子供のテレビの見過ぎ7つの悪影響と上手に付き合うための工夫
お子さんのテレビとの付き合い方でお悩みの保護者の方は多いと思います。幼児期になると子供もリモコンの操作を覚えて、勝手にテレビをつけたり、ビデオを見始めたりすることもあって悩ましいですね。
今後、成長していくとテレビゲームやスマートフォン、タブレットなどの液晶機器と接する機会がどうしても多くなります。幼児期や小学校低学年の間にしっかりとテレビとの付き合い方を決めておくと、テレビゲームやスマートフォンで長時間遊び続けることのないお子さんになってくれるかもしれません。
今回は、テレビが子供に与える影響7つとテレビと上手に付き合うための工夫をご紹介します。お子様と話し合い「我が家のテレビルール」を決めて、テレビと上手に付き合えるようになると良いですね。
テレビの見過ぎが子供に与える7つの悪影響
成長期の子供がテレビを見過ぎると、次のような悪影響があると言われています。子供にテレビとの付き合い方を教えるには、まず大人がテレビを観る時間を減らすなどの努力をすることが必要。
これを機に家庭内でテレビのあり方を見直し、つけっぱなしが日常になっているご家庭では、保護者の方もテレビとの付き合い方を変えてみてはいかがでしょうか?
1脳の発達に悪影響を及ぼす
テレビを見ている間は、人の脳は「受動的」な状態となっています。長時間テレビを見続けていると前頭葉が働かなくなってしまう事から、幼児期(特に2歳まで)にテレビを長時間見ることは、脳の発達に悪影響を及ぼすと言われています。
テレビは短時間で終わらせ、視聴後は戸外で遊んだり手先を使うような遊びをしたりと、脳を「能動的」な状態に切り替えてあげましょう。
2視力の低下
テレビなど近くのものを長時間見続けることは、近視を進行させる要因のひとつであるとされています。
子供の年齢が上がっていくと勉強や読書の時間が長くなり、近くのものを見る時間が増えてきます。勉強や読書の時間を削らせたくありませんから、視力への影響を考えると、テレビを見る時間は出来る限り短くしたいですね。
また、長時間のテレビの視聴は目が疲れるためドライアイの原因にもなると言われています。
3疲労しやすくなる
テレビを見ている時間が長いと自然と体を動かす時間が少なくなり、体力が低下する恐れがあります。
また、テレビを見ることで夜更かししたり、液晶から出るブルーライトによって寝つきが悪くなったりという影響も関係しているとされています。
4集中力の欠如や落ち着きがなくなる
アメリカの小児科学会の機関誌では、「乳幼児期にテレビを長く見ていた子供ほど集中力が欠如し、落ち着きがなく、注意欠陥障害になりやすい」という調査報告がされています。
集中力の欠如や落ち着きがないと、お子さん本人が幼稚園や学校での集団生活を送る上で苦労することにもなりかねないので、気になる兆候が見られた場合は、テレビから出来るだけ遠ざけるようにしましょう。
5言葉数が少なくなる
子供の言語能力は、単にテレビを見て聞こえてくる言葉を受動的に受け入れているだけでは発達しません。親や周囲と会話をしてコミュニケーションをとることが、子供の言語能力の発達には非常に大切になります。
テレビを見ている間は出来る限りお子さんの傍にいて、テレビの内容について会話するようにしましょう。
6人見知りになる
テレビばかり見ていて家族以外の人と接する機会が少ないと、人見知りになってしまう可能性があります。テレビを見る時間をなくすことはできなくとも、公園遊びを積極的に取り入れるなど、家族以外の人や同年代の子供と接する時間を増やしてあげましょう。
7表情が乏しくなる
現実の世界ではなくテレビの世界とばかり接していると、表情が乏しい子供に成長するといわれています。テレビを長時間見ることにより、子供の愛らしい表情が消えてしまうのは悲しいことですよね。気を付けてあげましょう。
テレビと上手に付き合わせるために実践したい4つの工夫
子供たちの生活は、もはやテレビと切り離すことはできません。そのため、子供が上手にテレビと付き合っていけるように親が導いてあげる必要があります。
ちょっとした工夫で子供のテレビへの接し方を変えることができますので、実践してみてください。
1テレビに子守をさせない
テレビを子守の手段として利用するのは出来る限り控え、テレビを見る時には出来るだけ傍にいてあげるようにしましょう。テレビを見つつも子供に語り掛けて、積極的にコミュニケーションをとるのがよいでしょう。
子供が歌やダンスを一緒に踊ったりしながら楽しそうに見ていると、ついつい長く見せてしまいがち。最近は、幼児教育や英語教育用のDVDなども充実していますね。しかし、見せる番組を決めて時間が過ぎたら消すようにし、DVDは何度も繰り返し見せないようにしましょう。
また、子供に対して「テレビでも見てなさい」などという言い方をすると、子供の心を傷つけてしまう場合があるので気を付けてくださいね。
2CMはできるだけみせない
番組の合間に流れるCMの中には、急に音が大きくなったり、強烈なフレーズを繰り返したりと、子供にふさわしくない内容のものも多くありますので、出来るだけ見せないようにしましょう。
最近はCMを飛ばして録画する機能があるレコーダーもありますので、活用してみるのもいいですね。
3親がテレビを観る時間を減らす
親は子供の鏡と言われます。親がテレビをダラダラ見ないように注意しないと、その様子を見た子供が真似する可能性がありますので、大人も夜遅くのテレビ視聴は程々にするよう心がけましょう。
4見たい番組が終了したらすぐ消す
視聴したい番組を観終わった後にそのままテレビをつけていると、次の新しい番組が始まってしまいます。
「これも面白そう!」と子供がダラダラとテレビを見続けないよう、見たいテレビが終わったらすぐに消しましょう。
食事中のテレビはNG!
食事中は、家族がコミュニケーションをとる大切な場です。
食事中にテレビをつけてしまうと、その大切な機会を失ってしまうことになります。また、子供はテレビをつけているとどうしてもそちらに集中してしまい、食事が進まなくなることが多いです。
食事中はテレビを消して、子供に幼稚園や学校での様子を聞くなどコミュニケーションをとるようにしましょう。
就寝前のテレビが睡眠に与える影響とは?
テレビから発せられる光には、太陽光と同じブルーライトが含まれています。寝る直前まで長時間ブルーライトを浴びていると、身体が昼間と勘違いして体内時計が狂い、眠れなくなってしまいます。
ブルーライトはかなり強い光なので、長時間見続けると眼精疲労を起こしてしまいます。眼精疲労は眠りの質を下げてしまいますので、朝スッキリ起きられない、疲れが取れないなどの症状が出てきてしまう可能性も…。
また、テレビからもたらされる映像や音声の刺激を寝る直前まで受けていると、脳の興奮が収まらず、寝つきが悪くなるなど不眠の原因になるとも言われています。
子供にとっての睡眠は非常に大切な要素。質の良い睡眠をとれるように、就寝時間の1時間前にはテレビを消すようにしましょう。
また、子供が熱を出して外に出られない時などはついついテレビを見せてしまいがちですよね。テレビを見ていると、体を休めないといけないのに、脳が興奮してしまい良質な睡眠をとれなくなります。子供の体調を早く回復させるには、十分な睡眠と休養が第一ですので、できるだけテレビの視聴は控えるようにしましょう。
テレビを見る時のお約束を決めよう!
子供に毎日のように「テレビ消しなさい!」「いつまでテレビ見ているの!」なんて言いたくないですよね。
特に夏休みなど長期休暇中は、どうしてもテレビを見る時間が長くなったり、夜遅くまでテレビを見てしまいがちです。そこで、テレビを見る時のお約束を決めておけば、テレビを巡って子供と不快な言い争いをする必要はありません。
ルールに従い行動させることは、子供の自立性を育てる上でも重要なことです。
子供と話し合って「我が家のテレビルール」を決めましょう。お約束を決める時には、以下の項目を参考にしてみてください。
1明るい部屋で離れて観る
テレビを見るときの環境は、子供の視力を守るためにも非常に重要なポイントです。是非、お約束に取り入れると良いでしょう。
2時間を決める(30分以内)
テレビを見る時間が長くなると、宿題をする時間が無くなるなど学校生活に影響を及ぼしかねません。
長時間のテレビ視聴は子供の発達に悪影響を及ぼすと言われていますので、1回の視聴は30分を目安にしましょう。
3やるべきことを終わらせてから
「テレビを見るのは、宿題や家庭学習を終えてから」などと決めるのも良いでしょう。子供もより集中して、宿題や家庭学習に取り組めるかもしれません。
また、宿題の代わりに「お片付けを終えてから」「ママのお手伝いをしてから」というルールを決めるのもいいですね。
4新しい番組を見る場合は、今観ているものを一つ減らす
子供は、幼稚園や学校で面白いテレビ番組の情報を得てきます。子供が新しい番組も見たいと言ってきた場合には、今見ている番組を一つ減らすようにしましょう。トータルの視聴時間が増えるのを制限できます。