赤ちゃんの爪切りはどこまで?タイミングは?安全な切り方とコツ
赤ちゃんの爪切りは、何もかもが小さく繊細な赤ちゃんのお世話の中でも、数ミリずれたことが災いして深爪や切り傷による出血につながることから、怖くてさじを投げ出したい気分になるママやパパが多いお世話の一つです。
「どこまで爪切りをしていいの?」「何日おき?」「暴れる」などの理由から、苦手意識を持たれバチなのですが、正しい知識を持って前向きに取り組んでいくと徐々に慣れていきますので、慣れるまではできるだけ夫婦で協力して行いましょう。
新生児にも爪切りは必要!伸びたらこまめに切って
爪が伸びるのが早いのは新生児も同様ですが、産後いきなり赤ちゃんの全てのお世話をママがするのは大変なので、産院では新生児の爪切りを看護師などのスタッフが行っています。
退院前に新生児のへその緒の消毒や沐浴の指導はありますが、爪切りの指導は行っていない産院が多いので、色々調べても怖くて赤ちゃんの爪切りが不安な場合は、産院を訪ねて教えてもらうのが一番手っ取り早くて安心できる方法です。
ただし多くのママとパパは自力でこなしていますので、上手にできるやり方やコツ、万が一切りすぎて出血するなどケガをさせた時の対処法を調べ、知識をもとにチャレンジしてみることも大切です。
失敗を恐れて難しいと感じたり怖いと思ったりするのは他のママも同じですが、いつまでも切らなければ赤ちゃんが伸びた爪でケガをしてしまいますので、勇気を出してトライしてみましょう。
赤ちゃんの爪切りを失敗しないベストタイミングは就寝中と授乳中
赤ちゃんの爪切りをしようと思っても手足をバタバタさせて予測できない動きをするため、動いて皮膚まで切ってしまいそうになります。けれど「就寝中」と「授乳中」は比較的動きがおとなしくなることが多く、赤ちゃんの爪切りベストタイミングと言えます。
パパが単身赴任や当直で不在など、ママ一人で赤ちゃんの爪切りをしなければならない場合は、一度に全ての指の爪切りをしようとせず、お昼寝や夜の就寝のたびに少しずつ進めていきましょう。
また赤ちゃんの爪を授乳中にママが切るのは危険ですので、授乳中はパパやおばあちゃんに切ってもらいましょう。
お座りができるくらい大きくなったら、起きていてもご機嫌がいい時間帯を選んで切ることができるようになります。
もう怖くない!赤ちゃんの安全で楽な爪切りのやり方
自分以外の人の爪切りを一度経験すると「意外と難しいんだなぁ~」と思いますが、自分で体の動きをコントロールできずに突飛な動きをする赤ちゃんなら尚更です。
何の知識もなく大人と同じように赤ちゃんの爪切りをしようとしても、上手くいかなくて当然。けれど赤ちゃんの爪切りの安全なやり方やコツさえ分かっていれば、意外とスムーズにできますので焦らずに進めていきましょう。
1赤ちゃんの爪を甲側から見て、指先で指を固定する
赤ちゃんは落ち着いていると思っていても急に動くことがありますので、これから爪切りをする指をしっかり固定しないと、赤ちゃんが動いたことで手元が狂い、その勢いで切り傷を作ったり深爪になったりする恐れがあります。
赤ちゃんの指をしっかりと固定する方法は、爪切りを持っていない方の手の親指・人差し指・中指の3本指で、赤ちゃんの指を掴むように持つこと。
赤ちゃんの手の甲側から爪を見て親指を爪と根本の上に置くと、人差し指と中指は自然に指の腹の上にいきますので、急に大きな動きで手元が狂わない程度にキュッと掴んでください。
2爪の先がとがらないように、3~5回に分けて切る
赤ちゃんの爪の端から端まで一気に切ろうとせず、3~5回に分けて少しずつ切った方が深爪しにくく、失敗せず簡単に切ることができます。
ハサミを使うので爪のピンクの部分に沿って切りがちですが、真ん中→両端の順で切り、赤ちゃんの爪の先がとがらないようにしましょう。
3赤ちゃん用の爪やすりでとがった部分を削る
爪切りが終わった赤ちゃんの爪は、最後に赤ちゃん用の爪やすりで削ります。
終わったと思っても切り残しや爪やすりのかけ忘れがあることが多いので、最後に全ての爪を切り終わったか、爪やすりをかけ終わったかを確認しましょう。
爪切りは目視で終わっているか確認できますが、爪やすりのかけ忘れは指の腹で赤ちゃんの爪を触り、チクチクしないかを調べて確かめます。
赤ちゃんがお座りできるようになってからの爪切りの方法
- 膝の上に横向きや後ろ向きに座らせ、抱えるように抱っこする
- 爪を切る指だけママの人差し指の上に出す
- 残りの指はママの手で優しく包んで固定してから爪を切る
赤ちゃんの爪切りはどこまで?長さの目安は「白い部分を1mm残す」
どこまで切るのかを勘違いしているママやパパが多いのですが、赤ちゃんの爪は白い部分が1mmほど残る長さで切るのが目安です。ちなみに大人の場合は、白い部分を2mmほど残す長さが目安になります。
赤ちゃんの爪の白い部分を全て切ってしまうと、失敗して皮膚まで切って出血しやすくなるだけでなく、爪全体が内側に曲がって皮膚に食い込む巻き爪や爪の端が曲がって肉に食い込む陥入爪の原因となります。
一見すると「どんな役割があるの?」と思ってしまう赤ちゃんの爪ですが、指先を保護するという大切な役割があるので、適切な状態を保つようにしましょう。
赤ちゃんの爪きりは何日おき?上手く切れない場合は毎日でもOK
赤ちゃんの爪の成長には個人差があるので、「何日おきに切る」という決まりはありません。2~3日に一度と書かれている育児書が多いのですが、1日で上手く切れなければ毎日少しずつ切ってもいいのです。
目安としては赤ちゃんの爪が2~3mm伸びたら切ればよいので、複数回に分けて切る場合は2mm伸びたら切ることを心掛けましょう。
また赤ちゃんが手の爪で顔や身体を引っかくと、患部から細菌が入って皮膚病の「とびひ」になる恐れがありますので、同じ長さでも足の爪より注意が必要です。
爪は大人の爪同様に足より手の方が伸びやすいので、赤ちゃんの爪切りは手の爪を優先して行ってください。
赤ちゃんの爪きりの失敗を防げる!ママパパが知るべき8つのコツ
赤ちゃんの爪切りのコツを知っておくと、爪切りが怖いママやパパでも楽にできるようになりますので、しっかりと覚えましょう。
1赤ちゃん用の爪切りを使う
赤ちゃんの爪は軟らかく小さすぎるので、大人用の爪きりではうまく切れずにケガをしてしまうことがあります。
特に新生児など低月齢の赤ちゃんには、ベビー用爪切りハサミが使いやすいです。
2爪切りが怖いママとパパは、ベビー用電動爪やすりを使う
赤ちゃんに爪切りを使うのがどうしても怖いママとパパには、「ベビー用電動爪やすり」という商品がおすすめです。爪やすり部分を手で触っても安全なので、赤ちゃんが多少動いてママの手元が狂ってしまっても大丈夫です。
ただし安全性は大きなメリットですが、少しずつ削っていくため爪切りのようにさっと切れずに時間がかかってしまうことと、ベビー用爪切り比べて高価なことがデメリット。
赤ちゃんが大きくなってからや二人目が生まれた時のことを考え、赤ちゃんのうちから少しずつ爪切りに慣れる練習もしておくことをおすすめします。
3足の爪は指の腹に当てた手を下げ、皮膚を引っ張って切る
赤ちゃんの足はプクプクしていて爪が皮膚に食い込みやすいので、間違って皮膚まで切ってしまわないように、足の指を抑えている人差し指で皮膚を軽く下に引っ張り、爪が皮膚から飛び出すようにしましょう。
こうすることで、誤って皮膚まで切るミスを防ぎやすくなります。
41本完了したらまた1本と、毎日こまめに進める
爪切りをしていると赤ちゃんが途中で目覚めてしまうことが良くありますので、毎日1本1本少しずつ進めるお世話がおすすめです。
「今日全部切ってしまわなくては!」と思うとプレッシャーを感じてしまいますが、「1本切れたからラッキー」と気楽に構えていれば、気持ちにゆとりができるため焦りも手元のズレも少なくなり、爪切りによる赤ちゃんの怪我の防止にもつながります。
赤ちゃんは周囲の気持ちに同調する力が強いので、大人がゆったり構える方が安心してしっかり寝られ、目覚めにくくなるため結果的に1度に全部切りやすくなります。
5爪切りが終わらずに追い詰められたら、ミトンを使う
初めは爪切りの日を決めてお世話をすればいいと思うママやパパが多いのですが、赤ちゃんによってはやっと寝ついて爪切りを始めた途端、すぐに起きて1本も切り終わらなかったなんてこともあります。そのため赤ちゃんの爪切りは毎日少しずつこまめに進めないと終わりません。
ところが中途半端に爪切りが終了してしまうと、とがった爪が残ってしまうなど赤ちゃんの顔へのひっかき傷が心配。ですから赤ちゃんが低月齢のうちは、ママが爪切りで追い詰められたらミトンを使いましょう。
ただし赤ちゃんは手先・頭・足先からしか発汗できず体温調節が上手くできないため、ミトンを付ける場合はうつ熱を起こさないように注意して下さい。背中やお腹に汗をかいていたら要注意ですので、こまめにチェックして室温や服装などで体温調節を行いましょう。
6お風呂上りの爪切りは避ける
大人の場合、お風呂上りだと爪が清潔で柔らかいので切りやすいのですが、赤ちゃんの爪はもともと柔らかく、お風呂上りだと爪がふやけてますます爪が柔らかくなってしまいます。
そのため爪を切りすぎて深爪や出血の原因になることがありますので、お風呂上がりの爪切りは控えましょう。
7起きている間は赤ちゃんの気をそらして切る
爪切りの間ほかのことに気がそれていると、赤ちゃんの動きが大人しくなりやすいです。ですから歌いながら爪切りをしたり、パパが読み聞かせをしている間に切ったりするのがおすすめ。
「爪切りタイム=快適」と感じると、赤ちゃんは爪切りを好きになりやすいですので、起きている時に切る場合はできるだけ楽しい時間にしてあげましょう。
ただしあまり興奮させすぎると、赤ちゃんが突然激しく動いて手元が狂うことがありますので、爪を切るママもあやすパパもお互いに注意してください。
8「シューシュー」とか「シーシー」とか声掛けしながら切る
「シューシュー」と言うのはNHKすくすく子育てで紹介された赤ちゃんを爪切りの時に大人しくさせるコツですが、筆者はテレビで紹介される以前に「シー」と言うとおとなしくなると聞いたので、実際に試したところ本当に大人しくなりました。
赤ちゃんや子供には「おとなしくして」「静かにして」と言うより「シー」と言う方が伝わりやすいので、「この指の爪だけは切り終えたい」という時におすすめの赤ちゃんの爪切りのコツです。
赤ちゃんの爪切りに便利!おすすめハサミと爪やすり
赤ちゃんの爪切りに大人と同じようなテコ型の爪切りは不向きです。商品によっては9ヶ月頃からテコ型が使えますが、爪が厚くなる1歳くらいから使用した方が使いやすいです。
爪切りが怖いママやパパが使いやすい「赤ちゃん用の電動爪やすり」などもご紹介しますが、道具を変えたら上手く爪切りができるようになったというママやパパもいます。ぜひ使いやすい道具で、赤ちゃんにとっての安全な爪の長さをキープしてあげましょう。
新生児つめきりハサミ
ピジョン
850円 + 税
新生児から使える小さい刃のつめきり専用のハサミ。刃先も薄くて丸いので新米ママも安心して使えます。
ハンドル部分が3本の指で持ちやすい形になっているので、一見小さくて持ちにくいようにも見えますが、ご使用されるとその安定感にすぐに気づけます。刃先を保護するキャップが付いているので、使わない時には怪我も防げて安心です。
ベビーツメキリハサミ(新生児用)ピンク
貝印株式会社
700円 + 税
ママ達の意見を参考にして商品開発されたこの爪切りサポートグッズは、刃先も薄くて丸く安心の日本製ですが、もっとも安心な点は使用しないときに刃先が開かないようにするロック機能があることです。
色違いでブルーもあるので、赤ちゃんに合う好きな色の商品を選ぶことができます。
ベビーつめ切りハサミ つめパックン
ピップ株式会社
オープン価格
先端に丸みがあり、赤ちゃんに刺さる心配がない安心設計。ハサミの刃もカーブしているため、赤ちゃんの爪切りに慣れていないママやママも深爪しにくいです。
専用カバーの側面には爪やすりがついているので、爪やすりを別に購入する必要がなく、スッキリ収納できます。
肌にやさしいベビー用なめらか爪やすり
アカチャンホンポ
900円 + 税
新生児から使える赤ちゃん用の爪やすりで、爪切りが怖いパパやママにおすすめです。
目が細かいので新生児の柔らかいお肌を傷つけることもなく、日中でも安心して赤ちゃんの爪切りができますが、爪の端は少し使いにくいという声もあるので、ハサミと上手く使い分けるのがおすすめです。
スリーウェイ つめやすり
株式会社グリーンベル
450円 + 税
生後6ヶ月から使える赤ちゃん用の爪やすりです。爪を切ったあとに尖っている爪の部分を滑らかに削ることをサポートするグッズで、使用することで、赤ちゃんの引っ掻き傷を予防できます。
色の濃さによってやすりの目の粗さが3段階あるので使い分ける事もできて非常に便利な商品です。
ネイルケアセット(爪やすり)
日本育児
3800円 + 税
デリケートな赤ちゃんの爪のケアに何かと便利な事が多いのがこちらの商品です。少し伸びと爪も削れるし、とがっている部分を丸めるのにも便利です。削りパットは月齢に合わせてカラー分けされて4種類あるので長い期間使えます。さらに削りパッドは別売りでも購入可能なので、下の子にも使えます。回転速度も2種類あり、手の爪と足の爪に使い分けられます。もちろん、簡単操作でそれらが可能です。
赤ちゃんの爪切りを失敗して出血したら、すぐに滅菌ガーゼで止血
赤ちゃんの爪切りで万が一切りすぎて深爪をしたり、切り傷ができたりして出血した場合は、すぐに止血しましょう。
赤ちゃんの爪を切りすぎた時の止血方法
- 滅菌ガーゼなど清潔なガーゼを用意する
- 出血している患部にガーゼを当て、指で圧迫する
- 止血後、消毒用アルコールを付けた消毒綿で患部を消毒する
- バンソウコウを貼る
ただし、赤ちゃんはバンソウコウを誤飲する恐れがありますので注意して下さい。キズパワーパッドは皮膚に密着してはがれにくいのでおすすめです。
しばらく圧迫しても出血が止まらない場合は、傷が深い可能性があるので圧迫を続けながら病院に連れて行きましょう。
赤ちゃんの爪切りの際は、化膿や巻き爪などの異常もチェック
赤ちゃんの爪切りの際は、爪の健康状態も同時にチェックしましょう。
気づかぬうちに深爪した部分から雑菌が入り、赤ちゃんの爪付近の皮膚が赤く化膿してしまったり、爪が皮膚に食い込む異常が起こったりすることがあります。
スプーンのように反り返る「さじ状爪」、原因は貧血かも!?
「匙状爪(さじじょうつめ)」とは、爪の中央が凹み先は反り返って、まるでスプーンのような形になってしまうことから「スプーン爪」や「スプーンネイル」とも呼ばれている爪のことです。
さじ状爪は鉄欠乏性貧血の人に良く見られる症状で、赤ちゃんや幼児の貧血サインとしてもよく知られています。
ただし赤ちゃんがさじ状爪になる原因は、貧血だけではありません。爪切りの際に両端の爪を切りすぎると、指の腹からかかる力を支えられなくなってさじ状爪になることがあります。
いずれにせよ赤ちゃんの爪切りの際にはさじ状爪もチェックし、発見したらかかりつけの小児科や乳児健診で相談するとよいでしょう。
両端の爪が皮膚に食い込んでいたら、「巻き爪」かも!?
巻き爪は手よりも足の爪に起こりやすいと言われ、症状が悪化してしまうと歩けないほどの痛みになることもあるので、早めの治療が大切です。
パパやママが巻き爪であると赤ちゃんも巻き爪になりやすいと言われていますが、実は深爪や爪の切り方が原因で巻き爪になってしまうことが多いです。
爪のピンクの部分のカーブに沿って爪切りをすると巻き爪になりやすいので、赤ちゃんの爪を切る際は両端を短くし過ぎないように切ることを心掛けましょう。
爪周辺が化膿して赤く腫れていたら、「爪周囲炎」かも!?
爪周囲炎とは、ささくれや深爪など爪の周りの傷口から雑菌が入り、化膿して皮膚が赤く炎症を起こしている状態のことです。
ささくれの原因は色々とありますが、低月齢のうちは気にしてケアしても、徐々におろそかになりがちなので、1歳を過ぎてからも爪切り同様に注意してケアしてあげましょう。
巻き爪や指しゃぶりをする赤ちゃんに多く見られ、腫れや痛みを伴い、悪化すると皮膚を切開して溜まった膿を出さなければなりません。
早めに気づけば小児科で処方される抗生物質で治りますので、異常に気づいたら早めに小児科や整形外科に相談ししょう。