子供の創造性(発想力)を伸ばす育て方!我が子のユニークな思いつきを育むには
子供の頃の創造性や発想力は素晴らしいものです。常識や経験がないからこそ、子供は固定概念にとらわれない自由な発想を持っています。
大人が「なるほど!」と驚いたり、思わず笑顔になったりする子供の柔軟な思考は、現在および未来の社会において非常に重要な「宝」とされています。
しかし残念ながら、無意識に行っている子育てによって、子供の発想力の芽を潰している親もいるのが現状です。ここでは、子供の創造性を育む具体的な方法をご紹介します。
子供の創造性(発想力)を伸ばす育て方のコツ!思いつきを応援しよう
目まぐるしく変化する社会に対応できる子供を育てるためには、教わった知識をインプットしてアウトプットするだけでなく、子供の自由な発想を発展させる育て方が重要です。
今回、幼児や小学生の自由でユニークな発想の体験談をお寄せくださったパパやママは、子供の創造性を伸ばすために、日頃から次のようなことを心がけていると教えてくれました。
- 日頃から家族で仲良く、楽しいコミュニケーションをとる
- さまざまな種類の体験をさせる(自然、文化、遊びなど)
- 幼い頃は科学的事実をすぐに教え込まず、想像の余地を残す
- お絵描きなどから子供の物語や世界観を展開させる手助けをする
- 自然に触れさせ、五感を養う機会を作る
- 生き物の気持ちになって考える「共感力」を育む工夫をする
- できるだけ外遊びをさせて、発見や工夫の機会を与える
- 怒鳴ったり、きつく叱ったりせず、対話を通じて教える
- 本当に危険なことや人に迷惑をかけること以外は自由にやらせる
- ユニークな発想でも、まずは最後まで聞いて共感する
- 非現実的な夢や発言でも「無理だ」とは言わず、可能性を探る
家庭などの学校以外の場所は、子供の創造性を伸ばすのに最適な学習環境です。ぜひ先輩ママやパパが心がけるこれらの育て方を、あなたの子育てにも取り入れてみましょう。
体験談から学ぶ!創造性を育む親の関わり方
小さな子供の目と心を通して見る世界は、本当に自由で面白いものです。ここでは、パパやママが驚いた子供のユニークな発想と、それを育んだ日頃の親の関わり方をご紹介します。あなたの子供の発想力を伸ばすヒントにしてください。
大きな飛行機より強い小さなUFO
子供が3歳だったある日の朝、公園で遊んでいると近くにある航空自衛隊の飛行機が、私たちの真上を通過していきました。その飛行機には早期警戒管制機という、飛行機の上にレーダーが入った円盤がついていました。
普段何気なく見ている光景ですが、息子は「飛行機がUFOに連れ去られている!」と言いました。レーダーをUFOと呼んだのにも驚きましたが、UFO(レーダー)は飛行機より小さいのに、UFOの方が強いから飛行機だって簡単に連れ去れると解釈したのです。
強いか弱いかを大きさではなく「力」で判断するという発想力は、非常に豊かだと感じました。まさか自分の息子が…と思うくらいの想像力に、将来の可能性は大きいと感じました。
【パパの関わり方】子供の解釈を否定せず、そのユニークな発想を驚きと喜びを持って受け止めています。
無言で「仲良くしよう」と伝えたおもちゃ
まだ息子が3歳の時でした。公民館で開かれている子供との触れ合い会に参加した時のことです。最後に子供達だけで遊ばせていた時間、男の子2人がおもちゃの取り合いで喧嘩を始めました。それを見た息子は、自分が遊んでいたおもちゃを無言で喧嘩している子に差し出しました。
息子は無言でしたが、私は「喧嘩をやめて仲良くしよう」という意味だと解釈しました。まだ3歳で喧嘩の意味も分かっていなかったかもしれませんが、息子に感心してしまいました。
家では駄目なことは駄目だと言っていますが、怒鳴ったりきつく叱ったりはしません。何故駄目なのかをきちんと説明するようにはしています。それ以外は、出来るだけ息子の自由に、やりたいようにやらせています。子供は、自然と学ぶ術を持っていると思います。
【パパの関わり方】頭ごなしに叱らず、理由を説明する対話を重視。自主性を尊重し、自由にやらせる環境を作っています。
カレーパンマンはカミーカンマン!オリジナリティ溢れる言い間違い
現在子供は一歳半です。基本的には言い間違いなのですが、その発想が面白いので、報告させて頂きます。
朝食時にコップとコップをぶつけて「ぱんかーい」、水族館でアザラシを見て「さかな」と魚に見えたみたいです。カレーパンマンを「カミーカンマン」、こむすびまんを「コビーさん」、雪だるまを作って一言「ユキマンマン」、ドラえもんを見て「ダエモン」など、オリジナリティ溢れる名前を発案するのが得意です。
家では絵本の読み聞かせをしたり、想像力が膨らむブロック遊びをしたりしています。週末は公園で雪やそりで遊ぶなど、遊び心を大切に日々過ごしています。
【パパの関わり方】絵本やアニメ、ブロック遊びなど、想像力を刺激する遊びを積極的に取り入れています。
子供の発想って自由過ぎる!ママ達の感動体験談
子供の発想力は本当に自由です。そんな我が子の創造性を育てたママ達は、どのようなことを心がけて子育てをしてきたのでしょうか。ぜひ参考にしてください。
三日月はウサギに食べられたお月様
子供が4歳のころ、夕方に月を窓から見つけるのを日課にしていました。そんなとき、「お月様、今日はちょっとしかないね。うさぎさんが食べちゃったのかな。」と残念そうに言ってきました。
三日月が自分のかじったおせんべいみたいに見えたらしく、自由な発想が可愛らしいなと感じました。
科学的事実はあまり伝えず、想像力豊かな物語の世界が好きなので、お絵かきしながら物語を展開するよう仕向けてきたのが功を奏したようです。
小さいうちから自由な発想力を伸ばすために、自然に触れさせて生き物の気持ちになれるよう工夫することも大切です。
【ママの関わり方】科学的事実をすぐに教え込まず、子供の想像の世界を広げるように促しています。
カッパの味もするかっぱえびせん
長男が小学生の低学年の頃の話です。おやつに「かっぱえびせん」を出したところ、「え?これ??」と嫌がるので、「海老の良い味がして美味しいよ」と伝えました。
すると息子から驚きのひとことが!!「ま、カッパの味もするけどな!」。知ったかぶりのところのある息子でしたが、中学2年になった今も家族のネタになっているお話です。
当時はパッケージにカッパの絵もなかったので、子供だからこその発想力豊かなコメントだったなと思います。子どもの発想力は本当に面白いと思います。
わが家では発想力を伸ばすためにも、子どもが思いついた事や一緒にできる事など、色んな体験をできるだけどんどんさせてやりたいなと思っています。子どもの発想力から生まれる面白エピソードは、すぐに忘れてしまうので、ぜひメモして残してあげて下さい。
【ママの関わり方】様々な体験を積極的にさせ、子供のユニークな発言を面白がって記録しています。
僕が進化したらパパになる!
三人兄弟の真ん中の子が4歳の時です。上のお兄ちゃんがやっていたポケモンのゲームで、モンスターがレベルアップして進化するのを見て、「僕が進化したらお兄ちゃんになって、また進化したらパパになるんでしょ。パパが進化したらジジになるんだよね」と私に言ってきました。その発想にちょっとビックリしました。
真ん中の子は上の子と下の子を見ているためか、日頃から観察力は鋭いと感じていますし、周囲からも賢い子だねと言われます。
家では発想力を伸ばすために特別なことはしていませんが、とにかく色々なことを体験させようとしています。子育て中の方は(私自身も含めてですが)子供の発想にビックリさせられることがあると思いますが、それを楽しんで欲しいと思います。
【ママの関わり方】特別なことはせず、日常の中で「様々な体験」を大切にし、子供の観察力を育んでいます。
クリーニング店にママの洗濯物干しを頼んだ息子
長男が5歳のとき「ママの洗濯が楽になるように…」とすごいことを考えてくれたんです。自宅から3分程の距離にクリーニング店があるのですが、息子は「待っててね」と走りだし、クリーニング店に100円玉をもって「ママの洗濯物を干してあげて下さい」とお願いしてくれたんです。
日頃から私のことを気にかけてくれ、「うちにエスカレーターをつける」と言うなど発想豊でした。近所の人からは「ママのことが本当に好きな子だね」と言ってくれます。
息子には自然を感じて欲しいので、よく外で土や石で遊ぶことが多いように思います。子どもが発想したことはユニークな内容でも、まず聞いて共感してあげることが一番だと思いますよ。
【ママの関わり方】自然遊びを多く取り入れ、子供の発想を「まず聞いて共感」することで、考える力を伸ばしています。
涙は太陽が乾かしてくれる
まだ息子が4歳の頃、幼稚園のお友達と遊んでいて、その子が転んで足を擦りむいて泣いてしまった時のお話です。
息子はそのお友達の元へ行って「上を向きな。太陽で涙を乾かしてくれるからね。」と言って、「痛いの痛いの太陽に飛んでけ」とやっていました。教えていなかったので感動しました。周りの親たちからも思わず褒めてもらえました。
日頃からなるべく外で遊ばせて、色んな発見や新しい事を覚えさせるようにはしていますが、息子の急な発想力や行動には驚くことがあります。
【ママの関わり方】なるべく外遊びをさせて、子供自身の発見や学びの機会を増やしています。
妹なのに兄を助ける気満々の頼もしい娘
娘が3歳の頃、3つ年上の兄の影響で特撮シリーズを毎週欠かさず観ていました。兄が持っているオモチャの武器やベルトを、兄が幼稚園に行っている間にコッソリ身につけていたので「誰と戦うの?」と聞いてみたら、「お兄ちゃんが来年小学校でやられたら、私が意地悪な子を倒す!」と言ったので驚きました。
もちろん兄はやられるタイプではありませんが、兄妹の絆を感じることが出来ました。娘は今でも発想力が豊かで、周囲からもしっかり者だと思われています。
特に何も意識せずに育てていますが、常に兄を観察している感じなので、自然と知恵や発想力がついてくるのでしょう。また日頃から家族で仲良くワイワイやっていると伸び伸び育ちますので、そういった環境が影響しているのかも知れません。家族仲良くが一番ですね。
【ママの関わり方】家族仲の良い環境を提供し、子供の自発的な観察や学びを促しています。
読者モデルになるのが夢!何でも良い方向に考える力
娘が10歳の2分の1成人式の時の話です。本気で好きな子供用のファッション雑誌の読者モデルになりたいと言い出しました。なりたい子はいると思いますが、本気でなれると思っているようで、「読モになるために、努力したい」という手紙を娘からもらいました。
時々びっくりするようなことを言い出す子で、他にも「サンタクロースは存在する」「お店のデコレーションケーキを自分でも作れる」と何でも良い方向へ考えています。いつもニコニコして挨拶や勉強もできるので、大人からも子供からも好かれています。
子供がしたいことをさせて、子供が楽しくなるようにいろいろ会話をしています。無理だとは言いません。何でもやりたいという気持ちを壊さないようにしましょう。
【ママの関わり方】子供の夢や「やりたい」という気持ちを否定せず、「無理だ」と言わずに応援しています。
子育て4コマ漫画:子供の発想って!確かにそうだけどユニーク
AI時代に必須!子供の創造性(発想力)が注目される理由
子供の発想は小さい頃からそれぞれ個性的で自由ですが、残念ながら多くの子供達は成長とともに常識の枠にとらわれてしまい、いつの間にか自由な発想を手放してしまいます。
しかし、現代社会に欠かせない技術であるテレビやインターネット、スマートフォンなどは、子供のような自由な発想を失わなかった大人達によるイノベーション(技術革新や創造的な活用)によってこの世に存在しています。
そのため先進国では、IT技術だけでなく、子供の様な枠にとらわれない自由な創造性が重要視されているのです。
日本国内でも、独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が「未踏IT人材発掘・育成事業」として、自由な発想とIT技術を持つ若い人材の育成を行っています。また、新学習指導要領にも創造性やSTEM教育(科学・技術・工学・数学)の重要性が反映されています。
この流れを受け、新学習指導要領が施行された令和2年度(小学校は令和2年度、中学校は令和3年度)から、全国の学校で、主体的・対話的で深い学びを促すアクティブラーニングや、論理的思考力を養うためのプログラミング教育の授業が行われるなど、学校やクラスの授業の様子は変わってきています。
子供の将来のためにも、親は子供の自由な発想や夢を否定せず、才能の芽として楽しみながら伸ばすように子育てしていきましょう。
