二重保育だと子供が可哀想?先輩ママが感じた二重在籍の実態
二重保育とは、親の仕事の都合などで幼稚園と保育園に在籍したり、保育園降園後に別の保育施設やシッターなどの保育者に預かってもらったりして、乳幼児が保育施設や人に二重在籍して受ける保育スタイルという意味です。
一般的な保育園児よりも長時間親元を離れさせるため、ママが実親や義両親から「かわいそう」と言われてしまうことも多く、親としても子供のストレスなどが心配になりがち。
とはいえ働いていると急な残業や出張、仕事の掛け持ちなどで二重保育に頼らざるを得なくなる家庭もあります。ですから働くママさんは職場復帰前に二重保育について理解を深めておきましょう。
保育園以外で二重保育を実施している施設
認可保育園にプラスして無認可保育園や認証保育園に二重在籍、もしくは認可保育園に入れず無認可保育園2ヶ所に二重在籍するご家庭が多いです。
また認可保育園にプラスして、次のような施設や人に預けて二重保育を行っているご家庭もあります。
- 保育ステーション
- ベビーホテル
- 幼稚園
- ベビーシッター
- ファミリーサポート
- 保育ママ
保育ステーションは現在限られた地域にしかない施設ですが、駅前に多く、親に代わって保育園への送迎をしてくれるなど、働くご家庭の親に人気があります。
二重保育の送迎
二つの施設に在籍する二重保育の場合、施設間の送迎が心配な点の一つです。
幼稚園に入園させたい、あるいは幼稚園に入れるしかないというご家庭の場合、保育園との二重保育を選択することもあります。その場合の送迎は、幼稚園保育園間の送迎を幼稚園バスにお願いすることが多いです。
また残業などで保育園降園以降も預かってもらう場合、ベビーシッターやファミリーサポートにお迎えと預かりをお願いしたり、ベビーホテルや無認可保育園などの夜間預かり施設への送迎だけをお願いしたりすることもあります。
二重保育のメリットデメリット~体験談~
送迎以外にも費用、子供や親へのメリットデメリットなどが気になるところ。二重保育経験者のママ達の場合は子供にどのようなメリットやデメリットがあったのかなど、体験を見ていきましょう。
保育園と幼稚園の二重保育
子供なりに楽しさを見つける
現在6歳の長男を、3歳から5歳まで幼稚園と保育園の二重保育を利用して預けていました。朝7:30に朝保育として保育園に預け、幼稚園のバスが保育園までお迎えにきて幼稚園へ行き、14時までの幼稚園が終わると再び幼稚園バスで保育園へ戻してもらい、19時まで保育園で預かって貰っていました。
施設間の送迎は幼稚園バスで行えたのでそこは良かったです。二重保育を行なった理由は、仕事がフルタイムで尚且つ職場が時短勤務に理解がなく、申請しても了承してもらえなかったことが一つの理由です。
また通っていた保育園が2歳保育までで、3歳以上だと転園かつ市内でも空きがなく、幼稚園なら確実に入れ、保育園が幼稚園後の預かり事業を行なっていたこと、幼稚園の預かり保育では朝の送りも迎えも共に間に合わないためでした。
二重保育のメリットは、二重保育を利用することで働いていたら入れられなかった幼稚園に入園させられたこと、また通い慣れた保育園からの預かりだったので子供自身もストレスが少なかったことです。
デメリットは預かり時間が長くなるので子供との接する時間が少なかったこと、幼稚園に送迎しないので子供の様子がわかりにくかったことです。
二重保育で成長に悪影響があったとは思いませんが、年齢が低いと家に帰ってきてからご飯を食べながら寝てしまうなど親として罪悪感はありました。でも子供は子供でそこでの楽しさを見つけてきてくれるので、あまり心配しなくても大丈夫だと思います。
幼稚園とファミリーサポートの二重保育
信頼できるファミリーサポーターさんに頼めて良かった
今、子どもは7歳と5歳です。二人がそれぞれ幼稚園の年長クラスと年少クラスだった時、ファミリーサポートさんで二重保育をお願いしていました。仕事は10:00~16:00のパートでしたが、幼稚園からは30分くらい離れているため、仕事が終わって迎えに行くまでは幼稚園の延長保育も利用していました。
幼稚園が大好きな子どもたちですが、幼稚園は学期の休み前になると短縮保育になり延長保育が無くなるため、はじめは仕事のある日に保育園の一時預かり制度を利用していました。
しかし保育園に馴染めずストレスを訴えたので、幼稚園に通っても私が仕事をできるようにファミリーサポートを頼みました。毎月の幼稚園の保育料は延長保育料を含めて二人で五万円くらいですが、ファミリーサポートを利用していた時は月七万円弱かかっていました。
週3日しか利用できない保育園の一時預かりシステムを利用した場合は、2万くらいかかっていたので少し割高になりましたが、週5日利用できるので時間を気にせず働ける日が増えました。
午前中と午後3時までの短縮保育の日にファミリーサポートの方に幼稚園へのお迎えをお願いし、あちらの自宅で預かってもらいました。ちなみに無資格の方だけでなく保育士などの資格を持っている方もいて、自由に選べました。
お世話になったファミリーサポートの先生は保育の資格を色々お持ちの方で、育児相談にのって貰えて良かったです。幼稚園に通える日が増えて子供達の情緒も安定しました。
認可と無認可保育園の二重保育
休みの日にたっぷり愛情を注げば大丈夫!
私の息子は現在高校生です。保育園に通っていた頃に4年間二重保育をお願いしていました。朝から夕方まで認可保育園、夜は無認可保育園に預けていました。
保育園に行っている間に正社員で働き、夜はパートに出てと仕事を掛け持ちしていたので送迎は全て自分で行いました。
私は息子を産んですぐ離婚したシングルマザー。親に頼ろうかとも思ったのですが、親も足が悪くそれなら保育園に預けようと思い、有難いことにちょうど近所にあったのでお願いすることになりました。シングルマザーだったので当時の保育料は合わせて2万円程だったと思います。
二重保育のメリットは、やはり働ける時間が増えることですね。逆にデメリットは子供に寂しい思いをさせてしまうことです。
当時は息子に寂しい思いをさせてしまいましたが、再婚したのでその後今のパパに思う存分遊んでもらえて、信頼関係も築けているので傷は残っていないようです。
二重保育は大変ですが子供のためですのでしょうがないと思います!そのぶん休みの日に愛情を浴びせるほど子供に注いだら大丈夫!がんばって!
認可保育園と夜間保育の二重保育
一人で留守番させるよりずっと安心
5歳の年長を二重保育に預けて1年以上が経ちます。昼間は認可保育園に預けています。夕方迎えに行き、晩ご飯を食べお風呂に入れたら夜間保育に預けています。送り迎えは自分でします。夜の仕事をしているので他に預ける人がいません。
保育料ですが昼間の保育園は所得に応じて、単身家庭の為保育料はそこまでかかりません。夜間保育は時間制で支払っています。
メリットは仕事をしている間も安全な場所できちんと遊んでくれたり優しく接してくれたりと安心感があります。デメリットは夜間に迎えにいく時、子供を起こして帰るので、寝てから朝まで同じ場所ではないのが可哀そうと感じています。
二重保育で専門知識をもった温かい先生が愛情持ってみてくれることに感謝しています。子どもを家に一人にしておくよりは、信頼できる人に預けた方が安心です。様々な状況がありますが、自分一人だけではどうしようもないところを、他の人に協力してもらって一緒に育てていくという気持ちでいます。
子どもは敏感なので慣れるまでが時間がかかるかもしれませんが、楽しい場所や好きな友達に会えると思えば、子どもも納得してくれたりもします。長時間一緒にいられない分、一緒にいる時にはスキンシップをかかさず触れ合いを沢山してください。そうすると安心して二重保育でも預けることが出来ます。
認可保育園とファミリーサポートの二重保育
数多くの他人と会えてよかった
今18歳の娘は3歳から6歳までの3年間、認可保育園から市のファミリーサポートの方に保育園後園に迎えに行ってもらい、その方の家で2時間程お世話になって二重保育を受けていました。
保育園の保育時間だけではとても働けず、はじめは祖母に助けてもらいましたが、祖母も体調を崩したのでファミリーサポーターさんにお願いしました。費用には規定があり、時給900円とガソリン代キロ150円で、夕食を御馳走になった時は1食300円かかりました。月の費用は5万円くらいでした。
メリットは色々な人との関わることで色々な人格に触れ、可愛がってもらえたことです。子供のためにもすごくよかったと思います。しかし経済的には大変で、子供も緊張していなくてはならず、帰宅後はよくぐずりそれがデメリットです。
あれから10数年経ち、娘はあまり当時の記憶が無いようで「けっこう楽しかった」と言っています。親は心を痛め預けていたのですが、何とも思って無いようで良い経験になったと思います。
二重保育は子供も疲れるし出来たら避けた方がいいのですが、どうにもならない時は良い経験が出来ると前向きに考え、その分一緒にいられるときに頑張る子供をバックアップしてあげると良いと思います。
二重保育への親の心構え
共働き世帯の増加や離婚率上昇に伴い、ママからの子供の二重保育のニーズは高まっています。その一方で保育資格を持つ保育士がいないベビーホテルで赤ちゃんが亡くなるという痛ましい事故がニュースになり、ママの中には二重保育に不安を抱いている人もいるでしょう。
特に夜間に働くシングルマザーの場合、夜間保育に預けず自宅に置きっぱなしにする危険性を考え、身を切られる思いで預ける決意をすることも多いのですが、安心して預けられる有資格者がいてしっかりと保育できるよい施設を選べば、むやみに心配する必要はありません。
筆者も二重保育経験者ですが、子供は悲しみや寂しさの中から学ぶことも多く、後に親以外の大人への信頼感を増す経験として残ることも多いので、必ずしも人生や人格形成にマイナスになるとは言えません。
ママはポジティブに考えて、明るい気持ちで子供と接する心構えをすることが大切!ただし、子供への声掛けには注意しましょう。
子供の気持ちを否定しないで!
「先生が優しくてよかったね」などと安易に子供の寂しさを否定することを言わないように注意しましょう。子供は自分の寂しさを一番理解して欲しいママに理解してもらえなかったと思ったり、「ママに言ってもムダだ」と絶望的な気持ちになったりする子もいます。その結果、親子の信頼関係が崩れて人格形成へ悪影響も及ぼす恐れもあります。
子供が寂しさを訴えてきたら「寂しかったね」「我慢してくれてありがとう」「頑張ってくれた分、お休みの日はママと一緒に遊びに行こう!」などと、子供の気持ちに同意し、感謝の気持ちを伝えましょう。
そして一緒に過ごせる時間の中で子供が愛情をたっぷり感じられるように、子供の話をよく聞くことを心掛け、スキンシップを大切にして一緒にいられる時間を楽しく過ごしましょう。
子供が寂しさに執着せず気持ちをプラスに切り替えられるようにサポートすれば、そんな親の背から子供も相手の気持ちを労わるという大切なことを学べます。