キッズヨガとは?子供がヨガを通して得た力は一生続く⁉
ヨガといえばいろいろなポーズをとるエクササイズ。ゆったりとした気持ちの中で行えるとあって、女性を中心に人気があります。
そんなヨガに、最近キッズ向けのヨガプログラムが展開されているのをご存知でしょうか?今は、習い事の一つとして「キッズヨガ」が注目されつつあるのです。
今回はキッズヨガの概要や効果、費用などにスポットを当てていきたいと思います。
キッズヨガとは?子供にヨガをさせる理由
キッズヨガとは、ヨガのプログラムを通して、子供の健やかな成長を促進させることを目的にアメリカで生み出された教育プログラムです。
ヨガによって自分の身体の動きや心の変化に意識を向けることで、単に運動によって身体を丈夫にするのではなく、集中力の持続や感情のコントロールなど、心の成長にも目を向けている点がキッズヨガの特徴です。
現代の日本では、キッズヨガは子供の新たな習い事として人気を集めています。「ヨガによる心身の成長」という理念は大きく変わりませんが、実際の活動は、インストラクターや教室によって様々に展開されています。
キッズヨガの対象年齢は3歳~12歳
教室やインストラクターによって違いがありますが、「キッズヨガ」という名前のスクールでは、おおむね3歳以上~小学生が対象となっています。講師によっては、ベビーヨガを卒業する2歳前後からOKとしている場合もありますが、ベビーヨガと違いキッズヨガは自分でポーズをとるので、子供が先生の真似をできるかどうか、この点が習い事にするにあたっての目安になります。
教室の規模にもよりますが、やはり未就学児と小学校高学年が一緒のポーズやアクティビティをするのは難しいので、大規模な教室の場合は、未就学児クラスと小学生クラスに分けられます。
インストラクターが個人で教えている場合、最初のウォームアップを一緒に行い、活動内容に変化を持たせるなどして、対応しているケースもあります。
キッズヨガの特徴~子供がヨガを楽しむ工夫が盛り沢山!
キッズヨガは、大人向けのヨガレッスンとは少し異なったところがありますので、特徴を挙げていきましょう。
ヨガのポーズは子供がイメージしやすいものに厳選
ヨガのポーズには、もともと動物や自然物の名前がついたものがたくさんあります。「猫のポーズ」や「木のポーズ」などは、ヨガに詳しくない人にもしばしば知られていますよね。
動物の名前がついたポーズは、子供でもイメージしやすいのが利点です。キッズヨガでは、動物の名前がついたポーズを積極的に取り入れています。そうすることで、子供たちにヨガを難しいものだと意識させずに、「〇〇の真似っこをしてみよう!」と促すことができるのです。
ゲームやグループアクティビティを交えて楽しくレッスン
キッズヨガのレッスンは、単にポーズを取るだけではありません。集中力が長くは続かない子供たちをレッスンに引き込むには、多用なアクティビティが必要不可欠です。
キッズヨガでは、ペアでポーズをとったり、みんなで身体を使ったゲームをしたりして、楽しむことができます。ヨガをうまく取り入れたアクティビティで、自然とヨガの基礎が身につくように工夫されているようです。
キッズヨガの効果~子供がヨガで得られる4つのメリット
ヨガの効果というと「柔軟性の向上」や「肩こり腰痛などの緩和」などがよく挙げられます。そのため、既に体が柔らかく、肩こりや腰痛などとはほとんど縁のない子供たちにはヨガは必要ないのでは?と考える方もいるでしょう。
しかし、キッズヨガには、普通に走りまわるだけでは得られない、身体的な能力を養うこともできますし、なにより他の習い事と同じように、心の成長にも作用します。
キッズヨガを習うことで期待できる効果を4つにわけてご紹介します。
1.幼児期の身体に負担をかけず、効果的に運動機能を向上
文部科学省の幼児期運動指針ガイドブックでは、幼児期は生涯必要となる体の使い方を身に着けるための重要な期間であり、この時期には特定の動き(スポーツ)のみを行うのではなく、多用な動きをさせることで、体内の神経回路を隅々まで張り巡らせることが重要であると説いています(注1)。
キッズヨガでは、特定の身体の動きを鍛えるのではなく、様々なポーズをとることで、普段よく使う筋肉も、そうでない筋肉も、隅々まで働かせます。そのため、発育途上の子供の体に過度なストレスを掛けることなく、効果的な運動をさせる効果が期待できるでしょう。
2.柔軟性がアップし、しなやかな体を維持できる
子供は大人よりもずっと身体が柔らかい状態にありますから、柔軟性のアップはほぼ間違いなく期待できるでしょう。成長とともに柔軟性は失われていきますが、キッズヨガを継続していれば、しなやかな体を維持することができます。
柔軟性が高いというのは、ケガをしにくい身体づくりに繋がりますから、将来、どのスポーツを行うにしてもプラスに働きます。
バレエや体操などでも柔軟性の向上が図られますが、キッズヨガはそうしたしなやかな体作りのための新たな選択肢と言えます。
3.集中力・創造力が養われ、勉強にも好影響
ヨガは集中力を要する運動です。心静かにポーズを取ったり、静止したりすることで、集中力が養えます。集中力が持続する子は、他のスポーツでも当然好成績を残しやすくなりますし、お勉強のシーンでもその力が役に立ちます。制作などの場面でも自分の世界に入り込むことができますの、必然的に創造力を伸ばすことにも繋がります。
特に幼児の場合、「落ち着きがない」と周囲から評価されてしまう子がどこにでもいますよね。ママも悩みの種かと思いますが、キッズヨガは、そうした子供にほんの数分でも落ち着いて、集中する習慣を作ることに役立ちます。
4.精神的に安定する
ヨガは呼吸法を非常に大切にしていて、リラクゼーションとしての効果も期待できます。また、ヨガには勝ち負けがありません。子供の成長に「競争」は必要な要素ですが、あまり競争ばかりさせ過ぎるのは好ましくなく、子供の性格によっては自己否定に繋がりかねません。
現代は、大人だけでなく、子供もまた大きなストレスにさらされていることが少なくありません。感情がコントロールできずに、他者への攻撃性を抑えられない子、過度に自分を追い詰めてしまう子もいます。
集中してヨガを行っている間は、子供も悩みやストレスから解消され、精神的な落ち着きを取り戻すことができます。こうして自分の心を落ち着かせる術を学び、習慣にすることで、情緒面での安定も期待できます。
キッズヨガを習うのに必要な費用
キッズヨガを習い事として始める際に、気になるのは費用です。もちろん教室によって異なりますが、だいたいの相場をご紹介します。
キッズヨガの費用相場は?
キッズヨガのお稽古の相場は、だいたい月7,000円〜10,000円で、1回の授業料の平均は1000円~3000円とばらつきがあります。キッズヨガの多くは、大人向けのヨガスタジオで開講されていますので、スタジオの入会費用などが別途かかるケースもあります。
インストラクターが個人的に公民館などに場所を借りて教えていることもあります。費用は抑えられますが、冬場に暖房費などが徴収されることもありますので、事前に確認しておきましょう。
ただ、キッズヨガの場合、服装はヨガ専用ウェアではなく、子供が動きやすいTシャツや短パンでOKとしていることも多いです。子供はすぐに大きくなってしまいますので、有難いですよね。
バレエなどのように発表会もありませんし、野球やサッカーのようにユニフォームやスパイクなどの道具代はほとんどかからず、レッスン料以外の出費は控えめですから、トータルではお得な習い事とも考えられます。
キッズヨガの体験イベントに参加する方法も
ヨガスタジオはもちろん、子育て支援の一環として、自治体などでキッズヨガの体験イベントを行っている場合もあります。子育て支援センターに尋ねたり、お住まいの地域の広報誌をチェックしてみましょう。単発のイベントだけでなく、計3回のレッスンがセットなこともありますので、とってもお得です。
体験してみて、「キッズヨガを習い事にしたい!」と思った場合でも、やはり大事なのは「先生」となるインストラクター。こうした場で良い先生に出会える可能性もありますし、先生が個人的にスクールを開いているなら、ヨガスタジオに入会するより安く済むケースもあります。
キッズヨガのインストラクターとは?
キッズヨガのインストラクターには、必ず必要な資格はありません。しかし、大きく分けて、次の2つのパターンでインストラクターとなった方が多いです。
1・ヨガのインストラクターが養成講座を修了or独自にプログラム開発
もともとヨガやスポーツのインストラクターだった人が独学やキッズヨガ講師の養成講座を修了し、キッズヨガの分野でも活躍しているケースです。
もちろん個人差がありますが、もともとキッズヨガにこだわらないヨガのインストラクターですので、ヨガに関しての知識や技術は高いものが期待できます。反面、子供の扱いとしては、不慣れな点が見受けられるかもしれません。
2・保育士や幼稚園教諭などがキッズヨガの養成講座を修了
保育士や幼稚園教諭など、子供の発達に関しては熟知した人がキッズヨガのインストラクター養成講座を修了し、活躍しているケースもあります。
やはり子供の扱いに関しては、手慣れている印象を受け、教え方が上手な人も多いでしょう。しかし、人によってはインストラクターの経験が乏しく、ヨガの知識や技術に関しては、物足りなさを感じることもあるかもしれません。
「子供に教える」という性質上、多くの指導者が各ヨガ団体の主催するインストラクター養成講座を修了しています。
スクールやイベントを選ぶ時には、その先生がどういう経歴の人なのかという点もチェックしておきましょう。
親子ヨガにチャレンジ!おうち時間にキッズヨガ
近くにキッズヨガのスクールがなくても、畳1畳あれば取り組めるヨガは、お家で親子レッスンが可能です。どんどんと下の階に音を響かせる心配もなく、自宅で身体を動かす手段としては最適です。雨の日の子供たちのストレス発散にも使えます。
お家で親子ヨガは「キッズヨガを習うまでもないけれど、身体作りのためにやらせてみたい!」と考えているご家庭にもおススメです。本やDVDなどを参考にして、家族で楽しくトライしてみましょう!
ポーズはDVDが分かりやすい
最初は、本よりもDVDの方が動きやタイミングなどがわかりやすくてオススメです。キッズヨガ向けのDVDもいくつか販売されています。ヨガマットやバスタオルなどを用意して、家族団欒の時間やお風呂あがりに、毎日少しずつでもやってみてください。毎日取り組めば、それだけでも柔軟性はアップしていきます!
DVDbook ママにも効果バツグン 元気でおりこう! キッズ・ヨガ
大和書房
3~5歳を対象にしたDVD付きのヨガ解説本。ポーズは約30種類と内容が充実しています。「風邪をひかないように」「落ち着きがない子供をなんとかしたい」といったママのお悩みもヨガで解決できる!?ママと一緒、ママがお手伝いするレッスンもあるので、親子でヨガを楽しみましょう。
身体遊び感覚ならCDや絵本から
遊びの中で楽しくヨガに触れたいと思うなら、本やCDも楽しいアイテムです。ママがキッズヨガや身体作りを深めてみたいなら、こう言った物も活用してみましょう。
新沢としひこ&小澤直子のこどもヨガソング ヨガであそぼう! アートヨガでほぐしあそび
日本コロムビア(株)
子供向けの楽しいヨガプログラムがCDになりました。ご家庭はもちろん、幼稚園や保育園の身体あそびでも使えそう。ネコやカニに始まり、クワガタや乗り物など、全39セクションでバラエティ豊かに楽しむことができます。ヨガの基本メソッド、ほぐし遊び、曲の3部構成です。
こどもヨガソング ヨガであそぼう!アートヨガほぐしあそび
すずき出版
上記のCDとセットで使う解説本。かわいいイラストでポーズが詳しく描かれています。子供が見るにも楽しい本です。大人も楽しめるようにポーズや身体の豆知識や解説が付いていて、ヨガへの興味や知識を深めることができます。ぜひセットで買いたい商品。
http://www.suzuki-syuppan.co.jp
キッズヨガは習い事としてこれからメジャーになる!?
「キッズヨガ」は、ピアノやサッカーなどに比べると、まだまだメジャーとは言い難い習い事で、インストラクターの先生に習うことが難しい地域もあるでしょう。
しかし、キッズヨガは、成長期の子供の心と身体の両方に多くの好影響が期待でき、基礎的な身体の動かし方を習得できるので、まだ特定のスポーツがしたいという考えがない年齢の子供たちにとっても、良い選択肢なのではないでしょうか。
キッズヨガは、親子で楽しむこともできますし、大人になってからも継続しやすいので、今後も少しずつ人気が高まっていくことが予想されます!
参考文献