マイナンバー法の概要と影響に関する記事

『マイナンバー法で実際あなたが受けるメリット・影響とは?』

マイナンバー法とは「税」「社会保障」「災害対策」で活躍が期待されている個人番号です。このマイナンバーが及ぼす影響を解説。

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マイナンバー法の概要と生活への影響とは

平成27年10月5日にマイナンバー法が施行されました。そして、平成28年1月からいよいよマイナンバー制度が導入されますが、基本的な概要を知らない人のために分かりやすく解説してみましょう。

マイナンバーとは、国民一人ひとりに付けられる12桁の個人番号のことです。法人には、法人番号が付けられます。番号が漏えいし、不正に使われる恐れがある場合を除き、個人が一生使うものですので大切にする必要があります。

本人確認の際の身分証明や行政手続きの各種オンライン申請などのサービス、様々な行政サービスが受けられるようになるICカードです。

各分野で活躍が期待されるマイナンバー法案

マイナンバー制度の導入における趣旨として、公平・公正な社会を実現する社会基盤として、「税」「社会保障」「災害対策」の各分野において活用出来るマイナンバー法案が成立しました。以下、内閣府発行のマイナンバー法の概要として一部を挙げてみます。

マイナンバー法の概要

  1. 「マイナンバー法案の概要」として、第1章総則(第1条~第3条)
  2. 第2章個人番号(第4条~第13条)
  3. 第3章特定個人情報の保護等(第14条~第30条)
  4. 第4章個人番号情報保護委員会(第31条~第51条)
  5. 第5章法人番号(第52条~第55条)
  6. 第6章個人番号カード
  7. 第8章罰則

以上の条文が存在し、複数の機関で存在する個人の情報を同一化、国民一人ひとりに番号を付け同一人物であるという確認を行う基盤であり、社会保障、税制度の効率性と透明性の効果を目的に導入されるのがマイナンバー制度です。

マイナンバー制度で期待する効果

  1. より正確な所得把握から、社会保障や税の不正給付防止と負担の不当に免れることにより公正化が図られます。
  2. 年金や福祉などの行政サービスの受給状況を把握し、真に困って手を差し伸べるべき方を見つけ細やかな支援が可能となります。
  3. 災害時における被災者に対し積極的な支援に活用出来ます。
  4. ITの活用により、添付資料が省け行政手続きが簡素化し国民の利便性が向上します。
  5. 行政機関が今まで要していた時間や労力を大幅に削減出来ます。また、複数の業務間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されます。
  6. 行政機関のサービス利用がプッシュ型行政サービスを容易に行えるようになります。

実現すべき社会

  1. より公平・公正な社会
  2. 社会保障がきめ細やかかつ的確に行われる社会
  3. 行政に過誤や無駄のない社会
  4. 国民にとって利便性の高い社会
  5. 国民の権利を守り、国民が自己情報をコントロールできる社会

マイナンバー制度がもたらす影響

現在、地方公共団体、税務署や年金事務所、健康保険組合、ハローワークなどの行政機関は、国民の個人情報を各機関がそれぞれ単独で管理しています。マイナンバー制度が導入開始されると、国民一人ひとりに付けられるID番号によって個人の情報が同一化され各機関情報を一元管理することが出来るようになります。
身分証明書としても利用出来るようになり、図書館利用、印鑑登録証などにも利用出来ます。

マイナンバー導入後の個人への影響

平成29年1月の開始を予定している「マイナポータル」とは、情報提供等記録開示システムといって自宅のパソコンからインターネットから閲覧出来、様々な情報を取得出来る個人用サイトです。個人情報のやりとりの記録が確認出来、以下の確認をすることができます。

  1. 自分の個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したのか確認出来ます。
  2. 行政機関が持っている自分の個人情報を確認出来ます。
  3. 機関から一人ひとりにあった行政サービスを知らせてくれます。

自分の個人情報が行政でどのように使われているのかを把握出来るようになることで、個人情報の流用、乱用を防げる役目も担っています。これがあると、引っ越しの際に発生する役所手続きを簡素化することが出来るようになります。

マイナンバー導入後の企業への影響

マイナンバー制度には、法人版の番号があり、平成27年10月には全ての企業に通知が送られて、平成28年1月に法人版の番号の利用が開始されます。マイナンバー導入開始によって、企業はマイナンバー保管や管理などのシステム対応が必要になってきます。

サラリーマンなどの給与所得者は、企業や事業者に自分や扶養する家族のマイナンバー個人情報を勤務先に届け出なければいけません。全ての企業は、従業員またその扶養家族の税金や社会保障の手続きにおいてマイナンバー制度に対応することが義務付けられています。よって、マイナンバーを収集、把握し保管、管理しなければなりません。

そして、給与の支払い情報は企業が責任をもって各従業員が居住する地区の自治体に提出しなければいけません。その管理にあたっては厳しい規則が課せられる見通しであるとともに、厳重に管理する必要があり、セキュリティ対策に企業の信頼がかかっております。

さらには、このセキュリティ対策に思わぬ経費がかかってくる可能性もあります。万が一の漏洩やなりすましなどの悪用に遭う事が絶対にないようにしなければなりませんから、対応に迫られることになります。

法人版のマイナンバーは、将来的には法務省の「会社法人番号」や財務省の「輸出入者コード」、厚労省の「労働保険番号」など、各省庁がそれぞれ独自で発行している法人番号を法人版のマイナンバーをもって統一する方針もあります。

マイナンバー法の施行における国民の不安

内閣府が行った平成27年7月~8月の世論調査では、約87%がマイナンバー法施行に関して不安や懸念を持っているとの結果が出ました。その後マイナンバーを使って個人情報を一カ所に集める仕組みではないと周知された結果からか「国に一元管理、監視される」という不安や懸念は減少したようです。

マイナポータル導入で国民が自分の個人情報提供記録を各人で確認できることも安心に繋がっているようです。しかし、漏洩や不正利用被害に遭ってしまうという懸念は引き続き強まっています。マイナンバー制度では不正利用を防ぐため番号取得の際には厳密な本人確認を行うように求めていますが、漏洩によるプライバシー侵害については懸念が非常に高まっています。

これによってマイナンバー法自体を反対する国民も少なくありません。マイナンバー法では行政機関だけでなく、すべての企業に個人情報の漏洩を防ぐために安全管理措置を義務付けていますが、一度漏洩事件が起きると信頼が下がってしまうことから、官民あげたセキュリティ対策を含めて地道に信頼を積み重ねていく必要があると言えます。

気を付けるべきは漏洩より詐欺?

マイナンバーだけでは個人情報を格納しているシステムにアクセスすることは簡単には出来ないので、マイナンバーが知られるだけでは個人情報が盗まれてしまうというのは誤解があります。専用の端末やユーザIDやパスワードが必要ですので、マイナンバーが知られるだけでは個人情報の漏洩にはすぐには繋がりません。

それよりも、そのような誤解から生じる悪質な詐欺のほうが懸念されています。マイナンバーの漏洩で個人情報が漏れているとの誤解に付け込み、脅しなどに巻き込まれないようにしなければなりません。

マイナンバー定着に向けての課題

マイナンバー法が国の制度として定着するためには、行政や民間企業、国民が法律やガイドラインを理解し遵守して、正しい知識と良識をもってマイナンバーを取り扱わなければなりません。よって、正しい情報を得て確認することが重要です。不安や懸念がある場合は政府のコールセンターに問い合わせて、正しい情報を確認しましょう。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

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