小学生の勉強へのサポートに関する記事

『小学生の勉強は成績よりアレが大切!10年後に花咲く対応6』

小学生の勉強をサポートしたいなら、「勉強しなさい」は逆効果です。子供を勉強嫌いにして親子の溝を作るNG行動、あなたは大丈夫ですか?本当の意味で子供の学習を支える、10年後に高い効果を上げる方法を解説します。

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小学生の勉強で親が最も心掛けるべきことは?10年後を見据えた対応

可愛かった幼児期を過ぎてお子さんが小学校に入学すると、親御さんはとかくお子さんの成績やテストの点数を気にしてしまいがちです。お子さんの将来を案じて、一生懸命「勉強しなさい!」と言っても、お子さんが成長するにつれて「放っておいて」と次第に素直に言うことを聞かなくなり、ご自身の教育方法に疑問を持ってしまう親御さんも少なくありません。

幼い頃から勉強して知識を蓄えることは、お子さんの将来にとって大きな財産となりますが、知識や学力があれば、お子さんが将来必ず幸せな人生を送れるかというと、必ずしもそうとは言い切れません。お子さんの10年後の将来のために、今、親として何が必要なのでしょうか。今回は、小学生の学習時間や量、環境について解説します。小学生のお子さんを持つ親御さんが心掛けるべき、生活や勉強へのサポート方法についても一緒に考えていきましょう。

小学生の勉強で親が最も心掛けるべきこと

お子さんが小学校に入ると、自分から進んで勉強をする子と、なかなか勉強に興味を示さない子に分かれます。小学校低学年のうちは、親が注意すればしぶしぶ机に向かってくれた子も、小学校3年生になる頃にはそれも難しくなってきます。注意をするたびに「今やろうと思ってたのに。もうやる気にならないよ~」などと言い出し、親がコントロールすることが難しくなってしまいがちです。

中学校に入るとさらに親の言うことは聞かなくなり、部活動などで忙しくなると、せっかくお子さんがやる気になっても時間管理が難しくなります。その結果、授業や自宅学習での集中力も低下し、なかなか結果が出ないという悪循環に陥ることもあります。このような悪循環を避けるためには、一体何が必要なのでしょうか?一緒に考えていきましょう。

「勉強しなさい」は親子の間に溝を作ります

「親が注意して、子供がそれを素直に聞く」という関係には、親子の信頼関係が不可欠です。しかし、お子さんは繰り返し「勉強しなさい」と言われると、「もしかして親は、自分が勉強する子だと信頼してくれていないのだろうか?」という不信感を持ってしまうことがあります。親の何気ない、習慣のようになってしまった一言が、それまで培ってきたお子さんからの信頼にひびを入れてしまう可能性があるのです。

お子さんに反抗されたことで親が動揺し、言うことを聞かせようと「勉強しなさい」を重ねてしまうと、お子さんはさらに反抗心を募らせて親子関係が悪化し、次第に勉強に集中する気力が持てないようになってしまいます。それだけでなく、お子さんは親の期待通りにできないことで自分への自信を失ってしまい、自己肯定感が低くなり、勉強する意欲までも失ってしまうことにつながりかねません。

勉強する時間の長さも問題です

お子さんを将来、医師や弁護士などの専門職に就かせたいと考える親御さんは、お子さんが幼い頃から幼児教室や塾、習い事に通わせようとしがちです。小さい頃から塾などに通っているお子さんは、小学校に入っても良い成績をキープできることが多いため、「もう少し頑張れば、中学受験も夢じゃない」と、親もさらに上を目指して勉強することを要求してしまう傾向があります。

こうなると、お子さんは毎日遊ぶ間もなく塾通いや勉強に追われてしまい、心に余裕が持てません。勉強のために遊ぶ時間が減ってしまうと、体力が維持できず、疲れやすくなり、病気にもかかりやすくなってしまいます。心身の健康はお子さんの学習意欲を支える大事な要因ですが、勉強時間のコントロールがうまくいっていないと、お子さんは疲れとストレスから睡眠不足になったり、勉強にも集中できなくなったりして、結果も出せなくなってしまうのです。

また、文部科学省による学習評価(成績表)では、学習への意欲・態度も重視されます。既に知っている内容を授業で習うお子さんは、授業に面白味を感じられず退屈になり、学習意欲が低いと評価され、テストの点数に反して成績が悪くなることがあります。そうなると、本人も自信を失い、悪循環に陥ってしまう可能性があります。

小学生の勉強に必須なのは「早寝早起き朝ごはん!」

小学生の時期に親がどんどん勉強を詰め込んでしまうことは、お子さんからご家族との安心できる生活や、学習意欲、自信、健康までも奪ってしまうリスクがあります。小学生の時期は、中学生以降の自発的な勉強の体制を築くために、健康な心と体を養っていく大切な時期です。「早寝早起き朝ごはん」の習慣をお子さんに身につけさせ、10年後に自ら考え勉強を行い、実力を発揮できる土台を作ってあげましょう。

「早寝早起き朝ごはん」のメリット

  • 充分な睡眠時間を確保することで、成長ホルモンの分泌が活発になり、脳や体が発達します。
  • 朝の光を浴びることで、セロトニンなどの脳内物質の分泌が活発になり、集中力がアップします。
  • 生活リズムを整えることで、自律神経のバランスが整い、活動しやすい体を作ります。
  • 朝ごはんを食べることで、エネルギーが補充され、1日中活動的に過ごせます。
  • しっかり噛んで朝ごはんを食べることで、脳の働きが活発になります。
  • 朝ごはんを食べることで、内臓機能が向上し、朝の排便を促します。
  • 1日活動的に過ごすことで、筋力を養い体力を維持できます。

高度成長期と共に生活が豊かになり、多様な生活様式が認められるようになり、これまで育児の中で生活リズムを整えることは軽視されがちでしたが、近年は生活リズムの乱れが、お子さんの学習意欲や体力、気力の低下を招いていると専門家が指摘しています。親御さんも「早寝早起き朝ごはん」の重要性を、改めて見直してみませんか?

 
   

サマー
46歳

 
 

反抗期ではありませんでした

 

いま高校3年の男の子がいます。親馬鹿ですが、息子は幼稚園の頃から利発で、小学生の頃からよく勉強ができました。ちょうど通える範囲内に某難関中学があるので、小学5年生の時に息子が受験できるかどうか担任の先生に相談をしたところ、「狙えないことはないけれど、本気の家庭は低学年の頃から塾に通わせている。その方が情報も入るので、もし受験をするなら早めに進学塾に入れた方がいいですよ」とアドバイスされ、遅まきながらびっしり塾の予定を入れました。

 

息子も中学受験には前向きだったのですが、塾に入れてから息子の成績は芳しくなく、結局それまで入っていた地区のバスケットボールチームもやめさせて、勉強に集中させることにしました。

 

ところが息子の成績は変わらず、それに加えて息子はイライラと乱暴な口をきいたり、弟に八つ当たりをしたと思ったら、ぼんやりと引きこもってしまう、ということが多くなってしまいました。私はそのとき焦るばかりで、「反抗期だから仕方がない」なんて思っていたのですが、それって息子のささやかな抵抗だったんですよね。

 

あるとき、息子が友達と電話で「バスケはやめたくなかったけど、お母さんをガッカリさせたくない」と話をしているのを聞いて、はっとしました。それから息子とよく話し合い、息子との関係改善と、無理な日課をやめて生活リズムを整え、息子の心身の健康を整えることを第一に考えることにしました。

 

息子はその後塾もやめ、中学受験はせずに近くの公立中に進学しましたが、中学では「県内トップの進学校に入る」という目標を立てて自発的に勉強を頑張り、見事目的を果たし、今は弁護士になるために大学受験準備中です。

今のままで10年後は大丈夫?小学生の勉強へのNG対応

赤ちゃんの頃からは格段に成長していると思っても、まだまだ心も体も充分に発達しておらず、勉強にしっかり向き合う体制が整っていないのが小学生です。親御さんは、お子さんがなかなかやる気を見せてくれないことに悩んでしまいがちですが、もしかしたら、それは親御さんの対応方法が間違っているからかもしれません。

小学生のお子さんはとてもデリケートで、褒められれば120%の能力を発揮できますが、気分がのらなければ全く実力を発揮できないほどです。お子さんの集中力は不安定です。その不安定な集中力を一定に維持するためには、次のような対応方法はNGです。ぜひ見直していきましょう。

     
  • 「できない」ことを怒る
  •  
  • 「できない」ことを茶化したり、馬鹿にしたりする
  •  
  • 命令・強制する
  •  
  • 学習内容よりも時間を重視する
  •  
  • 他の子と比べる

お子さんのやる気は、お子さんの心の内側からしか出てきませんし、親御さんが無理やり引き出すこともできません。ときには一緒に勉強をし、ときにはお子さんの良いところをたっぷり褒めてあげて、お子さんのやる気が出るように心をサポートしてあげましょう。

小学生が勉強に集中できる時間と学習時間の目安

小学生の学力を上げようと考えると、親御さんは単純に「学習時間を延ばせば良い」と考えてしまいがちですが、お子さんは集中力を長時間持続することはできません。お子さんの集中力が続く時間は「学年×10分」が目安だといわれています。これは、その時間内に集中して取り組める時間の目安であり、年齢別の集中力が持続する望ましい学習時間とは異なります。目安として、一般的に言われる年齢別の集中力の持続時間は次のとおりです。

     
  • 低学年 15分程度
  •  
  • 中学生 30分程度
  •  
  • 高校生 45分程度

意外と短くて驚かれるかもしれません。どんなに長い時間机に縛り付けても、集中していなければ知識は頭に入っていきません。集中力が途切れている状態で学習時間を延ばすと、お子さんを疲れさせるだけでなく、勉強嫌いを作ってしまいかねないので、お子さんの学習時間が適切か、見直しをしてみて下さい。

小学生の勉強への対応6つ!10年後に花開かせよう

小学生の時期は、まだ自分のやりたいことや将来が定まっておらず、自発的な勉強をするための体制を準備している段階です。この大切な時期に、お子さんのやる気をくじかず、勉強に対する自信を失わせないためには、ご家族との良好な関係を維持して心身を安定させることが重要です。お子さんとの良い関係を維持しながら、学習意欲を盛り立てていきましょう。

本人に選ばせる

小学生は自立心が芽生え始め、親から強制されることを無意識に嫌います。ここで親の都合を押し付けてしまうと、お子さんはやる気が出なくなりますので、多少不安かもしれませんが、お子さんのことはお子さん自身に選択させましょう。

例えば勉強のタイミングなども、「いつ勉強しなさい」ではなく、「夕ご飯の前と、帰ってきてすぐ、どっちがいい?」などと質問し、お子さんが親の妥協できる範囲で自然に選ぶことができるよう、対応方法を工夫するといいですね。

お子さんの将来を親が決めない

親は自分が手塩にかけたお子さんが可愛く、いつまでも一緒にいると勘違いしてしまいがちですが、お子さんにはお子さんの人生があり、いずれは親から離れて一人で生きていくのが自然なことです。お子さんの将来は、親ではなくお子さんが決めるものです。自ら選ばなければ、失敗を全て親や他人のせいにしてしまい、自分の人生に無責任な大人になってしまう恐れもあります。

親として将来お子さんに選んでほしい職業などがあるのであれば、その職業のメリットや良いところをさりげなくお子さんにアピールして、お子さんが自然と自分の将来を考え、選べるようにフォローしていきましょう。

努力を褒める

将来、受験などに失敗して挫折しても、そこから立ち直り、粘り強く踏ん張れる人間に育つためには、小学生の時期に「自分の存在は素晴らしい!」という自己肯定感を養っておくことが大切です。勉強というと、親はとかく成績や結果を評価しがちですが、お子さんの頑張った姿勢や努力を認めて褒めてあげて、積極的に愛情を示していきましょう。

ミスは責めず、リカバリーの方法を考えさせる

お子さんが実力を充分発揮できず、良い成績を取ることができなくても、失敗を責めてはいけません。その失敗こそが、お子さんの実力を伸ばす良い経験になるからです。親が失敗を頭ごなしに責めていては、お子さんは「失敗=悪いこと」と勘違いをしてしまい、新しいことへのチャレンジを避ける子供に育つ恐れがあります。

お子さんが失敗した時は、親御さんが上手に誘導して、次の機会に失敗をしないためにはどうすればいいのかを、失敗の経験からお子さん自身が見つけ出せるようにサポートしてあげましょう。

小学生でも働かせる(家事・お手伝いをさせる)

「子供は勉強が仕事」だとよく言われますが、これは単に学校の学習のことだけを指すのではありません。人生を生きるために必要な知識や技能全てが「勉強」であり、キャリア教育などもこれに含まれています。生きるために掃除をすること、食事の用意をすること、身の回りを清潔に保つことなど、全てがお子さんの学ぶべき「勉強」ですので、お子さんには積極的に家のお手伝いをさせましょう。

「砂糖を加えるとホイップが泡立つのはなぜか?」など、家のお手伝いには勉強のヒントが隠されていますので、お手伝いを通して、お子さんの学習意欲や探求心を養っていきましょう。小学生にとってお手伝いは、学校の成績アップにもつながる大切な学習の機会です!

お子さんを信じる

良い親子関係を維持し、お子さんが心身ともに安定した生活を送り、学習に集中して取り組んでほしいのであれば、親であるあなたがお子さんのやる気や可能性を信じてあげることが大切です。

大人から見れば、お子さんは何かとサポートを必要としているように見えてしまいますが、小学生のお子さんは自分にとって何が必要で、何をするべきかを考える力を充分に持っています。必要以上に大人が手を出すのではなく、お子さんが勉強しようとする心を大事にし、見守ってあげることも必要です。

小学生の勉強に無料アプリやゲーム、タブレットは効果的?

最近はスマートフォンやタブレットが子供たちの間にも普及していて、「楽しく勉強する」という宣伝文句で勉強に役立つ無料アプリやゲームなども多く提供されています。勉強にこういったアプリやゲームを使うことについては、賛否両論があります。
ただし、次のようなメリットがあります。

     
  • 動きのある映像や音などで、楽しく勉強ができる
  •  
  • 視覚に訴え、理解しやすい・分かりやすい
  •  
  • 繰り返し、何度でも学習できる
  •  
  • 自分のペースで学習ができる
  •  
  • 楽しいから、自主的に学習に取り組めるきっかけになる

確かに、お子さんにとって「楽しい」は大きな原動力になりますね。
その反面、次のようなデメリットもあります。

     
  • 学習よりも遊び(ゲーム)に偏ってしまう
  •  
  • 必要以上に目が疲れ、身体が疲労する
  •  
  • 必要以上に時間を費やしてしまう

アプリやタブレットを利用する時は、親子でよく使い方を話し合い、ときには大人が一緒に内容を確認するなど、こまめに大人がお子さんの学習状況や使用時間などをチェックしていくことが大切です。

小学生の勉強はやっぱり勉強机が必要?

小学生になると「自分から進んで勉強するように」と、お子さん一人ひとりに学習机を与えることが多いです。親御さんが購入しなくても、入学のお祝いとして、お祖父様・お祖母様からプレゼントされる家庭も多いのではないでしょうか。これは、勉強部屋で一人になって、集中して学習効果を上げてほしいという大人の希望からですが、小学生の学習にはまだまだ周りのサポートが必要であり、子供だけの学習では実力が伸びにくいという専門家の指摘もあります。

お子さんが一人で勉強していれば、わからないことを誰かに聞いてヒントを得ることができませんし、誰も見ていなければ、勉強をそっちのけにして遊び始めてしまうかもしれません。これを解決するのが、「リビング学習」です。小学生のうちは、家族の温かい雰囲気の中で、近くに誰かがいる状態で勉強をしたほうが、お子さんは安心して集中できるという考え方があります。

東京大学などの難関大学に進学する大学生の多くは、小学生の頃にこういったリビング学習をしていたという調査結果もありますので、ぜひリビング学習について見直してみて下さいね。

小学生なのに勉強があまりにできない…親の責任?

お子さんがあまりにも勉強に向き合わないと、「自分の指導がいけないから」とか、「発達に問題があるのでは」と考えてしまいがちですが、小学生のお子さんが自発的な勉強をできないことは、ごく自然なことです。自分や、お子さんを過度に責めるのではなく、なぜ勉強ができなくなったのか、いつから勉強を嫌がるようになったのかを、ご家庭や学校での学習態度からしっかりと突き止めて、原因を取り除くことを考えていきましょう。

本人が頑張っているのに思うように成績が上がらないといった学習障害(LD)などの可能性がある場合は、専門機関に相談して適切な対処をすることが大切です。特に問題はなく本人のやる気次第であると感じられる場合には、お子さん自身からやる気を引き出すことが必要です。親は子供の味方となり、コミュニケーションの中で学ぶことへの自信をつけさせ、やる気を引き出していけるといいですね。

この記事を書いたライター

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!