ピアノを練習しない子に親がすべき6つの働きかけ&NGワード
かつては「お嬢様の習い事」というイメージがあったピアノですが、近年では、幼児期にピアノを習うことが脳に良い影響を与えるという研究結果もあり、一般家庭でも情操教育としてピアノを習う子どもが増えています。体験レッスンで「楽しい!」と目を輝かせて喜んでいた子も、片手から両手で弾くようになり難易度が上がると、次第に練習をしなくなってしまうこともありますよね。
せっかく毎月安くない月謝を払って習っていても、レッスンの前に自宅で課題曲の練習をしなければ、指が動かずなかなか上達しません。親がいくら「練習しなさい!」と言っても重い腰を上げず、ピアノの前に座ったかと思えば5分で終わってしまう姿を見ると、「こんな状態なら、いっそ辞めさせたほうがいいのかな」と本気で悩むママも多いでしょう。
しかし、実は「練習しない=ピアノが嫌い」とは限りません。そこで今回は、子どもが自分から練習したくなるような親の具体的な働きかけと、やる気を完全に失わせるNGワード、レッスンに通うことの本当の効果、先生や子どもの隠れた本音についてご紹介します。毎日の練習バトルから抜け出すためのヒントを、発達心理の視点も交えながら探っていきましょう。
ピアノを練習しない子にすべき親の働きかけ6つ
どんな習い事でもそうですが、ピアノは特に自宅での反復練習が結果に大きく影響します。水泳や体操のように「その場に行けば運動になる」というものではなく、自宅での努力がレッスンの質を左右するからです。ところが「ピアノは好きだけど地道な練習は嫌い」という子どもは昔から一定数います。そこで、親としてできる6つの働きかけをご紹介します。
1 練習時間を「やらされる時間」から「楽しい時間」にする
音楽はその字の通り「音を楽しむ」ものです。子どもが楽しいと感じれば、その弾むような気持ちは音に表れます。「練習しなければならない」ではなく、「練習が楽しい」と思えるようになることが成長の最大のカギ。無理にやらせるのは絶対にNGです。
習い始めの頃は、幼稚園に行く前や帰宅後、食後などに本人と一緒に練習時間を決めたり、「今日は寝る前に練習するの?」と優しく声かけをするのも有効です。ただ、しばらく続けている子は、練習しない理由(指が動かない、楽譜が読めない等)を自分なりに理解している場合が多いものです。
「練習しなさい!」と言い続けると、自主性を失い、ピアノそのものが嫌いになってしまいます。実際、厳しい指導で音大を卒業しても「子どもの頃、親に怒られてばかりで人前で弾くのがトラウマになっている」という人も少なくありません。それでは情操教育として本末転倒ですね。
楽しい時間にするには?
練習中は、間違っても止まっても、ママは決して口出しせず笑顔で楽しそうに聴きましょう!「前の課題曲のメヌエット弾いてみて、あれ大好きなの」とリクエストして、得意な演奏を披露させるのもおすすめです。子どもも自信を取り戻し、楽しく弾けるようになりますよ♪
2 ママが弾いて見せる・教えてもらう
ママが少しでもピアノ経験者なら、演奏を横で見せてあげるのも良い刺激になります。「練習するとこんなにスラスラ弾けるんだ」と具体的な目標を持たせることができます。子どもが弾きたくなるような、今流行りのアニメの曲などを弾いてあげるのも非常に効果的です。
ママが経験者でない場合は、実はさらに効果的です。たどたどしい下手な演奏をした後に「うわー、難しい!◯◯ちゃんの方がずっと上手だね!」と言えば、子どもは得意げになります。「じゃあ私が教えてあげる!」という展開になればしめたものです。親に教えるためには自分自身がお手本として弾けなければならないため、自然と練習に向かう理由が生まれます。
3 親子で音楽鑑賞の機会を作る
ピアノへの興味が薄れてきた時は、親子でクラシックを聴いたり、コンサートに出かけたりして、生の音楽に触れる時間を持ちましょう。休日の素晴らしい親子のコミュニケーションにもなります。
また、車での移動中にクラシックCDを流すのもおすすめ。無意識のうちに音楽性が自然と身につき、表現力が上がればレッスンで先生から褒められる機会も増えて、やる気アップにつながります。
ポピュラー音楽やジャズなど、クラシックにとらわれないさまざまなジャンルのピアノ演奏を聴かせてあげるのも効果的。多様な音楽に触れることで、「こんな風に自由に弾けたらカッコいいな」と新しい楽しさを見つけることができます。
4 過程をとにかく褒める!
上手に弾けていなくても、「ピアノの前に座って練習した」という姿勢そのものをしっかり褒めてあげましょう。特に自分から進んで楽譜を開いた時には、オーバーなくらいに褒めてください。
発達心理学では『ピグマリオン効果(期待されることで成果が上がる現象)』という考え方が知られています。親から「頑張ってるね」と期待と承認を受けると、家庭の場面では困難な曲にも粘り強く取り組む姿として表れます。この理解があると、間違えた音を指摘するのではなく、挑戦したことを褒めることへの向き合い方が変わってきます。ママに褒められると、子どもはもっと頑張ろうと思えるものです。
5 練習を日々のルーティンに習慣づける
子どもは遊びたい気持ちや、テレビ、ゲームなど興味が他に向いていると、練習を面倒くさがって嫌がるものです。10分でも15分でもいいので、毎日の生活の中に歯磨きのようにピアノ練習を組み込むようにしましょう。
学校や幼稚園から帰ってすぐ、外遊びに出かける前、夕食ができるまでの時間など、無理のないタイミングを子ども自身に選ばせると継続しやすいですよ。「ご飯ができるまでの10分間、ママにピアノ聴かせて!」と声をかけるとスムーズです。
6 信じて見守ることも大切
「練習しないと上達しないよ!」「月謝の無駄になるよ!」という親の言葉が、時に強いプレッシャーとなり、ピアノが全く楽しくなくなってしまうこともあります。
子どもが自分で「来週のレッスンまでに練習しなきゃヤバい」と気づく日を信じて、焦らず見守る姿勢も親の重要な仕事です。口出ししたくなる気持ちをグッとこらえ、あえて数日間はピアノの話題に触れずに放置してみるのも、自立心を促す一つの手です。
【年齢別】ピアノへのモチベーションが下がる理由と対処法
同じ「練習しない」でも、幼児期と小学校高学年では理由が全く異なります。年齢に合わせた心理を知ることで、効果的なアプローチが見えてきます。
幼児期(4〜6歳)は、まだ指の力が弱く「思ったように弾けない身体的なもどかしさ」が背景にあり、小学校高学年(10〜12歳)ごろは「勉強や他の習い事で忙しくなり、ピアノの優先順位が下がる」という社会的環境の変化が理由になっていることが多いのです。
幼児期は、鍵盤を弾くことだけでなく、「リズムに合わせて手を叩く」「音当てクイズをする」など、遊びの延長線上で音楽に触れる時間を大切にしましょう。高学年になれば、「毎日ではなく週末に集中して弾く」「クラシックではなく好きなJ-POPの楽譜を買う」など、本人の意思を尊重した柔軟なルール変更を取り入れると、ピアノとの細く長い付き合いが続けられます。
パパも一緒に!家族で音楽を楽しむ環境づくり
「ピアノの練習=ママが怒る時間」という構図になってしまうと、家の中の空気が重くなってしまいます。そんな時は、パパを巻き込んで空気を変えるのが効果的です。
パパや祖父母と「子どもの演奏の観客になる」という関わり方をそろえると、子どもにとって「自分のピアノは家族みんなを楽しませているんだ」という自信と安心感につながります。家庭内でパパが帰宅したら必ず1曲聴かせてもらう方針を共有しておくと、子どもがパパに褒められたくて自発的に練習する場面でとても良い効果が出やすくなります。
子育ての現場でよくあるのは、パパが「ママが怒っているから」とピアノの話題に触れないように避けてしまうケースです。良かれと思った中立の立場が、子どもには「パパは僕のピアノに興味がない」と映ってしまい、かえってモチベーションが下がる原因になることがあります。休日の夕食後、「パパに昨日練習した曲を聴かせてよ!」とコンサートごっこを開いてみましょう。
辞めさせる?続けさせる?それぞれの意見
どれだけ親が工夫しても全く練習しない子どもに対して、すっぱり辞めさせるべきか、それとも我慢して続けさせるべきか。これは永遠のテーマであり、どちらにも納得できる理由があります。あなたはどちら派ですか?
辞めさせるべき!派の意見
練習をしないということは、根本的にやる気がないということ。本当に好きなことなら、親に止められても隠れてするはずなので、その子にピアノという楽器自体が向いていないのでしょう。ピアノは必ず練習しないと上達しません。年齢が上がれば上がるほど、上達すれば上達する程、膨大な練習が必要になる習い事です。プロのピアノストですら毎日7〜8時間、多い人で12時間も練習するそうです。
ですから練習が嫌いで他のことに興味があるのに、続けさせて強制的に練習させても、苦しくて辛い思いをし、しかも上達せず…。子供の態度に親もイライラし、「練習しなさい」「したくない」の押し問答が続くと、親子関係に修復不可能なヒビが入りかねません。
それに練習をしないと上達もしないし、何より月謝がもったいない!親に高いお金を払って貰っているのに、平気でやるべきことをやらないという教育的に悪い状態が続くことになります。早めに見切りをつけて辞めさせ、水泳や英会話など、他の興味がある習い事をさせる方が将来のためになるでしょう。
続けさせるべき!派の意見
練習をしないからといってすぐに辞めさせるのは少し違うと思います。習い事って、技術が上達することだけが目的じゃないからです。練習しなくて先生に怒られ、嫌な気持ちを味わい続けることも経験ですし、嫌でも逃げずに辞めずに続けることも大切な経験です。すぐ辞めさせるということは、嫌なことからすぐに逃げさせるということ。逃げ道を与えて甘えさせず、試行錯誤しながらでも困難を乗り越えて成長できたときの達成感を、ぜひとも子供に味わってもらいたいです。
また、子供の場合、小学校5〜6年生になって精神的に成長してから、突然スイッチが入って自分から猛烈に練習を始めるようになる子もいます。小学校5年生から習い始めてプロのピアニストになった人も実際にいます。情操教育として音楽に触れ続けることは非常によいことですし、習い続けることで周囲の子よりも学校の音楽の成績が良くなり、自信がつき、そこから吹奏楽など音楽全体への興味が広がることもあります。
また、子供の頃は中途半端な練習しかしなかったことを後悔し、大人になってからピアノを再び習い始めたことで、仕事のストレス発散に大変役立ち、一生に通じる趣味として楽しんでいる人もたくさんいますので、目先の「上達するかしないか」だけにとらわれるのは良くないでしょう。
【対比表】やりがち!ピアノの練習をしない子供への6つのNGワード
子供に練習をしてほしいと思うのは、親として子供によかれと思ってのこと。そんな親の必死の思いも、言葉を間違えれば子供に上手く伝わらず、ますます子供にやる気をなくさせてしまいます。そんな練習嫌いになるNGワードと、望ましい言い換えを対比表でみていきましょう。
| やりがちなNG対応・ワード | 子どもの受け取り方 | 望ましい対応・声かけ |
|---|---|---|
| 「練習しないならもう辞めなさい!」 | 親に見捨てられたと感じ、意地を張って辞めると言う | 「最近弾いてないけど、何か難しいところがあった?」 |
| 5分で終わった時に「え、それだけ?」 | せっかく頑張ったのに否定されたと感じ、やる気を失う | 「今日は短い時間でサッと集中して練習できたね!」 |
| 「どうしてあの子みたいにできないの?」 | 他人と比較されて自尊心が傷つき、ピアノが嫌いになる | 「先週よりここの指の動きがすごくスムーズになったね!」 |
| 「早く練習しなさい!」 | 強制されると反発心が生まれ、意地でも弾きたくなくなる | 「ご飯の前と後、どっちで練習する?」と選択肢を与える |
1「練習しないなら辞めなさい」
つい感情的になって言ってしまいがちな言葉ですよね。売り言葉に買い言葉で子供も、「じゃあ、辞める!」とアッサリ言われてしまいかねません。練習は嫌いでもピアノ自体は好きという子が多いので、お互いに意地を張って辞めることになってしまったら、ママも子供も後悔しますよ。
2練習した後に「それだけ?」
子供の練習時間が5分程度と短めだったことに、「それだけしかしないの?」と嫌味っぽく言ってしまったことがあるママも多いでしょう。でも、子供にしてみれば、なけなしのやる気をふりしぼってピアノの前に座ったのです。「練習したのに文句を言われるなら、もうやりたくない」と思ってしまう子も多いでしょう。まずは座ったことを認めてあげてください。
3「どうしてできないの?」
ママもピアノ経験者の場合、子供ができないことがあれば、どうしても口出ししたくなってしまいます。でも、そこはグッとこらえて練習をしている過程を褒め、「これができるようになってすごいね。次はここをやってみよう」と子供のペースに合わせた声かけができると良いですね。他者との比較は絶対にタブーです。
4「早く練習しなさい!」
「今練習しようと思っていたのに!」という子供のイライラした返答が聞こえてきそうですね。命令口調は絶対NG!子供の自尊心を深く傷つけてしまいます。「練習する?それとも先にご飯にする?」と選択権を与えてあげると、子供は自分で選んで決断できるため、自尊心が保たれるのです。
5「練習しないと遊ばせないわよ」
このセリフと同様に「おやつ抜き!」「おこづかいなし!」など罰で脅して練習させるのはいかがなものでしょう。それなら逆に「ご褒美制」の方がまだモチベーションがアップします。「練習頑張ったら、さっきママが買ってきたアイス食べようか」とか…。最初は練習とご褒美がセットでも、成長とともにピアノの楽しさを覚えて、ご褒美がなくても自然と練習するようになってきますよ。
6「もう好きにすれば」
このように突き放して投げやりになって言ってしまうのは、親子のピアノ練習バトルが長引いているときでしょう。親もつい疲れきって投げやりになってしまうこともあるかもしれません。でも、ママの投げやりな態度は、子供を慌てさせるどころか、余計に投げやりにしてしまうかも。バトルに疲れても子供とのコミュニケーションの糸は切らないように大切にしたいですね。
ピアノは自宅で練習しないと無駄なの?知られざる脳への効果
ピアノは自宅で練習しないと曲が上達しないもの。でも、練習しないと習うこと自体が無駄だということは決してありません。プロのピアニストを目指しているわけではないのだったら、そんなにめまぐるしい上達は必要ないはずです。ピアノの音を楽しむことが第一なのです。過度な練習の強要によって、音楽そのものが嫌いになっては本末転倒ですからね。
週一回40分間のレッスンに行くだけでも、左右の指先を別々に動かすことや、先の楽譜を読んだり暗譜して記憶したりすることで、確実に脳のシナプスに良い影響を与えていると脳科学者の澤口俊之氏は言っています。楽しむことによって脳から出るドーパミンの効果で、IQやHQの向上も大いに期待できますので、「レッスンに楽しく通い続けていればよし!」と考えるのもママのイライラを軽減する一つの方法です。
HQとは!?
IQが一般的な知能指数であることに対して、HQ(Human Quotient)は人間らしさや知恵を育てる力のことです!人間が生きていくうえで大切な判断をする未来志向行動力や、協調性や思いやりをもつ社会関係力のことでもあり、HQの向上は将来の夢の実現や社会的な成功に直結すると考えられています。
ピアノの先生の、練習しない子への本音
ピアノ講師にも様々な考え方の人がいます。練習しないで行かせて、毎回怒っている先生に申し訳ないと思うママも少なくないでしょう。こちらでは、現役ピアノ講師の先生方のリアルな本音をご紹介します。
月謝がもったいない!
自宅でピアノ教室を開いています。幼稚園から中学生まで、年代はさまざまですが、私の経験上練習しない子は小学校3年生以上の子が多いです。本人は「練習した」って言うんですけどね。
週1回のレッスンで、前週と何も進歩していないときは、保護者の立場になって考えると、「月謝がもったいないなぁ」と思ってしまいます。どんなに練習の必要性を説いても、きつく怒ることのできない世の中なので、家での練習時間まで干渉することはできないのです。
正直に言うと…
音楽教室でグループレッスンから個人レッスンまでおこなっています。練習してきていない子は、弾かせればすぐにわかりますよ。正直、教えていても意味がないです。グループだと他の子とどんどん差が開くし、個人だと毎週同じところでつっかえるのを聴いているだけ。
教え甲斐がなさすぎて、こちらもやる気が出ません。仕事じゃなかったら、「もう辞めたら?」と言いたいくらいです。
練習嫌いがピアノ嫌いと限らない
ピアノの講師を20年以上勤めています。練習をする・しないは永遠のテーマです。子供に練習させようとしてくれる親御さんには感謝していますが、結局は本人のやる気次第なのです。
でも、練習が嫌いな子は、ピアノが嫌いなわけではないと思っています。「ピアノが好き」という気持ちさえ持っていてくれれば、いつか練習を楽しんでくれると信じ、私は一生懸命その子のペースに合わせて教えるだけだと思っています。
ピアノを練習しない子の本当の気持ち(本音)
「ピアノを家で練習しない」のと「ピアノ自体がしたくない」のとは全く違うものです。練習しなくちゃ上手く弾けないことは、実は弾いている本人が一番よくわかっています。でも、どうしてもその日のやる気が起きなかったり、テレビなど他にやりたいことがあったり、「練習しなさい」と親に言われるとますます反発してみたくなったり…。
発達心理学では『心理的リアクタンス』という現象が知られています。人から強制されると、たとえ自分でもやろうと思っていたことでも無意識に反発してしまう現象として表れます。この理解があると、親が先回りして命令することの逆効果への向き合い方が変わってきます。
「辞めたいわけじゃない。弾けるようになりたい」と本音では思っている子供は非常に多いです。特に長く続けているとマンネリ化してモチベーションが保てなくなることもあります。「ピアノ自体は好き」という気持ちさえあれば、きっとまたやる気が起こる日が来るはずです。親は口うるさく言わず、大きく構えて信じて待ちましょう。
ピアノの練習に関するよくある質問(FAQ)
Q:練習の途中で泣いてしまう時はどうすればいい?
思うように指が動かず、悔しくて泣いてしまうのは、向上心がある証拠です。「悔しいね、上手に弾きたいんだよね」とまずは気持ちに寄り添いましょう。涙が落ち着くまで一旦ピアノから離れ、温かいココアなどを飲んで気分転換をしてから「さあ、あと1回だけ一緒にやってみようか」とリスタートを促すのが効果的です。
Q:親がピアノ未経験なので、どう教えればいいか分かりません
親が未経験なのは、むしろ大きなチャンスです!「ママ分からないから、先生に教わったところをママに教えて!」と子どもを「先生役」に任命してみてください。人に教えるためには自分が理解して弾けなければならないため、誇らしげに練習してくれますよ。
Q:発表会が近いのに全く練習しません。怒ってもいいですか?
発表会前は親の方が焦ってしまいますが、感情的に怒るのは逆効果です。「あと2週間だけど、お衣装を着てかっこよく弾けそうかな?」と本人のプライドをくすぐる声かけをしましょう。本番で失敗するのも「練習不足の結果」を知る大切な経験になりますので、親が過剰に責任を背負いすぎないことが大切です。
Q:電子ピアノと本物のピアノで、やる気は変わりますか?
本物の生ピアノ(アップライトやグランドピアノ)の方が、鍵盤のタッチや音の響きが豊かで、表現力が育ちやすいため「弾いていて気持ちいい」と感じる子は多いです。しかし、住宅事情等で電子ピアノしか置けない場合でも、ヘッドホンで夜でも練習できるというメリットを活かし、家族で楽しく弾く環境を作ればやる気は十分に引き出せます。
まとめ:子供のペースを信じて、音楽を楽しめる環境作りを
ピアノの練習を巡る親子のバトルは、どの家庭でも一度は通る道です。「せっかく習わせているのだから」という親の愛情や期待が強いほど、練習しない子供の姿にイライラしてしまうのは当然のことです。しかし、音楽の本当の目的は「人生を豊かに楽しむこと」です。
親の過度な期待やプレッシャーで、子供から音楽を楽しむ心を奪ってしまっては元も子もありません。弾けないところを叱るのではなく、ピアノの前に座ったこと、昨日より1小節でも進んだことを全力で褒めてあげてください。
子供のやる気には波があります。全く弾かない時期があっても、「まあ、レッスンに通って脳に刺激を与えているだけでも良しとしよう」と親が肩の力を抜くことで、家庭内の空気は驚くほど穏やかになります。焦らず、比較せず、子供自身のペースで音楽を好きになれるよう、温かい眼差しでそっと見守り続けてあげてくださいね。

