液体ミルクの安全性と備蓄に関する記事

液体ミルク備蓄はママの新常識!安全?高い?メリット6つ

液体ミルク備蓄はママの新常識!安全?高い?メリット6つ

液体ミルクはその手軽さから日本でも注目され、2019年3月11日より国内店舗での販売がスタート。話題の液体ミルクとはどんな商品か、安全性や備蓄のメリットデメリット、お得な買い方などを紹介。永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画あり。

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液体ミルクとは?育児負担や赤ちゃん用の備蓄の常識が変わる!?

哺乳瓶とミルクのイラスト

液体ミルク(乳児用調製液状乳)とは、調乳済みの乳児用ミルクが液体の状態で販売されている商品のことですが、2018年までは国内での製造が行われておらず、2019年3月11日にようやく国内店舗での発売を開始したことで話題のトレンドとなりました。

海外では以前から普通に使われていて、マーミーのイタリア在住ライターの子連れイタリア旅行の記事でも、液体ミルクの現地情報を紹介していますが、そもそもなぜこれまで国内で製造販売されなかったのでしょう。

2019年まで液体ミルクが国内製造されなかった理由!国の規格基準が整っていなかった

赤ちゃんが飲む粉ミルクは、国の定める食品衛生法で「乳児用調整粉乳」という分類になります。液体ではなく粉なので粉乳の分類になり、ママが購入している粉ミルクの缶を見てみると必ず「乳児用調整粉乳」と書かれているはず。

ちなみに輸入品の乳児用液体ミルクは、鉄分やカルシウム入り牛乳やコーヒー牛乳などと同様の「乳飲料」と表示して販売されてきました。

液体ミルクは粉ではなく液体ですので、赤ちゃん用である特別な表示の「乳児用調整粉乳」が使えないのです。そのためもし国内メーカーが液体ミルクを製造しても、赤ちゃん用ミルクである表示をして販売することができませんでした。

これまで液体ミルクは粉ではなく液体なので赤ちゃん用である特別な表示の「乳児用調整粉乳」が使えず、かりに国内メーカーが液体ミルクを製造しても赤ちゃん用ミルクである表示をして販売することができませんでした。

2018年8月まで厚生労働相は液体ミルクの製造販売を禁止した訳ではありませんが、メーカーからの要請がないため法整備が整わず、メーカー側も製造流通にかかるコストが粉ミルクより高いなどの理由から液体ミルク市場への進出に積極的にならず、結果的に国の規格基準が整わずに国内のお製造販売が進みませんでした。

近年相次ぐ国内災害時に海外からの乳児用液体ミルクの支援があり、国内のママ達による署名活動や政治家の発言からも乳児用液体ミルクが注目されたものの、国内での知名度や理解が及ばず2018年の北海道での災害時にも支援物資となった液体ミルクがほぼ使われず備蓄に回りました。

こうした背景があり厚生労働省は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」を8月8日に改正し、乳製品の一つに「調製液状乳」の規格基準を設定。(注1)

これにより国内での液体ミルク製造・販売が事実上解禁となり、社会のニーズに応える形でグリコが国内初の液体ミルク製造販売をスタートさせたのです。

液体ミルクの安全性は粉ミルクより高い!WHOが推奨する衛生的な栄養源

食品衛生管理工場職員をイメージするイラスト

液体ミルクは無菌充填製法という特殊技術により製造されているため、とても衛生的で備蓄向きです。無菌充填製法では乳児用液体ミルクをごく短い時間で高温滅菌し、さらに短時間で冷やします。

ですから賞味期限内であれば備蓄しても味が損なわれず、美味しいミルクのまま。それを滅菌された容器に菌が入らないように詰められますので、完成した液体ミルクは衛生的な無菌状態

一方粉ミルクの場合、ママがどんなに気をつけていても無菌状態にするのは不可能です。衛生的なミルクを作るためには、清潔な水を70度以上のお湯にしてから調乳する必要がありますので、常に衛生的な状態を作り出せるとは限りません。

安全性への評価はどちらが高い?

WHO(世界保健機構)とFAO(国連食料農業機関)が定める人工乳の調乳ガイドラインでは、粉ミルクよりも液体ミルクが推奨されています。(注2)

液体ミルクの6つのメリット!備蓄や旅行などマルチなシーンで大活躍

赤ちゃんを連れて外出するお父さんとお母さんのイラスト

衛生的で手軽に使うことができる液体ミルクは、災害や旅行など日常とかけ離れたシーンはもちろん、様々な状況のママやパパの育児を助けてくれるというメリットがあります。

またミルクではなく母乳育児のママであっても、災害時には精神的疲労やストレスで母乳が出なくなるといったトラブルが考えられますので、赤ちゃんを子育て中のママの間では徐々に「液体ミルクの備蓄」という考え方が広まってきています。

調乳済みなので水やお湯がなくてもすぐ赤ちゃんに与えられる

毎日行っているミルクの準備を想像してみてください。ほ乳瓶を消毒し、お湯を沸かし、粉ミルクを溶いて、赤ちゃんが飲みやすい温度まで冷まして。たくさんの手順を踏んでいます。夜中に起きて準備をしたり、外出先だと場所や使い勝手が悪くて手間がかかってしまったりすることもあります。

ところが液体ミルクの場合、調乳せずにそのまま赤ちゃんに与えることができるので、手間がかかりません。

さらに粉ミルクの調乳には清潔な水、哺乳瓶の消毒など想像以上の清潔な水を必要としますが、災害時には水が手に入らない状況になります。その際に液体ミルクが備蓄してあれば、不足している水の確保にやきもきする心配もありません。

海外の液体ミルクには付属乳首をつけるだけの商品もある

貨物船

液体ミルクには様々なタイプの商品あがります。海外や国内への輸入で販売している液体ミルクには容器にそのまま付属の乳首をつけるだけで飲ませられる商品もあります。これは調乳器具の消毒をする必要がなく、いざという時に大変便利!

またどのメーカーの液体ミルクにも使用できる乳首や使い捨て哺乳瓶も販売されていますので、液体ミルクと一緒に購入しておけばいざという時にも安心です。現在液体ミルクメーカーのグリコでも使い捨てほ乳瓶の開発を検討中。

災害時だけでなく、粉ミルクの場合は外出には消毒済みの哺乳瓶、お湯入りの水筒など荷物がたくさんになりますが、液体ミルクにすれば綺麗な哺乳瓶を持って行くだけ。使い捨て哺乳瓶なら帰りはゴミ箱に捨てればいいので、少ない荷物で帰ることができます。

常温保存ができるので備蓄向きで温めずにそのまま与えられる

無菌充填製法のものは、常温での保存が可能です。ですから、液体ミルクも常温保存が可能。そのため電気が使えなくなる非常時は、冷蔵庫内の食べ物のように腐ることもなく、ストックとしておくだけですぐに使えて便利です。

まだ赤ちゃん用の防災グッズを準備していない方は、非常袋に液体ミルクを備蓄しておくことをおすすめします

賞味期限はグリコが6ヶ月!明治は1年と比較的長い

液体ミルクは私達が日ごろ飲んでいる牛乳や乳飲料と比べると賞味期限が長く、2019年3月11日に発売を開始したグリコ「アイクレオ赤ちゃんミルク」は半年、続いて4月下旬に全国で発売を開始した明治「ほほえみらくらくミルク」は1年の商品。

災害時の備蓄に適していますし、賞味期限が近づいたら外出用などに利用すればよく、調乳に不慣れなパパに任せたり実家などに預けたりする際も手軽に授乳できるので安心。

液体ミルクは高価なので備蓄用に購入するだけという家庭もありますが、災害時だけでなくママの体調がすぐれない時やパパに赤ちゃんを任せてお出かけする時、旅行先などと使い分けると育児への手間だけでなく精神的負担も軽減できるのでおすすめです。

災害時でも液体ミルクの備蓄品があれば安全に授乳できる

哺乳瓶でミルクを飲んでいる赤ちゃん

液体ミルクは衛生的で安全性に優れていますが「これまで多くのママ達が粉ミルクで子育てをしてきたのだから、あえて液体ミルクを使わなくても衛生面に気をつければ安全だし、あまり菌に神経質になるのはかえって赤ちゃんに悪い」と思うママもいるでしょう。けれど粉ミルクの安全性は災害時には通用しなくなります

災害時にはライフラインが断たれるため停電や断水といった環境下の赤ちゃんのミルクや入浴などのお世話は困難になり、衛生的なミルクを与えられずあっという間に体調を崩して病院受診もままならない危険な状態に陥ることも。

日常ではさほど感じられない安全性への脅威も災害時には深刻な問題になるため、赤ちゃんの命を守るために液体ミルクの備蓄は大切なのです。

調乳不要なので粉ミルクに比べて手間がかからずパパの育児参加を促せる

粉ミルクの場合、哺乳瓶や調乳器具を殺菌したり、調乳したりする手間がかかります。日中はよいのですが、連日寝不足状態での夜中の授乳では、心が折れそうになることもあるでしょう。

そんな時、液体ミルクであれば手間なく授乳できるので、ママの負担も減りますし、パパの育児参加を促すこともできます。

液体ミルクのデメリットは?ママやパパが一番気になるのは値段の高さ

育児を劇的に楽にする新常識となる液体ミルクですが、実際にグリコの液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」を試してみたママからは粉ミルクに比べて値段が高いことがデメリットだという声が数多く上がっています。

また国内では液体ミルクについての知識が不足している人が多く、2018年の災害時に北海道への支援物資となった液体ミルクの使用を中止する指示がでたほど子育てママ以外の認知度が低いため、「育児をサボっている」「安全性に不安がある」などの誤った指摘をされることもデメリットとして挙げられるでしょう。

消費者の認知度の低さによる液体ミルクのデメリットを改善するために、液体ミルクメーカーでは自治体との提携による備蓄や賞味期限に近づいた消費を保育園に配ることなどを通して、1回でも使ってもらうことで普及に取り組むことを発表しています。

国内の液体ミルクメーカーはどこ?グリコに続いて4月下旬には明治も販売

2019年7月現在、日本国内液体ミルクメーカーは江崎グリコと明治の2社のみですが、2019年3月下旬から全国のドラッグストアやベビー用品店などで国産の液体ミルクが購入できるようになりました。

液体ミルクはグリコも明治も粉ミルクに比べて価格が高いため初めは抵抗があるかもしれませんが、これまで輸入品を買っていた人からすると驚きの安さ!

大手粉ミルクメーカーの森永乳業や雪印、和光堂はすぐに液体ミルク開発に取り掛かったグリコや明治に比べて慎重な立場をとっていて2018年秋の時点では具体的な話は出ていないのが現状ですが、森永や雪印は製造販売について検討中という情報もあるため、需要の高まりによっては液体ミルクメーカーが今後増える可能性が充分に考えられます。

国内メーカーの液体ミルクを安く買う方法!定期コースなら1本で焼く10円お得

液体ミルクを粉ミルク代わりに日常的に飲ませたい家庭なら、公式サイトの定期コースの方がバラで買うより安くて運ぶ手間もないのでおすすめです。

アイクレオ 赤ちゃんミルク 36本セット定期コース

アイクレオ 赤ちゃんミルク 36本セット定期コース

江崎グリコ株式会社

12本の液体ミルクが入った箱が3箱でセットになったお得な定期コースなら、バラや1箱だけの店頭購入より1本あたりおよそ10円お得。

1人5セットまで購入でき、送料も無料なので赤ちゃん連れで重い液体ミルクを運ぶ必要がなくなります。

https://www.glico-direct.jp

液体ミルクと一緒に購入したい!おすすめの使い捨ての哺乳瓶や乳首

せっかく液体ミルクを購入するなら、一緒に使い捨て哺乳瓶や液体ミルク用乳首を購入し、備蓄しておきましょう。

災害時の赤ちゃんのミルク作りで気を付けるポイントの一つが、哺乳瓶や乳首を清潔に保つこと。停電や断水などでライフラインが使えなくなると、赤ちゃんの哺乳瓶の煮沸や電子レンジ消毒が困難になりますので。

もちろん旅行などのお出掛けでも大活躍してくれる優れもの。使い捨て哺乳瓶や乳首には赤ちゃんだけでなくママに嬉しいメリットもデメリットもありますので、確認してから購入を検討するとよいでしょう。

使い捨て哺乳瓶や使い捨て乳首は、ネット通販で購入することが可能ですので、液体ミルクと一緒に購入できます。

Steri-bottle消毒不要の使い捨てほ乳瓶

Steri-bottle消毒扶養使い捨てほ乳瓶

Clovis Baby(クロビスベビー)

一回使い捨て用のほ乳瓶。ニップル部分を一度取り付けるとロックされ、使いまわしができないようにしてあります。お出かけ先や旅行先などですぐに取り出せ、授乳がスムーズにできます。

災害用備蓄品として非常時にも殺菌の必要がなく便利。そのまま冷凍保存も可能で、本体部分は電子レンジもOK(ただしニップル部分は不可)です。

https://www.amazon.co.jp

子育て4コマ漫画:液体ミルクついに登場!あなたならどう使う?

液体ミルクについての永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画

液体ミルクの中でも国内初販売のグリコ「アイクレオ赤ちゃんミルク」は、多くの赤ちゃんが抵抗なく飲んだという体験談が多いです。

常温でも美味しいようだと好評ですが、飲んでくれない場合は湯煎やホッカイロで人肌まで温めてみるのもおすすめ。液体ミルクは粉で作ったミルクと違い、ホッカイロで温めても既に殺菌してあるので安全。

また、話しは変わりますが今回の漫画のように備蓄した液体ミルクを夫が断りもなく使うと、家計を考えてピキピキしてしまうママもいるでしょう。

マーミーの仮面夫婦についての記事に掲載されている永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画のように、子供が大きくなってから仮面夫婦とならないためにも、若いうちから譲れないことは自分担当にし、夫婦円満のためとはいえ我慢して合わせ過ぎないことが大切です。

この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪