育休期間はいつからいつまで取得可能?男性もとれる?給料は?
育休の期間や給料の支払い、手続きや保険料などについては、働くママが出産後に育児を開始するにあたり早めに正しく知っておきたい情報です。
子育てと仕事の両立は大変ですが、国の制度を上手に活用して育児による経済的な負担を軽減できますので、妊娠したらいつからいつまでの期間に取得できるのかなど育休制度に付いての正しい知識を早めに身につけましょう。
まずは育休の期間と取得方法のほか、育児休業給付金の計算方法や手続き、育休期間の延長などについて分かりやすく説明していきます。
育休は男性も取得可能な休暇で期間中は育児給付金がもらえる制度
育児休業、略して「育休」とは育児・介護休業法で定められている制度で、1歳になるまでの子供を持つ労働者が会社に申し出ることによって取得が可能な育児のための休暇のことです。
出産するママしか取ることができない産休と違って、申請すれば男性も取得することができ、給料も有給や無給ではなく育児給付金が支給されるのが特徴です。
育休期間は最長2年!産休明けから子供が2歳になるまで延長できる
育休を取得できる期間は、母親が出産してから8週間後の産後休業終了日の翌日から、子供が1歳の誕生日の前日までが基本です。
ただし職場復帰後に子供の面倒を見る人がいないなど家庭の事情によっては、育休を1歳6ヶ月まで延長することができます。
もし育休の期間を延長する場合は、育休開始予定日の2週間前までに申請しましょう。また2017年からはさらに2歳まで再延長できるようになりましたので、期限前に早めに申請してください。
育休取得の条件は雇用形態や就労期間!パートや契約・派遣社員は契約を確認
育休は、正社員であればほとんどの場合、取得することができます。さらに、パート従業員や契約社員、派遣社員であっても、次の条件を満たしていれば取得することが可能です。
・現在の職場に1年以上勤務している
・1週間の労働日数が3日以上である
・子供が1歳の誕生日を迎えた後も、引き続き勤務する見込みがある
ただし、勤続日数が1年未満の場合や日雇いの場合には、育休は取得することはできません。
育休取得の申請期間!休業する1ヶ月前までに会社に申し出る
育休を取得するためには、休業する1ヶ月前までに職場に申し出る必要があります。仕事に支障をきたさないためには、早めに育児休暇の取得について報告し、産前休暇に入る前または産休中に必要な書類を提出することが望ましいといえます。申請用の書類は会社によって異なることから、まずは職場の担当者に確認するとよいでしょう。
育休を取得する際、育児休業開始日と休業終了日の書類への記載が必要になりますが、出産が予定日よりも早くなったり、または遅れた場合は、当然開始日と終了日変わりますよね。そんな時は、出産後に「育児休業対象児出生届」を提出することで、育休期間を調整することができます。
育休中に支給される育児休業給付金とは?期間や金額の計算方法
育休中は会社から給料がもらえないので、経済的に困ると考えているパパやママもいるのではないでしょうか。そんな子どもを育てるために仕事を休まざるをえない、パパやママの経済的な負担を軽減してくれる制度が育児休業給付です。具体的にどうやって手続きをすれば、給付金がいくらもらえるのかをみていきましょう。
育児休業給付金とは
育児休業給付金とは、育児休暇中に雇用保険から支給される給付金のことです。ただし、育児休暇を取得すれば誰でももらえるというわけではありません。育児休業給付金を受給するには、次のような条件を満たしていなければならないので確認しておきましょう。
育児休業給付金の支給に必要な条件
・雇用保険に加入している
・育休開始前の2年間、月に11日以上勤務している月が12ヶ月以上ある
・育休中に会社から月収の8割以上の給料が支払われていない
・子供が1歳の誕生日を迎えた後も、引き続き勤務する見込みがある
育児休業給付金の支給期間
育児休業給付金は通常、育休の期間で同じ産後休暇終了の翌日から、子供の1歳の誕生日の前日まで支給が受けられます。また、育休期間を延長した場合も、同じように育児休業給付金の支給も延長されます。
育児休業給付金の計算方法
育児休業給付金は、育休開始時の賃金日額から算出します。次の計算方法にあてはめてみましょう。
育児休業給付金の支給額
・育休開始から180日以内:育休開始時賃金日額×支給日数の67%
・育休開始から6ヶ月経過後:育休開始時賃金日額×支給日数の50%
この計算方法でいくと、収入が高ければ高いほど支給額が高額になるように思いますが、実は、支給額には育休開始から180日以内は285,621円、6ヶ月経過後は213,150円という上限があるので、いくらでももらえるという訳ではありません。
それでは、育児開始時賃金日額が1万円(月給が約30万円)の場合を例に、実際に計算してみましょう。
【育休開始から180日以内】
1万円×180日×0.67=1,206,000円
【育休開始から6ヶ月経過後】
1万円×120日×0.5=600,000円
次の2つの金額の合計が、育休開始から子供が1歳をむかえるまでに支給額です。
1,206,000円+600,000万円=1,806,000円
基本的に育児休業給付金は2ヶ月ごとに支給されるので、最初の支給は育休開始から数ヶ月後にまとめて支払われるため、その期間の家計のやりくりには注意したいですね。
給付のための手続きと必要な書類
育児休業給付金の手続きは、ほとんどの場合は会社で行ってくれます。その際、育児の事実を確認できる書類の提出が求められることから、母子健康手帳の出生届出済証明に関するページのコピーを用意しておくとよいでしょう。
雇用している事業主は、育休開始日の翌日から10日以内にハローワークに必要書類を提出する必要があるため、産休を予定しているママは、少なくとも育休開始の1ヶ月前には、提出が必要な書類を会社に提出しておくようにしましょう。
育休期間のあるあるQ&A!延長の条件や社会保険料の支払いなど
育児休暇については他にもいくつかの疑問があるでしょう。よくある疑問の中から育休期間の延長や有休使用などいくつかを詳しくご紹介していきます。
Q1保育園の空きがないのですが育休は延長できますか?
育休の期間は原則として、子供の1歳の誕生日の前日までとなっていますが、保育所に子供を預けて職場復帰する予定だった人の中でも、保育所に入所申請しているのに保育所に入ることができない、いわゆる待機児童の状態の場合、育児休業を最長1歳6ヶ月の誕生日の前日まで延長することができます。
延長を希望する場合は、延長が必要な理由が分かる書類を添えて、子供の1歳の誕生日の前日を含む支給単位期間の申請を行う際に手続きを行う必要があります。また、子供の面倒を見る予定だった配偶者が、病気などの理由により子供の世話をできなくなった場合も同様に育休を延長が可能です。
また、「パパママ育休プラス制度」の利用により最長1歳2ヶ月の誕生日の前日まで、育児休業を延長が可能になります。
パパママ育休プラス制度とは
パパママ育休プラス制度は、パパとママが一緒に育休を取ったり、交代で取得することで、1歳2ヶ月まで育休を延長できる制度です。その間、もちろん育児休業給付金が支給されることから、概要をしっかり理解して上手に制度を活用しましょう。
1歳2ヶ月まで育休を延長するためには、次の条件のどちらかを満足している必要があります。
パパママ育休プラス制度で育休を延長するための条件
・条件1:パパの育児休業開始日がママの育児休業開始日以降である
・条件2:パパの育児休業開始日が子供の1歳の誕生日よりも前であること
また、パパママ育休プラス制度はママが専業主婦の場合でも使えるのが特徴。この場合、育休の所得によりパパは、出産から子供の1歳の誕生日の前日までお休みすることができます。パパママ育休プラスの取得の手続きは、休業を開始する予定日の1ヶ月前までに行う必要があるため、事前にそれぞれの勤務先に確認しておくとよいでしょう。
Q2育休中に有給休暇を使うことはできますか?
有給休暇が余っているので、育休中に有給休暇を消化したいと考える人もいらっしゃるようですが、育休中は就労義務がない期間とみなされることから、基本的に育休中に有給休暇を使うことはできません。ただし、次回の有給休暇を取得するためには、年間の出勤率が8割以上でなければいけないのですが、育休は出勤率の上では勤務とみなされることから、1年間休んだとしても次回の有給休暇を原則通り取得することができるのです。
特に、職場復帰後は子供の急な発熱や保育園の行事などで、何かと有給休暇が必要になってきます。そのときに有休を使うことを思えば、育休が出勤率に影響を与えないことは、産後のママにとってはラッキーだといえますね。
Q3育休中は社会保険料が免除されると聞いたのですが
普段、会社から交付されている給料明細を見ると、健康保険料や厚生年金保険などの社会保険料が引かれていますよね。実は、育休中に申出をすれば、これらの社会保険料が免除になるのです。基本的に保険料は日割りで支払うことができないため、育休開始の月から終了する月の前月まで、月額の保険料が免除されることとなります。
社会保険料を免除してもらうためには、事業主から日本年金機構に「育児休業取得者申出書」を提出することで手続きがなされます。個人的に手続きは必要ありませんが、会社では育休の申し出から手続きを行うため、育休の予定が立っている場合は、できるだけ早めに会社に報告しておくとよいでしょう。
子育て4コマ漫画:育休期間はあっという間!?復帰を見据えて動こう!
育休期間は長いようであっという間の過ぎてしまいますが、終わりに近づくと多くのママが永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画のように寂しさを感じて不安になります。
ところが育休期間が明けて仕事が始まると、忙しい毎日ではあるけれど子育ても仕事も楽しいと言うママが多いです。
ただしワーママの宿命ともいえる疲れの蓄積についてはどうにもならず、逃げ出したくなる人も。乗り切るためには育休期間中の過ごし方や育休期間の決め方が鍵になりますので、できることをできるうちに済ませ、育休期間が明けたら割り切りも大切だと心得ておくと少し楽になりますよ。