イクメンとは?本当はどういう意味?ママから見た真のイクメン像
最近すっかり浸透しているイクメンとは、一体どういうパパを指している言葉なのか、あなたはご存知ですか?
「イクメンが増えている」と言われますが、実際にママから見ると「何をしたらイクメンなの?」「これくらいでイクメンとか言わないで!」など、人によって定義が違いあいまい。そのため、「俺、イクメンだから!」のパパの一言にイラッとくるママや、冷ややかな眼差しを向けるママも多数いるのです。
今回はイクメンとはどういう意味か、パパとママの認識の違いや勘違いイクメン体験談、厚生労働相の推進するイクメンプロジェクトについてご紹介します!子育てには、夫婦の意見を一致させることがとっても大切!ぜひ、真のイクメンになってもらえるように情報を提供し、夫婦仲良く子育てをしていきましょう。
イクメンとはどういう意味?
イクメンとは「育児をするメンズ(男性)」という意味で、イケメンをもじった言葉として誕生しました。2010年には、流行語大賞にノミネートされたほどで、イクメンと聞くと、つるの剛士さんや谷原章介さんなどの有名人の名前がパッと何人か思い浮かぶのではないでしょうか?
ママにとっては有難い旦那さんであるイクメンですが、このイクメンという言葉が広く認知されるに従い、そのイメージや意味は男女の間で少しずつ違ってきているようです。
「少しでも育児をした⇒イクメン⇒いいパパ、と自慢する夫」VS「ちょっとしかしていないのにこれでイクメン気取り?と首をかしげる妻」という光景、あなたも周囲でも見かけたり、実際に体験したりしていませんか?
パパが考えるイクメンとは?
パパが考えるイクメンとは、「少しでも育児に参加するパパ」。「おむつを替えた」「一緒にお風呂に入った」「一緒に遊んだ」など、単に子供の世話をした場合を捉えていて、ママのイメージするイクメンアシストからはズレていることが多いのです。
また、離乳食作りや遊びなど、好きなことだけは徹底的に凝ってやり、後片付けは全くしない自称イクメンパパも少なくありません。とにかく子供のために尽くしたことで、「俺は家族のために頑張るイクメンだ!」と自画自賛するのですが、ママにしてみると「仕事が増えてかえって迷惑!」と、仕事が増える負担で不満が募ってしまうのです。
確かに赤ちゃんから見ると、何もしてくれないパパに比べ、自称イクメンパパは触れ合いがある良いパパでしょう。でも、「寝不足でフラフラ」「分からないことだらけで不安」「赤ちゃんと二人きりで孤独」「子育ての不安に押しつぶされそう…」といった深刻な悩みを持つママにとって、自称イクメンパパを育児で頼れるパートナーとは感じられない場面も多くあるのは、致し方ありませんよね。
イクメンとはママが育てるもの?!
多くのママ達がパパと自分を同じ目線で捉え、「自分も初めてだけどやっているんだからパパもやるべき」と、ママが自分自身に課しているようにパパに父性や家事力、育児力を期待してしまいがちです。
また、逆に「パパは仕事があるから…」と恋人時代や新婚時代のように、ついついパパを思いやり「私がやった方が早いから…」とママが家事や子育てを一人でこなそうとして、パパのスキルや責任感はちっとも上がらず、ママだけが追い詰められてしまうケースも…。
パパにしてみると、妊娠期間中、赤ちゃんの成長と共に母親へと変化していったママと違い、なかなか父性が目覚めてくれなかったり、ママのように手が小さくて細やかな作業ができず、きれいに赤ちゃんのお尻を拭けなかったり、手早く片付けができなかったり、根気がなかったり…と男性ならではの特性でママのように上手くできず、怒られて「俺だって一生懸命やってるのに…」とヘソを曲げてしまうこともあるのです。
ですから、「ママになったらパパを甘やかしすぎず、かといって責めたりせず、パパをイクメンに育てることが大切」と、パパのやる気を上手にアップさせてイクメン育てに精を出し、円満家庭を築いているママも少なくありません。
自称イクメンをイクメンに♪やる気アップのコツ
「イクメンになりたい」「ママの負担を少しでも減らしたい」「ママに笑っていてほしい」と思って、頑張る自称イクメンパパ。そんなパパのママや子供への愛情を汲み、「やってくれると助かるわ~」「こんなことできるなんてすごい」と気分が上がるように褒めると、パパはもっとやる気になりますよ。
1お願いしたことは手を出さない
女性脳は非常に優秀で、男性脳と違い同時に複数のことをこなせ、洞察力も鋭く細やかに色々な点に気づくことができますが、男性脳はそのように出来ていません。ですから、一生懸命やっていても、どうしても女性から見ると漏れが出てしまいます。
けれど、パパはパパなりに一生懸命やっているのです。男性脳は頑張っている時に口や手を出されると、やる気がなくなりますので、慣れるまでは時間もかかるし、要領も悪いのですが、見守るようにしましょう。
2命令ではなくお願いをする
男性脳は気持ちや生理的欲求を満たしたい女性脳と違い、とにかく自分の存在を認めて欲しいという欲求が強いのです。ですから、上から目線で「これやって!」と言われてしまうと、せっかくのやる気もなくなってしまいます。「○○やってくれると助かるんだけどなぁ」と依頼する形で伝えましょう。
3感謝の気持ちを伝える
やってくれたことに対する感謝の気持ちを、言葉で伝えることも大切です。「ありがとう、助かるわ」と言われると、「また頑張ろう」という気持ちになります。
「感謝なんてできない」「余計なことばかりされて、何もしないでくれた方がまだマシ」と思うママは、将来のことを少し考えましょう。今はママ一人の方が楽でも、これから子供が思春期に突入すると、どうしてもパパの力が必要になることもあります。その時、反抗期の子供から無責任に逃げてしまうパパにしないためにも、今のうちに感謝の気持ちを伝えることで、父親としての責任感を育てておくことが大切です。
ママから見た真のイクメン5つの特徴
イクメンという言葉がキライというママも少なくありません。「俺ってイクメンだから~」と言われても、パパとの間に、イクメンという言葉のギャップを感じているのかもしれませんね。「パパが家事や育児をするのは当たり前なのに、わざわざイクメンという言葉を使って恩着せがましい」と思っているママも少なくないのです。では、ママが考える真のイクメンとは、どのような特徴や姿があるのでしょうか?
1自分でイクメンと言わない/自慢しない
「会社でイクメンって言われちゃったよ~」と嬉しそうに話すパパを見て、引いてしまうママは多いようです。職場で「お風呂に入れている」「一緒に遊んだ」という話をしたら「イクメンなんですね~」と言われ、その気になっている、というケースです。
実際は「たまにお風呂に入れただけ」「一緒にスマホのアプリで遊んだだけ」ということも多く、ママにとっては「これでイクメンですか?」という疑問を抱かせるようなことになるかもしれません。
真のイクメンは、自分からアピールや自慢をしない、あえて言わない、という意見が大多数です。
2育児を楽しんでいる
子供と関わることが好きで、時間がある時は子供と一緒に遊んだり、世話をしたりするパパもイクメンと言われています。仕事が忙しくて平日はなかなか子供と触れ合う時間がなかったとしても、休みの日は子供と楽しそうに過ごしている姿を見ると、ママも嬉しくなりますよね。
気持ちや生理的欲求が満たされることを望む女性脳をもつママにとって、パパが愛情を持って子供と接してくれている姿は、それたけでママの気持ちを満たし、幸せにしてくれることが多いのです。ですから、「愛情を持って子供を見てくれるだけでも十分!」と考えるママもたくさんいるようです。
3子供を安心して預けることができる
パパはママ抜きで子連れのお出かけができますか?実は「安心して任せることができたらイクメン♪」という意見がたくさんありました。子供を連れて出かけるのは、思いのほか大変です。荷物も多いし、帰るころには子供が疲れてぐずったり眠ったりすることもあります。ちょっとそこまで、なら大丈夫でも長時間はNGというパパも少なくありません。
逆にママが出かけている間、安心して任せられるというパパもイクメンポイントが高いです。美容院や歯医者などは、日頃から行きたくてもなかなか行けずに我慢しているママが多いため、「子供とパパだけを置いて出掛けられるなんて素敵!」と、周囲のママから見ても「うらやましい!」の一言に尽きますよ。
4自然にやってくれている
いつも当たり前のように、育児に参加しているパパもイクメンと呼ばれています。働くママも増えていますので、協力し合いながら子育てをしているパパも多くいますよね。気が向いた時にだけ子供の世話をしたり遊んだりするのではなく、「決めたことは責任を持ってきちんとやり遂げる」という姿勢は、社会で働いていても信頼に繋がる大切なことですし、当然ママにとっても信頼できるパートナーと感じられるのです。
「今日は早く帰るから」「早く帰ってお風呂に入れるから」と言って、結局遅くなってしまうというパパも少なくありません。ママは「待っていたのに」「こんなことなら自分ですればよかった」と思うことになります。けれどそんな忙しいパパはイクメンになれない訳ではありません。
無理をしないで、できる範囲で、家事や育児をいつものようにしてくれるだけでも大助かりですし、早めに電話やメールで予定変更を知らせてくれるだけでも、パパの責任感の強さ感じられ気持ちが満たされるのです。
5ママをさりげなくフォロー
ママがご飯の支度をしている時に、子供と遊ぶ、洗濯ものを取り込む、など「育児以外でもママがやりやすくなるようにサポートしてくれるパパはイクメン」と考えるママは多いです。「お願い」と言わなくても察してやってくれると、とても嬉しいですよね。そして、パパに「いつもありがとう」と感謝されると嬉しくなります。
真のイクメンとは、育児を手伝うだけでなく、忙しくしているママを気遣い、さりげなくフォローしてくれる姿なのかもしれませんね。
勘違いイクメンとは?先輩ママの体験談
自分をイクメンだと勘違いしているパパに、ママの厳しい意見も?!パパにとってはイクメンでも、ママにとっては「?」なこともあります。勘違いイクメンを持つ、ママの体験談を聞いてみました。
Aこれでイクメン?
子供のことは好きで、よく遊んでくれたりしますが、「自称イクメン」なのがちょっと・・・。親の前や、外出先などでは率先して育児をしてくれるのは、助かるのですが、家では、自分からすることは少なく、言わないとやってくれません。おむつ替えも、おしっこはOKうんちはNG。「これでもイクメン?」とちょっとイラッとするときもあります。
それでも、「パパがやってくれると助かる~」と持ち上げていますが、心の中ではもうちょっとやってほしいなぁと思っています。
Aお風呂に入れてくれるけど
自称イクメンの夫の自慢は「赤ちゃんの時から風呂に入れている」です。確かに、ありがたいですし、夕方帰ってきてからお風呂に入れてくれるのは助かります。ですが、準備はすべて私です。
文字通り「お風呂に入れている」だけで、風呂に入る前に服を脱がせるのも私、その後の着替え、ドライヤーは私がやっています。夫は子供を先に上がらせた後、ゆっくりしてから上がってくるので、バタバタしているところを手伝う訳でもなく・・・。
「お風呂に入れるって自慢しているんだったら、着替えまでさせてよー」と思っちゃいますね。望みすぎなんでしょうか?
イクメンと厚生労働相
そもそも、イクメンという言葉は、2010年に当時の厚生労働大臣が「イクメンを流行らせたい」と発言し、イクメンプロジェクトを立ち上げ、一気に認知度が上がりました。
イクメンプロジェクトとは厚生労働省が支援する、育児を楽しむパパを増やしたい、もっと育児に関わってほしい、パパも育児休暇を取得してほしいという願いを込められたプロジェクトです。
父親の育児休暇取得率は2014年度で2.3%と前回より 0.27ポイント上昇しているもののまだ低く、2017年度に10%、2020年度には13%まで上げることを目標としています。世界的に見ても、日本は父親が育児休暇を取ることが少ないので、今後も継続して行われていくでしょう。
「育児休暇を取得するのがイクメン」「育児に積極的に関わることがイクメン」と色々な捉え方もできます。ですが、「イクメン、イクメン」と言葉だけが一人歩きをしている部分もあり、言葉自体がママの嫌悪感やイライラを膨らませる種になっては、本末転倒ですよね。
「俺はイクメンだ!」と思うパパや、ママが求める真のイクメンを目指すパパは、ぜひ「ママの笑顔が子供や家庭の幸せに繋がる」ということを心に留めて、ママのメンタル面や体力面への配慮、ママとのコミュニケーションを大切にしてほしいですね。