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優しい子の育て方~遺伝?思いやりを育む秘訣や名前の漢字

優しい子の育て方~遺伝?思いやりを育む秘訣や名前の漢字

優しい子供の性格って、親の態度で育つもの?それとも遺伝なの?子供の性格や性質は千差万別ですが、我が子は誰からも愛される、優しい子に育って欲しいですよね。優しい子を育てるコツや注意点を、詳しくご紹介していきます。

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思いやりと共感力を育む!優しい子に育てるための親の関わり方5つの秘訣

妊婦のお腹にキスする優しい男の子

「子どもが優しく思いやりのある子に育ってほしい」と願う親御さんは非常に多いです。ところが、子どもの成長と共に反抗的な態度が表れてくると、ご自身の育て方に自信を失ってしまう方もいらっしゃいます。

そこでこちらでは、子育て中に親が意識したい優しい子の特徴、思いやりを育むための共感力の重要性、子どもの性格と遺伝の関係、そして優しさを育むための具体的な関わり方の秘訣を解説していきます。

最後に優しさを連想させる名前の漢字もご紹介しますので、これから赤ちゃんの誕生を待つ親御さんもぜひ参考にしてみてください。

優しい子の特徴~親が子どもに望む「思いやり」とは?

転んだ子に声をかける優しい女の子

親であれば、子どもには幸せな人生を歩んでもらいたいと願うものです。過去の調査(平成7年 総務省)でも、日本の親の過半数以上は子どもに「他人を思いやる心」や「規則を守り、人に迷惑をかけない公共心」、すなわち優しい心をもって欲しいと願っている結果が明らかになりました。(注1)

誰かを思いやり、周りに公平に接することができる優しい子は、人から受け入れられやすく、互いに協力し合える幸せな人間関係を築きやすいと言えます。親御さんが子どもに求める優しさの具体的なイメージは、おおむね次のような行動に表れます。

こういった行動の背景にある優しい気持ちは、相手の立場や感情を理解し、思いやる力、すなわち共感力から生まれるものです。

優しい心は親からの遺伝?脳の発達との関係

おじいちゃんの方を揉む優しい女の子

「この親にして、この子あり」ということわざがあるように、子どもの性格や行動には親の遺伝的な要素も関係していますが、必ずしも遺伝だけで決まるわけではありません。環境的要因や脳の発達段階によっても大きな影響を受けます。

前頭前野と偏桃体

人間の感情は、脳内の「偏桃体(へんとうたい)」と呼ばれる部分の興奮などによって形成されます。この偏桃体をコントロールし、理性的に物事を判断する役割を担うのが「前頭前野(ぜんとうぜんや)」です。この前頭前野は、成長と共に環境的な要因の影響を大きく受けて発達します。

例えば、親の気持ちを思いやるのが難しい3歳前後の「イヤイヤ期」は、前頭前野がまだ十分に発達していないため、感情のコントロールが困難な状態です。しかし、成長の過程で子どもが優しい親の姿や言葉を繰り返し目や耳にし、「自分もママ(パパ)のようにしたい」と思って行動することで、前頭前野は活性化します。

そして、自分の優しい言動を褒められることで喜びを感じ、再び同じ行動をしようとする好循環が生まれることで、前頭前野はさらに鍛えられ、思いやりのある言動が身についていくのです。(注2)

優しい子の育て方~思いやりを育む秘訣5

パパに駆け寄る女の子

十分な愛情を注がれ、優しい態度で育てられた子どもは、それを糧に心の中に優しい気持ちを育て、他人を思いやる言動がとれるようになっていきます。子どもの優しさを育むために、親として次のような関わり方を意識してみましょう。

まず子どもの気持ちを受け止めて理解する(共感)

優しい子がもつ共感力は、自分自身が親に受け入れられて育つことで養われます。子どもの態度を改めさせたい場合でも「こんなことをしちゃダメ!」と頭から否定するのではなく、まずはしっかりと向き合って話を聞きましょう。

「どうして叩いたの?」「そうか、〇〇で悔しかったんだね。」などと、まずは子どもの気持ちを理解する態度を示すことが重要です。子どもを受け止めてから「△△君はどう思ったかな?あなたならどう思う?他に方法はなかったかな?」と、親がすぐに答えを出して教え込むのではなく、子どもの気持ちを思いやった上で、子ども自身に考えさせ、答えを出させるのが理想です。

言葉と態度で積極的に愛情を伝える

周りに優しくできる子は、性格が安定しています。たくさんの愛情を受け取っているからこそ相手を信用し、思いやる気持ちを持つことができるようになりますので、スキンシップや会話などを通じて積極的に子どもと向き合い、たくさんの愛情を示してあげましょう。

もちろん、子どもに対して乱暴な態度をとったり、ギスギスした言葉をかけたりすることは、子どもの情緒を不安定にさせるため避けるべきです。

日頃から優しい行動の手本を示す

優しい気持ちや態度は、子どもが親の姿から学習することで体得するものです。ですから、パパやママが小さなころから具体的に優しい行動をとるように努めることが大切です。子育て中は心に余裕を持ち、大人が周りに優しく接しましょう。

「余裕なんて作れない!」と感じる場合は、まず自分自身に優しさを示し、子どもを預けてリフレッシュすることも大切です。それは、子どもが将来必要となるストレスの発散方法を学ぶ上で、よい手本にもなります。

小さい頃から親の優しい行動を目にすることで、「パパやママがやっていることが正しい」と考えられるようになり、自然と優しい態度が身につきます。

優しい行動を具体的に褒める

パパやママの褒め言葉は、子どもがやる気を出す原動力になり、前頭前野を活性化させるのに役立ちます。子どもが小さな子に優しくできた時、忙しいママのお手伝いを積極的にしてくれた時など、優しい態度をとった場合は少し大げさなくらい褒めてあげましょう。

その際は「お友だちにおもちゃを貸してあげたんだね。〇〇ちゃんの優しさでみんな楽しく遊べたよ。」など、具体的に褒めるのがポイントです。子どもにとっても、何がパパやママを喜ばせるのかがわかりやすくなり、自分なりに優しい行動がどんなものなのかを捉えやすくなります。

上手くいかなくても良い関わりを繰り返す

優しい子を育てるためには、できるだけ子どもと向き合うことが大切です。そのため、子どもに話しかけられた際は邪険にせず、きちんと受け答えをしてあげる方が良いのですが、仕事や家事などで忙しい時には難しい時もあるでしょう。

もし少しイラっとしていて「後でね!」と言ってしまっても、自分を責めないでください。子育ては、諦めずに良い関わりを繰り返すことが大切なのです。失敗したからといってあきらめず、できるだけたくさんの愛情を子どもに示していきましょう。

優しい子が「嫌がらせ」を受けた時の親の対応

落ち込む子供と心配する親

性格が優しい子は、集団の場では元気な子に押されてしまいがちで、小さなうちは乱暴な子や意地悪な子からのいじめや嫌がらせを受けやすい傾向があるかもしれません。

成長してからも相手に対する共感力が高いだけに、気を遣うあまりにお友達に強く出られず、親がヤキモキしてしまうことがあります。しかし、相手を受け入れることだけが優しさではないことを子どもが学んでいけば、お友達とのトラブルにもきちんと対処できるようになります。

 

パパやママは、「優しくありなさい」と子どもに強要しすぎることなく、子どもが自分で考えて自ら優しい態度をとれるように、自己肯定感と自己主張の力を育てていきましょう。

例えば、子どもがおもちゃをお友達に貸してあげることができない場合、子どもの中に何らかの思いがあるはずです。このときに「お友達には優しくしないさい」と大人がおもちゃを貸すのを強要してしまえば、子どもは周りから嫌がらせをされた時に対応する能力が身につかなくなってしまいます。

これに対して「どうして貸してあげたくないの?」「どうすれば仲良く遊べるかな?」と、大人がしっかり子どもの気持ちを理解し、子ども自身に行動を考えさせるように指導していけば、「自分の大切なものを守る強さ」と「集団の中で理不尽な嫌がらせを受けた際に身を守れる強さ」が次第に身についていきます。

相手の言いなりになることは優しさではありません。子どもに優しさを教えることは大切ですが、それが自己犠牲を強いる「強要」にならないように心掛けていきましょう。

厳しすぎるしつけは逆効果?バランスの重要性

泣いている子供

過去の調査(平成25年 内閣府)では、「子どもをより良く育てるために、厳しいしつけや訓練は必要だと思う」と答えた親が55%を占めており、しつけの必要性を感じている親が多いことが分かります。(注3)

この結果からも、子育てにしつけは必要ですが、厳しさにはバランスが重要だということがわかります。

 

親がどんなに愛情を持っていようとも、体罰や暴言は子どもの人格や身体を傷つける単なる暴力です。また、過度な甘やかしも真の優しさではなく、親の自己満足になってしまいます。

 

本当に優しい子に育てるためには、子どもへの厳しいしつけの前に、親が子どもを一人の人格として尊重し、まずは自分の感情や行動をコントロールしようと努めることが重要です。

子どもが心から尊敬し、お手本として自然に真似てしまうような存在に親がなろうと努めることが大切です。大好きなパパやママから受ける厳しい注意であれば、子どもは悲しくてもその意味を真剣に考えようとします。

親は、自分の気持ちを優先して子どもに感情をぶつけるのではなく、子どもの気持ちを考えながら向き合い、信頼関係を築くことを最優先にしましょう。不適切な養育や厳しすぎるしつけは、子どもの自尊心を低下させ、自分にも他人にも優しくできない子どもに成長させてしまいかねません。

優しい子をイメージした名前に使える漢字

最後に、これから赤ちゃんが産まれる、あるいは生まれたばかりの親御さんに、優しい子をイメージした名前に使われることが多い漢字をご紹介します。

子どもの名前は、パパやママが初めて子どもに贈る一生の宝物です。「子どもの人生がこうあって欲しい」という愛情を込めて名前を付ける際に、「優しい子」をイメージした場合には、次のような漢字が好まれます。

 

優しい子をイメージした漢字と名前の例

 
       
  • 「優」
    優しさをそのまま表現した、優秀で優しいというイメージの漢字
  •    
  • 「結」
    人と人とを結びつける、絆や繋がりをイメージさせる漢字
  •    
  • 「温」
    穏やかに周りを暖かくすることを表現した漢字
  •    
  • 「寛」
    ゆとりや心の広さ(寛容さ)をあらわす漢字
  •    
  • 「悠」
    広く大きな心や無限の優しさをイメージさせる漢字
  •    
  • 「朋」
    友達や仲間を意味する、多くの人から愛されるイメージの漢字
  •  

このような漢字を使うだけで、名前に込める願いが明確になり、周りが受ける印象も柔らかくなります。願いを込めて、素敵な名前を付けてあげましょう。

 

参考文献

 
       
  • 注1:総務省「子供と家族に関する国際比較調査の概要」
  •    
  • 注2:NHK「ママ達が非常事態!?2」 (脳科学的な知見を参考に加筆)
  •    
  • 注3:内閣府「平成25年度小学生・中学生の意識に関する調査報告書」
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この記事を書いたライター
羽根田るみこ

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!