子供同士のトラブルへの対応に関する記事

『子供同士のトラブルをママ友トラブルに発展させない対応6』

子供同士のトラブルに親はどこまで介入すべきなのでしょう?トラブルへの基本的な考え方を解説します。幼稚園や保育園、学校、トラブル相手の保護者への菓子折りなどの対応も、体験談を交えてご紹介しますので、お互いの子供の幸せを考えて対処しましょうね。

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子供同士のトラブルに親の介入は必要?ママ友への謝罪などの対応

子供は集団生活でトラブルを体験して成長するもの。一度や二度はお友達とケンカをし、時には怪我をさせたり、物を壊してしまったりするなどのトラブルを起こすこともあります。ところが、最近では子供同士のトラブルに親が必要以上に介入したり、マナーを欠いたりするため、ママ友トラブルに発展し、子供達や先生を悩ませることも…。

今回は、子供同士のトラブルへの親の介入園や学校からの連絡への対応ママ友トラブルに発展させない親の対応について、体験談を交えてご紹介します。我が子可愛さに相手の気持ちを考えない対応を、子供は見て吸収します。我が子の人間形成のためにも、思いやりを忘れない対応を心がけましょうね。

子供の成長とトラブル

物を壊してしまった、お友達とケンカをしてしまった、お友達に怪我をさせてしまったなど、子育て中に子供達はさまざまなトラブルを起こします。子供がトラブルを起こすと「親の責任」と、親はつい手出し口出ししてしまいがちなのですが、基本的なスタンスとして、子供のトラブル解決は子供自身に任せることが大切です。

子供は大人への成長過程において、親や教師から口で教えられるのではなく、子供同士のトラブルを体験することで様々なことを学んでいきます。「困った、どうしよう」という体験で、相手の気持ちを察したり、自分の行動によって起こる先の見通しを立てたりといったことを、自ら考え、身につけるのです。

ですから、こういったチャンスを親が介入することで子供から取り上げてしまえば、子供は共感力やコミュニケーション能力など、生きていくのに大切な様々な能力を育むことが困難になってしまうのです。できるだけ、チャンスを取り上げないようにしたいですね。

親がトラブル解決に乗り出したほうが良いケース

  • 物や人に対する被害が大きい
  • 相手の親が先に介入している
  • 園や学校が親の介入を望んでいる
  • トラブルの解決が半年以上長引いている
  • 周りの子供や保護者への影響が大きい  など

ただし、どうしても子供だけでは解決ができないケースや、解決どころか状況が悪化してしまうケースも多々ありますよね。親が介入せざるを得ない状況をよく見定めて、親が必要以上に介入しないよう、子供を信じて見守っていきましょうね。

子供同士のトラブルで幼稚園や学校から電話が…親がすべき対応

親にとって一番心配な子供のトラブルは、幼稚園や学校などの管理されている施設内で起こる子供同士のトラブル。子供の扱いに慣れた先生達に管理されている場所であれば、一見トラブル解決が早いような気がしますが、親は子供の起こしたトラブルの実態を把握しにくいだけでなく、さまざまな大人の思惑が介在するだけに、スムーズに解決しないというケースも多いのです。

突然、「お子さんが、こんなトラブルを起して困っています」という連絡を受け取った時、親はどのように対応すればいいのでしょう?

園・学校から話を聞く

幼稚園や保育園、小学校の先生から子供のことで連絡がきたら、まず先生方の説明をしっかり聞きましょう。先生方の説明は、大人が見聞きした客観的な事実です。後々トラブルが長引いた時のことを考えて、要点をメモ書きして記録しておくことをおススメします。

ここで注意しておきたいのは、先生の説明が全て正しいと思い込まないことです。先生がそのトラブルを実際目の前で見ていたのか、それとも子供たちが大騒ぎを始めて仲裁に入り、子供たちから内容を聞いて伝聞をしているのかで、トラブルの実態は大きく違います。

話の内容によっては、電話ではなくトラブルを起こした現場を見ながら、直接先生と面談して話を聞いたほうが良いケースもあります。まずはトラブルに対する先入観を持たず、自分自身も冷静に対応することを心がけましょうね。

園・学校の意向を確認する

園や学校で起きたトラブルの対応は、まずそれぞれの施設の先生方がすべきことです。ここで親が先走って、相手の保護者と連絡を取ってしまうと問題がこじれるもとになりますよ。まずは先生や園、学校側で今回のトラブルをどう解決していくつもりでいるのか、確認しておきましょう。

直接相手の保護者と話すように指導されることが稀にあるようですが、基本的にはケガをさせたり物を壊したりといった場合以外、園や学校で子供達を指導していくことが多いです。その場合、親がそれ以上の口出しをすることは控えます。そして、「指導する上で問題があったら、家庭にも連絡をお願いします」としっかり伝え、学校と家庭で十分に情報を共有することを心がけましょう。

しっかり子供の話を聞く

おおむねの事情が分かったところで、子供から話を聞きましょう。子供は園や学校でのトラブルを自分から親に話さないことも、ごまかそうとすることもありますが、「先生から話は聞いたよ」と話を向けて、子供の目線のトラブルの経過を聞いていきましょう。

このとき、子供を叱ったり、怒った表情や口調で聞いたりするのはよくありません。子供は悩んでいることを話してくれなりますし、親子の信頼関係が崩れて、次にトラブルが起きた時、話さなかったり嘘をついたり、やけを起こすこともあります。

また、子供の話が先生の話と食い違っても、頭から否定する必要はありません。あくまでも、「どうしたの?」「何があったの?」と促しながら、子供自身の言葉で起きてしまったトラブルについて話せるように、しっかり聞いていきましょう。

子供の気持ちに理解を示す

子供が起こしたトラブルの対応で、一番親が大事にしなくてはいけないことは、トラブルを起こした子供の気持ちを理解して、寄り添ってあげることです。どのような原因があったにしろ、誰が悪いことをしたのかにしろ、トラブルが起きたことで子供が心に深い傷を負っていることは間違いありません。

味方になってあげることができるのは、パパやママだけ。「つらかったね」「ダメだってわかったんだね」と、子供の気持ちをきちんと受け止めてあげることで、子供の中に自己肯定感が育ち、自分の非を認めてトラブルを解決する勇気を持つことができます。また、次にトラブルが起きた時も、進んで親に相談をすることができるようになりますよ。

子供自身が解決する姿勢を支えましょう

子供のトラブルは、苦労してでも本人が何とかしなくてはいけません。もし子供が途方に暮れてしまい、「どうしたらいいの?」と聞かられたら、「こうする方法もあるし、ああいった方法もあるよ」と、いくつか解決の仕方を教えてあげ、自分で考えさせましょう。

これ以上の親のサポートは基本的に無用です。子供と先生の相性にもよりますが、今後学校で何か困ったら、パパやママだけでなく、先生にも相談をするよう指導をしておきましょう。あわせて家庭で聞いた子供の話を先生にも話しておき、家庭の情報を学校にフィードバックして、学校と家庭が連携して子供の指導にあたっていくことが大切です。

子供同士のトラブルがママ友トラブルに発展

「子供同士のトラブルは、子供が解決の努力をすべし」ということは、昔からの不文律ではありますが、最近は少子高齢化で子供がとても大事にされる風潮があり、子供のやることなすことに介入してくる保護者がいるのも事実。

普段は気が合うママ友でも、我が子が可愛さにトラブルが起きた途端に態度が変わり、子供同士だけでなくママ友同士のトラブルに発展することがありますよ。

ハマちゃん
33歳

ママ友トラブルに発展!

私には小学校6年生の娘がいます。うちは私立の小学校なので、それほど子供同士のトラブルはなく、ママ達も和やかにお付き合いしていたのですが、ある日クラス内の男の子数人が禁止されているゲーム用のカードを教室に持ち込んでいたのを女の子たちが見つけ、クラス会で問題になりました。結局は子供達で話し合い、「おもちゃは学校に持ってきてはいけない」と決めたそうです。

カードを持ち込んだ男の子と保護者のほうには、先生から注意がいったのですが、男の子のママのうち数人が注意されたことを根に持って、懇談会のときに先生にやたらと反抗的な意見を言ってみたり、PTA作業の時に問題を大きくした女の子のママを仲間外れにしていたりと、本当に子供みたいでした。

そういったママと一緒になって仲間はずれに加わる人もいて、本当に子供同士のトラブルは怖いなと思いました。

キョウコ
48歳

恨んでいます

いま高校3年生の長男が小学校2年生だった頃のことです。私はフルタイムで仕事をしていますので、当時長男は小学校の隣の敷地に併設されている児童館に通っていました。その児童館には同じクラスのAくんや、小学校4年生のA君のお兄ちゃんB君も通っていて、とても気が合ったので長男はよく一緒に遊んでいました。

休日には子供同士が公園で遊んだりもしていて、私も相手のママと顔を合わせる機会が多くなり、仲良くなりました。ところが、夏ごろからB君のクラスが学級崩壊のような状態になってしまって、Bくんが性格がわかったようになり、乱暴になってしまったんです。

ある日、児童館の先生に長男がケガをしたと呼ばれてお迎えにいったところ、Bくんが長男を羽交い締めにしたり、首をチョップしたりしていたそうで、先生が気付いて止めに入ったら、Bくんはその場を逃げていってしまい、長男がうずくまって動けないほどだったそうです。

長男が右手を痛がるので、慌てて病院へ連れて行ったところ、何と左手の薬指にひびが入っていることがわかり、しばらく固定して治療をしなくてはいけませんでした。相手のママには児童館から連絡をしてもらい、後で一度だけ謝罪の電話をくれましたが、その後は私と顔を合わせないようにして逃げていて、もちろん治療費なども全く負担してくれていません。

長男にきくとBくんは相変わらず乱暴で謝ってもくれず、さらに同級生のA君も親にいわれたのか、その後長男とは卒業まで口も利きませんでした。私もそれまで親しくお付き合いしてきたとはいえ、正直そんな人とはもうお付き合いしたくないからムシしてきたけど、正直今でも腹が立っています。

ママ友トラブルに発展させない親の対応

我が子が巻き込まれたトラブルは、自分のこと以上に熱くなってしまいがちですが、パパやママが熱くなってしまうと、まとまるものもまとまりません。パパやママの対応自体が子供にとってお手本になるよう、必要があって相手の保護者と話し合うときには、冷静に対処しましょう。

親同士の対応方法は、子供のどちらに非があるか、どれぐらいの迷惑が被ったのかなどケースバイケースです。あくまでもトラブルの解決のために対応するのであって、保護者同士が喧嘩をする場ではありませんので、その辺の常識は必ずわきまえておくことを心掛けてくださいね。

謝罪は電話で連絡してから

もし自分の子供に非があって相手の家に謝罪に行きたい場合には、必ず事前に電話で連絡しましょう。相手の親御さんによっては、「会いたくありません」という人もいますので、そういった場合は無理に押しかけず、電話で気持ちを伝えます。

相手のお宅に伺う時は、相手の予定にあわせて早朝や夕飯時などを避け、常識的な時間に訪問するように心掛けましょうね。

謝罪はまず子供から

子供同士のトラブルですから、まず子供に相手の子供への謝罪をさせるのが原則です。子供に謝らせずパパやママが代わりに謝るような対応はやめましょう

ただし、子供が相手の親に謝る必要はありません。相手の親には非のある方のパパやママが、「ウチの子供が、お子さんにご迷惑をおかけしました」と気持ちを伝えるといいでしょう。

菓子折りや治療費、弁償は程度で判断

被害の状況にもよりますが、明らかに我が子に非がある場合、最低限の誠意は必要です。物を壊した場合、文房具などの日用品は同程度の物を買って弁償しますが、壊れたものがゲーム機などの高額な物の場合は、まず相手の親御さんに弁償したいという気持を伝え、どの程度の費用を負担するか話し合うといいでしょう。

相手に怪我をさせてしまった場合には、まずは謝りに行くときに菓子折りを持っていくのが無難です。誠意が伝わりやすいですよ。相手の親御さんに子供の怪我の程度を聞き、治療費の負担についても誠意をもって対応をしましょう。家庭で入っている保険が使えるケースが多いので、あわせて確認をしておくことをオススメします。

いきなり怒鳴り込まれても落ち着いて!

トラブルについてよく把握していない段階でいきなり相手から怒鳴り込まれたら、とりあえず落ち着いて、相手の話しを丁寧に聞きましょう。その場で子供や学校の先生などに確認ができればいいのですが、トラブルの内容をまだ把握していない場合には、その旨を相手に十分説明して、一旦帰ってもらいましょう。

その後は、できるだけ速やかに先生などと連絡をとってトラブルの内容を把握し、子供の話をきいてから、相手の親御さんと再度話しをしましょう。どちらの子供に非があるにしろ、対応に時間がかかってしまうことは相手の気分を害してトラブルを大きくするもとです。スピーディーな対処を心掛けて下さいね。

自分の子供と同じように相手の子供も大事にしましょう

子供同士のトラブルを、ママ友トラブルに発展させてしまう原因は、「ウチの子供が大切にされていない」と相手の親に思わせてしまうことです。相手の親御さんが高圧的で攻撃的な態度なってしまうのは、自分の子供を愛し、大事に思っているが故のこと。相手の親御さんと顔を合わせる場合には、どちらの子供に非があるかに関係なく、相手の子供も自分の子供同様に尊重しましょうね。

相手に責められると、ついつい我が子をかばってしまうのが親ですが、ムッとして相手のアラを探してはいけません。子供同士の言い分が食い違うとトラブルがこじれますが、そういった場合は親だけで話しをすると水掛け論になってしまいます。

先生に同席してもらう面談をお願いして、トラブルの原因や経過がどうだったのか、説明を双方の親で一緒に聞き、トラブルの内容を双方の親が正しく認識するように持ってきましょう。

話し合いが解決した後に蒸し返さない

子供同士が和解し、親同士の話し合いでお互いに納得したら、二度と蒸し返えさないのが大人のマナーです。自分がトラブル対処で嫌な思いをしたように、相手も嫌な思いをしています。お互いに譲り合って成立した和解を壊すことが無いように、相手との関係も修復に努めましょう

トラブルになった場合、パパやママは相手の親御さんと必要以上に会わないようにすることができますが、同じ園、学校に通う子供同士は、その後も付き合っていかなくてはいけません。親が子供の交友関係を壊し、子供の心を傷つけるような不用意な行動は慎むべし!と心掛けてくださいね。

トラブルのときは子供の成長力を信じましょう

親が子供のトラブルにあえて介入しないことで、「親として無責任って思われないかしら…?」なんて考える必要はありません。子供のしたことは確かに親が責任を負うべきではありますが、子供に自ら問題を解決できる能力を与え、立派に独り立ちさせることも、親として責任を負うべきことですよね。

大人にとっては心配で、子供だけに任せるのは歯がゆい子供同士のトラブルですが、いつまでも子供の手を親が引いてあげることはできません。子供を大事にかばうことが愛情なら、思い切って手を放してあげるのも愛情。子供が成長していく姿を信じて、トラブル発生時は頑張って解決しようとする子供の姿を温かく見守ってあげましょう。

この記事を書いたライター

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!