保育ママ(家庭的保育者)とは?
共働きや待機児童の問題で、預け先に悩む家庭は少なくありません。仕事も子育ても大切にしたい——そんなときの選択肢の一つが「保育ママ」です。ここでは、保育ママとはどんな制度なのか、料金や申し込み方法、メリットと注意点、さらに「保育ママになりたい」という方向けの情報まで、公的な制度に沿って解説します。
自治体が認可する少人数の保育
保育ママとは、仕事などの事情で日中の保育が必要な子どもを、保護者に代わって少人数で預かる制度・保育者の通称です。児童福祉法に基づく「家庭的保育事業」として、子ども・子育て支援新制度(2015年施行)では市町村が認可する「地域型保育事業」の一つに位置づけられています(現在の所管はこども家庭庁)。原則として3歳未満(0〜2歳児)が対象で、保育者の自宅や専用スペースで保育を行います。
ベビーシッターとの大きな違いは、市区町村の認可・認定を受けた事業である点です。ただし、保育ママ制度を実施していない自治体もあり、名称や利用・開業の条件も地域によって異なります。「保育ママ」という通称ですが、正式には「家庭的保育者(自治体により家庭福祉員などとも呼称)」で、性別を問わず従事できます。
かつては「保育園に入れなかった場合の受け皿」と見られがちでしたが、働き方の多様化や、少人数で家庭的な環境を望む家庭が、あえて選ぶケースも少しずつ増えています。
保育士資格は必須?研修について
保育士や看護師などの有資格者に限られていた時期もありましたが、現在は自治体の定める研修を修了することを要件に、保育士資格がなくても家庭的保育者になれる自治体が増えています。いずれの場合も、市町村が実施する研修(保育士等の有資格者と、資格のない人とで受講内容・時間が異なることが一般的)を修了し、市町村の認定を受ける必要があります。
ファミリー・サポート・センターの提供会員と似た面もありますが、家庭的保育事業は市町村の認可を受けた保育として、家庭的保育者一人あたりの保育人数や保育室の基準などが定められている点が特徴です。具体的な要件はお住まいの自治体で確認しましょう。
保育ママのメリット
認可保育園とは異なる、少人数ならではの良さがあります。小さいうちから、保護者以外の目できめ細かく見てもらえるのは心強いポイントです。
少人数で家庭的な雰囲気
保育ママが預かる人数は3人程度までとされ、落ち着いた家庭的な環境で過ごせます。少人数なので一人ひとりに目が届きやすく、その日の様子を細かく共有してもらえるのも安心です。一緒に預かっている子どもときょうだいのような関係を築いたり、その子の生活リズムやペースを尊重してもらいやすかったりする点も魅力です。
子どものことを細かく相談できる
信頼できて相性の良い保育ママは、育児の心強いパートナーになります。最初は保育園と勝手が違って不安だった保護者が、「次の子もこの保育ママに預けたい」と感じるようになるケースも。家庭の方針や悩みを伝えて密にコミュニケーションを取れることが、信頼につながります。
少人数ならではの環境
大人数の集団に比べ、感染症が広がる機会は相対的に少ない傾向があるとされます。ただし、少人数でも体調を崩すことはありますし、発熱など体調不良のときは原則として預けられません。無理に預けず、家庭や職場と相談して対応できる体制を整えておくことが大切です。
保育ママの注意点・デメリット
一般的に、3歳以降は同年代との関わりや活動の広がりが必要になるといわれます。保育ママは0〜2歳が中心のため、その先を見据えた注意点もあります。
原則3歳未満まで。その後は転園が必要
保育ママの預かりは原則3歳未満まで。そのため、3歳以降は保育園や幼稚園などへ移る必要があり、地域によっては引き続き保活が必要になります。転園は子どもにも保護者にも一定の負担がありますが、園庭のある施設で活発に活動し、社会性を育む移行期と捉えることもできます。なお、家庭的保育事業には卒園後の受け皿となる「連携施設」の設定が求められており、連携先の有無も確認しておくと安心です。
預かり時間が限られる
預かり時間は自治体や保育ママによりますが、1日8時間程度、夕方までという場合もあります。時短・パート勤務やお迎えを頼める人がいる家庭には向く一方、送迎や通勤時間を含めると、共にフルタイム勤務の家庭には厳しい場合も。延長保育の可否や料金を含め、事前に確認しましょう。
保育ママの都合で休みになることがある
個人や少人数グループでの開業が多いため、保育ママが研修・用事・体調不良などで休む場合、代替がいないと預けられないことがあります。年間の休みの目安や、代理の保育ママ・連携施設に預けられるかを確認しておきましょう。
保育の質やスタイルに差がある
経験や学びの度合いによって、保育の方針やスタイルに違いが出ることがあります。また、保育中に第三者の目が入りにくい環境を心配する声もあります。一方で、研修や保育ママ同士の情報交換に熱心に取り組む方も多くいます。保育園以上に相性が表れやすいので、預ける前によく話し、見学や面談で雰囲気を確かめることが大切です。
お弁当・おやつの準備が必要な場合も
給食がなく、お弁当やおやつを持参する運用のところもあります。離乳食に対応してくれる場合もありますが、基本は各自持参と考えておくとよいでしょう。
料金と申し込みの流れ
ここでは、料金の考え方と申し込みの大まかな流れを紹介します。詳細は自治体ごとに異なるため、必ずお住まいの市区町村で確認してください。
料金の決まり方と無償化
利用料は、保育園と同様に世帯の状況で決まる場合や、固定料金制の場合があります。重要なのは、2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化で、地域型保育(家庭的保育を含む)も対象になっている点です。
| 区分 | 無償化の扱い(認可の地域型保育の場合) |
|---|---|
| 0〜2歳児(住民税非課税世帯) | 利用料が無償 |
| 0〜2歳児(上記以外) | 原則は保護者負担。第2子は半額、第3子以降は無償などの軽減あり(世帯状況による) |
| 食材料費・延長保育料など | 無償化の対象外で、別途負担が生じることが一般的 |
※上記は認可の地域型保育(家庭的保育)を利用する場合の一般的な扱いです。金額や助成の有無、延長保育料は自治体・年度によって異なります。最新の料金と補助はお住まいの市区町村の窓口・公式サイトでご確認ください。
申し込みの流れ
自治体によって異なりますが、大まかには次の流れです。新制度では、市町村から「保育の必要性の認定(3号認定)」を受け、市町村の利用調整を経たうえで利用先が決まります。地域型保育は、この調整のもとで利用者と事業者(保育ママ)が契約する形が基本です。
- 市区町村の窓口に相談し、保育の必要性の認定を申請する
- 利用調整を経て、保育ママを紹介してもらう
- 面談・見学で、方針や相性、保育内容を確認する
- 利用契約を結ぶ
面談では、子どもの体質やアレルギーの有無、性格、食事、保育日・保育内容などをしっかり伝え、確認しましょう。相性に不安が残るときは、そのままにせず自治体に相談を。復職などで焦る気持ちがあっても、日中ずっと一緒に過ごす相手だからこそ、気になる点があれば別の保育ママを検討することも大切です。
保育ママ(家庭的保育者)になるには?
「子育ての経験を生かしたい」と考える方向けの情報です。条件は自治体ごとに異なり、そもそも制度を実施していない自治体もあるため、まずはお住まいの自治体に制度の有無を確認しましょう。
一般的な要件としては、市町村の研修を修了して認定を受けること、一定の年齢範囲であること、保育に適した部屋の広さや安全面の基準を満たすことなどがあります。自宅で保育する場合、保育者自身に就学前の子どもがいると認められないなどの条件が設けられていることもあります。保育室の基準確認は、最初のハードルになりやすい部分です。
保育士や幼稚園教諭などの資格がなくても認定される自治体もありますが、預ける側が有資格者を希望する傾向もあります。何より、子どもの命を預かる責任の重い仕事です。事故防止や安全管理への備えも欠かせません。本気で目指す方は、自治体の最新情報を集め、実際の保育ママに話を聞いてみるのがおすすめです。
よくある質問
保育ママとベビーシッターは何が違う?
保育ママは市区町村が認可・認定した家庭的保育事業で、人数や保育室の基準、研修修了などの要件があります。ベビーシッター(個人・民間サービス)とは、この公的な認可の有無が大きな違いです。
何歳まで預けられる?
原則3歳未満(0〜2歳児)です。3歳以降は保育園・幼稚園などへの移行が必要になります。
料金は無償になる?
認可の地域型保育(家庭的保育)は無償化の対象で、0〜2歳児は住民税非課税世帯が無償です。それ以外は世帯状況により負担や軽減が異なり、食材料費・延長保育料などは別途かかる場合があります。詳細は自治体にご確認ください。
まとめ:制度を知って、賢く選ぼう
保育ママ(家庭的保育)は、少人数で家庭的な環境が魅力の、市区町村認可の保育です。原則0〜2歳が対象で、料金や条件、無償化の扱いは自治体によって異なります。メリットと注意点の両方を理解し、面談や見学で相性を確かめたうえで、お住まいの自治体の最新情報を確認しながら、家庭に合った預け先を選んでいきましょう。
参考(掲載時に各公式サイトの最新情報をご確認ください)
- こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」「子ども・子育て支援新制度」
- 児童福祉法(家庭的保育事業に関する規定)
- お住まいの市区町村の保育担当窓口

