内弁慶の子供は親が克服させるべき?見守るべき?ママ達の体験談
親の前ではわがまま放題だったり兄弟喧嘩がすごかったりと家庭で自己主張がしっかりできる我が子が、外では何も言えない姿を見ると「内弁慶は小さな子供のうちに親が治すべきでは?」「何が原因で内弁慶になったんだろう?」と心配になり、何らかの対策をとるべきではないかと悩むママやパパも少なくありません。けれど子供の内弁慶は親が治すべきなのでしょうか?
今回は内弁慶の子供に親が何らかの対策をとるべきかについて、ママ達の体験談と共に考えていきましょう。精神的な病気の場合もありますので、実はあまり軽視することもできない問題です。子供の様子をしっかりと見守ってあげましょう。
内弁慶の子供への保護者の心配
家の中では強気な自分を見せられる一方、外に出ると自分の意見が言えない、無口になる、親の陰に隠れるなどの臆病な様子が見られる内弁慶の子供達。保育所や幼稚園、小学校の先生などから「大人しい子ですね」などと家庭で見せる姿とは全く違う様子を聞くと、「親が克服させるべき?」「悪いこと?」と不安になったりイライラしたりすることもあるでしょう?
平成23年度に行われた内閣府「親と子の生活意識に関する調査」を見ると、子供への教育で自分の意見をはっきり言えることを重視する保護者は全体の97.5%と非常に多いです。
お友達に物を取られる、叩かれるなどのひどい目に遭っても内弁慶の我が子が何も言わない姿を見ると、親としては「どうして家で言うように、外で嫌だと言えないの?」「何が原因で内弁慶の子供になってしまったの?」といった疑問が浮かんでくることも。
子供が内弁慶になる原因
子供が内弁慶になる原因として、次のようなことが考えられます。
- 遺伝的な気質
- 年齢
- 環境
- 心の病
- 社会的機能の障害 など
内弁慶の子供の保護者に聞くと「実は私も子供の頃内弁慶だった」と言うことがよくあります。
遺伝的な気質により周囲の子供達よりも落ち着いているだけで本人は苦痛を感じていないのですが、「子供らしくない」「外で嫌な事でもあるのでは?」と親は過剰に心配してしまいがち。
また幼児期の子供の場合、親と離れることに不安を感じる母子分離不安により外で自分を発揮できなくなることもよくあります。特に3歳になる前の幼児の場合は内弁慶で当たり前なのですが、「うちの子は内弁慶で」と親が決めつけてしまうことも。
幼児期は親から離れて外で伸び伸び活動できるようになるための準備を行っている時期ですので、親は子供に不安な顔を見ずにドンと構えて受け止めてあげましょう。
内弁慶の子供は快適な環境を築こうとして状況を観察したり、その場で適切と思われる振る舞いをしたりしていることもあります。園や学校の先生から「おとなしい」と言われて心配になることもあるでしょうが、家庭で素の姿が出せているのであれば安心できる場所がある証拠。本人が苦痛を感じていないのに、やみくもに心配したり改善したりする必要はありません。
内弁慶の子供は快適な環境を築こうとして状況を観察したり、その場で適切と思われる振る舞いをしたりしていることもあります。園や学校の先生から「おとなしい」と言われて心配になることもあるでしょうが、家庭で素の姿が出せているのであれば安心できる場所がある証拠。本人が苦痛を感じていないのに、やみくもに心配したり改善したりする必要はありません。
一方、心配なのが環境的な問題で内弁慶になっている子供や心の病です。過保護・過干渉などの家庭環境によって内弁慶になっている、あるいは繊細さやトラウマによって内弁慶になっていて辛そうな場合、家庭での対応や専門医への相談が必要なケースもあります。
また場面緘黙症の子供の場合、慣れ親しんだ人意外との会話が困難なため、親が内弁慶の子供だと誤解することもあります。
10代思春期の内弁慶の子供の社会不安障害
内弁慶の子供の中には人前で恥をかいたり他人から注目されたりすることが怖いために人と話せなくなる社会不安障害を患っている子供もいます。10代の思春期の子供はまだ自我の確立過程。ですから小学生でも自分に自信が持てないことで社会不安障害に苦しむケースもよくみられるのです。(注2)
特に緊張する場面でもないのに子供に次のような様子が見られて親には理解しがたいといった場合は、内弁慶の子供からのSOSサインの可能性があります。
内弁慶の子供のSOSサイン
- 寝つきが悪く、疲れやすい
- 過剰な緊張や怯えで体が震える
- 呼吸が浅くなる
- 手や指が冷たくなる
- 喉が詰まった感じがする
- 落ち着かず集中することが困難
- 神経が過敏になっている など(注3)
年齢が上がるにつれて試験前後など成績を気にしてこのような様子が見られることもあります。投薬によって改善したケースもあるため、まずは精神保健福祉センターや保健センター、心療内科、子供の学校のスクールカウンセラーに相談してみましょう。
Q内弁慶の子供は親が克服させるべき?
多くの保護者が自分の意見をはっきり言える子供に育てることに力を入れ、とても早い段階から子供の内弁慶克服の必要性を感じたり、何らかの対応をしたりしていますが、内弁慶は本当に克服させるべき特性なのでしょうか?
今回お寄せいただいた体験談の結果では「親の働きかけも必要」という意見と共に、「子供の個性だから本人が気に留めていないならば温かく受け入れる」「特別な働きかけをしなくても成長と共に変わる」といった意見も寄せられました。ぜひ参考にして子供に合った対応をしてあげましょう。
内弁慶の子供には親の働きかけも必要!
優しい子供に育つので、どっしり構えて!
子どもは今5歳です。3歳の頃は内弁慶でしたが今は克服しています。家では大きな声で歌ったり踊ったりできるのに、幼稚園では恥ずかしがって踊らないと先生から聞いて知りました。
内弁慶になった原因として、幼稚園に入園して間もない頃「ヘンな踊り方?」とからかわれて恥ずかしい思いをしたようです。
内弁慶を治すために「いろいろな踊り方をしても恥ずかしくないんだよ」と言い聞かせ、失敗しても恥ずかしいことではないと教えました。同時に園の先生にも相談しておきました。
すぐに効果はありませんでしたが、運動会のダンスの練習の時に先生が褒めてくださったおかげで、ダンスが楽しくなってきたようです。
内弁慶だった頃は「幼稚園でダンスをするのが嫌だ」と言っていましたので、子どもの内弁慶がひどい場合は親の働きかけも必要だと思います。
内弁慶だと気付いたらできるだけ早く克服させた方がよいと思いますが、もし克服できなくても優しい子どもに育つので、親は見守りながらどっしり構えていれば良いと思います。
内弁慶でも子供の世界が広がれば変わります
4歳になる息子、赤ちゃんの頃から本当に内弁慶でした。家ではたくさん笑って泣くのに、外に出ると途端に無表情。児童館で遊んでも笑う事はほとんどありません。あまりにも周囲の人にリアクションしない息子なので「人見知りですみません。内弁慶なのかな?家では暴れん坊なんですよ。」とよく謝っていました。
私も小さい頃は人見知りで家の中では活発。まさに息子と同じ内弁慶でした。内弁慶でも悪い事はありませんが、私は息子に様々な事に興味を持って世界を広げて欲しいと思っていました。息子の内弁慶を克服するため、色々なところに出かけました。それまでは家にこもりがち、散歩は人のいない公園ばかりを選んでいましたが、児童館やショッピングモール等人がたくさんいるところに出かけるようにしました。
息子の興味を示しそうなものを見つけては「人がたくさんいるところには楽しいものがたくさんあるね」と話しかけ続けました。そのうち顔見知りの児童館の職員やママ友とも接する事が出来るようになってきました。
今は幼稚園の年少さんとして毎日元気に通っています。お友達に自分から話しかけ、少しおふざけが過ぎる程のイタズラ男子に成長しました。特に治さなければならないというものではありませんが、内弁慶から解放された息子はのびのびして見えます。お子さんが内弁慶で悩んでいる方は少しずつでもお子さんの世界を広げてあげるお手伝いをしてあげられたら良いと思います。
内弁慶ではなくはにかみ屋さんと思おう
今現在4歳の息子は典型的な内弁慶だなあと思っています。家では恐竜のように騒いで暴れて家を壊したり何かと闘ったりと暴れん坊ですが、ひとたび外に出ると私の後ろに隠れて目も合わせない、口も利かない等々。夫婦ともにおしゃべりで、なぜこんなに内弁慶な子ができた?と思いますが、もしかしたら私たち夫婦がしゃべりすぎたのが原因?とよく考えます。
一応「挨拶は?」や「お友達と遊んでおいで」などと声もかけてはみますが、気分によってはやったりやらなかったりです。挨拶は絶対にさせたいので毎度促しはするのですが(言わなかったら家に帰ってから諭す)お友達とのかかわりはあまり強制するべきではないかなと思い強くは言っていません。
幼稚園ではお友達同士よく騒いで遊んでいるようなので、家と園が彼のホームなのかな、とゆるく見守っています。どんなに内弁慶でも、挨拶だけはきちんとできる子ならそれは人から見たら「はにかみ屋さん」になるかな、と期待を込めて挨拶を教育中です。これは実母に言われた言葉が元ですが「内弁慶ではなくはにかみ屋さん」、このポジティブさでいけばいいのではないでしょうか。
内弁慶には子供の気持ちを尊重すべき!
内弁慶でかわいいわが子
5歳の我が子はいわゆる内弁慶です。自宅ではあんなにきかない子なのに、幼稚園では絵に描いたようなお利口で、私たちが甘やかしたからかなと夫婦で話しています。
我が家では内弁慶も個性のうちでかわいい。と思い特別な働きかけはしませんでした。ただ外ではおそらく強がっている部分もあると思い、自宅ではよく子どもの話を聞く、それだけは気を付けるようにしていました。
また幼稚園ではだいぶ優等生のようなので、結果ではなく頑張っているところを支持するように接することも大切にしています。本人に困り感もないようなので、しばらくは我が家ではこんな感じで過ごすのかなと思っています。それぞれの家庭で子育ての方針があるとは思いますが、我が子がどうしたいかを第一に考えることが大切だと感じています。
内弁慶は家庭の愛情がたっぷりな証拠だと思います事
娘は今年中学生になりました。小さい頃からずっと内弁慶で今現在も続投中です。2つ離れた姉がいるのですが2つしか離れていないせいなのか、姉とほぼ同じと思っているようで、負けず嫌いなのでいつも家では強気でバトルしています。
しかし怒られるのが大嫌いなので、外では無理そうな事や大変な事は極力やりたがりません。家では安心しているので失敗や怒られる事を心配する事なく出来るので、本来の力を発揮しています。
うちの場合は怒られる事が大嫌いなおかげで集団生活の中でも問題なく過ごして来られました。外では消極的ではありますが、やらなければいけない事はきちんとやっているので大丈夫なようですし、家では好きに出来て発散しているので内弁慶でも何も困っていないようですね。
自分を出しても大丈夫な場所が見つかったり、気の合う友達が見つかったりすれば少しは変われると思うのですが、残念ですが今の所はないようです。今はその場所が家なんだと思っています。
自分をすべて出しても安心で、家庭の愛情に満たされていると言う事だと思って本人が幸せならばゆっくり見守ろうと思っています。この先見つからないまま大人になったら…と心配になる事もありますが、少しずつ自分を出しても怖くないという自信を持たせてあげていこうと思っています。内弁慶でも力を発揮できる場所があるだけで子供は幸せなはずです。それ程心配しなくてもきっと大丈夫です。
賑やかな元気な子も、静かな落ち着いた子もみんな素敵!
うちの子は今11歳です。物心ついた2、3歳から外では控えめに遊ぶ子でした。遊びたいおもちゃをなかなか取れない。手にしていても奪われる。それで傷付いても困った顔をしているだけでした。
集団の中で自分を出せない子が幼稚園に入り、小学校へ通い今小学6年生。最近の様子を見て小さい頃の心配事は変わっていくものだと経験として感じています。生まれ持った性格もありますが、密に遊ぶ子もおらず、1人目の子でしたから長い時間私とべったり過ごす幼児期でしたので、頑張って主張して欲しいものを手にするという能動的な力が必要ない環境も原因かもしれないと思います。
元気一杯な友達と、受動的行動の多い我が子、親としては一歩引いて見ていると「もっと自分を前面に出さないと残り物ばかりになっちゃうよ?」と思うことありました。あまりにも目に余る時には、息子に声をかけたことがあります。「使っていたのに横取りされちゃったね」「『取らないで』って言っていいんだよ」「嫌なことは『やめて』といってみようね」「酷かったね。傷つくよね…」。しかし振り返ると一貫して息子は「いいんだよ」という反応でした。
よく回りを見ていて、自分の思いもバランスをとっている。内弁慶の子は我慢してばかりではないんですね。見て考える中にちゃんと自分を参加させています。積極的な事も大切だけど、静観し判断できる眼は控えめな子の方が優れているのではないかと思います。
内弁慶の子供を親が治す必要はない
内弁慶な性格を受け入れて、興味のある事を沢山させてあげよう。
私の娘は今小学校2年生で、幼稚園年少のころから今に至るまでずっと内弁慶です。小学校の公開授業を見に行っても、手を挙げるのはおろか、全く発言をせずずっと黙ったままでした。
内弁慶になった理由としては特に思い浮かばないのですが、私も幼少期はとにかく恥ずかしがりやで内弁慶だったので、親に似てしまったのかなと感じることがあります。
私は現在に至るまで特に娘に内弁慶を治す働きかけをしてきませんでした。しかしできるだけ娘の興味があることを見つけて、それをどんどんチャレンジさせるように心掛けてきました。
おかげで娘は音楽を習っているのですが、歌がとても上手くなりました。私は内弁慶を治すために親が積極的に働きかけをする必要はあまりないと感じています。
娘はおとなしく内弁慶ですが、学校では友達もいてそれなりに仲良くやっているみたいだからです。子供が内弁慶で悩んでいらっしゃる方は、子供が好きなこと、または興味があることを沢山させてあげれば良いと思います。
内弁慶は良い事だと聞き、持ちが楽になりました
長男は今8歳ですが、5歳ぐらいの時からとても内弁慶だと感じるようになりました。幼稚園や小学校では「特に目立つ事もなく本当にしっかりしていて優しい」といつも先生にも褒められるのですが、家だと弟を相手に怒鳴ったりグズグズしたりが酷く本当に困る時もあります。
長男としてしっかりしなければという気持ちや頑張りすぎる性格が内弁慶になった要因かとも思います。そのため家で長男と2人になり甘えさせてあげる時間を作るなど自分なりに努力はしましたが、一時的に変わる程度でした。
私個人としては内弁慶も個性だと考えられるようになり、特に働きかけは必要ないと思うようになりました。外ではいつも大人しいので、敵を作ることがなく幼稚園や小学校の生活はスムーズに進んでいます。
私は長男が家で短気な所や少し乱暴な所がとても心配だったのですが、幼稚園の先生に言われた言葉でとても楽になりました。長男にとって家庭が安心できて心から甘えられる所だから我儘になるということ、家庭で受け入れてもらえない子は幼稚園の先生に甘えてぐずって母親を求めることが多いとのことでした。
内弁慶は子供が安心して甘えられる場所を親が作れているということなので、同じような悩みがある方には安心してもらいたいです。
その子の性格だと割り切る
女の子二人を育てている父親です。そんなにひどくないですが、二人とも内弁慶です。幼稚園などでは先生からは「大人しく特に問題ない」と言われていますが、家では威張り散らしています。
夫婦で悩んだ時期はありましたが、今ではその子の性格だと割り切っています。その理由は、子どもたちにとって家が安心できる場所だから威張っているのだと考えているからです。逆に外で威張り散らして家では萎縮している子供を見て、内弁慶の方が良いと思うようになりました。
これから社会に出て人間関係を学んでいけばその内治っていくと思います。子供の間でいる内は、親に甘えて家でストレスを発散していると考えれば、特に悩む必要はないのではないでしょうか?
成長と共に内弁慶の子供も変わる
内弁慶な子でも夢中になれるものを探してあげると良いですよ!
14歳の息子おります。息子が幼稚園に入園してから内弁慶だなと感じるようになりました。今でもやや大人しい印象はありますが、自分の意見を他人にちゃんと言えるようになりました。
幼稚園の頃はお友達に嫌な事をされても何も言えず、泣いてばかりでした。家では2つ上の姉と一緒に遊んだり、ケンカもしたりと元気一杯でした。いつも姉にくっついて遊びに出掛けていたので、幼稚園ではやんちゃな男の子が少し苦手だったようです。どう接していいかわからず内弁慶になってしまったんだと思います。当時はこのままだと男の子の中で上手くやっていけなくなると心配でした。
そんな時にちょうど園で行うサッカースクールの募集の貼り紙を見つけて、ボールを蹴るのは好きだったので思い切ってスクールに入れてみたんです。すると、お友達とボールを取り合ったりするのが楽しくて、サッカーを通して自然とお友達が増えていきました。今でもサッカーは続けていて、やらせてみて良かったなと思っています。
スキンシップがあらい友達などいて困ることもあったようですが、サッカーでぶつかりあったりするのに慣れたせいか、あまり気にしなくなったようです。息子は自分を出せるようになったきっかけがサッカーだったように、内弁慶の子供さんが夢中になれるものを一緒に探してあげると良いと思います。