【パパの育児参加を促す】子育てに協力的な夫(イクメン)になってもらうための効果的なコミュニケーション術
近年、「イクメン」という言葉が浸透し、育児や家事に積極的に協力する旦那さんへの注目が高まっています。仕事から帰宅後も子供の世話を手伝ったり、辛い深夜の授乳を交代で担当したり、休日には率先して家事に取り組んでくれたりする協力的な姿は、多くのママにとって理想的ではないでしょうか。
しかし、実際には仕事や付き合いを理由に、なかなか育児に参加してくれない男性も少なくありません。ただ「イクメンになって欲しい」「子育てに協力して」と一方的に依頼するだけでは、かえって夫婦間の摩擦の原因になりかねません。子育てと同じように、夫婦のコミュニケーションを通じて、旦那さんが自発的に子育てに協力的なパパになってもらえるよう働きかけることが大切です。
増えている!?育児協力への意識と「自称イクメン」の問題
「イクメン」という言葉の浸透とともに、育児に積極的に関わることへの社会的な肯定感が増し、「イクメンであることが素敵だ」と考える男性は増えています。実際、内閣府男女共同参画白書によると、「仕事と同じくらい家事や育児を優先したい」と考えている父親は50%を超えており、育児に参加したいという意識を持つ男性は多いことがわかります。
しかし、一方で注意したいのが「自称イクメン」の存在です。例えば、「オムツを一度替えただけでも手伝ったと満足する」「一部の家事だけをやって全てを分担した気になる」など、子育ての全体像や大変さを十分に理解せず、自己評価が高くなってしまう男性もいます。子育ては一日に何度も繰り返される継続的な労働です。ママが納得できる育児参加を促すには、旦那さんの「参加したい」という意欲を、具体的な行動と継続的な協力につなげることが重要になります。
多くの男性が抱える育児参加への障壁
前述の通り、多くの男性は家事や育児に協力したいという意欲を持っています。それにもかかわらず、育児参加が進まない背景には、主に以下の障壁が存在すると言われています。
- 自信のなさ: 「自分が手伝うとかえってママの邪魔になるのではないか」「やり方がわからず子供に怪我をさせてしまうのではないか」といった不安や自信のなさを感じています。
- 環境と慣習: 長時間の労働や、会社での男性が育児をすることへの理解不足といった社会的な環境が、家で手伝う気力を削いでいることがあります。
- 「手伝う」という意識: 育児を「ママの仕事を手伝う」という認識でいるため、積極的に自分の役割として主体的に取り組めないでいるケースが多く見られます。
これらの障壁を取り除くために、ママ側からの具体的な働きかけや役割分担の提案が、イクメン育成の鍵となります。
イクメンを育てる!育児に主体的に協力してもらうための3つのコツ
特に新生児期や出産直後は、ママにとって最も負担が大きい時期ですが、この時期からこそ、夫婦で一緒に子育てをスタートすることが重要です。このタイミングで役割分担を始めることで、後々の育児協力の土台を作ることができます。以下に、旦那さんに育児に主体的に協力してもらうための具体的なコツをご紹介します。
1まずは形と役割から入ってみよう(具体的な依頼と分担)
育児や家事を始めるにあたり、専用のアイテムを用意したり、具体的な役割を与えたりすることで、旦那さんのやる気を高めることができます。
- 役割の明確化: 「手伝って」という曖昧な依頼ではなく、「ゴミ出しはパパの担当」「土曜日の朝食はパパの仕事」のように、明確な役割と担当領域を決めてみましょう。
- アイテムの活用: 料理なら旦那さん専用のエプロンや包丁、育児ならパパ専用の抱っこ紐など、「自分専用のもの」という認識は、役割への帰属意識を高め、やる気をアップさせる効果が期待できます。
- 初心者でもできる簡単なタスクから: まずはオムツ替え、風呂上がりの保湿、週末の公園遊びなど、マニュアル化しやすい、または子供との触れ合いが多い簡単なタスクから任せてみましょう。成功体験を積むことが、次のステップへの意欲につながります。
2大げさなくらい褒めて承認欲求を満たそう(モチベーションの維持)
男性は、自分が認められていること、必要とされていることを強く認識することで、継続して行動するモチベーションを維持する傾向があります。家庭という最も身近な社会の中で、旦那さんが協力してくれたことに対しては、どんな小さなことでも大袈裟なくらい褒めてあげましょう。
- 結果だけでなくプロセスも褒める: 「ゴミ出ししてくれて助かったよ」「疲れているのに子供を抱っこしてくれてありがとう」など、感謝の言葉を添え、行動そのものを承認することが重要です。
- 第三者からの評価: 子供の前や、義父母・友人の前で「パパが最近、熱心にお風呂に入れてくれて」などと褒めることで、社会的な地位や名誉を追及する欲求が満たされ、協力意欲がさらに高まることが期待できます。
- 否定的な言葉は避ける: たとえやり方がママと違っていても、「違うよ」「こうして」と否定する言葉は避けましょう。「ここだけ少し直してくれる?」など、肯定的な言葉で修正を促す方が効果的です。
3夫婦で育児の楽しさを共有し、環境を整える
育児は大変なことも多いですが、子供の成長を見守る楽しさは、何よりも親のやる気を引き出してくれます。ママが常にイライラしたり、育児の愚痴ばかりをこぼしたりしていると、男性は「大変そうだから逃げたい」と感じてしまうかもしれません。
- 楽しさを共有する: 子供の「初めてできたこと」「面白い行動」など、育児のポジティブな出来事を積極的に旦那さんと共有しましょう。育児は楽しいという前向きな感情を共有することで、旦那さんは「自分もやってみよう」「またやろう」という気持ちになることができます。
- 夫婦の対話時間を確保する: 育児や家事の分担だけでなく、夫婦の会話や一緒にリラックスする時間を意識的に作ることが大切です。良好な夫婦関係は、育児への協力体制を維持するための土台となります。
- 「役割交代」の意識: どちらか一方が疲れているときは、遠慮なく「少し休ませてほしい」と伝え、一時的な役割を交代することも必要です。「ワンオペ」ではなく「チーム」として、お互いをサポートし合う意識を持ちましょう。
イクメンになってもらう努力と、ありのままの理解のバランスを
家族の形や価値観は千差万別です。旦那さんに子育てに協力的になってもらうための働きかけは大切ですが、時にはありのままの旦那さんを受け入れてあげる姿勢も重要になります。
どんなにイクメンになって欲しくても、「育てる」ことに必死になりすぎたり、過度にコントロールしようとしたりするのは禁物です。もしも自分の旦那さんが「良妻賢母の育て方」などを調べていたら、逆の立場で考えてみると、プレッシャーに感じてしまうのではないでしょうか。夫婦の信頼関係を損なわないよう、お互いを尊重し、感謝の気持ちを伝え合うことが、最終的に協力的な関係を築くための最も大切な要素です。




