約束を守れないのは子供に7つの理由があるから!できない時は親が見直そう
小さい頃は約束を守れない子供がとても多いので、パパやママは子供が嘘をついた、私のしつけ方が良くないのかもなどと悩みがちですが、子供には子供なりの理由があるんです。
「夕ご飯前におやつは食べない」「テレビは30分だけ」などパパやママは子供とたくさんの約束をしますが、約束の仕方を親が見直したことで、これまで守れなかった約束を守るようになったという子供もいます。
まずは小さな子供がパパやママとの約束を守れない7つの理由確認し、親側が約束の仕方を見直すところから改善して、約束を破られる親も破る子供も傷つく悪循環から抜け出しましょう。
1一方的に言われただけで子供に約束したつもりはない
パパやママが約束をしたときには「はい」と素直に言ったのに、後で他人が確認すると「約束したつもりはない」と思っている子供は多いです。
大人の場合は子供が「はい」と返事をした以上、約束を交わしたと認識しますが、小さな子供にとってはパパやママに言われたから「はい」といっただけのことがあります。
子供自身が納得して同意した約束ではなく、大人から一方的に押し付けられた約束なので、子供が守ろうという気になれないのです。
2約束したことをうっかり忘れていた
自分で決めた約束を守れない子供側の理由として、パパやママと約束自体をうっかり忘れていたというケースもあります。
親にしてみれば「真剣味が足りない!」と子供にイラッときてしまいがちですが、大人だって約束したことを忘れてしまうことはよくあること。
小さな子供は注意力が散漫ですし、記憶力も大人レベルには達していないため、約束をスルーしても悪気が無く、ケロッとしていられるのです。
3約束を守ることが子供にとって嫌なことになっている
約束をすること自体が嫌いになっていて、はなから約束を守る気のない子供もいます。
これには約束を守らなかったことでパパやママからひどく怒られてしまった、約束を守らないことをネチネチと指摘されて嫌な思いをしているなど、さまざまな理由があげられます。
約束という言葉や約束する行為にマイナスイメージを持ってしまうと、約束を守ろうという気持ちも起きません。
4親が子供との約束を守らない
パパやママが子供との約束を守れていないと、子供も約束を守ることが大事なことだと認識できなくなってしまいます。
子供は忙しさから約束を後回しにしてしたいという大人の都合が理解できませんし、パパやママを信頼しているぶんガッカリしてしまい、約束に対して拒否感を持ってしまうもの。
特に子供には怒鳴ったりして約束を守らせているのに大人が平気で約束を破っている場合は、子供が約束すること自体に悪いイメージを持ってしまいがちです。
5約束を破られた相手の気持ちがわからない
パパやママは子供と約束さえすれば守られるはずと思い込みがちですが、約束を破ることで相手が感じるガッカリした気持ちや悲しみを小さな子供が理解しろといっても難解です。その結果、子供が約束を守れないことはよくあります。
子供は大人に比べて精神的に未発達で経験も不足していますので、他人の気持ちを思いやれるようになるにはかなり時間がかかります。
そのためパパやママがニコニコしていることだけが嬉しくて、深く考えずに守れない約束をしてしまう子供もいます。
6約束を破ることで何が起こるのか先の見通しが立てられない
小さな子供の想像力はまだまだ未熟。そのため先の見通しを立てて物事を考えることができません。自分が約束を守らないとどんなリスクがあるのか、予想することができないのです。
パパやママに「約束を守らないと、困ることになるよ」といわれても実感が沸きませんし、記憶力もそれほど発達しているわけではないので、約束を守れないことに対して焦りや罪悪感を覚えにくいのが実情です。
7約束を守れて褒められた成功体験が少ない
小さな子供をやる気にさせるには褒めてあげることが一番ですが、約束を守ったのにパパやママが褒めてくれない、できて当たり前と思って喜んでくれないのは困りもの。
これでは約束を守れる能力のある子でも自己肯定感や自己有用感を高めるアプローチとかけ離れていて自信が持てなくなり、頑張ろうというやる気を失ってしまっても無理はありません。
約束を守ったことで得られる達成感も味わいにくく、我慢して約束を守る価値が見いだせなくなってしまいます。
約束を守れない子供にしたい10の対応!自ら守りたくさせる育て方
約束を守れない子供にしてあげたい10の対応で、パパやママがストレスを抱え込まずに自分から約束を守るやる気を持たせてあげましょう。
小さな子供の場合は約束を守れなくてもある程度許されますが、小学生以上になると交流関係や学力面でも大きなマイナスになってしまうので、早いうちから働きかけてください。
1約束を守れなくても怒らない!どうすれば守れるかを一緒に考える
子供が約束を守れないと親は失望感が怒りに変わって怒鳴ってしまいがちですが、怒りをグッと我慢して怒りの元となっている出来事ではなく子供の心に着目しましょう。
- 子供は約束することに納得していたか
- 約束した時、パパやママは怒ったり押し付けたりしなかったか
- 子供にとって守れる約束であったか
- 忘れないように声掛けなどの工夫をしたか
- 両親が日頃から約束を守れているか
- ささいな約束事でも守れたら褒めているか
約束をする時は子供が本音を言いやすいように、笑顔で「〇〇という約束はできる?」と子供に聞いてみましょう。自分が納得して約束をすることで、子供も守ろうとするやる気が出てきます。
2守れる約束をたくさんして褒める!成功体験を積ませて
幼児期は約束を守ることを覚える大事な時期ですから、たくさんの約束をして良い結果を出して、たっぷりパパやママに褒めてもらえる成功経験を増やしましょう。
子供にとって約束は、我慢や感情のコントロールといった努力をしないとできないこと。子供が約束を守れなくても、頑張った気持ちを認めていることを言葉で伝えてください。
子供の気持ちはごくシンプルですから約束事はいくつかをまとめて複雑にせず、一つ一つに区切ってあげて。そのほうが約束を守りやすく成功経験が増やせるので自信がつきます。
3約束を守る大切さを絵本の読み聞かせで楽しく教える
約束を守れない子供に「約束は守らなくちゃダメ」と頭ごなしに教えるよりも、絵本を使った方が学習効果は上がります。
未就学児には子供の年齢や発達にあうわかりやすい表現を使い、興味を引き付けるイラストがついている絵本を選びましょう。
絵本の物語に引き込まれて登場人物と一緒に約束を守った喜びや、守らなかった時の不利益を疑似体験することで、小さな子でも約束の大切さが理解でき、約束を守るやる気が生まれます。
11ぴきのねこふくろのなか
著者:馬場 のぼる
こぐま社
1,200円 + 税
約束を守れない子供にぜひ読み聞かせてあげて欲しい、昔から子供達に人気のある「11ぴきのねこ」シリーズの1作。
ダメと言われると逆にやりたくなる子供の心理そのままに行動するかわいい猫たちと、コミカルな怪獣ウヒアハの効果で、小さい子でも決まりや約束を守ることの重要性がしっかり理解できます。
4どんな約束をするかは子供に決めさせる
約束を守れない子供にはパパやママが一方的に約束を押し付けるのではなく、まずはどんな内容の約束ならできるのかを自分で考えて決めさせてみましょう。
自分で決めたことであればハードルが低いので、日頃から約束を守れない子供でも自主的に約束を守りやすいです。
責任感からやり通そうというやる気がでますし、パパやママが自分の意見を尊重してくれたことに喜びが約束を守り抜く励みになります。
5メモやタイマーなどで約束を破る前に気づかせる
忘れっぽくていつも約束を守れない子供には、ポスターやメモ書きをわかりやすい場所に置く方法が効果的です。
決められたゲームや「〇〇時までに」という時間の約束が守れない子供には、タイマーやアラームが役に立ちます。削小学生になるとゲームは約束を守れないからやらせないという家庭もありますが、子供を疑わず約束を守って楽しむことを教えたいですね。
メモ書きやタイマーなどでさりげなく約束を思い出させてあげれば、子供側も約束に対する反発心が生まれません。成功体験が増えて自信がつくと自然に約束が守れるようになっていきます。
6子供との約束にはポジティブな言葉を使う
約束を守れない子供に約束へのマイナスイメージを抱かせないために、できるだけ否定的な言葉を使わずポジティブな言葉を使って誘うのがポイント。
例えば「騒いではダメ」は「静かにしてね」に、「早く寝なさい」を「早く寝ようね」の要領で、内容をひっくり返してみて。子供にとって受け入れやすい、チャレンジを誘う前向きな言葉に変えてあげましょう。
約束に対する「我慢ばっかりさせられる」や「できないと怒られる」という嫌なイメージがやわらいで、子供も自分から約束を守ろうという前向きな気持ちになれます。
7子供を信頼して約束した後は見守る
約束を守れない子供のパパやママは子供が未熟なことを知っているので、約束をした後に「どうなっているの?」「早くやらなきゃダメでしょ」と口うるさく言いがちですが、その口出しが子供にマイナスイメージを抱かせるもと。
繰り返し約束のことを口にされると強要されているようで窮屈ですし、親が子供を信じることができないと子供は自信を失ってしまいます。
子供が納得して約束をした以上、子供の頑張りを認めて子供のやりたいペースで行動するのを見守ってあげることも大事です。
8親は子供との約束を守りできない約束はしない
約束を守れない子供のパパやママの中には、子供やパートナー、他人との約束を守れていない人も少なくないでしょう。けれど親は子の鑑ですので、まずは両親で子供との約束を守り、良いお手本を示しましょう。
仕事などで忙しくてどうしても守れないときは相手が子供でもきちんと事情を説明し、約束が守れなくてもパパやママが約束を覚えていて守ろうとしていることを伝えることが肝心です。
できない空約束や子供の機嫌を取るだけの守るつもりのない約束は、子供の約束を守るというやる気をなくすだけでなく親子の信頼感も損ないます。仕事が忙しくてできない約束を繰り返す可能性がある場合は、安易な約束をしないことも大切です。
9約束を守ることだけにこだわらない
大人は「約束は必ず守るもの」という高い理想をもちますが、そもそも子供との約束ですから守れなくても大目に見てあげる余裕を持つことも大切。大らかな対応は子供が根気よくチャレンジする励みになります。
子供の場合は「たぶんできる」や「できたらいいな」という観測で約束をしがちですから、約束を守れなかったときは怒鳴ってしまうのではなく、「次は頑張ろう!」と励ましてあげて。
ただし子供が公共マナーや交通ルールなどの安全や他人への配慮に関する社会との約束事を守らないのはルール違反。年齢に応じた手助けをしつつ、基本の部分は毅然と対処して子供に約束を守らせましょう。
10約束を守れなかった時の取り決めをしておく
子供が約束を守れなかった時の取り決めをすれば、親がその約束を守るだけで子供は毎日約束を守らざるを得なくなりますし、約束を守れた後に嬉しいことが待っている取り決めであれば、良い励みになって子供が自主的に約束を守りやすくなります。
例えば、宿題が終わったらおやつを食べたり遊びに行ったりしてもいいなどです。未就園児であれば、手洗いをしたらおやつを食べられる、大人しく待てたら好きなおやつを1つ買ってあげるなどでもいいでしょう。
ただし日常的なささいな約束に大きなご褒美はふさわしくありませんし、毎回ではパパやママも疲労してしまいます。
またご褒美に慣れてしまうとアンダーマイニング効果により、ご褒美がなければ約束を守らない子供になってしまうので、ここぞというときの約束だけにして控えめなご褒美を心掛けましょう。
約束を守れない子供を怒鳴ってしまう!出来事ではなく気持ちに着目して
約束を守れない子供を怒鳴ってしまう母親の場合、怒りのもとは約束を破った子供の気持ちではなく出来事という人がほとんどでしょう。
例えば子供が門限までに家に帰らなかった場合、約束の時間までに帰ってこなかったという出来事にイライラして怒鳴ってしまい、子供がうっかり約束を忘れて焦って帰ってきた気持ちについてはお構いなしになってしまいます。
人は気持ちで行動しますので、約束を守れない子供の責任感を育てたいのであれば、出来事ではなく気持ちを大切にしなければ子供が変わってくれませんし、いくら深呼吸をしてもイライラを静められず怒鳴ってしまう自分を止められません。
門限を守らなかったケースであれば、子供が約束を守らなければならないと思っていた気持ちや失敗を少しでも克服しようと努力した気持ちを考えてみることが大切です。
約束を守れない子供には罰を与えてもいいの?かばわないで結果を体験させて
約束を守れない結果を子供に理解させるためには、ご飯抜きや誕生日プレゼントを保留するなどの何らかのペナルティを設けたほうが良いのではと悩むパパやママは多いのですが、しつけや指導にペナルティはあまりおすすめできません。
確かにペナルティを与えると、子供は1~2回は約束を守ります。ですが根本から意識が改善されたわけではないので、子供はすぐに慣れてまた約束を守れない状態に戻ってしまいますし、そのぶんパパやママのイライラはつのります。
また罰を与えたり怒鳴ったりする対応は、子供からすると大人が自分の怒りをスッキリさせたいだけの行為に見えるので、次回への改善につなげるモチベーションがダウンしてしまいます。
怒ったり罰を与えたりする代わりに子供が約束を守らなかったことをフォローせずにいれば、子供は自然に痛い目を見ることになるため、結果的に経験という代えがたい財産を蓄積できて効果的です
例えば、朝起きなかったからその日に約束していた遊園地には連れて行かない、時間になってもゲームをやめなかったから初めに約束した通り1週間禁止にするなど。
親としては子供に失敗経験をさせたくないものですが、失敗も子供を育てる大事な経験。教えないからこそ育つ能力ともあります。
どんなに泣き叫ばれてもお説教をして許してあげるのではなく、パパやママは子供が約束を守れなかった時の取り決めをしっかりと守ることで、約束を守る大切さを伝えてあげましょう。
中学生~高校生の思春期になっても約束を守れない子供には大人扱いを!
小さな頃から約束を守れない子供を前に将来を心配してしまうのが親心ですが、小さな頃は約束が守れていたのに小学校6年生くらいの思春期以降、中学生や高校生になって約束が守れなくなる子供に、頭を抱えて悩まされる親は少なくないんです。
例えば、夜更かしや朝寝坊、ゲーム三昧など健康や将来を考えて必要な約束を守れない、学校のルールや人間関係を円滑にするための約束事、家庭でのルールなどを守れないなど、先生や親との生活上のごく当たり前の約束事を守れないのは思春期によくある光景。
威圧的な親や甘やかしがひどい親に育てられてきた思春期の子供の場合、約束やルール、親のいいつけを守る意義がわかっていないケースが多く、意図的に約束を守らない子供もいます。
思春期でも約束を守れない子供への親の対応は基本的に同じ
親が率先して約束を守る、一方的な約束はしないなど、思春期でも基本的には約束を守らない子への対応は同じですが、思春期に子供扱いをして親の思い通りに約束を守らせようとすると、親子がぶつかり合って逆効果になることが多いです。
思春期の子供に約束を守る大切さを教えたいのであれば、親の脅しに意味を成しません。子供が心身ともに疲れていないか、できるサポートはないかなどを確認し、子供が約束を守れない状態になっていることをありのままに受け止めて、やる気が回復するのを待ってあげることが大切です。
思春期は甘えと反抗を繰り返すので親もイライラしやすいのですが、子供の失敗はあえて見守り、「朝起こして!」などの求めに応えるサポートをしてあげることで、子供は学校生活などを通して自分のイメージと現実とのギャップを経験から埋めていきます。
子供と親では苦痛だと感じる事柄が違うことを理解する
親は子供が約束を守れないことで、先生に怒られたり友達に嫌われたり、目が悪くなる、成績が下がるなどとあれこれ心配してしまいますが、全ての子供がそうしたトラブルを親が思うほど苦痛に感じるとは限りません。
思春期の子供の中には本当に自分が困る約束はしっかりと守り、守る必要性を感じない約束は守らないという子供もたくさんいます。
親の価値観では些細なことでも重く受け止め、逆に重要性に気づかず大切なことを失敗するのが思春期です。思春期の子供達は自分の足で自分自身が主役の人生を生きることが課題。親であっても失敗する自由を奪ってはいけません。価値観の違う一人の大人として尊重し、自分の価値観での正論を押し付けてプライドを傷つけないようにしましょう。
傷つけるなら子供との約束はやめて!守れない約束をしないのもしつけ
約束を守れない子供が自主的に約束を守れるように導くためには、パパやママが子供と必要以上の約束をしないというのも選択肢の一つ。
大人の約束への捉え方は、子供よりもはるかに高い要求。子供の性格や年齢、心の発達度によって同じ年齢でも約束をしっかり守れる子もいればなかなか守れない子もいますので、大人の価値観を押し付ける約束はせず、子供が無理なく守れるレベルの約束から徐々に慣らしてあげましょう。
約束を守ろうという気にさせるには約束を守れないことで生じる結果を体験するとともに、「約束を守って良かった!」という成功経験が必要です
喜びや達成感は子供のやる気を育てますし、良い結果が出たことで大好きなパパやママから褒められればさらにモチベーションがアップします。
低いハードルをクリアする経験を積ませて子供に自信をつけることで、約束を守れない子供でも自然に「約束を守ることは、当たり前のこと」という意識に変わっていくでしょう。