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ミルクの作り置きはできる?厚労省ガイドラインに基づく正しい保管ルール

ミルクの作り置きはできる?厚労省ガイドラインに基づく正しい保管ルール

厚生労働省やWHOのガイドラインに基づき、常温・冷蔵での保管時間のルールや、魔法瓶NGの理由、正しい温め直し方など、デリケートな赤ちゃんを守る衛生管理の基本を徹底網羅しました。

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ミルクの作り置きはできる?厚労省ガイドラインに基づく正しい保管ルール

哺乳瓶を咥える赤ちゃん 赤ちゃんのお世話の中で、最も頻度が高く親の体力を使うのが「ミルクの調乳」です。特に月齢が低い時期は、昼夜を問わず2〜3時間おきにミルクの時間がやってくるため、「毎回お湯を沸かして冷ます作業が本当に辛い…」「ミルクを作り置きしておくことはできないの?」と考えるママやパパは少なくありません。双子ちゃんの育児や保育施設などの現場では、ある程度の作り置きを活用しなければスムーズな授乳が難しいケースも実際にあります。

結論から言うと、一定の厳格なルールを守れば「粉ミルクの作り置きは可能」です。近年ではお出かけや備蓄に便利な液体ミルクの活用も新常識となりつつありますが、毎日何回も飲むことを考えると、経済的な面ではやはり粉ミルクの方が圧倒的にお得です。しかし、ミルクは非常に栄養価が高い飲み物であるため、保管方法を少しでも間違えると衛生状態が急激に低下してしまいます。身体の機能がまだまだ未発達でデリケートな赤ちゃんに飲ませるものだからこそ、大人が自己流で判断するのではなく、公的なガイドラインに沿った正しいルールを知り、徹底して守ることが何よりも重要になります。

作り置きミルクは何時間まで?常温は2時間・冷蔵なら24時間以内

ミルクの作り置きについて、私たちが基準とすべき明確なルールが存在します。それは、世界保健機関(WHO)および国連食糧農業機関(FAO)が策定した「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」です。日本国内においても、厚生労働省がこのガイドラインの仮訳を関係機関に配布し、正しい調乳の仕方として普及・啓発を行っています。このガイドラインには、12ヶ月未満の赤ちゃんへのミルクを安全に作り置きするための厳密な時間と温度の管理方法が記されています。

ガイドラインの中で最も重要なポイントとして、「室温に置いたミルクは、調乳後2時間以内に与えるべきである(2時間を過ぎたら必ず廃棄する)」と明記されています。また、冷蔵庫で保管する場合の時間制限についても細かく定められています。

厚生労働省・WHOが推奨する作り置きミルクの基本ルール

  • 粉ミルクを溶かす際は、必ず一度沸騰させたお湯を「70℃以上」に保った状態で使用する
  • 調乳後、ストック用のミルクは「1時間以内」に流水や氷水に当てて「5℃以下」まで急冷する
  • 十分に冷却した後、速やかに冷蔵庫(5℃未満)に入れ、調乳した時間から「24時間」を超えたものは必ず廃棄する
  • 一度に大量のミルクを大きな容器で作ると中心部まで冷えにくいため、1回分ずつ哺乳瓶に分けて作り置きをする
  • 室温(常温)で保管する場合は、調乳から「2時間」を過ぎたら絶対に与えず廃棄する

温かいミルクを魔法瓶に入れて作り置きするのは絶対にNG!

「夜中の調乳を楽にしたいから、熱々のお湯で作ったミルクを魔法瓶の水筒に入れて枕元に置いておこう」と考える方がいるかもしれませんが、これは最も避けるべき危険な行為です。ミルクが温かい状態(人肌程度〜40℃前後)で長時間保温されると、栄養豊富なミルクの中で衛生状態が極めて悪化しやすい絶好の環境を作り出してしまいます。デリケートな赤ちゃんにとって、鮮度と清潔さが損なわれたミルクは体に大きな負担をかける原因となります。

WHOのガイドラインにおいても、「作り置きをする場合は速やかに5℃以下まで冷却して冷蔵保存すること」が強く求められています。温かいままの保存は絶対にやめ、授乳の直前に温め直すという基本手順を守りましょう。

作り置きミルクの持ち歩きは2時間まで!保冷バッグが必須

お出かけの際に、あらかじめ作っておいたミルクを持ち歩きたい場合もあるでしょう。作り置きミルクの持ち歩き自体は可能ですが、「調乳してから2時間以内」に目的地で温め直して飲ませ切るか、あるいは「常に5℃以下をキープした状態」で持ち運ぶ必要があります。持ち歩き中に2時間を経過してしまう前に出先で冷蔵庫(5℃未満)に戻し入れることができれば、作ってから24時間以内であれば飲ませることが可能です。

作り置きミルクを安全に持ち歩くための手順

  1. 調乳後、哺乳瓶を氷水などに当てて一気に冷ます
  2. そのまま冷蔵庫に入れ、5℃未満になるまでしっかりと冷やし切る
  3. 家を出発する直前に冷蔵庫から取り出す
  4. 保冷剤(アイスパック)をたっぷりと詰めた専用の保冷バッグにミルクを入れ、温度が上がらないように密閉する

ただし、調乳後にミルクを5℃以下まで完全に冷やす手間と時間を考えると、実際に出発して持ち歩ける時間は実質的に30分〜1時間程度しか残りません。保冷バッグの中は冷蔵庫ほどの冷却力はないため、温度管理が非常に難しくなります。そのため、長時間の外出での作り置きミルクの持ち歩きはあまり推奨できません。お出かけの際は、お湯を入れた水筒と粉ミルク(またはキューブタイプのミルク)を別々に持ち歩くか、常温でそのまま飲める液体ミルクを活用するのが最も安全で確実です。

作り置きミルクの正しい温め直し方!電子レンジは使用不可

冷蔵庫で5℃未満に冷やしてストックしておいた作り置きミルクは、赤ちゃんに飲ませる直前に適温(人肌程度)まで温め直す必要があります。この時、「手早く温めたいから」といって電子レンジを使うのは絶対にやめてください。電子レンジによる加熱は液体の中で温度のムラができやすく、外側の哺乳瓶が熱くなっていなくても、中のミルクの一部だけが異常に熱くなってしまう現象(突沸など)が起こるリスクがあります。赤ちゃんが予期せぬやけどをしてしまう恐れがあるため、電子レンジでの温めはガイドラインでも強く禁止されています。

作り置きミルクの安全な温め直し方

  • 電子レンジは絶対に使用しない
  • 赤ちゃんが欲しがる直前に冷蔵庫から冷えた哺乳瓶を取り出す
  • 哺乳瓶が入るボウルや専用のボトルウォーマーにお湯を張り、湯煎(ゆせん)で優しく温める
  • 温めている途中で何度か哺乳瓶を取り出して軽く振り、全体の温度が均一になるようにする
  • ミルクの品質低下を防ぐため、温め開始から「15分以上」は湯煎にかけない
  • 温め直してから「2時間以上」飲まなかったミルクは、もったいなくても必ず廃棄する

ミルクは調乳の直前にその都度作るのが最もフレッシュで衛生的な方法です。どうしても作り置きを活用する場合は、「冷やす時は一気に」「温める時は直前に湯煎で」という温度管理のメリハリを徹底しましょう。

「飲み残し」は作り置きとは全くの別物!絶対に飲ませないで

ミルクが残った状態の哺乳瓶 育児の中で混同されがちですが、「作り置きのミルク」と「飲み残しのミルク」は衛生面において全く異なるものです。作り置きは、しっかりと消毒された清潔な哺乳瓶に、規定の温度で作った手つかずの新しいミルクを保管するものです。一方、飲み残しのミルクは、赤ちゃんが一度でも口をつけたことで、唾液を介して哺乳瓶の中に外部からの見えない汚れが入り込んでしまった状態のものを指します。

研究によると、一度口をつけて飲み残したミルクは、常温でわずか20分経過しただけでも急激に衛生状態が低下し、品質が大きく劣化することが明らかになっています。「まだたくさん残っているからもったいない」「1時間後にまた欲しがるかもしれないから冷蔵庫に入れておこう」と思うかもしれませんが、一度でも口をつけたミルクを再利用するのは、デリケートな時期の赤ちゃんにとって非常に負担となる行為です。冷蔵庫に入れたとしても品質の劣化は進んでしまうため、赤ちゃんが飲み残したミルクは、時間が経ったら未練を残さずに潔く捨てる習慣をつけましょう。

作り置きや飲み残しについての先輩ママのリアルな体験談

日本の育児環境では衛生意識が非常に高く、育児書などでも「ミルクの作り置きは非推奨」「飲み残しは即廃棄」と厳しく指導されることが多いため、実際に作り置きをしているママは少ないと思われがちです。しかし、双子育児や夜泣きの激しい時期など、現実の過酷な育児の現場においては、それぞれの家庭が自己責任の範囲で様々な工夫や試行錯誤を重ねているようです。ここでは、先輩ママたちのリアルな体験談をご紹介します。

花子のママ
31歳

Aあくまでも各家庭のルールのもとで

ウチの娘は一度にミルクを飲む力が弱く、いつも10分くらいで哺乳瓶をくわえたままスヤスヤと眠ってしまいます。できるだけたくさん飲んで成長して欲しいので、規定量の200mlをしっかりと作るのですが、眠った後に手の平や足の裏をコチョコチョと刺激して起こそうと頑張っても、やっぱり半分くらい飲み残してしまうことが多くありました。

初めのうちは、高級な粉ミルクを毎回捨てるのがもったいなくて、飲み残しのミルクを私がコーヒーに入れてカフェオレ代わりに飲んだりしていました。でも、月齢が進むにつれて飲む量も増え、同時に飲み残しの量も多くなったので、6ヵ月を過ぎてからは飲み残したミルクを一旦冷蔵庫に入れておき、赤ちゃんが少し後に起きた時に温めてあげていた時期もありました。ホントは育児書的にはNGなのかもしれませんが…。(笑)

うちの場合は、「飲み残したらそのまま放置せずすぐに冷蔵庫に入れること」「口をつけてから20分を目安に潔く処分すること」「赤ちゃんにあげるときには必ずもう一度湯煎して適温にする」という3つのマイルールを決めて実践していました。ママ友の中には「1時間くらいは平気であげてるよ」という人もいましたし、逆に「もったいなくても絶対に1滴残らず捨てる」という人もいて、本当に家庭それぞれだなと感じました。ただ、身体の機能が未発達な新生児期はリスクが高いのでオススメはしません。月齢や赤ちゃんの様子を見ながら、ご家庭ごとに無理のない範囲で考えていけばいいのではないでしょうか。

ケンママ
33歳

A逆に手間が増えて面倒になりやめました

「ガイドラインのルールを守れば作り置きしたミルクは冷蔵庫で24時間保存できる」と聞いて、夜中の調乳を楽にしたい一心で、娘が生後4ヶ月の時にまとめて作り置きに挑戦してみました。ところが、いざ夜中に飲ませる時になると、冷え切ったミルクを湯煎で人肌まで温め直すのに結構な時間がかかり、結局お湯を沸かしてイチから作る手間とあまり変わらないことに気づきました。さらに、冷えたミルクの脂肪分が哺乳瓶の内側にベッタリとくっついている様子も気になり、洗い物も大変だったので、私には合わず面倒になってすぐにやめてしまいました。

また、ミルクの飲み残しを与えてしまったことも一度だけあります。200ml作ったのに10mlしか飲んでくれず、さすがにもったいなくて冷蔵庫で保存し、1時間後に湯煎して飲ませました。でも、飲ませた後に「本当に大丈夫だったかな?」「もしこれでお腹に負担がかかったらどうしよう」と不安になってしまい、自分の精神的なストレスが増すだけでした。赤ちゃんの頃は日々のちょっとした体調の変化を見落としやすい時期なので、後になって飲み残しの劣化の早さを知りゾッとしました。それ以来、ミルクは必ず毎回新しく作るようにしています。

ミルクの作り置き以外で「夜間調乳」を劇的に楽にする工夫

粉ミルクの調乳が最も辛く面倒に感じるのは、なんといっても「夜間の授乳」です。赤ちゃんが小さいうちは2〜3時間おきに容赦なく泣いて起きるため、ママやパパは慢性的な睡眠不足に陥ります。真っ暗な部屋の中で、泣き叫ぶ赤ちゃんを片手に抱きながら、粉ミルクの量を数えてお湯を注ぎ、さらに流水で適温まで冷ます…という作業は、まさに深夜の過酷なミッションです。

こんな時こそ作り置きミルクの出番だと思いがちですが、前述の通り、冷蔵庫から取り出して湯煎で温め直すのにも結局10分〜15分程度の時間がかかってしまいます。そのため、作り置きミルクを利用する以外にも、夜間の調乳そのものを「いかに短時間でスムーズに行うか」を工夫する方が、結果的に親の睡眠時間を確保できるケースが多いのです。夜中の作業を少しでも省いて体を休めるための、調乳準備のポイントをご紹介します。

深夜のミルク作りを楽にするための事前準備

  • 哺乳瓶のストックを用意する:
    夜中に哺乳瓶を洗って消毒するのは大変です。昼間のうちに3〜4本まとめて消毒を済ませ、衛生的なケースに密閉して保管しておき、夜は新しい哺乳瓶を次々と使えるようにしておきましょう。
  • ミルクを1回分ずつ小分けにしておく:
    眠い目をこすりながら粉ミルクのスプーンの杯数を数えると、必ず「あれ?今何杯入れたっけ?」とわからなくなります。ミルカー(粉ミルクを1回分ずつ小分けにしておく携帯ケース)にあらかじめ計量して入れておくか、ポンと入れるだけのキューブタイプ・スティックタイプのミルクを夜間専用として活用すると劇的に楽になります。
  • 調乳用の保温ポットを活用する:
    お湯をその都度沸かす時間を省くため、70℃以上(または調乳に適した温度)を常にキープできる電気ポットや調乳用ボトルを用意し、枕元やベビーベッドの近くにセッティングしておきましょう。
  • 夜間の洗い物は朝までつけ置き:
    授乳が終わった後の哺乳瓶は、その場で洗剤をつけて洗う必要はありません。さっと水で内部をすすぎ、水を張った専用の桶やボウルにつけ置きしておくだけで十分です。朝になって自分がすっきりと起きてから、まとめて洗って消毒すればOKです。

ミルク作りに使う哺乳瓶はしっかりと「消毒」を徹底しよう

哺乳瓶の煮沸消毒

作り置きのミルクを活用する場合に限らず、赤ちゃんにミルクを与える上で絶対に妥協してはいけないのが「清潔さの維持」です。栄養がたっぷりと詰まったミルクは、赤ちゃんにとって素晴らしいエネルギー源であると同時に、見えない汚れにとっても絶好のエサとなってしまいます。洗浄が不十分な哺乳瓶を使用すると、内部に残ったわずかなミルクの洗い残しから衛生状態が急激に低下し、デリケートな赤ちゃんの体に思わぬ負担をかけてしまう恐れがあります。

赤ちゃんは、まだまだ身体の機能が未発達で、外部からの刺激に対して非常にデリケートな時期を過ごしています。成長とともに少しずつ強くなっていきますが、少なくとも生後数ヶ月〜離乳食が本格的に始まるまでの期間は、赤ちゃんが口にするものは常に清潔な環境で、安全に用意してあげる配慮が必要です。調乳の前に大人がしっかりと手を洗うことは基本中の基本ですが、赤ちゃんの口に直接触れる哺乳瓶や乳首(ニップル)の部分は、スポンジで洗った「つもり」にならず、専用のブラシで隅々まで擦り洗いをした後、確実な方法で「消毒」を行うことが大切です。

代表的な哺乳瓶の消毒方法

  • 煮沸消毒:大きめの鍋にお湯を沸かし、洗った哺乳瓶を完全に沈めて数分間グツグツと煮沸する昔ながらの確実な方法です。特別な道具がいらないのがメリットです。
  • 薬剤(つけ置き)消毒:ミルトンなどの専用の消毒液を水に溶かし、そこに1時間以上つけ置きするだけの手軽な方法です。熱を使わないため火傷の心配がなく、プラスチック製の哺乳瓶でも劣化しにくいのが特徴です。
  • 電子レンジ消毒:専用のケースに少量の水と哺乳瓶を入れ、電子レンジのマイクロ波の熱(スチーム)で数分間加熱して消毒する方法です。最も短時間で完了するため、忙しいママに人気があります。

まとめ:作り置きミルクは正しい衛生管理で上手に活用を

「せっかくミルクを適温に冷ましたのに、時間がかかった隙に赤ちゃんがぐっすり寝てしまった…」「いつもなら飲む量を計算して作ったのに、今日に限ってなぜか大量に飲み残してしまった…」

育児は、親の思い通りにならないことの連続です。こうしたガッカリするような「ミルクの無駄遣いトラブル」は、どこの家庭でも毎日のように起きています。予定通りにいかなくてイライラしてしまうこともありますが、あまり神経質になりすぎず、おおらかな気持ちで受け止めていきたいものです。

多くの育児書や産院の指導では、常に新鮮なミルクをその都度作るように指導されますが、厚生労働省やWHOのガイドラインが示す「70℃以上での調乳」「調乳後1時間以内の急冷」「5℃未満での冷蔵保存」「24時間以内の消費」といった厳格な衛生・温度管理のルールを正しく守れる環境であれば、作り置きミルクを活用すること自体は決して悪いことではありません。

ただし、一度でも口をつけた飲み残しミルクの再利用や、常温や魔法瓶での長時間の放置は、デリケートな赤ちゃんの体に大きな負担をかけるリスクがあるため絶対に避けましょう。ご自身のライフスタイルや、夜間の睡眠状況、双子育児などの家庭環境に合わせて、作り置きの方法や調乳を楽にする時短テクニックを上手に組み合わせて、少しでも親の心と体にゆとりのある、楽しい育児ライフを送ってくださいね。

参考文献

  • 注1:厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて」
  • 世界保健機関(WHO)及び国連食糧農業機関(FAO)「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」
この記事を書いたライター
羽根田るみこ

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!