子供の三日坊主は親の対応で克服できる!?心掛けたい7つの治し方
三日坊主とは、飽きっぽくて長続きをしないことを意味する言葉です。昔の人が最低限の寝食に困らない坊主(僧侶)になろうと考えたものの、厳しい修行に耐えられず短期間(三日ほど)で逃げ出したことが「三日坊主」の言葉の由来と言われています。
我が子の三日坊主に嘆いているママ、性格だからと諦めず三日坊主になる原因や克服に必要な要素、子供が三日坊主な理由、子供を三日坊主にしてしまう親の育て方、克服する7つの治し方などを知り、親子で三日坊主を克服しましょう。
三日坊主になる原因
人間には安心・安全・安定を保つために、いつも通りに過ごしたいと考える習慣引力があります。この習慣引力が三日坊主になる原因なのです。
習慣引力にはいつも通りを維持しようとする力と、変化に抵抗する力の2つの力があります。そのため例え頭で「良い習慣だ!」「やってみたい!」と思っても、次第に「いつも通りでいたい」という心理が働いて邪魔をしてしまうのです。ですから人間は習慣引力に対して何もしないと三日坊主になってしまいます。
しかし、新しい行動をいつも通りと脳に認識さえるように脳をだまし、やる気を起こさせてしまえば、継続することは容易だと言われています。
新しいことの習慣化にかかる期間の目安
- 行動の習慣化には1ヶ月
勉強、日記、片付けなど - 身体の習慣化には3ヶ月
ダイエット、運動、早起きなど - 思考の習慣化には6ヶ月
発想力、ポジティブ思考など
習慣化コンサルタントとして執筆も行っている古川武人氏の著書「マンガでわかる続ける習慣」によると、42%の人が初めだけやる気に満ちてロケットスタートをするものの、習慣化までには至らず三日坊主で終わってしまうとのこと。
急な用事が入って「今日だけ」と中断した結果、そのまましなくなった。飽きてしまった。などの理由で三日坊主になってしま人も多いです。
そうならないためには、身につけたい行動や思考をいつも通りと思うまで少しずつ粘り強く行うことが重要になるのです。
三日坊主の克服に必要な3つの要素
子供か大人かに関係なく、三日坊主の克服には次の3つの要素が必要です。子育て中の親は日頃から子供にこうした要素を与える接し方をできているか、それとも奪う接し方をしているかを意識することが大切です。
1意欲
やりたくないことを無理強いしても、子供は継続できません。まずは子供のやりたいという意欲を育てること、そしてやりたいと思った意欲を継続するために達成感を味合わせることが大切です。
もしやらなければならないことに意欲が持てない場合は、ハードルを下げて「これならできるかも」と意欲を持ちやすくし、やらないよりもやった方がいいことがあると思わせることが大切です。ハードルは調子が良くなってきたら子供と話し合って徐々に上げればよいのです。
達成感によって喜びを感じる経験が少ないと、意欲の継続が困難なため続けにくくなります。そのため子供を三日坊主にさせないために、その日の課題がクリアできたら「昨日より良くなった」などと小さなことでも褒めてモチベーションを下げないように心掛けるとよいでしょう。
2集中力
心身共に大人に比べて未熟なため、子供は集中力の持続時間が短いと言われています。幼児期は年齢+1分、小学生15分、中学生30分程度。ただし個人差や訓練で集中力の継続時間は伸ばすことも可能です。
新しく取り組んだ物事が習慣化するまでは、とりあえずこの目安時間を目安にして無理なく取り組ませるとよいでしょう。
3続けやすい環境
気が散る環境では集中力が欠損し、続けにくくなってしまいます。中には周りがうるさくても、気が散る物が側にあっても集中する子供もいますが、訓練なしにうるさい環境から始めるのは得策とはいえません。
まずは子供が落ち着いて取り組める環境を作ってあげましょう。勉強や読書だけでなく、片付けなどの習慣にしたい行動も同様です。最初は親が側で一緒にするなど、子供が苦にならならずに続けられる環境を整えてあげましょう
子供はそもそも三日坊主!
子供は大人と比べて集中力が劣っているだけでなく、成功体験が圧倒的に少ないです。先を見通す力も不十分なため、個人差があるものの基本的に持続力がありません。
子供の三日坊主には2タイプあります。
習い事など「やりたい!」と自分の意志で始めたことに対しも続かない「やる派」と、勉強など「やだやだ!」と自分の意志以外で始めたため興味がわかずに続かない「ヤダ派」です。
どちらも最初のモチベーションこそ異なっていますが、子供は最終的に「やりたくない」「飽きた」となりがち。親はそうした幼少期の子供の特徴を理解し、イライラしたり失望したりしないように注意することが大切です。
三日坊主はマイナスじゃない!?
子供の三日坊主はマイナスと捉えられがちですが、実はそれだけではありません。子供に色々なことを挑戦させて適性を見る際の指標として役立ちます。飽きっぽい子供が飽きずに続けられれば、「適正あり!」と判断することもできるのです。
ただし、親が上手に子供の気持ちを盛り上げるサポートを行うことで、やる派もヤダ派も継続させやすくなります。
子供を三日坊主にしてしまう育て方
子供が何かを継続している時、「やる気スイッチ」とも呼ばれる脳の「淡蒼球(たんそうきゅう)」が、刺激を受けて活動しています。ですから親が子供のやる気スイッチをOFFにせず、ONにする育て方をすれば三日坊主になりにくいのです。
ところが残念ながら親にやる気への知識がないと、子供のやる気スイッチをOFFにしてしまうことがあるのです。
- 高いハードル設定する
- 親の都合のいい時間にやらせる
- 子供の意思を無視する
- 友達付き合いを規制する
- ご褒美をあげまくる
例えば5歳の子供が「お友達も習っているから、私もピアノが習いたい」と言い、習わせたとしましょう。親としてはできれば続けさせたい、上達して欲しいなどと思うのですが、「毎日1時間練習する約束ね」などといきなり高いハードルを設定してしまったらどうでしょう。
5歳の子供に1時間集中させるのは困難。それでも約束だから守らなければ怒られるとなれば、初めは楽しかった気持ちも次第に義務感に変わり、面白みを感じられなくなって三日坊主になります。怒られるのが怖くて何とか続けても、思春期にはやめてしまうでしょう。ピアノを習わせたものの練習せずに困っている親はとても多いです。
また子供が「これからは僕が庭の花に水やりをする」と言い、親が報酬として毎日アメ玉をあげたとしましょう。親としてはアメ玉で達成感を実感して欲しかったのですが、残念ながら報酬をもらえないことにやる気が起きにくくなってしまう子供もいます。これをアンダーマイニング効果と言います。
ですから子供の三日坊主克服には、親の関わり方がとても大切なのです。
我が子の三日坊主を克服する7つの治し方
どうせ三日坊主になるからと始める前から悩んでいては、いつまでも始めることはできません。そのため「やる」か「やらない」という選択ではなく、思い立ったが吉日と思い行動に移しましょう。後は親が子供と一緒に習慣化するだけなのです。
1課題のハードルを下げる
「服を片付けて欲しい」「子供にピアノの練習を毎日してほしい」「勉強を毎日して欲しい」など、子供に習慣化してほしいことは多々あります。けれど子供も最初から完璧にママの要望を叶えることはできません。
まずは目標を低く設定し、課題をクリアできた喜びや達成感の経験を積ませてあげましょう。
たとえば「パジャマを片付ける」が最終目標の場合、まずは寝室にパジャマを置くだけで課題クリア。習慣化したら次はパジャマを畳んで寝室に置く。といった要領です。幼児の場合はハードルを親子で話し合い、紙に書いて貼っておくと忘れずに継続しやすくなります。
2習慣になるまでは親が付きそう
子供に「靴をそろえて!」と毎日言っても、なかなかできないものです。両親がお手本として必ず行い、子供にも習慣になるまでは言葉で伝えるだけでなく親も付き添いましょう。きちんとできれば「ありがとう」「今日もできたね」「気持ちいいね」などと褒めてあげてください。
怒らず笑顔で繰り返し行うことが大切です。繰り返すことで子供も無意識のうちに行えるようになります。習慣化するまでは大変ですが習慣が身についてしまった後は楽になりますので、きちんと見守ってあげましょう。
3-達成したことを目で見えるようにする
毎日行っていても目標のゴールが見えなければ、子供のモチベーションが下がってしまいます。例えば課題が終わったらカレンダーにシールを張る、判子を押すなど、目で確認できるようにしてあげましょう。100均で手帳を買ってそこに印をつけていくのもおすすめです。
4同じ時間に行う
「後でやる」は三日坊主の元です。毎日決まった時刻に行うことで、脳や体に覚えさせてしまうのもおすすめです。
毎日の子供の予定もありますので、「何時何分に行う」と決めるのではなく、「夕飯の前に行う」など大まかな行動の中に組み込んでもOK!特に勉強やピアノの練習などは効果が出やすいのでおすすめです。
時間を決めて嬉しい誤算
我が家の子供達は学校や幼稚園から帰ってきても宿題も教材も口うるさく言ってもなかなかおこなってくれませんでした。そんな私のイライラを見ていた夫に「子供達は早起きだから朝勉強させてみたら?」と言われたのです。子供達は6時に起きており騒ぎ暴れるのも当時の私の悩みでした。
そこで、朝起きたらまずは宿題&教育を始めたところ、最初のころは「遊びたーい」と言っていた子供達も、半年経つ頃には何も言わなくても自分で広げて行ってくれていました。
「明日は忙しいから帰ってきてからでも良いよ」と伝えても、「なんか気持ち悪いから早く起きて教材やってから出かける」と言うようにまでなったのです。私たち夫婦もこれには驚きました。この習慣がついてから1年以上たちますがまだ続いています。
5優先順位を決める
子供に習慣化させたいものは多々ありますが、全てをいっぺんに始めると子供のキャパシティーを超えてしまします。
大人でも健康のために禁煙・運動・ダイエットなどを一斉に行うと、ストレスになり継続できないものです。子供ならばなおさら。できなくて当たり前なのです。
ですから優先順位を決めて、1つ習慣化できたらもう1つと徐々に増やしてあげるといいでしょう。
6形から入る
サッカーならユニフォーム、勉強ならば新しいノートや鉛筆、教材などを用意してあげれば、子供のモチベーションは上がりやすくなります。
それだけではなく、お金をかけて始めたことをすぐに止めさすことに抵抗を感じる親は少なくないため、親子ともに形から入ることで、途中で投げ出して三日坊主になることへの予防にもつながります。
7息を吐く
子供が「もうやめたい」「続けたくない」と言ったときは、息を吐くことで気持ちが落ち着きます。海外では深呼吸に近い大きなため息を吐くことで、ストレスが緩和するとの報告もあります。
そのため、投げ出したいという気持ちに子供が襲われた際は、子供と一緒に大きなため息をつき、何が辞めたいと思う理由なのかを落ち着いて聞き出し、課題をクリアしやすくなるサポートを考えてみしょう。
三日坊主克服に役立つおすすめの本
「続ける」習慣
著者:古川武士 作画:ミック
日本実業出版社
1,350円(税込)
子供の三日坊主にため息をつく前に読んで欲しい1冊。日本で唯一の習慣化コンサルティング会社を設立した筆者が、続けることを習慣化するための科学的な仕組みを分かりやすく解説します。
マンガですので理解しやすく、短時間で読めるのも子育て中のママには魅力的。まずは親が試して三日坊主改善にトライしてみるとよいでしょう。
のうだま1 やる気の秘密
著者:池谷裕二 / 上大岡トメ
幻冬舎文庫
脳研究者としてお馴染みの池谷裕二さんとイラストレーター上大岡トメさんが共同で執筆した、脳のやる気に関する書籍です。幻冬舎文庫では現在電子書籍のみの取り扱いとなっています。
何をやっても3日坊主の人に、やる気に関する脳の仕組みをわかりやすく解説している書籍です。
親子で三日坊主を克服しよう!
親も三日坊主の場合、遺伝だからと親子で諦めてしまう人もいますが、子供は遺伝だけでなく環境によっても性格を育んでいます。
「ママは-5kgダイエットを頑張るから、1曲ピアノ弾けるように頑張ってね」などと親子で一緒にスタートし、競争して三日坊主を克服するのも子育て中ならではの楽しみです。「子育ては親育て」とも言われています。親にとっても苦手なことを克服して成長するチャンスにしてしまいましょう。