イクボスは子育て世帯の救世主!?日本各地に潜む素敵な上司体験談
最近「イクボス宣言」という言葉を耳にする機会が増えましたが、そもそもイクボスってどんな人なのでしょう?
核家族化や少子化、グローバル化などに伴い日本社会が変革期を迎える中で、従来通りの考え方では社会が成り立たなくなってきている現代。時代を先駆けて牽引する「イクボス」。
こちらでは、そもそもイクボスとはどのような人か、イクボスチェック、イクボス検定や企業同盟、イクボス川柳と体験談をご紹介します。時代に後れとらないように、あなたもイクボスを目指してみましょう。
イクボスとは?
イクボスとは、部下の子育て・介護・地域活動などに理解を示し、差別せずに多様性を活かして業績を上げる上司のことです。
2013年、群馬県庁で行われた「イクボス養成塾」で初めて公の場に誕生した言葉で、日経新聞やNHKなどのメディアで取り上げられたこともあり、現在経営者や管理職の間でも注目されるワードとなりました。
あなたはイクボス?チェックしてみよう
2014年、NPO法人ファザーリング・ジャパンは「イクボスプロジェクト」と称し、自分がイクボスであるかをチェックできる「イクボス10カ条」を定めました。あなた(又は夫)はイクボスでしょうか?ぜひチェックしてみましょう。
あなたのYesの数は個です。
YESの数が0~4つ
残念ながらあなたはイクボスとは言えません。
イクボスは、日本社会や企業の発展に重要なキーマン。時代の変化やニーズを理解し、企業体質を理由に努力を怠らず、有能な人材確保や部下のモチベーションアップを図れるように、まずは現代の育児事情から理解していきましょう。
YESの数が5つ以上
あなたは今後の日本社会を担うイクボスである可能性大です!まだイクボス検定やセミナーを受けていない場合、セミナーなどを活用してさらにイクボスへの知識を深めることをおすすめします。
イクボスとして働き続けるには有言実行させるための知恵や努力が必要ですので、目に見えぬ苦労や心労も少なからずあることでしょう。けれどあなたのその苦労を言葉に出さずとも部下は見ています。そして心の中で感謝し、その結果として仕事へのモチベーションや愛社精神アップに繋がっています。
実際に10カ条全てを満たすのは至難の業!そのためイクボスは自らの私生活やメンタル面の充実を後回しにする傾向がありますが、あなたあってこその部下やその家族の幸せです
厚生労働省が発表した平成26年のうつ病などの気分障害患者総数は、医療機関を受診した人だけで11万人以上。(注1)
こうした事実をしっかりと自覚し、バランスのとれた心身の健康を保つために、率先して私生活がより豊かになるように意識しましょう。
イクボス検定や企業同盟
近年、各地でイクボス育成に役立つセミナーが行われるようになり、厚生労働省も対外的にイクボスであることを宣言する「イクボス宣言」を推奨していますので、小池都知事をはじめとする多くの都道府県長や市長などが続々とイクボス宣言をしています。(注2)
こうした社会の流れもある中、2017年よりイオングループではスマホを活用した「イクボス検定」を導入し、毎月管理職が受ける制度を作りました。
ファザーリング・ジャパン・イクボスプロジェクトのホームページでも、イクボス10カ条に沿ったイクボス検定の模擬試験を受けることができます。部下への伝え方、仕事や会社への根本的な考え方などが問われているため、経営者・管理職・社員・家族の全ての人が、一度自分の考え方を見直すためにも受けて見るとよいでしょう。(注2)
またファザーリング・ジャパンでは、条件を満たすイクボス加盟企業を募っており、イオングループだけでなく大手製薬会社や銀行、建設会社、ガス会社、保険会社、日本産婦人科などが続々と加盟し、今なお増加中です。
イクボス加盟企業の条件
- ダイバーシティ経営を推進している(又はこれから行う)
- 管理職の働き方や意識改革を手探りしている
- 経営者がそれを理解し、経営戦略として明言している
社員の本音!イクボス川柳&体験談
ブラック夫やワンオペ育児に嘆く家庭がある反面、イクボスの存在に救われている家庭もあります。
イクボス企業同盟に加盟する会社はもちろん、イクボス宣言していなくても、同盟加盟企業で働いていなくても、自らの人格と判断でイクボスとなっている先駆者は、全国各地で子育て世帯や日本社会を支えています。そんなイクボスへの部下と家族の本音を覗いてみましょう。
パパさん部下達の体験談
「イクボスの ナイスな配慮に ただ感謝」
私は男性で、米軍基地内のホテルで勤務しております。イクボスという言葉は知っておりましたが、実際にそんな目にすることは初めてでした。
特に企業同盟や検定合格者というわけではありませんでしたが、私の上司はフィリピン人の男性上司です。妻も今まさに生まれたばかりの子どもを育てているために、日本において男性が育児休暇を取れないことをとても嘆いているせいか、私が育児のために申請した休みは快く許可をしてくれます。
息子が急な病気で引き取りに行かなくてはならなくなった時などには、「いいよ、いいよ、今日はヒマだからGOGO!」と、たった20分しか勤務してなかったのにすぐに帰る許可をくれました。
そのことを妻に話したら、「そんな職場なかなかないから絶対辞めちゃだめよ」と後押ししてくれました。こういった上司の存在が職場の環境をよくし、ひいては社員の仕事に対する効率を上げていくのではないかと感じました。
「イクボスの いつでもいいよの 安心感」
20代後半の男性です。上場企業の営業職をしていました。会社はイクボス企業同盟に加盟しています。
結婚・子どもの誕生を迎えるまで、イクボスという言葉は知っていましたが、特に仕事の中に意識することはありませんでした。出産を期に妻が体調を崩してしまい思うように子育てができなくなってしまったことから、上司に相談し、営業職から在宅勤務でのアシスタント職に切り替えてもらいました。
その際、上司は特に嫌な反応をせず、「家族が第一。営業復帰はいつでもいいからたまに状況を教えてほしい」と言ってくれました。家族が苦しい状況にある中、職場の上司がそれを受け入れ、仕事に融通を効かせてくれたことは何よりの安心感につながりました。
家族とも「良い上司だね」と話していました。イクボスが職場にいることで、安心して家族を持ち、子どもを育てる環境がはぐくみやすくなると思います。
風邪ひいた 子どもをために 休みとれ
育児中のパパです。職業は介護職をやっています。上場企業ではありません。私はイクボスという言葉は知りませんでした。
私の上司であるイクボスは、双子の子どもが朝から風邪を引いてしまった時、妻だけでは病院へ連れて行くのが大変だったので、ダメ元で上司に電話をすると、快く休みをとらせてくださいました。その出来事があってイクボスだなと思いました。
介護職でそのような事には寛容なイメージはあるものの、中々子どもの風邪ぐらいで休むことがまだまだ許されない世の中。ありがたい対応でした。家族も「ダメ元で頼んだのに、すごく理解のある上司だね」と話しています。
双子という特殊な状態ではあるものの、核家族の世の中で社会と家庭を守って行く上では非常にありがたい環境での子育てが出来るなと思います。
イクボスの 行動一つで 育児増す
システムエンジニアの男性です。職場は上場企業でイクボス企業同盟にも加盟しています。上司はイクボス検定の合格者です。
上司は月曜日と木曜日には必ず定時でご帰宅されます。理由としてはご家庭で食事の準備や子供の面倒を見るためのようですが、お子様を持たれている上司の場合、自分が同じような境地になった場合、また子供や妻が熱を出している場合に、急遽在宅勤務に切り替えることや、お休みをいただくことがしやすいことがあります。
「特に無理をして会社に行く必要はない」とはっきりと言っていただけますので働きやすく、この言葉で何度も救われたことがあります。
私の上司のようなイクボスがいると、家庭での団欒時間も自然と増えてきますし、その分いい仕事をして成果を出して行きたいという気持ちも強くなり、相乗効果があります。
ママさん部下達の体験談
「イクボスは 育児も仕事も 良き先輩」
情報サービス業の事務をしていて、上司の女性がイクボスです。私の会社は非上場の中小企業で、出産するまでイクボスという言葉は知りませんでした。
その上司は自分も2児の母で、たまに子供の風邪などで休むことはありますが、それ以外の時に完璧に仕事をしているので、急な欠勤でも堂々としています。復帰直後の私が子供の事情で欠勤が続いた時、「有給休暇は権利だから、胸を張って休んでいいよ」と言ってくれ、とても感謝しています。
その話を主人にしたら「素敵なイクボスだね」と言っていて、初めてイクボスのことを知りました。職場にイクボスがいてくれたことで、家事育児と仕事のメリハリがついて仕事の効率が上がり、この会社に長く勤めたいという気持ちになれました。社員としても母としても尊敬できる先輩で、とても感謝しています。
「イクボスが いるから今日も がんばれる」
女性で、産婦人科の受付をしています。個人の産婦人科医院で、上場企業ではございません。イクボスという言葉は全く知りませんでした。今回初めて聞きました。
子どもが保育所で何かあった際に、すぐに仕事を抜け出して保育所に駆けつけるように言って下さいました。また、いつも私の子どもの事を気にして下さり、子どもの予防接種も打ってもらいに毎回行っています。
夫も私の医院の医院長であるイクボスに感謝をしていて、事あるごとに「良い職場に出会えて良かったな」と言ってくれています。本当に今勤めている医院の医院長が、イクボスで良かったです。
イクボスがいないと、仕事と子育ての両立は難しいです。私はイクボスがいるおかげで今の生活を継続する事ができ、家族とも幸せに暮らすことが出来ています。
「イクボスは 未来の日本を 救う星」
私の勤める会社はイクボス企業同盟に加盟していません。情報サービス業で働いていますが、娘がインフルエンザで長期の休みが必要だった時、イクボスの上司から「仕事のことは気にせず、ゆっくり休んでいいから。うちは社長もそういう方針だから」と突然言われ、正直目から鱗でした。
私の後に入社した幼児を持つシングルマザーも、子供のことで頻繁に休んだり早退したり遅刻したりしていますが、嫌な顔なんてちっともされません。だからよく「ありがたいね。頑張ろうね。」と話しています。
イクボスや社長は男性ですが「子供や家庭の事情なら、連絡が後になっても問題ないから優先して!」と宣言しています。またイクボスは部下の個性に合う働きやすい仕事を考えてくれるなど、仕事の甲斐や働きやすさまで念頭に置いて、業績を伸ばす方法を思案してくれています。
常日頃からこんな素敵な会社に再就職できたことや上司を自慢したいほど感謝していた矢先に、「イクボス」という言葉を知りました。主人は休みが少ないので「いい会社に入社できてよかった」と喜んでくれていて、娘は「大きくなったらママの会社に入りたい!」と言ってくれます。すべてはイクボスである社長や上司のお蔭です。
日本の未来を担う若い世代を産み育てるのは、親だけでは困難です。少子化対策のためにも企業発展のためにも、私の会社の様な部下や社員を前向きな気持ちにしてくれる企業やイクボスが増えて欲しいと思います。
イクボスで ママも仕事も 頑張れる
育児をしながら介護士として働いている主婦です。職場は身体障害や知的障害のある方の生活を支援する福祉事業所です。とくに上場企業などではありません。
私が働いている福祉事業所の所長さんは女性で、部下にあたる従業員の人たちのことをいつも親身になって考えて下さっていて、従業員の生活をとても大事にしてくれています。
仕事と私生活の両立、とくに女性が働きやすい職場作りなどについても日々勉強されていて、「イクボス」という言葉も所長さんから教えてもらいました。イクボス企業同盟や検定があることも聞いたことはありますが、所長さんがそこまでかどうかは分からないです。
所長さんは、私が小さい子どもを保育所に入れて働いていることをいつも気づかって下さり、子どものお迎えに遅れないように早めに仕事を終わらせてくれたり、子どもが熱を出したりするとすぐに代わりのスタッフさんを用意して帰らせてくれたりします。
主人もそんな所長さんの心遣いにいつも感謝しています。もっとイクボスの存在が世の中に浸透していけば、女性も働きやすい社会になるのではないかと思います。
イクボスの 優しい言葉に 涙する
とある上場企業で部長秘書をしております。上司が大変イクボスで、イクボス検定合格者です。
1人目の子供を出産し仕事復帰をした3ヶ月後に、まさかの2人目の妊娠が発覚しました。これまで子供の健診や予防接種、急な発熱等で仕事を休んでしまう事が度々ありましたが、上司も2人の子を持つ父親なので毎回理解をしてくれていました。
ですが復帰間もない妊娠で『さすがに会社にも大きな迷惑をかけるし、言いにくいな』と思いながら恐る恐る妊娠報告をしたところ、「おめでとう!!それは〇〇ちゃん(我が家の第一子)にとって、最高のプレゼントだね!」と満遍の笑みで返してくれました。
私自身、思いがけない妊娠で喜びの前に戸惑いが大きく、仕事と育児とお腹の赤ちゃんを両立できるのだろうかと不安に思っていたところでしたが、私の子供の目線に立って喜んでくれた事が目からウロコでした。
その言葉を聞いて『あぁ、心から喜んでいいんだな』と気持ちが軽くなりした。それと同時に『部下の幸せを喜べる上司って素敵だな』と思いました。
ワーキングマザーは悩みが尽きないものです。こんなイクボスがもっとたくさんいたら、お母さんたちの心も軽くなるのかなと思います。
イクボスの 心の広さ 日本一
私の職場には女性のイクボスが居ます。私は法人で経営している介護施設の経理担当者です。私はイクボスという言葉を最近知りましたが、まさにこの上司にぴったりだと思います。
上司は小学生と保育園児の子供が2人居ます。2人とも習い事をさせるなど育児に対しても手を抜いているところはありません。もちろん仕事でも愚痴なんていう事なく、仕事を淡々とこなす方です。
そして更に凄いのが、旦那さん管理者をやっており、とても忙しい人なのです。そんな忙しい環境の中、仕事も育児も頑張っている姿を私は尊敬しています。もちろん旦那さんもこんなに頑張りっぱなしの奥さんには「こんなに文句を言わずに居てくれる嫁さんだから俺もここまで働ける」などと感謝しかないようです。
私自身も同じ部署で働かせてもらっていて、子供がいる中働いている同士として、いつも励まされています。急な子供の体調不良などの休みでも快く休みをくれて、サポートをしてくれて、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。このようなイクボスが居るから、子供が居ても正社員で気持ちよく働けると思っています。
イクボスが そこにいるから 働ける
女性です。民間の福祉系企業で働いています。上場企業ではありません。今までイクボスという言葉は知りませんでした。しかし私の上司こそイクボスであると感じました。
なぜかというと私は2児の母でありながらフルタイムで働いており、保育園からの呼び出しがしょっちゅうあります。そんな時、快く笑顔で「いっておいで」と送り出してくれるのです。
私の担当するプレゼンがある大切な日に子供が熱を出してしまっても、私の代わりにイクボスがプレゼンをしてくれました。旦那は仕事を休むことが絶対に出来ないので、彼もこの上司には本当に助けられていると感謝しています。
イクボスがいなければ私が仕事を続けることはできないし、本当に感謝しているからこそ、普段の仕事は迷惑をかけないように一生懸命やろうとモチベーションが上がります。