妊婦さんの結婚式お呼ばれガイド:参列時期、マタニティドレス、持ち物、欠席の伝え方
妊婦さんがご友人やご親族の結婚式にお呼ばれされたら、「体調は大丈夫かな?」「マタニティドレスはどんなものを選べばいいの?」など、たくさんの疑問が出てくるのではないでしょうか。しかし、せっかくのお祝いの場ですから、お腹の赤ちゃんとご自身の体調に最大限配慮しつつも、新郎新婦をしっかりとお祝いしたいですよね。
ここでは、妊婦さんが結婚式にお呼ばれされたときに事前にチェックしておきたいポイントや、マタニティドレスの選び方、妊娠時期ごとの注意点などについて、さくさんの4コマ漫画と共にご紹介します。しっかりと事前チェックを行って、安心・安全にお祝いの日を迎えられるように準備を進めましょう。
妊婦さんの結婚式の参列は可能?時期別の判断基準
そもそも、妊婦さんが結婚式にお呼ばれすること自体が許されるのかどうか、迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には妊娠中であっても、お腹の赤ちゃんとママの健康状態が安定していれば参列しても問題ないとされています。
ただし、結婚式の招待状が届いてから当日を迎えるまでには数ヵ月間が空くため、特に初めての妊娠の場合は、数ヵ月後のご自身の体調を予測しづらく、返事に困る場合もあるかもしれません。迷った場合は、必ず妊婦健診を受けている産婦人科の主治医に相談し、アドバイスに従って判断しましょう。
妊娠初期・後期は特に注意が必要です
妊娠初期(~15週頃)は、つわりのピークと重なったり、流産の可能性が比較的高い時期です。つわりの程度には個人差がありますが、体調が不安定になりやすい時期のため、参列は慎重に判断する必要があります。
妊娠中期(安定期:妊娠16週~27週頃)になると、つわりがおさまって体調が安定してくる妊婦さんが多いです。担当医に相談の上、妊娠の経過に問題がなければ、この時期の式は比較的出席しやすい時期だと言えるでしょう。
また、妊娠後期、特に妊娠9ヶ月(妊娠32週以降)~臨月(36週以降)の頃は、お腹がかなり大きくなって披露宴で長時間座っていることが辛くなります。いつ陣痛や破水が起きてもおかしくない時期でもあるため、できれば参加を見合わせる方が無難です。
無理をして式に参加し、途中で体調不良になってしまうと、新郎新婦や他の参列者にご迷惑をかけてしまう可能性があります。妊婦さんが結婚式にお呼ばれしたら、ご自身の体調とお腹の赤ちゃんを最優先に、無理のない範囲で予定を組むことが大切です。
出席を控えた方がよい場合の目安
・結婚式の会場が健診を受けている病院から遠い場合(車や電車で長時間移動する必要がある場合)
・主治医から安静にするよう指示されている場合や、妊娠の経過が芳しくない場合
・妊娠初期でつわりがひどい、または妊娠後期(臨月前後)の式の場合
・遠方(特に飛行機移動を伴う場所)への参列の場合
欠席の場合の丁寧な対応
欠席する場合は、招待状に祝福メッセージと欠席する理由を添えましょう。「妊娠が判明し、体調を考慮して今回は欠席させていただきます」など、妊娠はおめでたいことであるため、招待状に書いても失礼にはあたりません。
できれば招待状で断るだけでなく、電話でも「出席したかったけれど、どうしても行くことができなくて残念」「本当におめでとう」と、出席したい気持ちや祝福する気持ちを直接伝えることで、より丁寧な印象になります。
招待状に欠席の返事をした場合でも、参加する場合に送る予定だったご祝儀の2分の1から3分の1程度の金額か、相応の品をお祝いの品として贈るのがよいとされています。
直接渡すのが難しい場合は、結婚式の1週間から2、3日前までには届くように手配しましょう。また式場に祝電を送るのも、祝福の気持ちが伝わる良い方法です。
参列前に新郎新婦・式場へ確認するチェックポイント3つ
当日の体調は事前にはわからないものです。妊婦さんは突然気分が悪くなったり、体調が変化したりすることも多いため、事前に新郎新婦か式場に確認しておきたいことがあります。
式場の席順と配慮
妊娠中は突然気分が悪くなったり、トイレが近くなったり、同じ体勢でいるのがつらくなったりと席を立つ機会が多くなります。
頻繁に出入りしても目立ちにくいように、席の位置は隅の方や出入り口の近くにしてもらうとよいでしょう。また、妊娠中のタバコの煙による受動喫煙は赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ喫煙される方の側は避けてもらうようにお願いしておきましょう。席順を決めるのは新郎新婦ですので、出席の意思を伝える時に座席についても配慮してもらえないか簡単に確認してみてください。
休憩所や控え室、トイレの場所
当日万全の体調で臨んだつもりでも、途中で体調が悪くなってしまうこともあるかもしれません。そういう時に休憩室や控え室など、少し会場から離れて横になれる場所があると安心です。設備のことは新郎新婦よりも式場に直接問い合わせた方がスムーズでしょう。
結婚式がはじまってからでは会場の雰囲気もあって動きづらくなるので、式や披露宴が始まる前までには、式場の人に休憩室や控え室、多目的トイレの場所を確認しておきましょう。
飲み物・食事の配慮
妊娠中はカフェインやアルコールが含まれた飲物・食べ物は避ける必要があります。通常の飲物は自分で調整することができますが、乾杯の時にアルコール飲料をすすめられてしまうと断りづらい場合があります。
最近は乾杯時の飲料は全てノンアルコールになっている式場が増えていますが、念のためアルコールが入っていないか確認してから口にするようにしましょう。
招待状に食べ物のアレルギーの有無等の確認欄がある場合もありますが、特に何も確認されなかった場合は、カフェイン(紅茶やコーヒー)や生物(刺身など)、ナチュラルチーズ(リステリア菌のリスクがあるもの)など、妊婦さんが控えるべき食材が含まれていないか、式場に問い合わせてみると安心ですね。
当日の服装選びのポイント5つ:マタニティドレスとマナー
妊婦さんが結婚式にお呼ばれしたら、式の当日の服装にも迷うところですよね。マタニティウェア専門店の情報や結婚式のマナーも参考に、選び方のポイントをご紹介します。
マタニティドレスは丈の上がりにくいゆったりしたものを選ぶ
妊娠中はどんどんお腹が大きくなります。実際に購入した時よりも着る時にはさらにお腹が大きくなり、お腹に生地が持っていかれて着丈が短くなってしまう可能性がありますので、ドレスの生地や幅、着丈にはゆとりのあるものを選ぶようにしましょう。
タイトスカートのドレスやウエストを強く締め付けるデザインのものは避け、Aラインやエンパイアラインなど、裾が広がったつくりになったドレスだと着丈が上がりにくく、お腹が大きくなっても安心です。
また、花嫁さまの色である「白」のドレスは避けるのがマナーです。黒を選ぶ場合は、羽織物やアクセサリーで華やかさをプラスして、喪服に見えないように配慮しましょう。
バストサイズの変化に注意する
マタニティドレスといっても、全体にゆったりしたものや胸下をしぼってお腹周りにゆとりのあるものなど様々なタイプがあります。
妊娠中はお腹周りだけでなく胸も大きくなるため、妊娠前と同じ胸のサイズでドレスを購入してみたら、実際に着てみた時に胸周りが苦しかったということもあります。
マタニティドレスを購入する際はあまり早めに準備し過ぎず、購入時のバストトップやアンダーバストのサイズを再度チェックしてから購入すると失敗が少なくなります。
靴は安全なローヒールを選ぶ
結婚式場から披露宴会場への移動など、結婚式は移動する機会もたくさんあります。
妊娠中はお腹が大きくなることで足元が確認しづらかったり、バランスを崩しやすくなったりするため、結婚式のお呼ばれでも妊婦の靴選びはとても大切です。転倒を防ぐためにも、靴はヒールが3cm以下のローヒールやフラットシューズを選ぶようにしましょう。
ヒール部分が太くなっているウェッジソールやチャンキーヒールだと安定感があって安心です。ビジューなどのついたものを選んで、華やかさをプラスしましょう。ヒールが低くても、フォーマル感のあるデザインを選べばマナー違反にはなりません。
4E程度対応ビジュー付ウェッジパンプス
(商品名)
ローヒールで安定性に優れたビジューパンプスです。ゆったりサイズなので、足がむくんでも痛くならずに履くことができ、花モチーフのビジューで華やかさアップです。カジュアルにもフォーマルにも使えます。購入・レンタルの際は、必ず最新の価格とサイズをご確認ください。
体温調節できるショールやボレロで冷え対策をする
妊婦さんにとって冷え対策は重要です。体が冷えると血行が悪くなり、お腹が張りやすくなるなど、体調に影響が出ることがあります。
式場は空調が効いていて、寒くなったり、逆に外は寒かったりとドレス姿では温度調節が難しいことがあるので、ショールやボレロといった羽織物があると便利です。ショールなら妊娠していない時でも長く使用することができますし、授乳ケープの代わりにもなります。
Dorry Doll(ドリードール) 衿フリルボレロ
(商品名)
程よい透け感で、使い勝手がよいショールやボレロは、シンプルですがフリル付きのデザインを選べば、ドレスのテイストやカラーを選ばずにゴージャス感をプラスしてくれます。購入・レンタルの際は、必ず最新の価格と在庫をご確認ください。
産後の授乳期にも使える「授乳口付き」だと便利
マタニティドレスの中には、産後の授乳期にも着られるように授乳口が付いている仕様になっているものがあります。今回は妊娠中の結婚式でも、次は授乳中の結婚式にお呼ばれすることがあるかもしれませんし、体の状態に合わせてその都度ドレスを買い換えるのは費用もかかりますので、授乳中にも着られるものだと長く使えて便利です。
マタニティ兼用でないものを買う場合は、バストサイズの変化や着丈が上がることを考慮して、ゆったりサイズを選ぶようにしましょう。
裾サテン フォーマル授乳ワンピース ウエストリボン
スウィートマミーなど(商品名)
妊娠中から授乳期まで長くカバーしてくれるフォーマルワンピースです。ジャケットやカーディガンと合わせれば、冠婚葬祭で大活躍間違いなしです。
サイズ展開が豊富なのも嬉しいポイントです。マタニティ・授乳服専門店では、他にも豊富なラインナップの中から結婚式用のマタニティドレスを購入・レンタルできますので、ぜひチェックしてみてください。
妊婦さんが結婚式のお呼ばれで持参したい当日の持ち物リスト
いくら結婚式のお呼ばれといえど、妊婦さんの場合は一人の体ではないので、いざという時に備えて次のような必需品や便利アイテムを持って行きましょう。
必須アイテム
妊婦さんの必須アイテムといえば、母子手帳と健康保険証です。何かあって、普段とは違う病院に受診が必要になった時も、母子手帳があれば妊娠の経過が分かります。これだけは式の時も肌身離さず持っていくようにしましょう。
また、お腹の張り止め薬など普段から服用している薬があれば、忘れずに持っていくようにしましょう。
結婚式といえば涙がつきものなのでハンドタオルは必需品ですが、トイレに行く際や少し気分が悪くなって口を覆いたくなった時にも便利です。
あると便利なアイテムは?
体調や緊急事態を想定したものを用意しておくと、いざという時に安心です。たとえば、つわりの気分転換用にアロマやミントタブレット、冷え対策として使い捨てカイロや厚手のタイツを持っていくのもよいでしょう。
さらに、どうしてもの時用にエチケット袋があると安心です。当日用に新しいものを用意するよりも、普段から使い慣れている気分転換グッズを持っていくのがよいでしょう。
また、予備のマスクや、手洗いのために除菌シートなどもあると安心です。荷物があまり多くなる場合は、大きなフォーマルバックを用意するよりもサブバックを使い、荷物を分けて持つようにするとスマートです。
4コマ漫画:結婚式へのお呼ばれ、妊婦の私でも大丈夫?
さくさんの4コマ漫画のように、妊娠中はしっかり結婚式のお呼ばれ準備をしたと思っていても、予想以上にお腹が膨らんだり視界が悪くなったりと、不測の事態が起きやすいです。
しかも結婚式当日は普段と違う状況ですので、妊娠していない状態でも緊張して疲れるものです。妊婦さんであれば、帰宅後はさらにぐったりしてしまうことも考えられます。
せっかくの結婚式だから十分に祝福して楽しみたいという気持ちはもちろんあると思いますが、やっぱりお腹の赤ちゃんとママの体調が一番大切です。
妊婦さんが結婚式にお呼ばれした際には、友人や家族の協力を得ながら、身体に無理のない範囲でお祝いするようにして、一日を無事に過ごせたら、帰宅後はゆっくり休んでください。