ボーイスカウトとは?年齢/費用/活動など気になる疑問への回答
子供が大きくなってくると、考えてしまうのが習い事ですね。いろいろな技術や経験を積んで、子供の才能を伸び伸びと広げたいと思うなら、ボーイスカウトを選択肢の一つに入れてみませんか?「ボーイスカウトは子供の人生に必要な、強い精神力とスキルを学ぶことができる」と、昔からママ達に人気のある団体の一つです。
実は、意外な有名人や芸能人も、ボーイスカウトで活動した経験を持っているのだとか。しかし、ボーイスカウトという団体の名称は良く知られていても、どうしたら参加ができるのかなどは意外と知らないママが多いようです。そこで今回は、ボーイスカウトの魅力についてご紹介しながら、参加できる年齢や費用、活動内容など12のよくある疑問を、体験談を交えながら詳しくご紹介していきます。
ボーイスカウトとはどんな意味?
ボーイスカウトとは、男の子を意味する「ボーイ」と、探し出す・先駆者を意味する「スカウト」を合わせた言葉です。将来、先駆者として社会発展に寄与できる青少年を育成することを目的に、一つの地域や国だけでなく、世界的な広がりで仲間とともに協力し、自然の中で遊びながらさまざまな知識やスキルを身につけていく団体なのです。
ボーイスカウトの始まりは?
ボーイスカウトの歴史は古く、始まりは1907年と言われています。ボーイスカウトの創始者は、かねてから少年たちの教育に関心を持っていたイギリスの退役軍人、ロバート・ベーデン パウエル卿で、イギリスのブラウンシー島に20人の少年を招いて実験キャンプを行ったことを原点に、活動が始まりました。
この実験キャンプは多大な成果をあげ、キャンプでの生活は少年たちの旺盛な冒険心や好奇心を育み、「遊び」を通して子供達に自立心や協調性、リーダーシップ社会的なルールを学ぶ効果があるとわかりました。そしてこの健やかな子供を育成し、将来社会で役に立つ人間に成長させようというボーイスカウト運動は、世界中へと広まっていったのです。
日本でのボーイスカウトの始まり
日本にボーイスカウト運動が伝わったのは、明治41年、1908年のことです。日本でも未来を担う少年の教育に対する関心は高く、当時は「少年団」という名称で日本全国へとボーイスカウト運動は広まっていきました。その後、数多く誕生した少年団を全国的に統一しようという動きが起こり、大正11年、1922年4月13日に統一組織である少年団日本連盟が創立され、現在のボーイスカウト日本連盟の前身が作られました。
この時、日本も世界規模で広がっているボーイスカウト国際事務局に正式加盟することになり、世界的な規模のボーイスカウト運動へ参加することとなったのです。
ボーイスカウトの規模はどれぐらい?
イギリスではじまったボーイスカウトは、今や世界的な広がりを見せ、世界の162カ国でボーイスカウト運動が活動をしています。現在ボーイスカウト日本連盟には、約13万人の少年が参加していて、世界規模では約3,600万人もの子供達が楽しく活動をしているんですよ♪
ボーイスカウトってもしかして宗教団体?
ボーイスカウトを宗教団体ではないかと気にするパパやママもいますが、ボーイスカウトは宗教団体ではありません。また、宗教を問わず参加をすることが可能です。ただし、団によってはキリスト教について学ぶ機会を設けているケースや、神社やお寺のなどの宗教団体の支援を受けて活動をしているケースもありますので、宗教団体と混同されることが多いのも事実です。
ボーイスカウトでは、「信仰をもつことは、誰も見ていなくても正しい行いをするモラルや、他人や自然を大切にする心を養うために必要」と考え、信仰を持つことを推奨しています。しかし、それは少年たちの自発的な信仰を促すものであり、ボーイスカウトという団体として特定の宗教を強制していることではありませんので、安心して下さいね。
ボーイスカウトの対象年齢と構成
ボーイスカウトでは、異年齢の少年にそれぞれの発達状態に応じた指導を進めるため、年齢によって5つの隊に分かれて活動しています。ボーイスカウトでは、基本的に制服を身につけてチームワークを高めていますが、それぞれの隊によって制服のバッチが違うなど、学ぶ内容や活動にも違いがあります。
ビーバースカウト隊
ビーバースカウトは、小学1年生の4月から小学2年生の3月までの児童を対象とした隊で、遊びを中心とした活動をしながら、集団のルールを守ることを覚えさせ、進んで集団に参加する心を養うことを目的としています。
ビーバースカウト隊の中でも更に学年ごとに分かれていて、小学1年生は「ビーバー」、小学2年生は「ビックビーバー」となります。
カブスカウト隊
カブスカウトは、小学3年生の4月から小学5年生の3月までの児童を対象とした隊で、異年齢のグループの中でさまざまな知識や常識を身につけ、それぞれの持つ個性を発揮する方法を学ぶことを目的としています。
小学さ3年生は「うさぎ」、小学4年生は「しか」、小学5年生は「くま」で、所属する隊によって若干違いはありますが、基本的には4月になって学年が上がると、ボーイスカウトでも進級することになっていますよ。
ボーイスカウト隊
ボーイスカウトは小学6年生の4月から中学3年生の3月までの児童を対象とした隊で、異年齢のグループの中で役割と責任を分担して活動をし、さまざまなスキルを学ぶことによって未知の出来事にも対応できる能力と精神力を養うことを目的としています。
ベンチャースカウト隊
ベンチャースカウトは、高校1年生の4月から高校3年生までの児童を対象とした隊で、活動を通して自分自身のアイデンティティを確立し、社会に参画する奉仕の心を養うことを目的としています。自分で考えて積極的に、自発的に活動に参加することが必要となるのですね。
ローバースカウト隊
ローバースカウトは、大学生以降(18歳以上)から25歳までの成人を対象とした隊で、活動を通して良き社会人としての実践的活動を行うことを目的としています。ローバースカウトになると、「おきて」と「ちかい」を元に、自ら責任を持って地域や環境のために活動することが求められますよ。
ボーイスカウトにかかる費用は?
子供の習い事には費用がかかるものですが、ボーイスカウトではできる限り少ない費用で活動ができるように配慮がされていて、スポーツや音楽などの習い事に比べて費用が控えめな傾向があります。
活動する団や隊によって違いがありますが、一般的に次のような費用がかかります。
ボーイスカウトの費用の相場
- 入団費…初年度のみ4,000~5,000円
- 年間登録料…年間4,000~5,000円
- 資材費や交通費…月1,000~2,000円
- キャンプの積立金…月1,000~2,000円
- 制服等の購入費…5,000~10,000円
兄弟で入団している場合には、二人目以降の費用の割引をしてくれる団も多いですよ。また、制服などは先輩たちのおさがりをもらえることもありますので、比較的費用は抑えられるシステムになってはいるようですね。
年度途中の参加の場合は、年間登録料も変わってきますので、費用については直接お近くの団に問い合わせるといいでしょう。
活動に満足できれば費用は安く感じます
静岡県連盟のボーイスカウトに7才の息子が入っていました。入団時は登録費と活動費、それから制服などのお金が約23,000円程度かかりました。ただ、登録費は年に一回、活動費は年に二回の支払いでしたので、月に換算すると約1,300円程度だそうです。ボーイスカウトは、活動に満足できる子であればとても安く感じると思います。息子は自然が大好きで、皆と活動する一つ一つのことに興味津々だったので、私は活動費に関しては安いと感じました。
制服などの費用に関しては、正直高いなと思いました。シャツとパンツが約3,000円で、キャップが約1,500円、あとはベルトやスカーフ、ストッキングなどが800円前後でした。入ったからには長く続けないと勿体ないなと感じました。なるべくサイズを買い換えないように、最初に大きめのサイズを購入しました。また、入団してからは大きい子のお古がもらえたので、そちらも利用しました。その他、臨時の費用としては、夏の合宿代がかかるのですが、こちらは毎年内容によって金額が違いました。大体一万円用意しておけば安心できましたよ。
ボーイスカウトに入団できる時期はいつ?
基本的にボーイスカウトは年時制をとっていて、4月の進級にあわせて隊が変わりますが、年度途中いつでも入団を受け付けています。まずはお近くの団に連絡をとり、一度活動日に見学をさせてもらってから入団を検討するといいでしょう。
ボーイスカウトは小学1年生になれば、ビーバースカウトから入団することができます。ただし、小学校入学前でも幼稚園年長の1月から仮入隊という形で、保護者と一緒に活動できる規定がありますので、こちらも団に直接相談をしてみるといいですね。
親の活動は大変?保護者同伴でないと入団できない?
ボーイスカウトでは、専門の訓練・研修を受けたボランティアが指導員として子供たちの指導に当たりますが、保護者は子供を会場まで送り迎えをするだけでは済みません。大会や発表会など、子供の習い事は保護者の手伝いを必要とするケースが多いものですが、ボーイスカウトでもある程度の保護者の参加が求められます。
保護者の参加の頻度や親の活動内容は、所属する隊やその日の活動内容によっても違いますが、
- 遠くへ出かけるときの子供達の引率の補助
- 子どもたちの作業の補助
など、必要に応じて指導員の補助を保護者が担当します。
ボーイスカウト活動への保護者の協力の場は、同年代の子供をもつ保護者同士の良い交流の場でもあります。中には何度か保護者として参加しているうちにボーイスカウト活動に興味をもち、指導員になった保護者の方もいるので、家族で楽しく参加できるのもボーイスカウトの魅力の一つといえますね。
ボーイスカウトとガールスカウトの違いは?
ボーイスカウトに対してガールスカウトという団体があり、この二つは性別で分かれているイメージがありますが、ボーイスカウトは実は男の子だけではなく、女の子でも入団ができます。もちろんボーイスカウトは設立当初は男の子を対象とした社会教育活動だったのですが、社会教育に男女の差はないという考え方から、数年前に規定が見直され、女性の指導員がいる場合には、女の子もボーイスカウトに入団できるようになったのです。
女の子の受け入れをしてくれるかどうかは、指導員の配置状況や女子更衣室の有無などの団の施設、活動内容によっても変わってきますので、女の子の入団を希望する場合には、直接団の方へ相談をしましょう。
ガールスカウトとは、「女の子には女の子に適した指導方法がある」という理念で発足した、ボーイスカウトとは兄弟関係にある団体です。ガールスカウトも良い社会人となる人間の育成をするという理念は同じなのですが、ボーイスカウトとくらべると次の特徴があり、アクティブな経験を求めて、あえてボーイスカウトの門をたたく女の子も多いようです。
ガールスカウトの特徴
- 女性としての教育を目的としている
- 女子以外は入団できない
- インドアの活動が多い
ボーイスカウト芸人や有名人を教えて!
ボーイスカウトは、世界的に広がりのある団体で、多くの著名人を輩出しています。世界的にはアポロ11号に搭乗して人類初の月面着陸を成し遂げたニール・アームストロング船長もボーイスカウト経験者ですし、マイクロソフト社の創業者の一人であるビル・ゲイツもボーイスカウトで活動をしていました。
日本人としてスペースシャトル・ディスカバリーに搭乗した宇宙飛行士の野口聡一さんも、ボーイスカウト経験者で、宇宙空間で各国の飛行士と協調していく能力はボーイスカウト活動で養われるという評価から、約300人の宇宙飛行士のうち約200人はボーイスカウト経験者だそうですよ。
お笑い芸人の宮川大輔さんの素晴らしいサバイバル術もボーイスカウトで養われたものですし、「ジャニーズのタレントもボーイスカウト率は高い」といわれていて、ボーイスカウト活動で学んだ社会性やコミュニケーション能力はさまざまな分野でも役立っているようです。
ボーイスカウトはいつ、どこで、どんな活動をするの?
ボーイスカウトの活動は団や隊によって違いがありますが、アウトドアでの活動を中心に、自然を学び、友情や協調の精神を育てるさまざまな活動を行います。活動を行うのは主に土曜日の午後や、休日で、学校の勉強や塾などの学習の妨げにはならないように配慮されています。
ボーイスカウトの主な活動内容
- 工作
- ゲーム
- 歌
- 演劇
- 手旗やロープなどの練習
- キャンプ生活の基本 など
春休みや夏休みなどの長期休暇を利用してキャンプに出掛けて、交流を深めながらさまざまなスキルを学ぶこともあります。子供達にとっては楽しい経験ですね。
ボーイスカウトの教育内容は、子供の年齢に応じたカリキュラムを採用しています。いろいろな課題をクリアすることで上級に進んでいく進級課目と、自分で選んだ知識や技能を修得する選択課目があるので、画一的な教育ではなく、子供達一人ひとりの個性を尊重して、良い所を伸ばしていくことができます。
ボーイスカウトに入団する時の「おきて」って何?
ボーイスカウトの活動は、「ちかい」と「おきて」の実践を基盤としています。ちょっと堅苦しく感じるかもしれませんが、「ちかい」は自分自身に対しての制約であり、「おきて」は毎日の生活の指針となるものとして位置づけられています。ちかいやおきての他にも、ボーイスカウトに入団するためには、仲間たちの前でやくそくをたてなくてはいけません。
これは強制的なものではなく、あくまでも団員になるための自発的意思に基づく誓約で、仲間の前で制約をすることによって、目的意識を高めてて自分自身を律する効果があります。こうした約束や誓いは、隊によって若干の違いがありますが、内容は世界共通です。こういった普遍的なルールがあるからこそ、ボーイスカウト活動は人種や国境、宗教の壁を越えて共有することができるといえます。
ボーイスカウトの「ちかい」と「おきて」は、空手などの武道の道場訓と似たような内容ですので、日本人にとってはとても親しい見やすいものですよ。
どんな理由で退団する人が多いの?
ボーイスカウトは、子供達が楽しい活動を通してさまざまな知識や技能を学べる場ですが、やはり子供によっては向き不向きがあって、活動に慣れないために辞める子供もいるようです。アウトドア自体がイヤな子もいれば、集団生活に慣れない子もいますので、親の希望で無理やり続けさせて子供に負担をかけるよりは、退団することを検討することも必要かもしれませんね。
また、学年が上がるにつれて、塾などで忙しくなってやめる子供も多いそうですよ。保護者の活動もありますので、親同士の交流がスムーズにいかない、就業や下の子の世話などで保護者の活動自体が続かないといった理由で退団する家庭も多く、家庭によっても向き・不向きがあるのかもしれませんね。
ボーイスカウトに入団させてよかった!?先輩ママの体験談
ボーイスカウトに子供を入団させた、先輩ママの体験談をご紹介します。実際に我が子を入団させて、どのようなメリットがあったのでしょう?
泣き虫が克服できたかな?
女の子2人、男の子1人のママです。ウチの長男は女の子の中で育ったせいか内向的で、私にくっ付いていないと不安で泣いてしまうような子だったのですが、近所のママ友にすすめられてビーバーからボーイスカウトに入れたところ、男の子らしさが芽生えたようで、すごくたくましくなりました。
まだ小さいので保護者同伴の活動ですが、周りの人の目があるので困っても私を頼ることもできず、自分で頑張らないといけないことを自然に学んだようです。私としてもどうしても家庭にいると長男が泣いたら手を出してしまいがちだったのですが、トラブルがあっても指導員の方が見ていてくれるので、親としても安心して良い意味で距離が置けて良かったです。
子供が楽しめればいいと思います
小学生5年の長男と、小学生2年の女子がいます。近所の公民館を使って活動しているボーイスカウトの団がありまして、長男は小学2年生から、長女は1年生からボーイスカウトに入れました。山登りやテント張り、キャンプやウォークラリーと、子供達も楽しいようですよ。募金活動などもあるので、子供がボランティア活動をする機会があるのも良いことだと思います。
娘は女の子なので入団させる気はなかったのですが、一度キャンプに連れて行ったところ気に入ってしまって、そのまま入団しました。いろいろな年齢のお兄ちゃんやお姉ちゃんと交流できるので、とっても楽しいそうですよ。
親子3代を目指します
昨年、念願の男の子のパパになりました。私は父親がボーイスカウト経験者でしたので、小学生の頃からボーイスカウトに入って、アウトドア活動を通してさまざまな楽しい経験をしました。ぜひ我が子にもこの経験をしてもらいたいと思っています。
私がボーイスカウトに入って良かったと思うことは、早いうちに大人との距離感を学べたことですね。目上の人に対する敬語の使い方や話し方は、自分の先輩を見て自然に覚えることができました。就職してからも「君は礼儀正しいから、取引先にいかせても心配はない」と良い評価につながったと思います。子供は幼少期に全くの他人と接する機会がないので、良い経験になると思います。
ボーイスカウト活動の趣旨を理解して楽しく参加しましょう
ボーイスカウトは塾やスポーツ系などの習い事と違って、成績などの目に見えるような効果はありませんが、子供の精神を鍛える、良い学びの場を提供してくれます。学んだ成果によってはバッチなどの評価制度もあって、子供のやる気を刺激する要素も盛りだくさんなので、もし興味があるのであれば、お子さんと一緒に見学に出かけてみるといいですね。
ボーイスカウト経験者の多くが、「ぜひ自分の子供も入団させて良い経験をさせてあげたい」と言うように、ボーイスカウトの活動は元気な男の子にとって魅力的なようです。保護者としての活動は大変な面もありますが、子供の成長を目の当たりにできる良い機会と考えて、パパもママも楽しく参加できるといいですね。