小学校クラス替えの決め方~お子様の心のケアに努めましょう
小学校でのクラス替えは、わくわくする反面、仲の良いお友達と別々のクラスになってしまうのではないかと不安になりますよね。もし、新しいクラスに馴染めなかったらどうしようと悩むお子様を前に、親御様も頭を抱えてしまうということはよくあります。
お子様だけでなく親にとってもドキドキするクラス替えですが、一体どんな基準で分けられているのでしょうか。クラス替えの決め方の教育的な基準を知ることで、おおらかな気持ちでクラス替えを受け入れ、お子様にも前向きにアドバイスしてあげられるかもしれません。クラス替えの時期に悩んでしまうお子様がいらっしゃる方必見の、クラス替えの決め方についてご紹介します。
クラス替えは誰が決めるの
クラス替えは、当然ながら学校が決めています。担任の先生や学年主任といった複数の教職員が、慎重に話し合い(教職員会議など)ながら決めていくのが一般的です。学校側が教育的配慮に基づいて責任をもって決めるため、基本的には保護者が個別に口出しをすることはできません。親御様がクラス替えに口を出し始めたら、公平性が保てなくなってしまうためです。
クラス替えの基準で考えられること
では、クラス替えは具体的にどのような基準で分けられているのでしょうか。クラス替えの決め方には、「クラス間の均質化」「多様な集団の形成」「個別の指導上の配慮」といった教育的な目的があります。学校によって基準やクラス替えの頻度はさまざまですが、ここでは一般的に考えられるクラス編成の基準についてご紹介します。
成績や学力のバランス
成績や学力は、クラス分けをする際にもっとも考慮されるポイントの一つです。成績が優秀な子や、逆に勉強が苦手な子が特定のクラスに固まってしまわないよう、クラスごとの平均点が平等になるようにバランスを取って分けられます。これにより、特定のクラスの指導が難しくなることを防ぎ、すべてのクラスで均質な学習環境を提供できるよう配慮されています。
運動能力や特技
運動神経が良い子、苦手な子もクラス分けをする際に考慮されます。運動が得意な子が一つのクラスにまとまってしまうと、運動会などでクラス間の差が大きく出てしまうからです。また、ピアノの演奏など、特定の行事や活動で必要となる特技を持つ児童も、各クラスに均等に配置されるよう配慮されます。これは、クラス全体が平等に活動できるように考えられているためです。
リーダーシップや性格の多様性
おとなしい子と元気な子のバランスもとても大切です。特定のクラスがおとなしい子ばかりになったり、逆に活発な子ばかりになったりすると、クラス運営や行事への取り組みに偏りが出てしまいがちです。特にリーダーシップを発揮できる児童は、クラスに一人以上はいて欲しいものです。子供の性格もクラス替えで考慮されていると知ると、親としても安心できますね。
身体的な成長(身長など)
身長、体重などもバランスよく分けられています。例えば、背の大きい子だけを集めないといった配慮がされます。これは、特定のクラスが身体的な特徴で目立ったり、体育の授業などで不公平感が出たりしないように気を付けられているためです。
双子・親族(いとこなど)
双子やいとこ、親族などは別々のクラスになることが多いです。これは、特定の関係の深い子同士が同じクラスになると、その中で固まってしまい、新しい友達を作る機会を失ったり、自立的な交友関係の促進を妨げたりする可能性があるためです。できる限り、新たな環境で幅広い人間関係を築けるよう配慮されています。
集団行動で配慮が必要な児童
集団行動において特別な指導上の配慮が必要な児童は、特定のクラスに集中しないよう、別々のクラスに分けられることが多いです。これは、特定の児童同士が一緒にいることで、集団生活における問題行動につながるのを防ぐためです。また、特定のクラスの担任教師に過度な負担がかからないように、指導経験やスキルに応じて分散させる意図もあります。
よくある名字
鈴木、佐藤、高橋などのよくある名字の子は分けられる傾向にあります。最近は小学生でも「名字+さん」で呼ぶ先生が増えてきました。その際に、同じ名字の子がたくさんいたら、先生も生徒もとてもややこしくなってしまいます。そのため、クラス運営を円滑にするために配慮されることがあります。
過去のクラス構成
前に一緒のクラスだった子同士で固めないというのは基本的な配慮です。全然メンバーが変わらないのでは、クラス替えをする意味がありません。また、前に一緒だったクラスの子で固まってしまうと、それ以外のクラスの子がなかなかグループに入りづらくなります。公平になるように、なるべく過去の人間関係に偏りが出ないようにクラスが編成されます。
教職員の経験と指導上の配慮
クラスをまとめるのが難しいと判断されるクラスにはベテランの先生、比較的安定したクラスには新人の先生という風に、先生の経験やスキルに応じて担任が決定されます。また、前年度の担任との間に指導上の課題があった場合など、より良い関係を築けるよう、別の先生のクラスになることもあります。先生との相性も、教育効果を高めるために学校側で配慮されているのです。
保護者間の関係
意外かもしれませんが、保護者同士の関係がクラス替えに考慮されるケースもあります。保護者間のトラブルを未然に防ぎ、学校運営を円滑にするためです。先生も情報網を駆使し、親同士の関係を把握していることがあるのです。しかし、親の仲が悪いというのは、子供にいい影響を与えるとはなかなか考えにくいので、親御様ご自身で気を付けましょう。
とりあえず希望は伝えましょう
基本的にクラス替えの基準は学校で決められているものなので、なかなか希望通りにいくとは限りません。しかし、抱えている悩みや心配事があるのなら、あらかじめ担任の先生に伝えておくようにしましょう。
例えば、「〇〇ちゃんから嫌がらせを受けており、クラスを別々にしないと学校生活に支障が出る」など、教育上や安全上の理由からクラスを分ける必要がある絶対的な理由がある場合は、要望を叶えてくれる可能性があります。思い切って相談してみてはいかがでしょうか。
要望が叶わなかったらあきらめましょう
要望を伝えたにも関わらず、その通りにならなかったらがっかりしますよね。しかし、学校にはクラス間の均質化や全体的な教育的配慮といった様々な事情があるのです。希望通りにならなくても抗議したりせずに、新しいお友達が増える機会ができたと前向きに考えるようにしましょう。親が前向きだと、子供も自然と前向きに考えられるようになります。
子供の心の変化をよく観察しましょう
クラス替えは、今までの交友関係が大きく変わる機会になります。わが子に新しいお友達がちゃんといるのか、クラスに馴染めているのか、親御様としてもいろいろ心配だと思います。それ以上にお子様はドキドキしながら、新しいクラスに行っていることでしょう。クラス替えで何か変わった事がないか、困っている事がないかなど、お子さんの様子をしっかりと気にかけてあげるようにしましょう。もし、困っている事があったらぜひ相談にのってあげてください。



