言うことを聞かない子どもの原因はしつけの誤り?親の接し方
親の言うことを聞かない子どもが、わがままを言うのも多少であれば可愛いものですが、毎日毎日のことだとママもさすがに疲れてしまいますよね。子どもがしつこく反抗的な態度をしたり、朝の忙しい時間帯にごねたりすると、「もう!なんで言うこと聞かないの!?」とついイライラとしてしまうものです。その結果、ママが精神的に追い込まれて、育児ノイローゼになってしまうことも…。
今回はママの気持ちを楽にする、子供が親の言うことを聞かない原因や、子供への接し方を年齢別にご紹介します。親の接し方が変わると、次第に子供の態度が改善しますので、ぜひ実践してみて下さいね。
言うことを聞かない子どもの原因は?親の鏡?しつけの誤り
一般的に、生まれたときから親の言うことに反抗する子供はいません。子供はパパやママに生活のほとんどを依存していますし、お世話をしてくれるママ達に強い愛情を感じていますから、もともとは素直に、喜んで大人の言うことを聞いていたはずです。
それなのになぜ、突然言うことを聞かなくなってしまうのか?そこには、親の誤った躾の仕方や、子供への接し方が大きく影響している可能性があります。「反抗期だから」と済ませてしまうママが多いのですが、言うことを聞かない子どもの裏には、子供からの何らかのメッセージが隠されているのかもしれませんよ。
1親が子供の話を聞かない
言うことを聞かない子どもの反抗的な行動は、親が子供の話を全く聞かない態度の裏返しであることがあります。ママやパパは子供の話を聞かず、一方的に自分の要求を伝えてきませんでしたか?また、子供の様子を見ずに、長々と話を聞かせようとしてきませんでしたか?
子供は一つのことに集中することが難しく、大人の話を長々と黙って聞いていられる忍耐力を持ちません。そのため、ママが話をしていても、他のことに気を取られてしまったり、別のことをしようとしたりします。ところが、大人は、「この子は話を全く聞く気がない」と、子供の能力を考慮しない話し方をして、一方的にイラッとすることがあります。すると、子どもはどんどん大人の言うことを聞けなくなってしまうのです。
子供に何かを言い聞かせる場合には、大人が言いたいことをしゃべるのではなく、子供に話をさせて聞き上手になりましょう。子供はおしゃべり好きなので、子供に話をさせることでママとの話に集中させることができますし、自分の言い分を聞いてもらったことに満足して気分がのるので、子供がママの言うことを素直に受け入れてくれるようになりますよ。
2「ながら」で話をしている
子供は大人が思う以上に大人の様子を観察していて、大人が真剣な態度で話をしていないと、子供も真剣に答えてくれません。子供に何かを言い聞かせるときにキッチンでお皿を洗うなど、家事をしながらの「ながら」で話をしていませんか?それでは子供にはママの真剣さが伝わらず、子供は大人の言葉を右から左へと聞き流すようになってしまいます。
真剣な態度は、大きな声を出したり、ガミガミと言ったりするなどの高圧的な態度とは全く違います。子供に何かを言い聞かせる場合には、子供の高さにおりて目線を合わせ、お互いに正面から向き合って話をすることを心掛けましょう。
3言うこと態度をコロコロと変える
自分か叱ったことで子供がシュンとしてしまうと、罪悪感にかられて「ごめんね、ママが言い過ぎたわ」と態度を軟化させてしまうことはありませんか?大人が子供の顔色をみて態度をコロッと変えてしまうと、子供は「反省した振りをしておけば怒られない」と勘違いをしてしまい、大人の言葉を軽く考えて言うことを聞かなくなってしまいます。
子供に何かを言い聞かせるときは、子供に好かれようと考えてはいけません。ママの言葉や態度に一貫性がないと、子供は叱られたことに理不尽に感じて反抗的になってしまうので、「叱る時は叱る、その他は優しくする」といったように、ママが自分の態度にメリハリをつけるように心がけましょう。
4大きな声で脅迫するように叱る
子供は、大人の態度に敏感で、大好きなママが大きな声で感情的に怒鳴っただけでショックを受けてしまいます。ママが感情的に子供に指導をすることは、一時的にスッキリするかもしれませんが、子供は怯えてママの言うことを聞くどころではなくなってしまいますので、ママは深呼吸をするなどクールダウンをして、感情的にならずに話をすることを心掛けましょう。
親子という気安さから感情的になると、「いうことを聞かない子は夕食抜き!」などと脅迫めいた叱り方をしてしまいますが、これには全く効果はありません。一時的には言うことを聞くかもしれませんが、何度かり返すうちに子供は言いつけを守らなくても脅迫内容が実行されないことを知ってしまい、「口先だけのこと」と舐めてかかって大人の言うことを全く聞かない子どもになってしまいます。
5叱るだけで褒めない
小さくても子供にも感情やプライドがありますから、叱られてばっかりでは反抗心をもってしまい、大人の言うことを聞かない子どもになってしまいます。子供は褒めて伸ばせといいますが、子供に何かを言い含めるときも、叱ったらその倍は子供を褒めてあげることをおすすめします。
ママは、子供がしぶしぶでもいうことを聞いて態度を変えたら、大げさなくらいに子供の行動を褒めてあげましょう。子供は褒められたことを喜び、もっとママの期待に応えようと素直に言うことを聞くようになってくれますよ。
6子どものペースに合わせず急かす
子供はとてもマイペースで、大人の都合に合わせた行動はできません。しかし、大人は家事に仕事にと時間に追われて生活をしていますので、子供に何かを言い含めるときにも大人のペースで進めてしまい、子供が理解する充分な時間を与えてあげないことが多い傾向があります。けれど、それでは子供は大人が言わんとすることが理解できず、言うことを聞くことなんてできるはずもありません。
子供がノロノロとしていると、つい「早く!急いで!」と急かしてしまいますが、これは子供を焦らすだけで大した効果はありません。それどころか、連呼される「早く」という言葉に慣れてしまって、言うことを聞いて早く行動をしようというやる気も失ってしまうため、言うことを聞かない子どもになってしまいます。
7頭ごなしに子供を否定する
子供のやることなすことに、ダメ出しばかりしていませんか?特にママは、子供がなかなか親の言うことを聞いてくれないと「このままでこの子の将来は大丈夫なの?私がしっかり教育して早く直してあげなくちゃ」と、将来を心配しするあまり、頭ごなしに「ダメ!」を連発してしまいがちです。ところが、全てを否定されることで子供はママに失望し、「言うことを聞く価値はない」と全てを諦め、親の言うことを聞かない子どもになってしまうことがあります。
子供に指導をする場合には子供のいい分をよく聞いて、譲れないところだけを、何がいけないのか子供が納得するまで説明をしてあげましょう。「ダメ」という時には、ママも真剣な表情で伝えましょう。ただし、命を守るためや危険を回避する時などの特別な時に使うようにしないと効果がありません。日頃からの言葉の使い方を、一度しっかりと見直しましょう。
8子供を物でつる
子供に何かを言い聞かせる時にやってしまいがちなのが、「いうことを聞いたらおもちゃを買ってあげるよ」という取引ですね。取引は子供の関心を引こうとしているだけで、躾ですらありません。子供は「物をもらえるから言うことを聞く」ものだと勘違いをしてしまい、「ママの言うことが正しいから従う」という躾の本質を間違って学習してしまいます。
何とか言うことをきかせようと子供を度々物で釣っていると、子供が物質依存症になり、ご褒美がなくては大人の言うことを全く聞かない人間に成長してしまいます。豊かな現代だからこそ、親が物に対する正しい考え方を子供に教えていけたらいいですね。
9無責任に「頑張れ!」を連発する
子供に言うことを聞かせようと、「頑張れ」と側で繰り返していることはないですか?この言葉は、一見ママが応援している風のよい言葉だと勘違いされがちですが、子供の頑張りを認めていない言葉にも捉えられることもあります。子供自身は頑張っているつもりなのに、ママが「もっと頑張れ」と期待を押しつけているように感じてしまった場合、「もうこれ以上頑張れないよ」と子供がキレてしまうこともあります。
大人であるママの目からすれば、しぶしぶ・ノロノロという動きでも、子供はママの期待に応えようと、最大限の努力をしています。子供に何かを言い含めようとするときは活を入れるのではなく、子供の頑張りを認めてあげて、子供をその気にさせましょうね。
言うことを聞かない2歳~3歳の子どもへの接し方
2歳~3歳のイヤイヤ期の小さな子どもに対して、しつけることや言い含めることは難しいことですね。魔の2歳児とも呼ばれる2歳、3歳で言うことを聞かない子どもは、まだまだ自我が発達しておらず素直なので、反発して大人の言うことを聞かないのではありません。大抵の場合は、大人の話を聞く状態ではないことから、かんしゃくを起し、駄々をこねるだけですので、ママは子供の様子に配慮しながら接していきましょう。
言うことを聞かない2歳~3歳の子どもの状態
・眠い
・お腹が空いている
・疲れている
・別のことが気になる
まずは、子供の欲求を満たしてあげて、心に余裕が生まれた時に子供に話しかけましょう。近くにおもちゃがあると子供の集中力が続かないので、小さな子供の指導はおもちゃを片付けてからか、おもちゃや絵本などが目に入らない場所ですることをおすすめします。
2歳~3歳の子どもは、話を理解すペースも遅いですし、理解したことを大人に伝えるだけの会話能力がありません。ついつい「わかったの?」と急がせてしまいがちなのですが、ママは根気よく穏やかに子供に接することで、時期が来れば次第に改善しますよ。
言うことを聞かない4歳~5歳の子どもへの接し方
4歳~5歳の子どもは、大人と会話のキャッチボールも十分できるようになり、大人の言うことを理解しやすくなりますが、その反面自我が芽生えてきます。特に、4歳の反抗期や5歳の反抗期の特徴がみられる場合、大人の言い分に理不尽さを感じると、まったく言うことを聞かない子どもに早がわりしてしまうこともあり、親も大変ですよね!
4歳~5歳の子どもとの接し方のコツ
・わかりやすい言葉を使う
・何かをしながらの、中途半端な態度をとらない
・感情的になって怒らない
親の考えを曲げてまで子供に合せる必要はありませんが、やや反発心が芽生えてくる時期でもありますので、よくできたらたくさん褒めてあげて、子供を良い気分にさせてからしっかりと言い含めるといいですね。
4歳~5歳くらいの子供であれば、まだまだ親の方がイニシアティブをとれる状態です。子供に何かを言い含める時や、悪いことをして指導をする場合には、しっかりと目線をあわせて、真剣な態度で何がいけないのか、どうすべきかをしっかり説明しましょう。
言うことを聞かない小学生の子どもへの接し方
5歳以上になると自我がしっかりと確立され、「中間反抗期」と呼ばれる感情のコントロールの難しい時期に入ってきます。大人の意思や感情よりも、自分の感情を優先させたいという欲求が強くなってくる年齢ですので、親の言うことにあえて逆らったり、キレて暴れてみたりする子供の態度に、大変な思いをしているママもいるでしょう。けれど、こうした親への反抗も、自分を守ろうとする防衛本能からくる悪意の無いものですので、ママは気長に、根気よく接していきましょう。
小学生との接し方で大切なポイント
・子供の意思を尊重する
・子供のプライドを傷つけない
親が頭ごなしに言いつけることを、黙って受け入れてくれるような年代ではありませんので、ママはこれまで以上に真剣に、丁寧に子供に向き合っていきましょう。
小学校に入れば字を書くこともできるようになりますので、ママとの約束事やルールを紙に書かせて、見やすい所に張っておくのも良い手です。親にしつこく言われるよりは反抗心を抱かずに済みますし、日頃から目で見て確認をすることで、親の言い付けもスムーズに頭にインプットされ、子供も大人の言うことを守りやすくなりますよ。
言うことを聞かない子どもと発達障害
子供がなかなかいうことを聞いてくれないと、「子供の理解力がないのは、何らかの発達の問題があるのかも」と疑ってしまいがちですが、子供は精神的に未熟で大人と同じペースで物事を進めることができません。つまり、コミュニケーション能力が未熟で、大人との会話に十分答えることができないだけなのです。
ADHDなどの発達障害がある場合も、集中力が散漫で大人しく話を聞くことができなかったり、相手の話の邪魔をしたりといった多動・衝動的な行動を起こしがちですが、あくまで脳の発達のペースが他の子より遅いだけであり、きちんと専門のサポートを受けることで、親の言うことを聞き、立派に自立している人は沢山います。心配な場合は、専門医に相談してみましょう。
子供が言うことを聞いてくれないのは、親と子の両方の行き違いからくること。「上手くいかない…」と思う場合、まずは大人の方から態度を見直したり、適切なサポート環境が整っているか子供の目線に立って考えたりして、子供に向き合っていくことが大切です。
言うことを聞かない子どもへのイライラは、ママ自身のSOS
ママが子供の指導に疲れると、ストレスが溜まりネガティブな気分に陥り、うつ状態になって気分が沈んでしまいがちになります。あまり子供のことを心配し過ぎると、ママ自身の精神状態に悪影響を与えてしまいかねず、親子で悪循環に陥る可能性もあります。
言うことを聞かない子どもの態度を気に病んで、「私の育て方がいけないのかな…」と不安に思う必要はありません。子供が大人の言うことを聞かないことは当たり前のことで、親に対して反抗心が芽生えてくることは子供の心が正しく成長している証拠。ベテランママになると「クソババアって言うようになったから、子育て成功!」と、子供の自我の発達に一安心する人もいる程です。時期が来れば子供の態度も変わってきますから、ママはあきらめず、気長に子供に接していきましょう。
また、イライラした時や疲れた時、やる気が起きない時は、自分自身の心からのSOSだと捉え、環境を変えるか、自分の好きなことをしてうっぷんを発散させて、ママも上手に感情をコントロールしていくように心掛けましょう。