【パパの育児参加を促す】子育てに協力的な夫(イクメン)になってもらうための効果的なコミュニケーション術
近年、「イクメン」という言葉が浸透し、育児や家事に積極的に協力する旦那さんへの注目が高まっています。仕事から帰宅後も子供の世話を手伝ったり、辛い深夜の授乳を交代で担当したり、休日には率先して家事に取り組んでくれたりする協力的な姿は、多くのママにとって理想的ではないでしょうか。
しかし、実際には仕事や付き合いを理由に、なかなか育児に参加してくれない男性も少なくありません。ただ「イクメンになって欲しい」「子育てに協力して」と一方的に依頼するだけでは、かえって夫婦間の摩擦の原因になりかねません。子育てと同じように、夫婦のコミュニケーションを通じて、旦那さんが自発的に子育てに協力的なパパになってもらえるよう働きかけることが大切です。
「旦那を育てる」というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、要は「やる気はあるのに、きっかけやコツをつかめていない旦那さんの背中を、ママが上手に押してあげる」というイメージです。頭ごなしに指示するのではなく、ちょっとした声かけの工夫や役割分担の仕方を変えるだけで、旦那さんの育児参加への意識は驚くほど変わっていきます。この記事では、実際に効果があったとされる具体的な方法を、最新の調査データも交えながらご紹介します。
増えている!?育児協力への意識と「自称イクメン」の問題
「イクメン」という言葉の浸透とともに、育児に積極的に関わることへの社会的な肯定感が増し、「イクメンであることが素敵だ」と考える男性は増えています。実際、内閣府「令和4年版男女共同参画白書」によると、家事・育児等の役割分担について「妻と半分ずつ分担したい」と考える20代・30代の男性は7割を超えており、若い世代を中心に育児へ主体的に参加したいという意識を持つ男性は多いことがわかります。
数字で見る男性の育児参加。育休取得率も過去最高に
意識の変化は、実際の行動にも表れ始めています。厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業取得率は2023年度の30.1%から2024年度には40.5%へと、1年間で10ポイント以上も上昇し、過去最高を更新しました。2022年に「産後パパ育休」制度が創設されたことをきっかけに、企業側の環境整備も進み、男性が育休を取得しやすい空気が社会全体で少しずつ醸成されてきています。こうした社会の後押しも味方につけながら、家庭内でも旦那さんが育児に関わりやすい雰囲気を作っていくことが、今まさに大きなチャンスだと言えるでしょう。
しかし、一方で注意したいのが「自称イクメン」の存在です。例えば、「オムツを一度替えただけでも手伝ったと満足する」「一部の家事だけをやって全てを分担した気になる」など、子育ての全体像や大変さを十分に理解せず、自己評価が高くなってしまう男性もいます。子育ては一日に何度も繰り返される継続的な労働です。ママが納得できる育児参加を促すには、旦那さんの「参加したい」という意欲を、具体的な行動と継続的な協力につなげることが重要になります。
- 目立つタスクだけを担当し、準備や後片付けといった地味な作業はママ任せになっている
- SNSや周囲への「育児アピール」には熱心な一方、日々繰り返される地道な作業には消極的になりがち
- 「手伝う」という言葉そのものに表れているように、育児を自分ごととして捉えきれていない
もし旦那さんにこうした傾向が見られても、頭ごなしに責めるのではなく、「ここまでできているなら、次はここもお願いしたいな」と、次のステップを具体的に示してあげることが、真のイクメンへの近道になります。
多くの男性が抱える育児参加への障壁
前述の通り、多くの男性は家事や育児に協力したいという意欲を持っています。それにもかかわらず、育児参加が進まない背景には、主に以下の障壁が存在すると言われています。
- 自信のなさ: 「自分が手伝うとかえってママの邪魔になるのではないか」「やり方がわからず子供に怪我をさせてしまうのではないか」といった不安や自信のなさを感じています。
- 環境と慣習: 長時間の労働や、会社での男性が育児をすることへの理解不足といった社会的な環境が、家で手伝う気力を削いでいることがあります。
- 「手伝う」という意識: 育児を「ママの仕事を手伝う」という認識でいるため、積極的に自分の役割として主体的に取り組めないでいるケースが多く見られます。
- 何をすればいいかわからない: 家事・育児には名前のつかない細々とした作業も多く、そもそも「やるべきこと」自体が旦那さんには見えていないケースも少なくありません。
これらの障壁を取り除くために、ママ側からの具体的な働きかけや役割分担の提案が、イクメン育成の鍵となります。
イクメンを育てる!育児に主体的に協力してもらうための3つのコツ
特に新生児期や出産直後は、ママにとって最も負担が大きい時期ですが、この時期からこそ、夫婦で一緒に子育てをスタートすることが重要です。このタイミングで役割分担を始めることで、後々の育児協力の土台を作ることができます。以下に、旦那さんに育児に主体的に協力してもらうための具体的なコツをご紹介します。
1まずは形と役割から入ってみよう(具体的な依頼と分担)
育児や家事を始めるにあたり、専用のアイテムを用意したり、具体的な役割を与えたりすることで、旦那さんのやる気を高めることができます。
- 役割の明確化: 「手伝って」という曖昧な依頼ではなく、「ゴミ出しはパパの担当」「土曜日の朝食はパパの仕事」のように、明確な役割と担当領域を決めてみましょう。
- アイテムの活用: 料理なら旦那さん専用のエプロンや包丁、育児ならパパ専用の抱っこ紐など、「自分専用のもの」という認識は、役割への帰属意識を高め、やる気をアップさせる効果が期待できます。
- 初心者でもできる簡単なタスクから: まずはオムツ替え、風呂上がりの保湿、週末の公園遊びなど、マニュアル化しやすい、または子供との触れ合いが多い簡単なタスクから任せてみましょう。成功体験を積むことが、次のステップへの意欲につながります。
- タスクを紙に書き出して「見える化」する: 家事・育児には名前のつかない細かな作業がたくさんあります。それらを一度リストに書き出して冷蔵庫などに貼っておくと、旦那さんも「やるべきこと」を具体的にイメージしやすくなり、話し合いのきっかけにもなります。
2大げさなくらい褒めて承認欲求を満たそう(モチベーションの維持)
男性は、自分が認められていること、必要とされていることを強く認識することで、継続して行動するモチベーションを維持する傾向があります。家庭という最も身近な社会の中で、旦那さんが協力してくれたことに対しては、どんな小さなことでも大袈裟なくらい褒めてあげましょう。
- 結果だけでなくプロセスも褒める: 「ゴミ出ししてくれて助かったよ」「疲れているのに子供を抱っこしてくれてありがとう」など、感謝の言葉を添え、行動そのものを承認することが重要です。
- 第三者からの評価: 子供の前や、義父母・友人の前で「パパが最近、熱心にお風呂に入れてくれて」などと褒めることで、社会的な地位や名誉を追及する欲求が満たされ、協力意欲がさらに高まることが期待できます。
- 否定的な言葉は避ける: たとえやり方がママと違っていても、「違うよ」「こうして」と否定する言葉は避けましょう。「ここだけ少し直してくれる?」など、肯定的な言葉で修正を促す方が効果的です。
家事や育児の「行動」そのものを褒めることに加えて、忘れずに伝えたいのが、ママ自身の頑張りに寄り添う一言です。夫婦間コミュニケーションに関する研究では、旦那さんが家事・育児を実際にどれだけこなしたかという行動面よりも、気持ちに寄り添う「情緒的なサポート」の方が、夫婦関係の満足度を高める効果が大きいことが指摘されています。「ありがとう」だけでなく、「今日も一日お疲れさま」「よく頑張ってるね」と、ママの頑張りそのものを労う声かけも意識してみましょう。
3夫婦で育児の楽しさを共有し、環境を整える
育児は大変なことも多いですが、子供の成長を見守る楽しさは、何よりも親のやる気を引き出してくれます。ママが常にイライラしたり、育児の愚痴ばかりをこぼしたりしていると、男性は「大変そうだから逃げたい」と感じてしまうかもしれません。
実際、東京都が2023年に実施した「男性の家事・育児実態調査」でも、夫婦間の家事・育児分担の満足度を上げるには「話し合って協力する」「感謝の気持ちを伝え合う」ことが重要だと多くの夫婦が回答した一方、「夫婦で十分なコミュニケーションが取れている」と感じている人は半数にとどまるという結果が出ています。日々のちょっとした対話の積み重ねが、協力的な夫婦関係の土台になると言えるでしょう。
- 楽しさを共有する: 子供の「初めてできたこと」「面白い行動」など、育児のポジティブな出来事を積極的に旦那さんと共有しましょう。育児は楽しいという前向きな感情を共有することで、旦那さんは「自分もやってみよう」「またやろう」という気持ちになることができます。
- 夫婦の対話時間を確保する: 育児や家事の分担だけでなく、夫婦の会話や一緒にリラックスする時間を意識的に作ることが大切です。良好な夫婦関係は、育児への協力体制を維持するための土台となります。
- 「役割交代」の意識: どちらか一方が疲れているときは、遠慮なく「少し休ませてほしい」と伝え、一時的な役割を交代することも必要です。「ワンオペ」ではなく「チーム」として、お互いをサポートし合う意識を持ちましょう。
効果が出るまで焦らない!長期的な視点を持つことも大切
ここまで紹介してきたコツを試しても、旦那さんの変化がすぐに目に見えて表れるとは限りません。長年染みついた「育児は手伝うもの」という意識を変えるには、ある程度の時間がかかるのが自然です。焦って「なんでできないの?」と問い詰めてしまうと、旦那さんが萎縮したり、話し合い自体を避けるようになったりする逆効果を招くこともあります。
不満を伝えるときは、「あなたはいつも〇〇してくれない」と相手を主語にするのではなく、「私はこう感じている」「こうしてもらえると助かる」と、自分を主語にして気持ちを伝える話し方を意識してみましょう。感情的にぶつけるのではなく、事実と気持ちを整理してから、落ち着いたタイミングで伝えることで、旦那さんも防衛的にならずに耳を傾けやすくなります。小さな変化を見逃さずに認め合いながら、夫婦二人で少しずつ理想の形に近づけていく姿勢が、結果的に一番の近道になります。
イクメンになってもらう努力と、ありのままの理解のバランスを
家族の形や価値観は千差万別です。旦那さんに子育てに協力的になってもらうための働きかけは大切ですが、時にはありのままの旦那さんを受け入れてあげる姿勢も重要になります。
どんなにイクメンになって欲しくても、「育てる」ことに必死になりすぎたり、過度にコントロールしようとしたりするのは禁物です。もしも自分の旦那さんが「良妻賢母の育て方」などを調べていたら、逆の立場で考えてみると、プレッシャーに感じてしまうのではないでしょうか。夫婦の信頼関係を損なわないよう、お互いを尊重し、感謝の気持ちを伝え合うことが、最終的に協力的な関係を築くための最も大切な要素です。
大切なのは、旦那さんを「完璧なイクメン」に変えることではなく、夫婦それぞれが無理なく続けられる形を、対話を重ねながら一緒に見つけていくことです。そのプロセス自体が、子供にとっても「協力し合う夫婦の姿」を見せる、何よりの教育になるはずです。



