込み辛く泣いてしまったのですが、子供は「ママ、泣かないで」と言って抱きしめてくれました。その時に初めて子供は私のことをよく見ているんだなと気づきました。
その日から子供を叱る時もその場で起きた出来事について怒るのではなく、どういう経緯でなぜそうなったのかを聞くようになりました。子供心に気づけたことによって、育児に対して気持ちが楽になりました。
子供心や小さなサインなどは忙しくて気が付けないこともあるかもしれませんがそれが子供の気持ちを寂しくさせてしまうと思います。それが心の傷となり後々大変なことも多くなると思います。
家事育児に追われて時間がない、余裕がないとなってしまうかもしれませんが、ゆっくり落ち着いて自分を客観視し、子供も客観視することで違う視点から物事を見ることができるので、子供心の小さなサインも見えてきますよ。
「怒ったママだって大好きなのに、なんで怒るの?」
長女が小学校に入って数ヶ月たったときのこと、段々小学校に慣れてきたなぁとは思っていましたが、それでも幼稚園生活とは違った規則や長い授業時間、気を張って頑張っているだろうと思いながらも、下の子が絡むと怒らなくても良い場面で怒ってしまったり、自分の感情で長女を叱ってしまったりしました。
今思えば母として未熟でした。そんな時、怒った私に長女は反抗する言葉ではなく「鈴音は怒ったママだって、どんなママだって大好きなのに、なんでそんなに怒るの?ママ」と涙ながらに言われました。一瞬にして我に返った言葉でした。
“なんで愛しているのに、母なのに、甘えて自分の感情のまま長女にあたってしまうのだろう”と一気に自己嫌悪になりましたが、すぐに「ごめんね、大好きなのに怒ってしまってママのほうが子供だね」と長女を返し抱きしめました。
開きなおるつもりはありませんが、ダメな自分でもまたやり直せる。素直に謝ろうと思って体制を整え、気持ちを切り替えるようにしています。完璧な母になろうと子育てが始まったばかりの頃は無理をしていましたが、ダメな自分をさらけ出し素直な気持ちを伝えるようになってからは楽に楽しくなったように思います。
完璧な親じゃなくていい。子供と一緒に成長していこう
子供の鋭い言葉や思いもよらない気遣いに触れたとき、「私って全然ダメな親だ」とひどく落ち込んでしまうことがあるかもしれません。しかし、「ハッとして反省できた」こと自体が、あなたが子供を深く愛し、より良い関係を築こうと努力している証拠です。
子育てに正解はありませんし、365日いつでも笑顔で穏やかな「完璧なママ・パパ」でいることは不可能です。大切なのは、間違ってしまったときに「さっきは大きな声を出してごめんね。ママが悪かったよ」と素直に謝れる姿勢を子供に見せることです。親が自分の非を認め、やり直す姿を見せることで、子供も「失敗してもやり直せるんだ」「自分の気持ちを伝えていいんだ」という自己肯定感と安心感を学んでいきます。
子供は時に、大人以上に大人の心を敏感に察知します。親になる前の自分よりも、確実に人間として成長させてくれている「我が子」という存在に感謝しながら、明日からも肩の力を抜いて、子供と一緒に泣いたり笑ったりしながら成長していきましょう。


