子供の意思と親のサポートに関する記事

子供の意思はどこまで尊重する?言いなり?法律とのギャップ

子供の意思はどこまで尊重する?言いなり?法律とのギャップ

子供の意思を尊重し自主性の高い子供に育てましょう。法律上の子供の意思能力決定時期、意思の尊重しすぎは我儘になる、意思決定プロセスを応援する親の係わり方、子供の意思がない原因、子供の意思を受け入れられないときの対応法などご紹介します。

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子供の意思はいつから尊重すべき?親の認識と法律とのギャップ

子供の意思を尊重しなければと思うあまり、幼い子供の言いなりになりすぎているパパやママは少なくありません。その結果、我慢ができない子供になってしまうこともあります。

一方、子供の意思をいつまでも尊重せず、無視しすぎるため子供の自己肯定感や責任感が育たず、自分一人では意思決断ができなくなってしまう子供もいます。

双方のデメリットを回避するために、まずは親が子供と意思の疎通ができると感じる年齢と、法律上子供の意思能力が認められる年齢のギャップを理解しておきましょう。

子供との意思疎通はいつからできる?親の主観では2歳前後

指差しで意思を伝えようとする2歳児

「子供との意思疎通ができるようになった」と親が感じる年齢は、子供の発達の状況だけでなく親の受け止め方によっても差が出るためかなり幅がありますが、一般的には2歳前後という声が多く聞かれます。

その一方で、今回ご紹介する体験談を見るとベビーサインで0歳から意思の疎通ができていたという声や、6歳になっても場合によっては難しいという声がありました。ベビーサインとはママやパパが基本的なサインを覚え、赤ちゃんに教えることで0歳から意思の疎通を図る育児法です

年齢が上がるとサインでは表現しきれない複雑な意思を持つ子供が増え、親と疎通することが逆に困難になることも少なくありません。

サトウキビ
29歳

ベビーサインで意思疎通

我が家では子供と生後10ヶ月頃には簡単な意思疎通ができていました。言葉が話せない赤ちゃんでも意思の疎通に困ることはなかったです。

ベビーサインを教えていたためかもしれませんが、「おっぱい、おしまい?」と聞くと手でもっととサインを出してくれたり、食事中に「美味しいね」と伝えると「美味しい」とサインで伝えてくれたりしていました。

猫ママ
36歳

問題が起きると意思疎通ができないことも!?

年長の娘は言葉もしっかりし、6歳らしい成長をしていると幼稚園の先生にも言われています。勿論、普段は意思の疎通もできていますが、感情が高ぶると自分の意思を上手く伝えるのはまだまだ難しいようです。

お友達と喧嘩をした場合や何か失敗すると、泣いてしまい言葉が出ません。そのため何か問題が起きたことはすぐに分かるのですが、具体的に何に悩んだり困ったりして泣いているのか聞き出すまで時間が掛かり、意思の疎通が困難になります。

ゴマ豆腐
39歳

2語文で意思の疎通ができた

子供が2歳になり意思の疎通ができるようになりました。1歳10ヶ月ごろにはぼんやりと「おなかすいたのかなぁ」とか「でかけたいんだなぁ」とか子供の意思は感じていましたが、意思の疎通と言うほどではありませんでした。

しかし2歳になり2語文になったことで、飛躍的に意思の疎通ができるようになりました。勿論、上手く言葉が出ず自分の意思が通らないとかんしゃくを起こしていましたが、これも意思疎通ができることを子供が学んだ証拠なのかなと考えています。

子供の意思は法律上いつから反映される?日本では7歳~10歳ごろから

子供との意思の疎通を2歳前後から行えると考える親が多いのですが、その意思を全て尊重すべきかとなると話は別。

法律として明確な年齢の規定がないものの、司法上では一般的に子供が7歳~10歳ごろになると、意思能力があると認められるケースが多いです。意思能力とは、自分の判断や言動が招く結果を判断する精神的な能力のことです。

離婚の親権問題での子供の意思は?15歳以上になると最大限に尊重される

子供の意思が関わる法律の身近な問題といえば、親権問題でしょう。子供が15歳以上になると、様々な事情を抜きにして基本的に子供の意思が最大限に尊重され、親権者が指定されます。

離婚による親権問題の判断のポイントは子供の年齢が幼い場合、子供がどちらの親により強い愛着を持っているかはもちろん考慮されますが、強く反映されるわけではありません。諸々の事情を考慮した上で、母親に引き取られるケースが多いのが現状です。

子供の意思はどこまで尊重する?「言いなり」ではネグレクトになりかねない

「子供の意思を尊重する=子供の言いなり」と考えているパパやママ、これは間違った解釈です。ネグレクトとは育児放棄のことですが、放任主義と勘違いして子供の意思を尊重しすぎ、放置することでネグレストになるケースもあります

子供の意思を尊重したいママやパパにまず考えて欲しいのは、その行動が子供の健全な成長に必要なことか否かという点です。

例えば、子供が健全な成長を遂げるために親が規則正しい生活を促すことは必要なことであり、子供の現在や未来の幸せを考えれば親として当然のしつけです。

虫歯や発熱など体調不良がある時に病院に連れて行くこと、入浴や着替えで清潔を保つこと、嫌いな食べ物を一口食べるように勧めることなども同様です。

親が声をかけても子供が拒否することはあるでしょう。けれど明らかに病んでいるのに子供のいいなりになって放置すれば、結果はネグレクトされた子供と同じです

子供の意思を無視せず同じ目線で導くことが大切

見つめ合う父親と娘

子供を常に下に見ていると、気づかないうちに大人が一方的な指導者になってしまい、最終的に子供の意思を無視したり、最悪なケースでは虐待に繋がったりすることもあります。

特に習い事や進学などは子供の意思を無視してしまう保護者も多いのですが、思春期以降のトラブルの要因となりますので、子供の課題と自分の課題を区別し、失敗すると分かっていても後遺症が残るほどの危険がなければ、子供が自主的に取り組もうとする姿勢を尊重しましょう。

子供には大人と同等の存在意義があり、子供の意思や意見は大切です。けれど基本的生活習慣が身についていない幼児や社会経験が不足する未成年者には、年齢や能力に応じた大人の保護と自立への導きが必要です。

健全な生育にかかわることについては子供が嫌がっても大人が意見を堂々と通し、その場で従うか従わないかにかかわらず「許さない」という姿勢を通すことが大切です。子供にポイントを伝わりやすくするためにも、日頃から多くの要求をせず、本当に大切なこと以外は子供の意思を尊重してあげてもよいでしょう。

子供の意思を尊重する共有型しつけで語彙力が上がる!?

子供の意思を尊重しつつ親子のふれあいや子供の好きなことを大切にしながらしつけをすることを「共有型しつけ」と言います

共有型しつけでは、子供の疑問や意思を無視して上から大人の意見を押し付けることなく、子供と一緒に問題を解決していきます。

例えば「この花の名前はなに?」と子供に聞かれた場合、「一緒に図鑑で調べてみようか」などと調べるというヒントを出すのです。このような関わり方で子供の意見を無視したり、すぐに大人が答えて済ませたりせず、子供の意思を尊重しつつ子供の成長を促すのが共有型しつけです。

共有型しつけをする家庭は蔵書が多いことが特徴の一つで、語彙力が上がるという調査結果もあります。また親子の会話も大切にするため、コミュニケーション能力や思考力、自主性も向上します。

意思がない子供の意思決定プロセスをサポートしよう!親の働きかけ方

子供に意思がないと親が感じる年齢の場合、子供が自分一人の意思だけでなく親(保護者)の意見を聞きながら最終意思決定をする場面が多いため、パパやママが意思決定プロセスをサポートする働きかけをすることが大切です。

子供の個性や年齢に応じた話し方や接し方を心掛け、子供の意思を無視して親の思い通りに動かそうとせず、子供自身の成長を促すようにサポートしましょう。

年齢が低い子供には親が選択肢を設定する

子供を抱っこする母親

子供の年齢が低く、自分の意思で様々な選択肢を考えられない場合は、親がある程度の選択肢を設定して子供の意思で決めやすくしてあげましょう。

例えば、子供との遊びを決める場合、「今日は何して遊ぼうか?外遊でボール、水遊び、それとも部屋で折り紙やお絵描きをする?」と、具体例を挙げながら決めさせると、子供は意思決定がしやすくなります。

結果を判断できるようになってきたら自分で選ばせる

自分の決定が招く結果を判断できるようになってきたら、判断できる範囲で子供自身に一から選ばせるようにしていきましょう。

ただし対象となる問題によっては、まだ結果を判断できないこともあるでしょうから、そこは選択肢を設定して調整してください。

ある程度結果を判断できる問題で、失敗しても健康を害する重大なトラブルなどが予測されなければ、子供の意思を尊重して小さな失敗を経験させることも大切です。

子供が選択肢に迷ってもできるだけ待ってあげる

子供が選択に迷うと親は急かしてしまいがちですが、子供の意思決定を待つことは自主性を育むための重要な支援です。

もしパパやママに時間の制限がある場合、とりあえずいくつかの選択肢の中から一つ子供に挑戦させてみたり、大人が「これなんてどう?」と提案する働きかけをしたりするとよいでしょう。

子供が大人の提案を拒否したら理由を説明する

子供の意思がハッキリしてくると大人の提案を拒否することもありますが、まずは子供が嫌がる意思と理由を聞き入れ、同意しつつも大人側の提案理由を説明しましょう。

子供に強いこだわり(意思)があるため納得してくれない場合、大人が歩み寄ることが可能であれば子供の意思を尊重してもいいのですが、毎回いいなりになると我慢できない子に育ちますので、時には我慢させることも大切です

時には折衷案を出し、無理な時ははっきりと「もうご飯を作る時間だからできないの。一緒に遊べなくてごめんね。」などと伝え、たとえ不機嫌になられても子供に必要な我慢の訓練だと思って貫きましょう。子育てには加減が大切です。

子供の意思が人を傷つける、本人が傷つく、危険など明らかに間違っている場合は、子供が何を言っても聞いてはいけません。なぜ聞けないか理由を繰り返し伝え、子供が聞き入れるか否かではなく、親が拒否する姿勢を貫くことが大切。白黒をはっきりさせて、ぶれないことが重要です。

意思表示できない子供には?年齢にこだわらず個性に合わせてサポート

子供が年齢相応の意思表示ができないと親が感じる場合、実は意思表示できないのではなく、親が先回りしているため意思表示をする必要がなかったり、おっとりした子や落ち着きがある大人しい子のため不満がなかったりするケースが多いです。

親としてはイライラするかもしれませんが、経験の少ない子供と親の価値観や感じ方が違っても、それは当たり前のごく自然なことなのです。

ただし子供に自閉症スペクトラム障害がある場合、赤ちゃんの頃は意思表示が極端に少なく「手がかからない子だ」という印象を親が持ち、その後発語が遅いなどの理由から発達の遅れが気になり、障害が発見されるというケースがあります。

また言葉を話せるのに答えないなど、子供が不自然に意思を話さなくなる場面がある場合は、「場面緘黙症」という障害を隠し持っていることもあります。

障害があるにせよないにせよ子供の意思がハッキリしない場合は、責めたり年齢にこだわったりせず、子供の個性に合わせて意思決定プロセスへのサポートをワンランク落として対応しましょう。

子育て4コマ漫画:子供の意思を上手に尊重するコツとは?

子供の意思についての子育て4コマ漫画

子供の意思を100%尊重するのは不可能ですし、子供の健全な生育にマイナスになります。とはいえ意思を尊重することは大切で、そのバランスを取る方法が分からず困ってしまうパパやママも多いでしょう。

怒って突っぱねれば嫌われるし、ダメと言えば泣き叫ぶし、と受け入れられない時は悩むと思いますが、そんな時は永岡さくら(SAKU)さんの子育て4コマ漫画のように、共感して受け入れることで子供の共感力が高まるエンパシー教育をしてあげましょう

子供の意思を頭ごなしに否定せず、「そう思うんだね」「そうしたいんだね」と言うところから始めて気持ちを受け入れつつ、大人として子供の健全な生育に役立つ正しい判断を行っていくことが大切です。

この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪