離乳食の食器消毒は必要?やめる前に注意点を知っておこう
赤ちゃんの哺乳瓶はこまめに消毒をするママは多いですが、離乳食を始めるときに気になるのが赤ちゃんの離乳食用食器の消毒の必要性。
離乳食を開始する頃の赤ちゃんは活発に動くようになり、さまざまな物を触ったり口に入れたりしますので、全てを消毒しようとすると手間がかかって負担を感じるママも多いでしょう。
日本では神経質なくらいに赤ちゃんの触れる物の衛生面を気にする傾向がありますが、赤ちゃんは日々成長して自由自在に動き回るようになるだけでなく、体力も病気への抵抗力も身につけていこうとしています。
今回は赤ちゃんの健康な成長を守りながら、ママの負担を減らすための離乳食期の食器の消毒のポイントについて見ていきましょう。
離乳食の食器の消毒はいつまで必要?基本的に初期から必要なし
離乳食を開始する時期は生後5~6ヶ月が一般的ですが、生後4ヶ月を過ぎると赤ちゃんの免疫力や抵抗力が向上してくるため、結論から言うと離乳食期はそれほど食器の消毒に神経質になる必要はありません。
ただし乳幼児は大人のような体力がないため、不衛生な食器を離乳食に使うと重篤な体調不良を引き起こし、命を危険にさらしかねません。
消毒を卒業した後も赤ちゃん用の食器はしっかり洗って乾燥し、「カビなどの雑菌を寄せ付けない、増やさない」をモットーにして清潔を心がけましょう。
離乳食用の食器はいつまで消毒していた?先輩ママの体験談
子供の食器の消毒はいつまで行っていたのか、5人の先輩ママにお話を伺いました。ひとつの目安として参考にしてみてください。
A私は消毒にこだわらない派!
6歳違いの男の子の母ですが、長男の時に産院では自分の乳首も消毒綿で消毒してから授乳しなさいと指導されていたのに、1ヶ月検診の保健婦さんからは「そんなことしたら乳首が乾燥して傷つくので、消毒の必要はない」と言われ、「どっちなの!」と混乱して以来、赤ちゃんの口に入るものに消毒なんていらないと考えるようになり、消毒はやめました。
母乳が良く出て哺乳瓶の使い始めが生後4ヶ月を過ぎていたので、哺乳瓶の消毒もしていなかったし、離乳食が始まってからの食器の消毒はしていませんでした。
むしろママ友に聞かれて初めて「離乳食期って赤ちゃんの食器をするものなの!?」とビックリしました(笑)
幸い丈夫な子達で病気もほとんどしませんでしたが、ちょっとは気をつけなきゃいけなかったのかもしれません。
A消毒しないことは姑に内緒です
私の母はあんまり衛生状態に気を払う人ではなく、その娘の私もあんまり消毒にはこだわらず、哺乳瓶も生後3ヶ月過ぎの初期まででやめてしまっていました。
でも、お姑さんはとっても真面目で神経質な人で、育児書を読み漁って「アレしなきゃダメ!」といろいろ注文が多いので、田舎からお姑さんが家に来ている時だけ「赤ちゃんの食器ももちろん消毒していますよ!」と嫁アピールしてましした。
消毒ってただでさえ面倒なのに、さらに「子供のためなら手間も惜しみません」っていう良き母のイメージの押しつけもあるのでホント面倒です。
A保健婦の母に聞きました!
私の母は助産師なので、食器の消毒について聞いてみたところ、栄養豊富なミルクを入れる哺乳瓶は雑菌が繁殖しやすいので毎回消毒をする必要があるけれど、「食器の消毒までは神経質になることはない」そうです。
うちの娘はとっても食欲旺盛で、大人が食べている様子を見てじっとよだれをたらして食べたがるので、人よりちょっと早めの生後4ヶ月ごろからお味噌汁の上澄み等をあげはじめましたが、普通に消毒していないスプーンであげていてもお腹を壊すこともありませんでした。
でも、お友達の子はお兄ちゃんがノロにかかっている時に生後8ヶ月の下の子が感染してしまって、「食器をちゃんと消毒しておけばよかった」と言っていたので、家族が感染症にかかっている時などは消毒をする方が良いのかな、と思います。
Aミルトンなら食器も簡単に消毒できます
うちのパパはお腹が弱く、日頃から衛生状態には気を付けて生活をしているので、赤ちゃんの哺乳瓶も、1歳を過ぎるまでの赤ちゃんの食器もミルトンで漬け置き消毒をしていました。
赤ちゃんの食器は小さいし、そんなに数も多くないので、そんなに手間を感じたことはないです。むしろミートソースの落ちにくい着色汚れや匂いもスッキリ落ちるので楽です。
今は子供が幼稚園に通うまでに大きくなりましたが、食中毒が心配な夏場はパパや子供のお弁当箱をミルトン一晩つけて消毒を続けています。
A離乳食の食器の消毒は簡単が一番!
うちは年子の姉弟がいるので、赤ちゃんの健康を守ることはもちろん大事ですが、手間をかけないことも大事だと思っています。
そんなわけで赤ちゃんの食器もあまり神経質になって手間をかけたくないので、大人用の食器と一緒に食洗器で洗って乾燥させています。食洗器って高温のお湯で洗浄しますし、30分くらい熱風で乾燥させるので、多少は消毒効果があると思います。
でも、雑菌の繁殖は心配なので、食器を溜めておかずにこまめに洗うようにしていますし、乾燥後は庫内に入れっぱなしにしないで、風通しの良い食器棚にしまうように心がけています。
離乳食の食器消毒を卒業するための洗い方のポイント
離乳食期には消毒を卒業できると言っても、大人と比べるとやはり抵抗力の弱い赤ちゃん。消毒を行わない以上は、食器の洗い方にも気を付けておきたいところです。
ママが注意したい離乳食期の食器洗いのポイントについて解説していきます。
1食器はためずに早めに洗いましょう
お腹がいっぱいになると動くのが億劫になりがちですし、赤ちゃんとの食事はお世話に手間がかかって後片付けが面倒になってしまうものですが、消毒を省いて食器を雑菌の繁殖から守るためにも、食器は溜めることのないよう、食後は速やかに洗って片付けましょう。
ゆっくりデザートを食べながらテレビでも見始めると途端に家事が面倒になってしまいますし、赤ちゃんが残り物に手を出して誤飲事故も起こりやすくなりますので、特に夕食後は要注意です。食事が終わったら食卓をすぐに片付ける習慣を身につけましょう。
2赤ちゃん専用スポンジを用意しましょう
食器の洗浄については、赤ちゃん用と大人用とそれほど神経質に区別をする必要はありませんが、離乳食期の赤ちゃんは消化できない生モノやアレルギーの原因になってしまう食材もありますので、赤ちゃん用専用のスポンジを用意しておくと安心です。
このスポンジについてもあまり神経質になる必要はありませんし、いつまでも手間をかけているとママの負担になってしまいます。最初のスポンジがヘタる1ヶ月くらいを目安に、徐々に大人の食器と扱いにしていくとよいでしょう。
3洗剤は大人用と一緒でOK!
赤ちゃん用の食器を洗う洗剤は、大人のものと一緒でも大丈夫です。大人用の洗剤に子供用の洗剤、さらには除菌スプレーもといろいろなグッズを集めてしまうと、シンクに物があふれてしまい、ごちゃごちゃした隙間が雑菌の温床となってしまいます。物を省き、シンクをすっきりと片付けておきましょう。
洗剤はしっかり流水ですすげば赤ちゃんに悪影響はありませんが、心配なら赤ちゃん用の低刺激な洗剤を使うとよいです。
食器の洗い方も赤ちゃんのものだからと神経質になる必要はありませんので、しっかりと洗浄して、しっかりとすすぐ基本を守るように心がけましょう。
4食器はしっかり乾かして清潔に保管しましょう
せっかくきれいに食器を洗っても、食器に水滴がついているとそこで雑菌が繁殖してしまい、次に食事を持った時に料理が汚染されてしまいます。
赤ちゃん用の食器を洗った後は清潔な布巾で水滴をふいて、しっかり乾燥させましょう。
乾燥した後はカビなどの心配のない、風通しが良く埃の付きにくい食器棚で衛生的に食器を保管してください。
5おろし金はタワシで丁寧に洗いましょう
食材をすりつぶしたり細かくしたりするなど、離乳食を作る時に頻繁に利用するおろし金は細かい目が洗いにくく、洗浄が難しい調理用品です。
丁寧に洗ったつもりでも、付着した食材の栄養で雑菌が繁殖してしまい、次に作る離乳食が雑菌に汚染されてしまうこともありますので、おろし金はタワシでキレイに洗うことを心掛けましょう。
おろし金を洗う時は怪我に注意しながら、タワシを目の流れの反対方向から当てて擦るとキレイになります。
また、おろし金を使う前にアルミ箔を敷いてから食材をすりおろすと、使い終わった時にアルミ箔をはがすだけでキレイに食材がとれて洗いやすくなります。
6まな板の消毒は定期的にしましょう
どんなに赤ちゃん用の食器に気を配っても、食品を切るまな板に雑菌がついていれば、料理は汚染されてしまいます。
包丁などで細かい傷がつきやすいまな板は、特に雑菌が付着しやすい調理用品です。雑菌の繁殖しやすい梅雨時や夏場は、夕食の片付けの後にキレイに洗浄したまな板に熱湯をかけて、煮沸消毒を行う配慮があると安心です。
また、肉用と野菜用と、用途に合わせたまな板を複数用意しておくと、いつもキレイにまな板を使えます。
食中毒などの感染予防は大人にとっても大事なことですので、普段でも1週間に1回はまな板を日に当てて、天日消毒する習慣をつけるようにしましょう。
食器の消毒以外にも離乳食作りで大切なことは?
赤ちゃんの口に入る物を衛生的に保つために必要なのは、離乳食食器の洗浄だけではありません。
食器に乗せる料理自体が雑菌に汚染されていては、赤ちゃんの健康は守れませんので、料理は室内に放置せずにできるだけの量を冷蔵庫で安全に保管し、早いうちに食べ切るように心がけましょう。
その他、食材の選び方も大事ですし、料理を作るママの手が清潔であることもとても大切なことです。
赤ちゃんは1歳を過ぎても大人の半分程度の免疫力や体力しかありませんから、赤ちゃんの体内に雑菌が侵入しないよう、ママやパパが気を配ってあげてください。
消毒の手間を省いて衛生的な離乳食を作るポイント
- 食材は新鮮なものを選びましょう
- 調理をする前には手を洗い、爪は短く切っておきましょう
- 冷蔵庫はいつも清潔に整理とこまめに掃除をして、雑菌の繁殖を予防しましょう
- 料理を温めなおす場合には、しっかり中まで加熱しましょう
- 冷蔵、冷凍共に料理の長期保存はやめましょう
食器の消毒に神経質になりすぎずに離乳食作りを楽しんで
自分の食べ物であればそこまで神経質にはならないのに、我が子の口に入るものとなると「離乳食用の食器は必ず殺菌消毒しなきゃ!」と頑張ってしまうのはママの愛情の表れなのですが、赤ちゃんが1歳を迎えるまではママも体の回復が必要な大事な時期です。
離乳食用の調理器具は電子レンジや食器洗浄乾燥機を使えるものがほとんどなので、赤ちゃん用に調理器具を分けたりすることで、消毒忘れを防ぐこともできます。 食器の消毒や衛生面で過剰に手間をかけずに、おおらかな気持ちを持つと、離乳食作りにもっと時間をかけることができますし、赤ちゃんと楽しく食事をとる余裕が出てきます。
離乳食は大人の食事よりも塩分が低く、赤ちゃんの消化を助けるために水分が多くなっていますので、条件によってはたった20分でも雑菌が爆発的に増えてしまうという報告もあります。
食器の消毒だけでなく「雑菌を寄せ付けない・繁殖させないこと」を心掛けて、赤ちゃんに美味しく安全なご飯を食べさせてあげましょう。